プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~ 作:黒点大くん
少女からは驚くほどの重圧を感じる。
「ここはビートダウンズの砦。我らが敵を抹殺すル。そこのふしだらな覆面からはビートダウンズの怨念を感じル」
「ふしだらだと。このファッションセンスが分からないとはセンスも古代だな」
服着てないカシヨの方が古代的でしょ。原始人は服着なかっただろうし。文明人度は少女の方が遥かに高い。
少女はデッキケースを上に投げて、上半身裸になった。
「ファっ!?」
手で視界を塞ぐ。
「誘惑しようとしても無駄だ。俺はロリコンじゃない」
「よく見ロ。私は人間ではなイ」
指の間から様子を見ると、少女の胸には人間にはあるべきものが付いてなかった。普通は男女平等に付いてるはずなのに。アニメでよくある謎の光や海苔がいらない子だ。
少女の胸が観音開きする。
「なにもない……空っぽだ」
中身はがらんどうであった。
「中身はないけど中身があル。私はビートダウンズ文明の守護者マンジュ・カエイ。ナンバーは56241」
カエイは胸を閉じて、服を着た。カエイは落ちてきたデッキケースをキャッチして構える。
空中に赤いバッテンが浮かぶ。
「デキマセン。デッキノ枚数ガ足リマセン」
「カードゴッド様のお言葉通りなら、デッキの枚数」
「そんなことないんだけどな。スペシャルとかアサルトとか変なの混じってたけど、ちゃんと40枚入れたぜ」
「敗者だからデッキも使えヌ。カードもなイ。仕方がなイ。これをやろウ」
カードを15枚貰った。貰ったカードを即席デッキに入れる。
赤いバッテンが消えると、カエイのデッキが赤く光った。
「よシ。見せしめとしてそこのちっこいのを壊ス。メイクファイトエントリー」
カエイはひざまずく。カエイの膝から矢が飛んできて、俺の顔面を横切る。カエイは立ち上がった。
「さっさとしロ。時間稼ぎはさせン。警告のためにわざと外したが、次は当てル」
「ヒェッ」
「メイクファイトエントリー」
死ぬほど痛い目に合うのと死ぬのじゃ痛い目の方がマシ。
デッキの右横にカードの束が出来る。墓地はデッキの右上だからマジで何なのかわからん。
「お前もスペシャルデッキを使うのカ。スペシャルデッキは実力が高くないと使いこなせないハズ。勝率の低そうなお前が何でスペシャルデッキを使えるんダ」
「訳も分からず勝率低いって言われた俺の気持ちにもなってみろ」
要するに普段使っているデッキとは別のものということだな。カードジョブオンラインには実装されていないんで分からなかったぞ。
カエイの一ターン目だ。カエイのデッキの右横にもスペシャルデッキがあるな。
「チャージ。カードを二枚裏側にして置く」
「なんだそれは」
「目の前には周りとは土の色が違い、周りに土が積まれていル。危険であることは容易に想像できル。しかし進まねば勝てぬゆえに、歩まなければならヌ」
どういうことだよ。
俺の一ターン目だ。
「ドロー。なんだこれ」
アサルトカードか。ふむふむ。アサルトカードは自分の場に裏側で置けば、次のターン以降コストを支払わずに使用できるのか。
「チャージ。カードを一枚場に置く。ターンエンド」
カエイのカードもアサルトカードなんだろうな。今は手札が悪いので攻撃しない。
カエイの二ターン目だ。
「ドロー。チャージ。アサルトカードを一枚発動。魔導講習。デッキからコスト1の魔法カードをサーチすル。
二枚目のアサルトを使用せず、場にはモンスターがいない。つまり二枚目のアサルトはダメージを受けないと使えないカードなんだろうな。露骨すぎるぜ。
俺の二ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト2でメガチャージ発動。ターンエンド」
カエイの三ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト1で
なにも来ない。
俺の三ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト3でハイパービーストを召喚。ハイパービーストでプレイヤーに攻撃」
カエイの職業は戦士だからハイパービーストじゃ傷をつけられない。しかしこの攻撃は意味がないように見えて意味があるのだ。それはアサルトの様子見が出来るということだ。
カエイの口角が上がる。
「アサルトカード発動。
「ターンエンド」
得してしまったか。
カエイの四ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト2で
「インチキくせーな。コスト2でやることかよそれ」
「まだ終わらヌ」
まだ先があるのかよ。