プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~   作:黒点大くん

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四十一枚目 暗黒ファイト

 デッキを入れ替えて回復できるようにした。

「こっちかな」

「多分あっていると思いますよ」

「今頃お嬢様たちどうしてるんだろうね」

「カードハンターが二人も味方に付いていれば、安心ですよ。彼らも脱出のためには協力せざるを得ませんからね」

 出た後を狙われたらマズいってことか。早くしないと。

 

 俺は走る。

「うわああ」

「そんなに飛ばさない方がいいですよ」

 スタミナが尽きた。

 

 うぇ。おえ。これはまずい。

「スタミナが絶望的に少ないから、全回復するのも早いんだけどさ。これはまずい」g

「だから飛ばさない方がいいって言ったんですよ」

 ケガしてる人がいる部屋についた。血の臭いが濃すぎる。

 

 薬草アルラウネと癒しの使い手を召喚した。

「んむ?」

 適当なモンスターに檻を壊してもらうために工具箱をあさっていたら、知らないカードが混ざっていた。とりあえずデッキに混ぜて入れ替える。相性の良いカードだったからね。

「相性良いから入れておこ」

 適当にゴブリンサモナーを出した。

 

 ゴブリンサモナーは檻を破壊する。

「薬草アルラウネで攻撃」

 攻撃した人の体が回復した。でも古傷は治ってないから痛々しい。

「魔法発動 メイドの浄化術」

 血の臭いが消え去った。

 

 薬草アルラウネに全員攻撃させて、カードに戻す。

「俺たちはここから出るので、黙っててくださいね」

「ああ黙ってる。勝手に治ったと言っておくさ」

「ありがたいですねえ。健康な体を傷つけないでくださいよ」

 俺たちはその場から去る。

 

 天井から誰かが二人分が下りてきた。

「振動的に一方は肥満型、もう一方は瘦せ型ですね。どちらも体を大切にしていませんよね。普通の体型が一番健康的なのですよ」

「まあそうだな」

 周囲が暗くなって、オメンオクとたった今現れた二人がいなくなった。

 

 闇から太った人が現れた。

「なんだこれ」

「魔法で作り出した暗黒術の結界だ。これで周りは見えまい」

「なんだあんたは」

「我らは暗黒邪教怒労蛮苦団。今日は偶然ここの試合を見に来て、副オーナーに緊急で雇われた者なり」

 暗黒邪教ドローバンク団め。俺たちを逃がさないためにそういうことまでするのか。

 

 俺のデッキが赤く光った。カードファイトを挑まれたってことか。

「「カードファイトエントリー」」

 相手が現れてから職業を宣言して山札から五枚引いた。相手は僧侶だった。攻撃力も2あって自分の回復できるから、俺にとっちゃ相性が良い相手である。

 

 相手の姿が消えた。

「最高の手札だ」

 薬草アルラウネ以外ろくなカードがねえ。

「チャージ。薬草アルラウネを召喚。ターンエンド」

 相手は何をしてくるんだ。

 

 しばらくするとカードが引けるようになった。

「暗闇だから何をしても見えねえってことか」

「我らにだけは分かる。それが暗黒邪教怒労蛮苦団の力だ」

 声が拡散してるから音で特定するのも不可能ってことだ。

「ずるい奴らだぜ」

「それが我らの特権」

「ドロー。チャージ。薬草アルラウネで攻撃。ターンエンド」

 手札が悪いぜ。システム的に攻撃が当たりはしたんだろうけど、当たっているかどうか実感がない。

 

 俺の3ターン目らしい。

「ドロー。チャージ。コスト2で癒しの使い手を召喚。薬草アルラウネで攻撃。ターンエンド」

 薬草アルラウネは正面を攻撃した。

 

 相手のモンスターが分からないから相手の生命力がどのくらいなのか分からねえ。ダメージを与えられない状況だったら回復効果が発動しないからな。

「モンスターや魔法でダメージを与えてくるわけでもないから、分からねえ」

「闇に覆われたまま戦え」

 この状況を何とかしないとどうにもならないってことだ。

 

 暗闇からモンスターが現れて、薬草アルラウネを攻撃する。

「なんだ。ただのスピードラットか」

 スピードラットは汎用性ゆえに大抵のデッキに入るカードだ。音も出さずにモンスターを召喚できるのか。

「まだわからないだろう。正体不明の闇におびえるがいい」

「俺はお化けは怖いが、闇を使う奴は怖くねえ。闇を使うのは臆病者だけだからな。かかってこいよ。この臆病者」

「なにぃぃぃぃ」

 地団太を踏む音が聞こえた。音が拡散してねえってことは声以外は拡散できねえのか。

 

 位置がだいたいわかった。カードが引けるようになっていた。

「俺のターン。ドロー。チャージ。コスト4でトリプルドローを発動。薬草アルラウネで正面に攻撃」

 薬草アルラウネがスピードラットを攻撃する。

「そこにいたか。ついに分かったぞ」

「大外れだ。事前に移動しておいた。今俺の場にスピードラット以外のモンスターがいないから出来ることだ。回復ばかりしてやる気あるのか?」

「ありすぎるくらいだぜ」

 たしかにスピードラット以外いねえ。ということはダメージを与えられるってことだから、順調に回復出来ているってことだな。

 

 背中に寒気を感じた。

「うぐぁ」

 背中がいてえ。生命力が2も減っていた。

「直接攻撃できるモンスターを召喚したのか」

「ああそうだ。見えない闇の中でもがけ」

 万々歳だ。生命力が減ってくれないとあのカードは使えないからな。

 

 俺の5ターン目になっていた。

「ドロー。チャージ。コスト5でヒーリングリを召喚」

 バランスボールほどの大きさのどんぐりが現れた。

 

 コスト5 ヒーリングリ 種族:メガプラント、ヒーラー

 効果:このモンスターは一ターンに一度、自分以外のプレイヤー一人を選ぶことが出来る。選んだプレイヤーの生命力を2回復する。この効果を使ったモンスターはそのターン中攻撃できない。

 攻撃力:4 防御力2 生命力:5

 

「ヒーリングリでお前の生命力を2……と行きたいところだが、癒しの使い手の効果で4回復する。薬草アルラウネでスピードラットに攻撃してターンエンド」

 十分回復したはずなんだが、素通り門番が来ねえ。

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