プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~ 作:黒点大くん
右の子供の七ターン目だ。
「ドロー。コスト4でサイバネティクスーツ発動。メガライオンを選ぶ。サイバネティクスーツは全ステータスを1ずつ上げるぜ。癒しの使い手に攻撃。破壊。ターンエンド」
まあ薬草アルラウネに攻撃するわけじゃないからいいか。
左の子供の七ターン目だ。
「ドロー。チャージ。薬草アルラウネに攻撃しなければいいってことか」
「もしそうだったら結構露骨だろ。でも手札に
カードゲームをするうえで自分に都合のいい思い込みはよくないけどな。
ヒーリングバリアもあるからな。
「コスト3でヴァンパイアファング発動。ハイパーティラノサウルスを選ぶ。ハイパーティラノサウルスで
「ヒーリングバリア発動。
ほらな。所詮子供の浅知恵よ。左が30、右が24だな。
まあ浅知恵じゃなかったら倒れてるけど。浅知恵で助かった。
「防がれちゃったか。防がないって言ってたのに。このウソツキ」
「結構露骨とは言ったし、手札に
「そっかー。へりくつばっかりー。ターンエンド」
これだけ強く見えるのに攻撃力はにわとりと同じだと思うと途端にショボく思えてしまう。
俺の八ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト4で旅の薬売り発動。右の子供の生命力を4回復して3枚ドロー。薬草アルラウネ復活。薬草アルラウネでメガラビットに攻撃。
準備は整った。
ここでダメ押しをしておこう。
「お前たちは
戻せば回復、戻さねばライブラリアウト。どう転んでも俺には得しかない。でもヒーリングバリアの回復は相手プレイヤー次第だから穴はそこにある。
右の子供がデッキを見つめた。
「デッキが薄い」
「ライブラリアウトか。直接戦わないなんて卑怯だぞー」
「でもさ。言わなきゃバレなかったよね。怪しい。きっともっと他に狙いがあるんだよ」
左の子供はなかなか勘が鋭いようで。
それらしい言い訳を考えてみるか。
「だって弱い奴二人に手の内を明かしても戦況が不利になるなんてことはないもんね。そ、れ、にぃ~もし負けたときのためにそれらしいことを言って恩を売るのも大事だもん」
「そう言った時点で恩は売れない」
「あっしまった。うっかりしてた。あ~やっちゃった」
「コイツただのうっかりさんだぜ」
「そうみたいだね」
嘘は言ってない。恩を売るのは実際大事だもんね。ただ騙しただけだから。
右の子供の八ターン目だ。
「ドロー。手札を4枚戻して生命力を8回復。コスト5でメガライオンを召喚。メガライオンで薬草アルラウネに攻撃」
「ヒーリングバリア」
「メガライオンで薬草アルラウネに攻撃。破壊。ターンエンド」
まるで気分はアリジゴク。思い通りに事が運んでいる。
左の子供の八ターン目だ。
「ドロー。手札を3枚戻して生命力を6回復。コスト4でハイパーティラノサウルスを召喚。今召喚した方のハイパーティラノサウルスで薬草アルラウネに攻撃」
「ヒーリングバリア」
「ハイパーティラノサウルスで癒しの使い手に攻撃。破壊。ターンエンド」
左右ともに生命力36か。あれさえ来れば切り札が出せるな。
俺の九ターン目だ。
「ドロー。コストを15軽減してコスト5で魔導回復生命体を召喚。そして場に
「でも攻撃力も防御力も0じゃん。弱いね」
「登場時このカードの全ステータスは自分以外のプレイヤーの生命力の合計値の半分+1-自分以外のプレイヤーの数×10の数値となる。37-20だから17だ。出せれば強いぞ。出せればな。
左右の子供は何もせずにターンを終えた。
俺の十ターン目だ。
「ドロー。
全身をズタズタにされるような痛みが襲う。
「ぐあああああ。があああ。ぐぅうう。ぁぁああああああ」
例えるなら焼かれ、潰され、溺れ、頭の中に直接練りわさびを入れられるような痛みを全て味わうような苦痛。この痛みに対する説明がある。外傷もなくこの痛みをすぐに忘れるようにしてある。慣れさせず新鮮な痛みを味わせるために心が壊れないようにしてある。
叫んでいたから喉が痛い。
「コスト3で無限ラッシュ。右の子の胤果に攻撃。破壊。右の子の生命力は16になった。もう一体の胤果に攻撃。破壊。右の子の生命力は8になった。もう一体の胤果に攻撃。破壊ィ。生命力は4になった。左のお前にも同じことをするぜ。右の子に攻撃。ターンエンド」
左の子供は何もできずターンを終えた。
俺の十一ターン目だ。
「ドロー。
全身を雑巾のようにねじられながら斬られるような痛みが襲う。
「
場がすっきりした。
「二時間たてば元の効果に戻るらしいな」
使えば叫ぶほど痛いのに弱体化するとは質が悪い。