プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~ 作:黒点大くん
カネスキちゃんの六ターン目だわ。
「ターンスタート。ドロー。チャージ。コスト6でタイターニアを召喚ですわ。二枚ドローして手札を一枚コストゾーンに置きますわ。タイターニアで辻斬りサキュバスに攻撃ですの。あと一撃ですわ」
「破壊してないでござるからな。しかもあの妖精の生命力は満ち溢れているでござる」
「スプリガンの効果ですわ。生命力が0になって場を離れる場合ダメージを受けないという効果を持っていますの」
「すごいわね。妖精限定っていうのが難点よね」
「ターンエンドですわ」
次のターンにおそらくオベロンが来るわね。
私の六ターン目よ。
「ターンスタート。ドロー」
むむむ。来ちゃったか。あれやなんだよね。
「チャージ。コスト7で魔法発動。ヴァンパイアファング」
狼の歯のようなものが現れた。
私は右腕の袖をまくったわ。
「その魔法ってレアリティの割には強い魔法ですわよね」
「けどこれにはちょっとしたデメリットもあるのよね。仕方ないけど嫌だなぁ」
ヴァンパイアファングが私の右腕に突き刺さった。痛いわねこれ。あちょっと体がちょっとだるいわ。
魔法 コスト7 ヴァンパイアファング
効果:このカードは自分の場に置き続ける。自分の生命力を3支払ってから、場のモンスター一体を選んで発動する。そのモンスターの攻撃力が相手モンスターを攻撃によって破壊したとき、与えたダメージ分の生命力を回復させて攻撃力を1上げる。選んだモンスターが場を離れたとき、このカードを墓地に送って1ダメージを受ける。
世界が揺れてるわね。
「生命力を3も捧げないと、ヴァンパイアファングは効力を持たないわ。魔性のアイテムなのよ。辻斬りサキュバスを選ぶわ」
辻斬りサキュバスの刀と合体して刀身を純粋な赤に染めたの。
「辻斬りサキュバスでノームに攻撃。破壊。私はシャベル妖精に攻撃してターンエンドよ」
ノームが真っ二つに切られて消滅したわ。
カネスキちゃんの七ターン目だわ。
「ドロー。チャージ。コスト7で妖精王オベロンを召喚ですわ。妖精王オベロンで辻斬りサキュバスに攻撃ですわ。そしてタイターニアで攻撃ですわ。森を守るエルフで辻斬りサキュバスに攻撃。破壊ですわ」
「せっかく出したのに……これじゃただやられただけね」
ヴァンパイアファングが現れて、私の右腕を嚙んでから消えた。
「痛いわねえ。この痛みになれるのに二週間はかかったわ」
いててて。
カネスキちゃんが何かに気が付いたかのような顔をしたわ。
「そういうことですのね。なるほど。私は友人に恵まれましたわ」
「それは私もよ。その感謝にこたえると思って思いっきり私に八つ当たりなさい」
カネスキちゃんが笑ったわ。
「うふふ。今はそうさせてもらいますわ」
カネスキちゃんは賢いし上品なんだけど、わざと怒らせないと八つ当たりも出来ない優しい子なのよね。
「全力でぶつかるためにターンエンドですわ」
全力でどうにかしないと負けるわね。
私の七ターン目だわ。
「ターンスタート。あのカードだわ」
デッキの一番上のカードが光ったわ。
「主人公補正体質ですわね」
「ドロー。チャージ。コスト3で無限ラッシュを使用するわ。私を選んで、格闘家の職業特性を発動。コストを5払って、攻撃力8。シャベル妖精に攻撃。破壊。森を守るエルフに攻撃。破壊。タイターニアに攻撃。ギリギリ削れない……と思ったでしょ。デッキから発動。無限天成」
魔法 コスト7 無限天成
効果:無限ラッシュの効果を使用して二体以上のモンスターを攻撃で破壊したときに発動する。デッキか手札のこのカードを墓地に送ってから、生命力を1にしてコストを支払わずに墓地から無限ラッシュを使用する。このカードの効果を使用したとき、もう一度攻撃できるようになるが次の自分のターン終了時に自分は負ける。
説明:無双極めて夢想に手が届き無限に手が届き天に成る。これすなわち無限天成
カネスキちゃんは驚いているわ。
「どういうカードですのそれ」
「一か月前偽者のドロウちゃんに貰ったのよ。お嬢様のデッキを強化するお手伝いをしようとしたのですが、ほとんどはずれで唯一のスーパーレアであるこれもお嬢様のデッキには合わないのであげますって言ってたわね。無限ラッシュは便利だけれど、合わないわね」
「そういうことですのね」
「まずはタイターニアに攻撃。破壊。カネスキちゃんに攻撃して4ダメージ。残り3。ターンエンド」
これでやれることはできたわ。
カネスキちゃんの八ターン目だわ。
「これが全力ですのね。すべてを感じましたわ。ドロー。チャージ。これが今私が出せる実力ですわ。コスト5でミセスゴーストを召喚しますの」
ミセスゴーストが現れたわ。
「ミセスゴーストで攻撃ですの」
「エクトプリズムですわ」
ミセスゴーストから虹色の光線が放たれて、私にダメージを与えたわ。
負けたわね。
「全力で八つ当たりしましたわ」
「色々ひどいこと言っちゃってごめん。私だってあんなこと言われたくないもん」
「いいんですわ。八つ当たりさせるために悪いこと言ったのですからね。そうですわ、あきらめちゃだめですわね」
「そういうことよ」