プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~   作:黒点大くん

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二十四枚目 戦う二人

 目を離したすきにマイスさん似の人も倒されていた。

「残り半分をきりましたね」

「フィールドファイト大会は手負いの相手を不意打ちできるから後半から展開が早くなるんですよ」

 まあ今俺が言ったことは普通のカード試合でもいえることだけどね。なお速攻だと後半から遅くなる模様。

 

 だんだん人数が減ってるなあ。

「あと3人か。どんな状況なんだろう」

「五年前から連続で優秀してるチャンピオンとお嬢様とラーナ様だけが生き残っている状況ですね。ちなみに去年準優勝だった人は四肢が粉砕骨折したのでドクターストップかかってるらしいです」

「モンスターでも魔法でも骨折は治せないのかあ」

「治せますけど、そういうところはもっと高額の医療費を払わないとだめですね。そういうところは実質豪商や貴族様専用ですよ」

 なるほどねえ。

 

 野外ホールの中央に箱が出てきて箱から猫耳カチューシャを付けて尻尾を生やした褐色肌のハイレグの女の子が出てきた。 

「はじめましての方は初めましてそれ以外の方は久しぶりニャ~。ニャ~はネコキャットガールズ・アビシニアンニャ~。よろしくニャ~」

 ネコキャットガールズ・アビシニアンか。そう言えばネコキャットガールズっていうテーマがあったな。たしか効果なし高火力テーマとかいうよく分からないテーマだったな。まあ一枚当たりの火力はにわとり未満なんだけどさ。

 

 ……いやたまたま名前と所属しているグループが被っただけだろ。

「最後の三人になりましたニャ~。ということで~最初に貰った観戦申請書もしくは参加申請書に書いた人がいまだに生き残ってる人はいるかニャ~。当たった方には賭け金の倍貰えるニャ~」

「金があったらお嬢様に賭けてたんだけどなあ。アメラさんは誰に賭けましたか?」

「伯爵家に仕える者は主人が賭け事をしなければ賭け事の一切はいたしません。そうですね。あえて賭けるのならば、お嬢様に賭けますね」

「まあチャンピオンに賭けて安牌を取ってる人がいそうではありますよね。増える量は少ないですが、確実に増えますよ」

 こうして運営費を稼いでいるんだなあと思った。

 

 アビシニアンはその辺に生えているマイクっぽい植物を尻尾でちぎって、マイクっぽい植物を口元に寄せる。

「ではでは現場の雰囲気を直接伝えるため、魔法カードをそろそろ発動するニャ。周囲幻覚ニャ」

 いつの間にか俺はボロ屋敷の中に戻っていた。でも、ボロ屋敷特有の埃っぽさは感じられないので幻だなあ。VRみたいなもんか。

 

 お嬢様が鎧とヘルメットを着こんで露出が一切ない男と戦っている。

「俺様が5年もチャンピオンとしてやってこれたのは、前半はコソコソ隠れて後半からモンスターを捕まえまくるからだ。最後の方になって俺様と戦う奴には決まってこう言ってるんだよ。わざわざ戦って傷つくのは阿呆の戦い方だってな」

 声がなんかくぐもっているな。あと戦法がせこい。

「貴方の戦い方が理にかなってるのは否定しませんの。しかしこの大会は娯楽ですわ。地味でセコい戦法は娯楽を支える者の代表としては相応しくないと思いますの」

「うるせえ。普段のフィールドファイトには見向きもしない連中には言わせておけばいいんだ。外からごちゃごちゃと文句を言うような奴はたいていにわかだからな。あと俺様が勝つ」

 チャンピオンが偏見を唱えてから両者ともデッキを構えてモンスターを展開した。

 

 お嬢様は幽霊夫婦と花瓶とシーツのおばけと鎧とうすぼんやりと人のようなモノが見えるハープを出した。

「いきますわ」

 チャンピオンは鎧三体と宙を浮いているピアノと空飛ぶ燃えた牛の顔と浮いている小麦粉を出した。

「かかってこいや」

 盤面としてはチャンピオンの方が硬いなあ。

 

 でもピアノさえ壊せば相手はデッキが切れていずれ負ける。実はお嬢様の方が堅実な盤面なんだよね。

「ハープに取り憑く怨霊で攻撃……するかわりにハープに取り憑く怨霊の効果発動ですわ」「させない。牛の怨念の効果発動。相手モンスター一体を選び、種族をフラムビーストにする。さらに空飛ぶ小麦粉の効果発動。種族:フラムビーストのモンスターが攻撃するとき代わりにこのカードを破壊してすべてのモンスターに1ダメージ。怨念粉塵爆発(カースダストエクスプロージョン)

 攻撃を食らわないうえに全体ダメージとか強力な効果だなあ。

 

 ターンが終了した。

「俺様の場にはお前の場のモンスターにダメージを与えるモンスターがいない。なら捕まえればいいのさ。それが動かずにカードをちまちま動かしてるやつのバカなところだ」

「なんですって」

 チャンピオンが逃げてお嬢様が追う。

 

 チャンピオンの左右の腰からちくわのようなモノが生える。

「ジェット」

「何をなさるつもりですの?」

 チャンピオンはちくわから火を噴きだして轟音を立てながら高速で逃げた。そういう手もあるのか。

 

 お嬢様は顔をにやつかせる。

「逃げられることは重々承知しておりました。コストを5支払って魔法発動ですわ。テレポートアタック。自分のモンスター一体の攻撃力を0にして、自分のモンスターを選びますの。そのモンスターの攻撃力を一ターンのみ半減して相手に直接出来るようになりますわ。攻撃力が奇数のモンスターにはこのカードは使えませんの」

 チャンピオンが急に現れた。

「私は首無しデュラハンの攻撃力を0にして、バロンゴーストで攻撃ですの。バロンゴーストの元々の攻撃力は2なので問題ないですわ」

 スーツのお化けはチャンピオンを杖で叩く。

「ターンエンドですわ」

 テレポートゲートが普通に強いのがね……

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