プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~ 作:黒点大くん
あの後話し合いをして敵ではないことが分かった。
「話し合いは大事だな。もっと早めにしておけばよかったですね」
「ああそうだな」
「どういうこったよ。自分たちだけで完結してないで説明してくれ」
「まあだいたいは……察せます」
「シンズルは賢いねええ。よおしよし。私は分からないから教えてほしい」
お察しの通りだよ。
打ち合せしながら首長のところまで歩いて行った。戦っている人たちも多いし、堂々と話しても聞かれないだろ。
「まあ俺たちは味方ってことだ。だってこの組織三番手から五番手まで最初っから裏切るつもりでこの組織入ってるもん」
「この話いつ聞いても人望無さすぎて笑えるんだけど。まあ雑魚カード数十枚でレアカードくれる人は絞りかすになるまで利用されてあとはポイされても仕方ないんですよね」
「そんな……いくらなんでもそれはひどいです」
「恩や情ってものがないんだね」
「最初っからねーよ」
「邪教を自己申告してるような屑組織に思い入れも情もねーよ。まあ恋人や子どもがいれば話は違っただろうがな」
四番手はうなづいた。
サングラスの女の子とセーターを着た女の子の両腕を縛ってから首長のいる部屋に入った。
「おお。侵入者を捕まえて捕えてきてくれたのか」
「まあそういうことです。いれてください」
「きったねーぞ。最初っから裏切るつもりって言ってたじゃねえか」
「そうですよ。ひどいじゃないですか」
打ち合わせどおりだ。迫真の演技だなあ。
「嘘はつきたくないけど、つかなきゃいけない時もあるのよ。実際敵組織を裏切ろうとしている奴は信頼できるからな」
近づいてきた一番手に平手打ちをされる。
口の中が切れたな。
「何をするんだ」
「噓でもそういうことを言うな」
「利用するだけ利用してあとくされなく捨てる。これはこいつらの流儀ですよね。それをリスペクトしたってわけだ。いい言葉ですよねえ」
「そんなの聞いたことがないのですが」
「黙らっしゃい。首長、今回捕まえた敵の実力を見てほしいんです。そうすれば実力を大幅に盛って手柄を横取りしようなんて考えませんからね」
拘束を解いた。
一番手と二番手がデッキを構えた。赤いセーターの女の子のデッキが青く光る。
「茶番……」
「裏切りとは気に食わない」
「何のことですかね」
「すっとぼけないで」
自然な流れでタッグファイトが始まった。
一番手の二ターン目までなにも起こらなかった。二番手の職業が騎士だからなかなか攻めにくいというね。
「ドロー。チャージ。コスト2で盗賊ゴブリンを召喚。ターンエンド」
サングラスの女の子の二ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト1でタクロウライターを召喚。ターンエンド」
万全だな。
二番手の二ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト2でメガチャージ……ターンエンド」
セーターの女の子の三ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト2で有翼の剣士を召喚します」
翼の生やして剣を持ったマネキンが現れた。
モンスター コスト2 有翼の剣士 種族:アンゼ、ガーディアン
効果:なし
攻撃力:2 防御力:1 生命力:3
「有翼の剣士で盗賊ゴブリンに攻撃してターンエンドです」
一番手の三ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト3でドラム五郎を召喚。ターンエンド」
妖精とメタルアヤカシは相性が悪くないわけじゃないけど嚙み合わないんだよなあ。
サングラスの女の子の三ターン目だ。
「ドロー。チャージ。ターンエンド」
二番手の三ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト4でトリプルドロー……ターンエンド」
二番手がさっきから何もしてないのが不安だ。
セーターの女の子の四ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト4でトリプルドローを発動します。そして有翼の剣士で盗賊ゴブリンを攻撃します。ターンエンドです」
一番手の四ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト3で魔海のサハギンを召喚。一枚ドローしてタクロウライターに攻撃」
「タクロウライターの効果でデッキからタクロウライターを一枚墓地に送って、墓地に送ったタクロウライターでタクロウライターを墓地に送る」
「ターンエンド」
何をしてきやがる。
サングラスの女の子の四ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト4で荷電付喪神の知識術を発動」
魔法 コスト4 荷電付喪神の知識術
効果:自分の手札の種族:メタルアヤカシのモンスターを一枚捨てて、三枚ドローする。
「手札のステルスアヤカシ ナンジャカを墓地に捨てて、三枚ドロー。ターンエンド」
二番手の四ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト5で大地の読心術を発動」
魔法 コスト5 大地の読心術
効果:自分以外のすべてのプレイヤーの山札の一枚目を表向きにして二枚ドローする。手札を一枚コストゾーンに置く。
大地の読心術でネタが割れた。
「ターンエンド」
「ただ事故ってるだけかな」
「ビビるこたあねえぜ。事故れば雑魚ですから」
なかなかモンスターが来ないなんてあり得るわけがない。
セーターの女の子の五ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト5で賢くて善なる存在を召喚します。有翼の剣士で盗賊ゴブリンに攻撃して破壊。ターンエンドです」
ほぼ勝ちでは。