プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~   作:黒点大くん

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ヒロインムーブじゃねえかよえーっ


四十三枚目 囚われのヒロイン

 私の八ターン目ですね。

「手札にある魔海大陸の闇白剣 アトランティスソードのモンスター効果発動。コストを支払う代わりにこのカード以外の手札のカードを好きな順番で九枚以上山札の下に戻します。今回は十一枚戻します。魔海大陸の闇白剣 アトランティスソードを召喚します。十一枚ドロー。さらに魔海大陸の明黒剣 メガラニカソードのモンスター効果発動。四枚ドロー。ターンエンドです」

 瘦せた人は何もせずに九ターン目を終えました。

 

 私の九ターン目です。

「ドロー。チャージ。コスト8で魔海大陸の不可視剣 「    」 を召喚。効果発動。手札14、墓地5、コスト10で29枚戻して、2枚ドローです。魔海底神殿の効果で33枚ドローしてもらいます」

「そんなに引いたらデッキが尽きる」

「ですが私は33枚ドローはさせませんよ」

 瘦せた人は落ち着いた顔をした。

 

 手札のカードを見せました。使いたかったのですが、あの時は運悪く手札に来なかったんですよね。

「手札の魔海大陸ムーの効果を発動します」

 

 魔法 コスト20 魔海大陸ムー

 効果:相手が自分の場の魔海大陸と名の付くモンスターの効果で20枚以上ドローするとき、手札のこのカードを見せてもよい。魔海大陸の効果でドローするかわりに、自分はゲームに勝つ。

 

 瘦せた人は私に敗れて、場がすっきりしました。

「ちくしょう。逃げるか」

「逃がしませんよ」

 懐からロープを出して、瘦せた人を拘束すると、瘦せた人は自らの舌を嚙みました。

 

 瘦せた人の体が石像になります。

「負けたら石になるのですね。暗黒ドローバンク邪教団、さらにえげつなくなっていますね」

 私のころは負けたらむち打ち一回でしたよ。

 

 もう一つの暗黒空間を見つめました。

「中はどうなっているんでしょうね」

 おそらくドロウさんが閉じ込められていますね。他者を回復できるあの子の回復カードには、存在価値がありますよ。私は祈りました。

 

 sideドロウ

 

 俺は闇の向こうから歪んだ感情を感じ取って、背筋に悪寒が走った。

 

 まあそんなことは良い。俺の七ターン目だ。今のところ生命力は6。奇数分減らさなきゃ負けるぞ。

「俺のターン。ドロー。チャージ。コスト6でクワトロブーストを発動」

 来た。

「薬草アルラウネでスピードラットに攻撃。ヒーリングリで生命力を回復」

 計算すると36ぐらいにはなってるかな。

「ターンエンド」

 手札に超絶博打があるのだった。クワトロブーストででいたのだ。

 

 冷気を感じ取った。

「4か。ギリギリだな」

 俺の八ターン目になる。

「魔法発動。超絶博打。デッキから強制終了を手札に加える。ターンエンド」

 もはや勝ちも同然。

 

 相手のドローする音がやけに大きく聞こえた。

「魔法発動。強制終了。俺とお前の生命力とデッキは0になる」

「そんなバカな話があるか」

「もっとバカな目にあうんだよなあ」

 場がすっきりした。

 

 俺の勝ちだ。

「俺にはまだデッキと生命力が1残っている」

「そんなインチキな効果があるわけねーだろ」

「これを見てみろ」

 デッキのとあるカードを見せる。

 

 魔法 コスト5 ライブラリエフェクト:グレイブ

 効果:相手のターンに自分のデッキのこのカードが墓地に送られた時、すべてのプレイヤーの生命力を1回復してからこのカードを裏側にして山札の一番下に置いてシャッフルする。

 

 デッキを戻した。

「お前の生命力も1あったが、山札が0枚になったからお前の負けだ」

「そんなインチキ効果があってたまるかあ」

 腹パンされそうになる。つい目を閉じた。

 

 いつまでも痛くならないので目を開けると、オメンオクが右手で拳を防いでいた。

「オメンオク。ありがとな」

「お礼は良いんです。急ぎましょう」

 太った人は石像になる。え?

 

 トゥルーファイトじゃないはずだ。冷静に考えたらそもそもトゥルーファイトが本当に影響を与えるかも疑わしいんだけど、それは今は置いておく。

「どうなってんだよこれ」

「彼らの所属する団体はカードファイトに負けたら罰を受けます。これがその罰なのです」

 触ると触感がまさに石だった。

 

 カードファイトで負けただけで身ぐるみはがされたり、石になったり、死んだりするなんてヤベエ世界だな。

「負けたくないなあ」

「何かを失いたくなければ平々凡々に普通の戦いだけしていればいいんですよ」

「それもそうだね」

 トバクファイトは黒覆面ヤローからアジ・ダハーカを取り返す一回しかしないようにするよ。

 

 入口まで戻ると、倒れた男女のカップルがいた。

「門番みたいな人たちかな。こんなところで寝るなよ」

「疲れたのでしょうね」

 外に出ると、お嬢様とラーナちゃんがいた。ちゃんとドレスを着ていたよ。

 

 カシヨと黒覆面ヤローの行方を聞くと、いつの間にかいなくなっていましたわとお嬢様から言われた。

「どこ行ったんだろ」

 下水道から出て、家まで戻った。ラーナちゃんはワープゲートで家まで戻ったらしい。

 

 いろいろなことがあった。謎が二つ増えた。

「お嬢様助けてくださってありがとうございました」

「いえいえ。あたりまえですわよ」

「ありがとうございます」

 お嬢様もラーナちゃんもイケメンムーブしすぎだと思うの。

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