プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~   作:黒点大くん

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六十九枚目 勝利

 シンズルは指を差した。

「多翼の天使でハーピィの首長に攻撃。1残りましたか。賢くて善なる存在でハーピィの首長に攻撃します。破壊。光り輝くものでハーピィの護衛に攻撃します。破壊。賢さの試練を与えるものでハーピィニンジャに攻撃します。破壊。夜と未来と忘却の天使でハーピィダンサーを攻撃します。破壊。ターンエンドです」

 一気に攻めてるな。

 

 筋肉の十四ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コスト2でネクロマスターの術。ハーピィの首長を手札に戻す。ターンエンド。そして俺の十五ターン目だ。ドロー。チャージ。ターンエンド」

 シンズルの十四ターン目だ。

「ドロー。チャージ。意志の支配者でハーピィダンサーに攻撃します。破壊。多翼の天使でプレイヤーに攻撃します。夜と未来と忘却の天使でプレイヤーに攻撃します」

 筋肉:生命力10→5

「ターンエンドです」

 生命力だけで言えばシンズルが不利な状況なんだよね。

 

 筋肉の十六ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コスト5で風に舞う鳥人を召喚。ターンエンド。こいつの防御力は2生命力は4だ」

 シンズルの十五ターン目だ。

「ドロー。多翼の天使で風に舞う鳥人に攻撃します。夜と未来と忘却の天使で風に舞う鳥人に攻撃します。破壊です」

「風に舞う鳥人は破壊された時に墓地からハーピィと名の付くモンスターを二枚まで手札に戻して二枚まで手札を墓地に捨てることができる。墓地のハーピィダンサー二枚を手札に加えて墓地に捨てる。ハーピィダンサーの効果で場に出す」

「ターンエンド」

 最低でも二回は攻撃を防げるという訳だ。

 

 筋肉の十七ターン目だ。

「ドロー。コスト6でハーピィの骸術師を召喚。登場時効果で墓地からハーピィニンジャを場に出す。この効果を使った場合俺はこのターンモンスターを場に出せない。ターンエンド」

 シンズルの十七ターン目だ。 

「ドロー。コスト10で精霊物質化を発動します。場の種族:アンゼのモンスター二体を相手に直接攻撃可能させます。多翼の天使でプレイヤーに攻撃します。夜と未来と忘却の天使でプレイヤーに攻撃します。私の勝ちです」

 筋肉生命力:5→0

 

 場がすっきりする。

「浮いていますね」

 カードがいくつか浮いて鎖のような模様が浮かび上がっていた。

「戻しますね」

 シンズルがカードに触れると、カードから出た青い雷がシンズルの手を拒んだ。

「きゃっ」

 シンズルは尻餅をついた。

 

 シンズルは涙目になる。

「なんでこうなるんですかぁ?」

「持ち主を拒むカードか。芸術点が高いな……ああっとそんなこと言ってる場合じゃねえ。シンズル大丈夫か?」

「ええ。大丈夫です」

 シンズルったら強がっちゃて。

 

 シンズルを支えて立ち上がった。

「今の何なんですか」

 カードがシンズルの元に戻る。

「使えなくなってますね。あと七日は使えなさそうです」

 強力な分間を開けないと使えないのか。

 

 シンズルは考えこむ。 

「トバクファイトで勝ったのですが、特にめぼしいものがなさそうなんですよね。でもカードハンターとしてもらわなければ、マナーが悪いですよね。あの、アカネさんはどれにしたらいいと思いますか?」

「デッキ全部奪えば二年ぐらいはトバクファイトで身ぐるみ剝げなくなるから全部貰っとけよ」

 それに売れば生活費になるからな。

 

 シンズルが首を横に振った。

「デッキを全部奪うのはひどいです」

「冗談だって。カードハンターとしてやっていいこととやっちゃいけないことの区別は付いてるからな」

「いくら冗談でも言っていい事と悪いことがありますよ」

 シンズルが頬を膨らませて怒ってる。シンズルは良い子だなあ。割と本気でデッキ奪おうと思ってたことは内緒にしておこう。

 

 シンズルは何かを思いついたかのような顔をした。

「ではハーピィの呪術師を四枚ください。割と便利ですからね」

「それぐらいくれてやるよ」

 シンズルはハーピィの呪術師を四枚受け取った。

 

 筋肉とガラの悪い男たちは逃げる。

「俺たちは不法侵入されたからまだこっちが正しいぞ」

「マイコニドの胞子が体の中にあるから、裁判所で証拠として吐き出せば一発だぞ。私たちはマイコニドを持ってないからな」

「しまった」

「いつものようにマイコニドの胞子吸わせるのが悪いんだぞ」

 うかつだなあ。

 

 ガラの悪い男が構えた。

「ここでいなくなってもらえば証拠不十分だぜ」

 ハーピィが大量に召喚される。

「サプライズホバーボードを召喚」

 サプライズホバーボードを出して、シンズルを乗せる。

 

 何かを言おうとしたシンズルの口を手でふさいだ。

「助けを呼んできてくれ。一人や二人じゃ無理だ」

 サプライズホバーボードを無理やり発進させる。

「自棄を起こしたか」

 オボロボットカーを召喚してから中に入って攻撃をしのぐ。

 

 耐え切れなくなったのかオボロボットカーが消えた。

「これは戻るまでに耐えられないだろうな」

「よくわかっているじゃないか」

 戻らないのが一番いいんだけどね。助けを呼んでくれとでも言わないとシンズルは逃げないからなあ。

 

 あっそうだ。

「まあ待て。レアカードやるから見逃してくれ。強いカードがあればそれだけ身ぐるみを剝ぎやすいぞ」

「そういうことなら見逃してやる」

 デッキケースに手を近づける。デッキケースの近くにある煙を出す筒を取り出して煙を出す。どさくさに紛れてサプライズホバーボードを召喚してデッキケースを破壊させた。これで一年ぐらい大人しくなるだろ。デッキケースの修理代はバカにならないからな。

 

 玄関で待っているとシンズルと大勢の人がいた。

「みなさんここの人たちに恨みがあるらしいです。報酬はすでにもらったので帰りましょう」

「ああ。いつも仕事が早いね」

 報酬を7:3にした。

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