プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~   作:黒点大くん

70 / 160
七十一枚目 イフリート

 火が燃え広がって壁を作った。

「早く消火しないとまずい」

「これただの幻だから」

 ラジーさんは炎に手を突っ込むが、ちっとも火傷していない。それどころか手が熱くなってる様子もなかった。

 

 この熱気ハチャメチャだ。

「くらえ。イフリートで攻撃。フレイムブレス」

 炎の巨人が吐き出した火炎によってペルーダがあぶられる。

「どあっち」

 火の粉がかかってすげえ熱い。

 

 ラジーさんはにやつく。

「イフリートは攻撃するとき相手プレイヤーの生命力を2減らす効果を持っているんだよね。しかもイフリートはバトルするときに時に攻撃力と防御力が相手の攻撃力と防御力を1ずつ上回る能力があるから反動や迎撃みたいな反撃系統の効果も受けないの。そして生命力は11もあるんだよね。まあマジカランプの効果でしか場に出せないってのが欠点なんだけどさ。どーよこのモンスター。手に入れるのに苦労したんだよね」

 褒めてほしい感が満開だな。

 

 忌憚のない意見をぶつけるか。

「ちょっとずるいですね」

 俺のスタイルは盾で殴って剣で殴るスタイルだからな。盾で殴るのを否定されちゃずるいとも言いたくなる。

「これでターンエンド」

 イフリートを出すために殴られてたってわけだ。

 

 俺の十ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コスト8でチャージブースト。コスト2でビーコンパラサイトを召喚。俺でイフリートに攻撃。ターンエンド」

 今のドローのおかげで鯵テーターもギロチンフェイスデビルも来たぞ。

 

 ラジーさんの十一ターン目だ。

「ドロー。コスト2でエスケープゴート発動。自分の場のモンスター一体を破壊して二枚ドローするよ。私はバーサーカーを破壊してドローするね。イフリートでビーコンパラサイトに攻撃。フレイムブレス」

「ビーコンパラサイトの効果でペルーダに攻撃してもらう」

「何それズルイ。まあいいや。ターンエンド」

 あと3回か。まあ大丈夫だな。

 

 俺の十一ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コスト4で鯵テーターを召喚。コスト6でギロチンフェイスデビルを召喚。ギロチンフェイスデビルの効果発動。イフリートとペルーダに1ダメージ。だが、ペルーダは戦闘以外でダメージを受けるとき生命力は6になる。超絶コンボ、エネルギーヒーリングエクセキューション。俺でイフリートに攻撃」

 残りは2だな。

「鯵テーターとギロチンフェイスデビルとビーコンパラサイトでも攻撃はしますが、特に何も変わらないのでターンエンドです」

 ラジーさんの場にはイフリートしかいない……つまりイフリートを倒せば勝てる。

 

 ラジーさんの十二ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コスト9でトリプルアタック。効果でこのターン中3回攻撃が出来るよ。イフリートを選ぶ」

 生命力を回復する魔法を入れておくんだったぜ。

「イフリートでペルーダに三回攻撃。トリプルフレイムブレス」

 俺の生命力は0になって場がすっきりした。

「ダメージを与えるんじゃなくて生命力を減らすから、バーンメタのメタにもなるんだよねこれ」

 なるほどなあ。

 

 これが領地を取り合う戦いじゃなくてよかったよ。

「この国には闘争裁判制度と言うものがあるのを知ってる?」

「なんですかそれ」

 証拠を出し合って互いに探り合うことを揶揄して闘争裁判と名付けられるようになったとかいう逸話がありそう。

 

 でもそんな逸話があったとしてもそれが俺にとって何の関係もないことは確かだ。雑談をしに来たのかな?

「大犯罪を起こした貴族の裁判の結果をカードファイトの結果で決めるっていう名目のシステムだよ」

「それって強い奴さえいればどんな犯罪も起こし放題ですよね。この国ヤバいですね」

「そうじゃないんだよね。この国の伯爵家の一員として言ってはならないことだけど、証拠が無くても犯罪に出来るからもっとひどいよ。まあ半数以上の貴族の合意がないと闘争裁判が起こせないっていうのが救いかな」

「擁護できないものなんですね」

 わざわざカードファイトなんかせずに闘争裁判起こした方が手っ取り早いのに。

 

 お嬢様に聞くと耳打ちしてくれた。

「闘争裁判で領地が没収されれば合意した貴族に領地が平等に配られますからね。しかしながらそれでは銀貨を詰めこめるだけ詰め込んだ宝箱から銀貨を一枚だけ貰うようなもので、うまみがありません。独占したいからわざわざカードファイトを挑んだと思われます」

 なるほどなあ。勝てないから自棄を起こしたか。

「大犯罪を起こした側が負けたら最低でも財産と領地を没収されるから、領地と財産が欲しい人たちはどうしてもピンハネル伯爵が弟と協力して大犯罪を起こしていた屑野郎ってことにしておきたいんだよね」

 何というか性根が悪い。

 

 なんでそんなシステムがあるんだ。

「基本的には一番カードファイトが強い人がカードファイトをするから、カネスキちゃんとドロウちゃんには強くなってもらわないとね。この領地カードファイトが強い人あまりいないもん。私やラーナ程度に負けているようじゃ話にならないよ。修業を付けなければいけないね」

「そうですね。無限コストチャージにも少し準備がかかりますからね」

 修業展開か。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。