プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~ 作:黒点大くん
何とか勝てたのでデッキを渡さずに済んだ。
「ギリギリ勝った」
「負けたー」
アレックスが近づいてきた。
「カードファイトをシマショー」
「マイペースかお前。喉が痛いから無理に決まってんだろ。こうしてツッコミするのもつらいんだぞ」
「いきなりシャウトするから喉がペインなのデース」
くっそぉ。叫びたくなるほど痛かったから叫んだのにそれが分からないなんて。でも実際に外傷はないし、その痛みも受けた本人でさえ忘れてるからいきなり叫んだと思われても仕方がないか。
「さきほどユーは二時間たてば元のエフェクトに戻ると言いマシタ。つまり二時間たつ前にカードファイトをすればよいのデース」
「俺にとってそのカードファイトをメリットはナッシングなんだよね。逃げマース」
全速力で逃げた。
すぐに追いつかれた。
「おそすぎ」
「疲れるの早すぎ」
うるさいな。それは気にしてんの。
こうなったらやるしかないのか。
「そんなことされちゃ俺が困る」
「お前はいつも肝心な時にいないカシヨ。いつも肝心な時にいないカシヨじゃないか。今度はちゃんと間に合ったんだな」
「いやみったらしい言い方だな。今度そんな事言ったら助けねえぞ」
「そうだよね。今のはバカにバカって言うようなものだもんね」
カシヨが俺を睨む。
カシヨは舌打ちをした。
「ワープゲート」
空間に開いた穴に逃げ込んで逃げきる。
これで良し。
「なんで今まで肝心な時に限っていなかったんだ?」
「
「今までは
SOLのことを知っていたのは、俺が考えてデッキを組むときにカードを散らかす癖があるからだろうな。
カシヨは俺の頭を撫でる。
「止めろ。そういうのは確認とって許可とってからにしろ。まあお前がいくら確認しても絶対に許可はやらないがな」
「理性を無くして遠吠えさせるなんてヤバいな。使わないようにしとこ」
「そうじゃねーよ。使うとすっげえ痛いんだよ。しかも痛みを忘れるから、慣れない痛みに苦しむこととなる」
使わないだろうし、使わせないから今後一生この痛みは分かるまい。
カシヨはため息をついた。
「つくならもう少しマシな嘘をついてくれ」
「ぐぬぬ。それで
「痛みだのなんだのはともかく使ったら二時間弱体化するっていうのは、少し考え所だな。弱体化してなお強いかもしれないしな。見せてくれ」
SOLを見せた。カシヨは嫌そうな顔をする。
まあアレだけ弱体化してたらそんな反応もするわな。
「ただレアなだけのカードだな。そんなに積極的に使うようなものでもないか」
SOLを返された。
レアカードに目がないカードハンターでさえゲットするのをためらうほど弱いということだ。
「そんなにウィークネスなら使わないのも当然デスネー」
「お前なんでこんなところにいるんだよ」
その現れ方は二回目なので、もう驚いてやれない。
「ホールがオープンしっぱなしデース」
ワープゲートをくぐって来たのか。
カシヨのせいじゃん。
「お前さ、戸締まりはちゃんとしろよ」
「職業が職業だから戸締まりされると困るんだよね。だから戸締まりをしなかったのかもしれないな」
「ふざけたことを言うんじゃねえよ」
全くもう。
アレックスはデッキを構えた。
「トゥルーファイトエントリー」
「仕方がねえ。無慈悲にいくか。トゥルーファイトエントリー」
エントリーする直前にデッキをすり替えてたな。なんのデッキを使うつもりなんだろ。
アレックスのデッキが赤く光った。
「マインターン。手札の獣鬼コンプレッサーパンダ、獣鬼マンドリル、獣鬼クレインを見せて、獣鬼発進基地を発動しマース。ターンエンドデース。イッツスピーディー」
「コンプレッサーパンダとクレインを見せることで牽制もしてやがる。感心するぜ」
「コンプリメントしされてもうれしくないデース」
アレックスはとてもうれしそうな顔をしている。
カシヨの1ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト1で魔を導く者を召喚」
「ワッツ?! アルカナンバーじゃないデース。イッツミステリー」
「いやカシヨのデッキに汎用カードは普通に入るよ。アルカナンバーはたった23枚しかデッキにいれなくていいからな。魔を導く者も汎用性はなくもない」
「そうデスネー。アンダースタンドしマシタ」
アルカナンバーではなさそうだが、思考を乱すためにアルカナンバーだと思い込ませよう。