プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~   作:黒点大くん

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ラーナちゃん視点です


三十八枚目  緊急タッグ

 いきなりサングラスが無くなったと思ったら魔海という謎カードとゴブリンデッキの戦いを見せられたわ。

「これがどうしたの?」

「あの胡散臭いお面ヤローが時間を稼いでくれている。その間に救出する準備を始めるぞ」

「そうですわね」

 カシヨにいろいろと教えられながら準備を整えたわ。これだけで大丈夫かなあと思ったりしたけど、いい案が思いつかない。

 

 トイレに行く体で部屋から出たわ。

「おトイレはどこですの?」

 偶然通りがかった人に聞いた。服にスタッフって書いてあるから多分スタッフさんね。

「トイレはですねえ。むこうの角を行った先にありますよ」

「それじゃわからないから直接案内してよ」

「かしこまりました」

 スタッフさんの顔がピクピクしていたのは気のせいよね。

 

 スタッフさんにトイレまで案内されたわ。

「これだけですわ」

「よくやった」

 カシヨがスタッフさんの足を払って尻餅を付けさせた後に顎を思いっきり蹴って気絶させたわ。

 

 聞いてないわよこんなの。なんでこういうことを平気でやるのかしら。

「こんなの聞いてないですわ」

「聞いてたらこんなことしてないだろ」

「それはそうだけど……もっといいやり方があったと思う」

「思うだけで思いついてないだろ。今はこうするしかなかった。動くから今のうちに動きやすい恰好に着替えておけ」 

 カシヨはトイレまでスタッフさんを運んだ。

 

 私たちがトイレで着替え終えるとスタッフさんの服を着たカシヨが出てきたわ。こんな短い期間にまたフィールドファイト用の服が着れるとは思わなかったわ。

「掃除用具入れのロッカーに突っ込んだ。これでしばらく出てこれないだろ。顔を見られないようにこれも被っておけ」

 バンダナをもらったのでバンダナで口を隠した。

「こういうことを毎回してるんですの?」

「ああ。こういう迂闊な奴はどこかしらにいるからな」

「良く飽きないね」

「飽きるとかの問題ではないだろ。下らねーこと言ってないで戻るぞ」

 部屋に戻った。

 

 部屋に戻ると、戦いが終わっていたの。

「もっと時間を稼ぎやがれ。ワープゲート」

 空間に空いた穴に向かって進むと、黒覆面とドロウがいたわ。

「お嬢様、ラーナちゃ……様、なんでここにいるんだ」

「ラーナちゃんでいいわ」

「俺が緑覆面に連絡して、利用させるように仕組んだんだ。呆れたことにこいつは潜入するときには子供をよく使うからな」

「仲間にすら呆れられてるなんて相当だぞお前」 

 ちょっと口が悪いけどだいたいドロウの言うとおりね。

 

 空間に穴が開いて人がたくさん現れたわ。

「先に捕まえに来てたのか。そこのお前見ない顔だな。新人か。ちょっと手助けしてくれ」

 カシヨは筒を懐から出して、筒から煙を出したわ。それみんな持ってるのね。

「なんだこの煙」

「そいつは味方じゃないのじゃ。恐らく誰かが服を盗まれたのじゃろう」

「なんだと」

「そいつらを捕まえろ」

 前を歩くドロウに手を引かれたわ。

 

 煙が晴れるころには薄暗い部屋にいたの。

「ちょっとやりたいことがある。オメンオクについてきてほしい。黒覆面ヤローと俺を除けば多分この中で一番強いからな」

「構いませんが何をするのですか?」

「このコロシアムの人間の体を回復したいと思う」

「苦しみを長引かせるのか。容赦のない奴だな。かわいい見た目して結構えげつない」

「ちっ違わい。ただ治してあげたいだけだ」

「それを……」

 場の空気が悪くなってるから手を叩いたわ。

「はいはい。この話はおしまい。それよりもここから無事に出られる方法を考えましょ」

 黒覆面は考えた。

 

 胡散臭い青い人は手を挙げた。

「二手に分かれて陽動しましょう。私はドロウさんと脱出しますので、他の皆さんは協力してくださいね」

「商売柄人が傷ついているのは許せないのか。必ず合流しろよ」

「ええ」

 胡散臭い青い人はドロウを連れて行った。実力はあるらしいから大丈夫ね。

 

 カシヨと一緒に部屋を出て一気に走った。

「この服にあった地図によるとこの先が出口のようだな」

「なるほど。侵入者への対策が全くされてないな。おそらくゴブリンプリンセスが強くて全員葬っていたからかもしれない。だから今回のように足をすくわれたのだ」

「次はこっちだな」

 曲がり角を曲がって、最初に入った入口の近くに戻ったわ。

 

 扉の前には二人の男女がいたわ。

「俺は傭兵カード使いのビートだ」

「私はビートの相棒カナデルよ」

「「恐るべきコンボの餌食になるのは誰だ」」

 凄い息がぴったりね。タッグファイト専門かしら。

 

 黒覆面がデッキを構えた。カシヨに背中を押されて弾みでデッキを構えちゃった。私のデッキが赤く光って、黒覆面のデッキが青く光ったわ。

「俺のデッキはタッグファイト向きじゃねーよ」

「俺たちの先攻らしい。足を引っ張ったら殴る」

「それはこっちのセリフよ」

 強がっちゃったけど、実力は高いよね。

 

 黒覆面の向こうから鼻で笑ったような声がした。

「何がおかしいの?」

「言うようになったなと思っただけだ」

「「「「タッグファイトエントリー」」」」

 絶対に勝つわ。

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