プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~   作:黒点大くん

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ラーナちゃん視点です


四十八枚目 大地の妖精と醜い妖精

 遊びに来たらマイスにいきなり事情を説明されたわ。

「お嬢様から聞きました」

「なるほど。そんなことがあったのね」

「ええ。いくらなだめても事情しか聴かされなかったのでお嬢様の親友であるフラム伯爵家次女の貴女様に任せようと思っていたところに、ちょうど貴女が訪ねてくださったので、タイミングが良かったです」

「分かったわ。まかせなさい」

 カネスキちゃんの部屋に通されたわ。

 

 カネスキちゃんは顔から涙と鼻水を垂れ流しにしていたの。

「鼻水垂らして泣きながら話さないでよ。ばっちいでしょ。一年ぐらい前にカネスキちゃん鼻水垂らしたままにするなんてレディーのすることじゃありませんわって言ってたじゃないの。まあ最近は聞いてないけど」

「そうですわね。ひっく」

 持っていたハンカチでカネスキちゃんの顔を拭く。

 

 スピードラットを召喚してからスピードラットの上でハンカチを乾かしたわ。こうすると乾きやすいのよ。

「ご、ごめんなさいですわ。ひっく」

「泣くのか話すのかどっちかにしてほしいわね」

 カネスキちゃんは泣いた。そっちを選ぶのね。

 

 カネスキちゃんは二分で泣き止んだ。

「どうしたの?」

 カネスキちゃんに事情を説明されたわ。

「なるほど。それは確かに辛いわね。でも、流石に少し泣きすぎじゃないの。たかが一か月の付き合いなのよ」

「そんなことはないですわ。今まで先生の偽物を本物と同じように扱って平気でいた自分の見る目のなさの無さと、その間先生を見殺し同然にしていたと言うことに泣いていましたの。貴族として恥ずかしいですわ」

「そういうことね。私でも恥ずかしいわね」

 また泣くといけないから、これ以上は追及しないことにしたの。

 

 理由が理由だから泣きじゃくっていてもおかしくはないわよ。ないけど、いつまでもこんなのじゃ締まらないわ。

「カードファイトで私に全てをぶつけなさい。今どうするべきなのかは、その後に思いつけばいいわ」

「今はそんなことしている場合じゃないわ」

「何よりもおとなしく泣きじゃくる方が大切な意気地なしだったなんて知らなかったわ。見損なったわね。地獄でドロウもカネスキちゃんを見損なっているわよ」

 カネスキちゃんに睨まれたわ。よかった……漏らしてないわね。ちょっと怖かったわ

 

 カネスキちゃんが涙を手で拭ってデッキを構えた。

「そうさせてもらいますわ。そこまで愚弄されれば親友の貴女であろうと許せませんわ」

「ちょっと侮辱されただけで怒るなんてどうなのよ。まあいいわ。怒りも悲しみも何もかも全てをぶつけなさい」

 カネスキちゃんのデッキが赤く光ったわ。

 

 カネスキちゃんの一ターン目よ。

「ターンスタート。チャージ。ターンエンド」

 私の一ターン目ね。

「ターンスタート。ドロー。チャージ。ターンエンド」

 ちょっと手札が悪いわね。

 

 カネスキちゃんの二ターン目よ。

「ターンスタート。ドロー。チャージ。コスト2で盗賊ゴブリンを召喚しますわ。ターンエンド」

 私の二ターン目ね。

「ターンスタート。ドロー。コスト2でメガチャージを使用するわ。ターンエンド」

 カネスキちゃんの体が糸につるされた操り人形のようになったわ。

 

 カネスキちゃんの三ターン目よ。

「ターンスタート。ドロー。来た。チャージ。コスト3で森を守るエルフを召喚するわ」

 

 モンスター コスト3 森を守るエルフ 種族:妖精 

 効果:なし

 説明:自慢の弓で外敵から森を守っているのだ。

 攻撃力:2 防御力:1 生命力:3

 

「盗賊ゴブリンでスピードラットに攻撃。森を守るエルフでスピードラットに攻撃。破壊。ターンエンド」

 手札のモンスターは月光ゲッコーだけだわ。

 

 私の三ターン目よ

「ターンスタート。ドロー。今引いたわ。コスト3でハイパービーストを召喚するわね」

 

 モンスター コスト3 ハイパービースト 種族:フラムビースト 

 効果:このカードが場に出たとき、山札の一番上をコストゾーンに置く。

 攻撃力:1 防御力:2 生命力:3

 

「ターンエンドよ」

 

 カネスキちゃんの四ターン目よ。

「ドロー。チャージ。コスト4でトリプルブーストを発動。三枚ドローしてターンエンドですわ」

 私の四ターン目よ。

「ドロー。チャージ。コスト6でクワトロドローを使用するわ。ターンエンドよ」

 よし。辻斬りサキュバスとにわとりが引けたわ。

 

 カネスキちゃんの五ターン目よ。

「ドロー。チャージ。コスト5で大地の妖精 ノームを召喚しますわ」

 

 モンスター コスト5 大地の妖精 ノーム 種族:妖精

 効果:種族:妖精のモンスターが自分の場に出たとき、二枚ドローしてから手札のカードを一枚コストゾーンにおいてもよい。このカードの効果は一ターンに一度のみ使用できる。

 攻撃力:3 防御力:1 生命力:4

 

「何なのそのカード」

 初めて見るわね。

「ただのモンスターですわ。大地の妖精でハイパービーストに攻撃してターンエンドですわ」

 ノームは妖精デッキと相性がいいから、とっとと倒すに限るわね。

 

 私の5ターン目よ。

「コスト7で辻斬りサキュバスを召喚。辻斬りサキュバスでノームに攻撃。破壊。さらに防御力を1増加させるわ」

 ノームが場にいるわ。

「ずるよ」

 カネスキちゃんが手札を一枚捨てた。

「手札の醜い妖精 スプリガンの効果発動 自分の場の種族:妖精のモンスターが場を離れる時生命力を3払えば場を離れませんわ」

 むむむ。

「ターンエンドよ」

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