プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~   作:黒点大くん

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百四十七枚目 デュアル

「 新しいデッキと今までのデッキをうまい具合に組み合わせれば、大幅に強くなるだろうな。

「すげえ熱光線食らってたけど大丈夫かよ」

「薬で抑えてるから大丈夫だろ」

「それもそうだな」

 本当はめっちゃ痛いけど今はこいつの前で本音を言いたくねえ。

 

 カシヨからたたんだ服をもらった。

「あと偶然服を見つけたぜ。要らねえからやるよ」

「ありがとう」

 この服前までの服と同じデザインだな。偶然揃うなんて気が合うね。

 

 積もった雪を踏みしめながら、カエイに近づく。

「着替えるなら俺の見えないところで着替えてくれ。それがマナーだからな。実はロリコンで興奮してしまうとかそういうのではない」

「分かってる。そうであってほしい」

 カエイにボロボロのスーツを着せた。このスーツボロボロになったから、服としてはもはや役に立たないのよね。ゴミを押し付けたってこと。

 

 物陰で服を着替えた。

「この服も久しぶりだな」

「ボディウォッシュシステム作動。ヒーリングシステム発動」

 身体が綺麗になった。痛いのもなくなったし爽快感がパナいね。この服さえあれば風呂に入らなくてもいいじゃないか。

 

 着替え終わって物陰から出た。

「これでよし」

「よかったな」

 メイクファイトはもう二度とやりたかないね。

 

 扉が現れた。

「この部屋のカエイをどうにかしないとここからは出られない仕組みだったのだ。それも分からずこの部屋にたどり着かず朽ちた者は皆触手の道に飾りとして置かれる。このアトラクション搭載型カードショップからはもう出られるぞ」

「壁で潰そうとしたり、骨を溶かす触手を配置したり、刃物で斬ろうとしたりするのがお遊びみたいなもんなのか。安全への意識が足らんな」

「何を当たり前のことを言っておるのだ。安全面へ意識するコストなんて無駄でしかない」

 古代文明ってヤバイな。安全面への意識がまるでない。

 

 扉をくぐると外だった。

「久しぶりの外だあ。感覚的に六日ぶりだああ」

「その十二分の一も経過してないぞ」

 適当に言ったことにマジレスしなくてもいいのに。

 

 遺跡の外には人がたくさんいた。

「先に来ておいてよかった。人がたくさん入ったあとだとあまり旨味がない」

 うまみ派はバカだな。

 

 さて次は何が起こるかな。

「こんにチワワ」

 カエイがたくさん現れた。

「こんにチワワ」「こんにチクワ」「ちくわ大明神」

「誰だ今の」

 いきなり後頭部が痛くなった」

 目の前にハニヤスとカエイがいた。

「あまりの神々しさ故に対戦者は現実逃避で都合のいい夢を見て夢の内容を説明してシマウ。これがハニヤス様の恐ロシサ。保護者さんに殴られてなかったら目覚めていなカッタゾ」

「誰が保護者だよ。いや保護したいから保護者で間違いはないのかな」

 幻に騙されていたってことか。

 

 俺の生命力を見る。

「うわっ。残り1じゃねえか」

 場のモンスターがいねえ。あるのはわけわからんアサルトカードだけとてもきついな。

「しかし都合のいい夢を見ていても、ドローとチャージとアサルトカードの伏せと生命力が0になった時のセンポクカンポクの霊薬をこなすのだからカードファイターの本能は恐ロシイ」

 改めて俺の十三ターン目はそのまま終わった。

 

 カエイの十四ターン目だ。

「世の中まるっと全部解決するウマイ話があるわけナインダヨナァ。ドロー。チャージ」

「黙ってろ。アサルトカード発動。……ネクロスペシャル。墓地からスペシャルモンスターを攻撃力0防御力0生命力1のモンスターとして場に出す。出でよ。アブソ竜トコールドラゴン。攻撃を封じる」

「ターンエンド」

 強いアサルトカードで良かったよ。

 

 スペシャルデッキが輝く。俺の十四ターン目だ。

「俺のターン。ドロー。チャージ。コスト2でネクロマスターの回収術。墓地からモンスターを一枚手札に戻す。コスト5でペルーダを召喚」

 スペシャルデッキを確認した。ちょうどいいカードがあったぜ。

「デスティニードロー現象はスペシャルデッキでも起コルノカ。知らナカッタ」

 こいついつも知らねえな。

 

 こいつを出すぜ。

「コスト5以上の種族:ドラゴンのモンスターと種族:ドラゴンのスペシャルモンスターをこのカードの下に置く。スペシャルサモン。デュアルフリーズドラゴン。このモンスターの元々のステータスは下にあるモンスターのステータスの合計値になる。そしてこのターンの間相手モンスター一体の効果をなしに上書きする。登場時効果も当然発動。アブソ竜トの遺志だ。再び凍てつけ」

「そんなバカナ」

「デュアルフリーズドラゴンでハニヤスに攻撃。デュアルフリーズブレス。ハニヤス破壊。ターンエンド」

 神々しさの溢れる偶像はあっけなく砕けた。余波でもすっげえ衝撃だ。人に撃っていい威力じゃねえ。

 

 カエイはあっさりターンを終えた。

「デュアルフリーズドラゴンでとどめ。命は取らん」

 カエイは所詮がらんどうの粘土人形だからな。躊躇いなく撃てる。

 

 扉が現れた。くぐると外に出ることができた。

「今度こそ本物だった」

 あとは服だな。ボロボロで最低限になってるから交換しねえとな。

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