プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~   作:黒点大くん

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六十枚目 滅龍 アジ・ダハーカ

「ターンエンドだ」

 黒覆面ヤローの十ターン目だ。

「ドロー。チャージ。キングバーンウィザードの効果でバックブラストバーンを捨てる。効果でバックブラストバーンをサーチして、バーンコスト5でバーンドロー。墓地のバックブラストバーンとバーンチャージブーストを戻して三枚ドロー。ターンエンド」

「愚かな。自ら生命力を減らすとはな」 

 黒覆面ヤロー:生命力5→3

 

 首長の十一ターン目だ。

「ドロー。コスト6でクワトロブーストを発動。ドラゴンキングでキングバーンウィザードに攻撃。ターンエンド」

 黒覆面ヤローの十一ターン目だ。

「ドロー。キングバーンウィザードの効果でバックブラストバーンを捨てる。そして滅龍 アジ・ダハーカをサーチ。これで生命力は1だ」

「自滅してくれとはありがてえやつだぜ」

「俺はそんなバカじゃないと思うぜ」

 必死に生命力を減らした理由はある。

 

 あのカードを召喚するためだ。

「効果で連撃をサーチしてコスト2で滅龍 アジ・ダハーカを召喚。うぅ……ぐっ!」

 ここの天井に合わせたのか5mの赤黒いドラゴンが現れた。

「さらにコスト6でクリンタ城を発動」

 フィールドに城のミニチュアが現れる。

 

 魔法 コスト6  クリンタ城 

 効果:このカードは場に置き続ける。このカードは場にコスト2の種族:魔龍が存在するときのみ発動できる。このカードと種族:魔龍以外の全てのカードの効果を無効化して手札と場とコストゾーンのカードを好きな順で山札の上に置く。このカードが存在する限り自分の場の種族:魔龍のモンスターの攻撃できない効果はこのモンスターの攻撃時山札をすべてコストゾーンに置いて、攻撃終了時このカードの生命力を0にする。になる。

 

 上空に黒い穴が現れてアジ・ダハーカとクリンタ城以外の全てを吸い込んだ。

「これでこのモンスターは攻撃出来るようになる。滅龍 アジ・ダハーカでプレイヤーに攻撃。滅龍撃」

「なるほどな」

 首長生命力:生命力3→0

 

 場のすべてのカードが消えた。首長は膝をつく。

「うぅぐっあぁ!」

「おい。大丈夫かよ」

「辛うじて耐えられる」

 つらそう。

 

 黒覆面ヤローは左胸を苦しそうに抑える。

「何回かこのカードを使ったことはある。が、もれなくこの苦しみを味わうことになる。だからなるべく使いたくはなかったが、こうするしか勝つ方法はなかった。アジ・ダハーカを使うたびに怨みの意思が頭の中を駆け巡る。よくこんなカードを使って何の異常もないな」

「カード使って異常起こすとか。トゥルーファイトじゃあるまいし、そんなことないだろ。現に俺が使っても何も起こらなかったんだから。返したいなら素直にそういえばいいのに」

 黒覆面ヤローはアジ・ダハーカとクリンタ城を投げた。 

 

 四番手はアジ・ダハーカとクリンタ城を受け取ってデッキに入れる。

「レアカードは貰ったぜ。ぜひ使わせてもらいますよ」

「なんて奴だ」

 首長は立ち上がった。

 

 首長は一番手と二番手を手で招く。

「私が逃げるまでの時間稼ぎをしろ」

 首長は袖からスイッチを落としてから消えた。

「あれはいざというときのためにこの基地を自爆させる装置を稼働させるスイッチだな」

「そんな……皆さんの避難を誘導してきます」

「一緒に行ってくるよ」

 サングラスの女の子とセーターを着た女の子は部屋から出た。

 

 ヤバすぎる状況になると一周回って冷静になってしまう。

「なんでそんな実用性のないベタなモノがあるんだよ」

「機密保持のためだろ」

「噓をつけ。首長様には何も聞かされていなかった」

「そう思いたいならそう思えばいいさ。首長にゴミのように捨てられた事には変わりないですからね。ワープゲート」

 なにも起こらなかった。

 

 二番手が床を指さしたので見ると、バツ印のかかれた円が床にあった。

「魔法封印の結界……これで魔法を封印した」

「自分の魔法も封印するカードをデッキに入れてるなんて予想外」

「アルカナンバーシックスティーン ザ・タワーを召喚。うぅっ……」

 塔が出てきて天井を突き破った。

 

 出てきた塔を上って地上で降りて魔法封印の結界の外まで行ってワープゲートでテレポートした。

「魔法は封印されてもモンスターは封印されていないからな」

「ちょっと体力を持ってかれたけど、命に代えれば安い」

 咄嗟にテレポートしたから行く末が見れなくて残念だ。

 

 ちなみにテレポートした先はお嬢様の家の庭園だった。四番手とカシヨと黒覆面ヤローはいつの間にかいなくなっていた。

「あっそういえばハナメデルも誘拐されていたはずだ。アイツまさか爆発に巻き込まれたんじゃ……」

「こんにちは」

 振り向くとハナメデルがいた。

「ちゃんと足はあるな」

 生きていたか。

 

 ハナメデルは座る。

「辛うじて生きていたナハ。爆発の警告を聞いていなかったら、今頃巻き込まれていたナハ。ちゃんと爆発を見届けたからわかるけど、あれじゃ何も残っていないナハ」

「じゃあ暗黒怒労蛮苦邪教団の悪事の証拠も全部吹っ飛んだってわけだ」

 ハナメデルは口角を上げて懐から紙を出した。

 

 紙にはいろいろ書かれている。

「記録はちゃんとあるナハ」

「仕事がはえー奴だな」

 まあ四か月以上もあればな。

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