プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~ 作:黒点大くん
デッキを入れ替えて回復できるようにした。
「こっちかな」
「多分あっていると思いますよ」
「今頃お嬢様たちどうしてるんだろうね」
「カードハンターが二人も味方に付いていれば、安心ですよ。彼らも脱出のためには協力せざるを得ませんからね」
出た後を狙われたらマズいってことか。早くしないと。
俺は走る。
「うわああ」
「そんなに飛ばさない方がいいですよ」
スタミナが尽きた。
うぇ。おえ。これはまずい。
「スタミナが絶望的に少ないから、全回復するのも早いんだけどさ。これはまずい」g
「だから飛ばさない方がいいって言ったんですよ」
ケガしてる人がいる部屋についた。血の臭いが濃すぎる。
薬草アルラウネと癒しの使い手を召喚した。
「んむ?」
適当なモンスターに檻を壊してもらうために工具箱をあさっていたら、知らないカードが混ざっていた。とりあえずデッキに混ぜて入れ替える。相性の良いカードだったからね。
「相性良いから入れておこ」
適当にゴブリンサモナーを出した。
ゴブリンサモナーは檻を破壊する。
「薬草アルラウネで攻撃」
攻撃した人の体が回復した。でも古傷は治ってないから痛々しい。
「魔法発動 メイドの浄化術」
血の臭いが消え去った。
薬草アルラウネに全員攻撃させて、カードに戻す。
「俺たちはここから出るので、黙っててくださいね」
「ああ黙ってる。勝手に治ったと言っておくさ」
「ありがたいですねえ。健康な体を傷つけないでくださいよ」
俺たちはその場から去る。
天井から誰かが二人分が下りてきた。
「振動的に一方は肥満型、もう一方は瘦せ型ですね。どちらも体を大切にしていませんよね。普通の体型が一番健康的なのですよ」
「まあそうだな」
周囲が暗くなって、オメンオクとたった今現れた二人がいなくなった。
闇から太った人が現れた。
「なんだこれ」
「魔法で作り出した暗黒術の結界だ。これで周りは見えまい」
「なんだあんたは」
「我らは暗黒邪教怒労蛮苦団。今日は偶然ここの試合を見に来て、副オーナーに緊急で雇われた者なり」
暗黒邪教ドローバンク団め。俺たちを逃がさないためにそういうことまでするのか。
俺のデッキが赤く光った。カードファイトを挑まれたってことか。
「「カードファイトエントリー」」
相手が現れてから職業を宣言して山札から五枚引いた。相手は僧侶だった。攻撃力も2あって自分の回復できるから、俺にとっちゃ相性が良い相手である。
相手の姿が消えた。
「最高の手札だ」
薬草アルラウネ以外ろくなカードがねえ。
「チャージ。薬草アルラウネを召喚。ターンエンド」
相手は何をしてくるんだ。
しばらくするとカードが引けるようになった。
「暗闇だから何をしても見えねえってことか」
「我らにだけは分かる。それが暗黒邪教怒労蛮苦団の力だ」
声が拡散してるから音で特定するのも不可能ってことだ。
「ずるい奴らだぜ」
「それが我らの特権」
「ドロー。チャージ。薬草アルラウネで攻撃。ターンエンド」
手札が悪いぜ。システム的に攻撃が当たりはしたんだろうけど、当たっているかどうか実感がない。
俺の3ターン目らしい。
「ドロー。チャージ。コスト2で癒しの使い手を召喚。薬草アルラウネで攻撃。ターンエンド」
薬草アルラウネは正面を攻撃した。
相手のモンスターが分からないから相手の生命力がどのくらいなのか分からねえ。ダメージを与えられない状況だったら回復効果が発動しないからな。
「モンスターや魔法でダメージを与えてくるわけでもないから、分からねえ」
「闇に覆われたまま戦え」
この状況を何とかしないとどうにもならないってことだ。
暗闇からモンスターが現れて、薬草アルラウネを攻撃する。
「なんだ。ただのスピードラットか」
スピードラットは汎用性ゆえに大抵のデッキに入るカードだ。音も出さずにモンスターを召喚できるのか。
「まだわからないだろう。正体不明の闇におびえるがいい」
「俺はお化けは怖いが、闇を使う奴は怖くねえ。闇を使うのは臆病者だけだからな。かかってこいよ。この臆病者」
「なにぃぃぃぃ」
地団太を踏む音が聞こえた。音が拡散してねえってことは声以外は拡散できねえのか。
位置がだいたいわかった。カードが引けるようになっていた。
「俺のターン。ドロー。チャージ。コスト4でトリプルドローを発動。薬草アルラウネで正面に攻撃」
薬草アルラウネがスピードラットを攻撃する。
「そこにいたか。ついに分かったぞ」
「大外れだ。事前に移動しておいた。今俺の場にスピードラット以外のモンスターがいないから出来ることだ。回復ばかりしてやる気あるのか?」
「ありすぎるくらいだぜ」
たしかにスピードラット以外いねえ。ということはダメージを与えられるってことだから、順調に回復出来ているってことだな。
背中に寒気を感じた。
「うぐぁ」
背中がいてえ。生命力が2も減っていた。
「直接攻撃できるモンスターを召喚したのか」
「ああそうだ。見えない闇の中でもがけ」
万々歳だ。生命力が減ってくれないとあのカードは使えないからな。
俺の5ターン目になっていた。
「ドロー。チャージ。コスト5でヒーリングリを召喚」
バランスボールほどの大きさのどんぐりが現れた。
コスト5 ヒーリングリ 種族:メガプラント、ヒーラー
効果:このモンスターは一ターンに一度、自分以外のプレイヤー一人を選ぶことが出来る。選んだプレイヤーの生命力を2回復する。この効果を使ったモンスターはそのターン中攻撃できない。
攻撃力:4 防御力2 生命力:5
「ヒーリングリでお前の生命力を2……と行きたいところだが、癒しの使い手の効果で4回復する。薬草アルラウネでスピードラットに攻撃してターンエンド」
十分回復したはずなんだが、素通り門番が来ねえ。