プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~ 作:黒点大くん
目を覚ましたら手錠をされてた。
「カードデッキはもちろん奪われてないな」
シンズルの受け売りだけどトバクファイトに勝つか渡されるかしていないのにカードを奪うと、不幸な目にあいやすいらしいからな。あいつらもそこまでバカじゃなかったか。
「それか手が使えないからカードも使えねえだろって言う驕りかもしれないな」
それだったらバカすぎる。
こんな時のために紙の中にカードを入れてあるんだよなあ。
「髪もちゃんと調べとけよ。まああっても取れねえか」
頭を振ってカードを落とした。手でカードを拾って取る。
「ネットスラッシャーを召喚」
姿が現れたけどすぐに消えた。
そういうことかよ。
「モンスター封印結界か」
「まあな。モンスター使われて出られると困るんだよ」
檻の外から私を見つめてくる奴がいた。さっきまで隠れてたのか。
そう言えばシンズルはどこだろ。
「シンズルはどこ?」
「俺たちに招待されて今頃マイコニドの胞子入り紅茶を堪能しているぜ。ちなみにここは防音壁が使われているから、どれだけ騒いでも気づかれねえ」
「なんだと」
うかつだった。
シンズルがケガをしているガラの悪い男たちに連れられる。
「ありがとうございます」
「いきなり殴られて死ぬかと思ったぜ」
「すみません。でも何か違和感があるんですよね。アカネさんが不法侵入と脅し以外の悪いことをするなんてありえないと思うんです」
盗賊ゴブリンが後ろから飛びかかる。
あっぶねえ。
「よけろ!」
「え? あ……はい」
シンズルは盗賊ゴブリンの攻撃をよけて、カードを出した。
「魔法を発動させていただきます。天界の護光」
カードが光る。サングラスしてるから眩しくないんだなこれが。
鉄がひしゃげる音が聞こえて牢屋から出られた。
「ロックキャンセラー使いますね」
キィィィンという音が聞こえてから手錠が消えた。
ガラの悪い男たちがデッキを構える。
「倒してやる」
「やめとけ。ボコボコにされるぞ。まあ私たちにボコボコにされた挙句カードを持っていかれたいのなら、止めないけどな」
「なんだとぉ」
こう言ったらだいたい顔真っ赤にして倒しに来るのが面白い。黒覆面ヤローには引っかからなかったんだけどね。
なんだかんだ楽々倒せた。
「これ連続で戦っても勝てる奴だな」
「サクサクですね」
みんながみんな示し合わせたようにハンデスデッキだったからな。
嫌なオーラが突き刺さる。
「これは強いぞ」
ガラの悪い男たちが壁に近づく。
筋肉の塊のような男が現れた。
「君たちがカードハンターだね?」
「すみません。お邪魔してます」
「ここのボスをやっている者だ。名前は言わなくていいだろ。どうせ負けるんだからな」
筋肉の塊のような男はデッキを構えた。
シンズルのデッキが赤く光る。
「俺のモンスターを見ろ」
「倒しますわ」
「「トバクファイトエントリー」」
カードを並べた。
互いに二ターン目まで動きはなかった。シンズルの三ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト2で有翼の剣士を召喚します。ターンエンド」
筋肉の三ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト3でハーピィの護衛を召喚。ハーピィの護衛は防御力3攻撃力0……攻撃も出来ないから、ターンエンド」
革の鎧を身につけたハーピィが現れた。
シンズルの四ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト4で権威の御業を召喚します。攻撃力0です。ターンエンド」
筋肉の四ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト3でプラスリロードを発動。二枚ドローして手札を一枚墓地に送る。さらに墓地に送られたハーピィダンサーの効果発動。効果で手札から捨てられた時場に出す。ターンエンド」
ハーピィは数をそろえるには抜群のカード群だ。だがしかし攻撃力があまりない。攻撃力の高いカードを出せればシンズルは勝ちやすくなるのだ。
シンズルの五ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト5でアンゼリミッター:ブレインを発動します。二枚ドローしてターンエンドです」
筋肉の五ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト4でトリプルドローを発動。ターンエンド」
そこから七ターン目まで膠着状態だった。
シンズルの八ターン目。
「ドロー。チャージ。ようやく出ました。コスト5で賢さの試練を与えるものをいたします。ターンエンドです」
筋肉の八ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト6でハーピィの住処を発動。このカードは場にある限りハーピィと名の付くモンスターの召喚コストを2下げる魔法だ。コスト2でハーピィニンジャを召喚。召喚された時の効果で山札からハーピィと名の付くモンスターを一枚デッキから加えて、墓地に送る。墓地に送られたハーピィゲリラの効果で手札から墓地に行ったら場に出る。ハーピィゲリラの効果で賢さの試練を与えるものには手札に行っててもらうぜ。ハーピィニンジャで有翼の剣士に攻撃。破壊。ターンエンド」
「はわわ。そんな……」
シンズルが涙目になる。
シンズルの九ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト9で光り輝くものを召喚します。効果であなたの二ターン後になるまですべてのモンスターの効果を封印します。パワーオブコスモ」
「厄介な効果だぜ」
「ターンエンドです」
一時しのぎにしかならないぞ。