プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~ 作:黒点大くん
新生デッキが出来た。
「あとは服だ」
「服なんて必要ないんだよなあ」
「最低限隠せてりゃいいお前とは違って、俺は最低限よりも隠さなきゃダメなの」
全くもう。
金もないし、追いはぎもしたくないのでしばらくは我慢かな。
「あ!」
「なんだよいきなりデカい声出して。うるせえよ」
「パックを開封しなかったら街のカード屋さんで売れたかも」
カードゲームの古いパックは大抵プレミアとかついてるからな。そこまで考えが足りてなかった~。VRのカードゲームじゃ古いパックなんていくらでも開封できるから考えられなかったということにしておこう。そうじゃなきゃ俺がタダのバカになってしまうし。
カシヨは首を振った。
「まあ売れないことはないが、パックの魔力の保存状態が悪いから買ったときより安く買われるぞ。売るより剥いた方がいい」
「そうなのか」
ボロボロじゃなかったから保存状態やらどうやらは励ますために必死に考えたんやろなぁ。
地面が揺れて突然薄暗くなった。
「おい。なんだあれ」
後ろを向くと巨大な時計塔が建っていた。
「さっきまであんなの無かったぞ」
あんなに大きいなら視界に入っててもおかしくはないからね。
ブランクを掲げた。
「待ち時間はないな。あそこに入ってみようぜ」
「それもいいかもしれないな。一日に二度も古代遺跡を漁る経験は一生に一度も出来るかどうかだからな。それが新たな古代遺跡なら尚更だ」
カシヨにお姫様抱っこをされる。
え、な、でぇぅ!? 一瞬脳が働いてなかったが。ちょともう無理。
「この方が早いだろ」
「まあそうだけど。そうだけどさ」
この腹の底から湧く怒りはなんだろう。
多くの人が動く。
「俺が先だ」「いいや俺が先だ」「我先に」
「邪魔だ」
カシヨはジャンプしてから煙を出す筒で辺りを煙に包む。
古代遺跡の中に入った。
「あいつらは煙に包まれてるからしばらく入ってこられないだろ。自分で歩け」
「妨害するとはなんて奴だ」
降ろされた。
この塔は中が広いな。サッカーのピッチ四個分くらいかな。
「端の方に階段があるぞ」
壁から少女が出てきた。顔がカエイとそっくりというか同じだな。服に56237と書かれているところしか違わない。
「カエイが沢山いるじゃないか」
すごく面倒くさい。
その少女は笑うようなしぐさをする。
「あんなのと一緒にするのはやめて欲しイナ。私の方が少し先に生まれたんダゾ。私のナンバーは56237。マンジュ・ブンカ。ちょっと生まれが重要なんダゾ」
「56200も作られたのにたかが4つ先のナンバーにこだわるのか。小物だな」
怒りの波動を感じる。
少女は地団駄を踏む。
「なんダトー。倒してヤルー。トゥルーファイトエントリー」
「無能なのに先に生まれただけで威張りやがってよ。どこかの誰かを思い出してムカつくんだよ。トゥルーファイトエントリー」
そういやカシヨにはアメラという姉がいたな。さん付けで呼ぶことを止めさせる位のオーラはあるけど、無能じゃないだろ。いや好きなカードをひけるカシヨから見たらカードファイトの出来ないアメラは無能に見えるのかもな。
ブンカの1ターン目だ。
「ドロー。チャージ。カードを一枚場に置いてターンエンド」
「アサルトか」
見た限りカエイと同じ型だから
カシヨの1ターン目だ。
「ターンスタート。ドロー。チャージ。コスト1で魔を導く者を召喚。ターンエンド」
ブンカの1ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト2でメガチャージ発動。私で魔を導く者に攻撃。破壊」
「魔を導く者の効果で大アルカナをサーチ」
「ターンエンド」
好きなカード引けるくせに大アルカナがなかったのか。
カシヨの2ターン目だ。
「俺のラストターン。ドロー。チャージ。コスト1で大アルカナを発動。小アルカナを発動。コストを1減らしてアルカナンバーロストザ・フールを召喚。大アルカナの下に置いてドロー。アルカナンバートゥエンティ ザ・ジャッジメントをドローした。カードの効果で手札に加わったので大アルカナの下に置く。ザ・フールの効果発動。山札の上をめくれ」
互いに山札の上をめくった。
「コスト1 ザ・フール」
「コスト5 ハニワコマンドガール」
ブンカは一枚ドローした。
こいつワンショットキルをしようとしてるぞ。
「ジャッジメントの効果で手札に加わったザ・ワールドの効果発動。コスト0で召喚。カードの下に置いて一枚ドロー。山札をめくれ」
互いに山札をめくった。
「コスト2 ガランドウマ」
「コスト1ザ・フール。ジャッジメントの効果でコスト21にする。いっぱいアルカナンバーが置かれていっぱいドロー。ザ・ワールドの効果で大アルカナの下のザ・サンの効果発動」
「コスト6 クワトロブースト」
「コスト14 ザ・テンパランス。お前のターン終了時俺が勝つ。ターンエンド」
ブンカは何も出来ずターンを終えて負けた。
ブンカがポカンとしてる間に上の階に上がる。
「ソリティアなら壁とやれよ」
「こんなことはしたくなかったけど、あいつはもっとムカつくからなぁ」
犯罪者の言い訳だ。