プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~   作:黒点大くん

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七十三枚目 浄化する妖精の光

 俺の八ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コスト8でコストライズ発動。山札の上から四枚をコストゾーンに置く」

 いつの間にか工具箱に入っていたので入れておいたのだ。

「ターンエンドだ」

 次のターンに二枚目のにわとりが出せるぞ。

 

 お嬢様の九ターン目だ。

「ターンスタート。ドロー。チャージ。コスト4で発掘調査を発動しますわ。効果で山札の上から一枚をコストゾーンに置くか、コストゾーンのカードを手札に加えるかできますわ。極大妖精(ビッグフェアリー)を手札に加えて、パックとコスト2を使ってパックを召喚しますの。破壊してコストを1追加しますわ。ループ証明。あと2回繰り返しますわ。ターンエンドですの」

 お嬢様のデッキが切れそうだな。回らないの覚悟して60枚にした方がよさそう。

 

 ラジーさんの九ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コスト6でダブルアタック。選んだモンスターは二回攻撃が可能になる。バーサーカーに使う。バーサーカーで攻撃。表。バーサーカーで攻撃。表。ターンエンド」

 マズい。イフリートが出ちまう。

 

 俺の九ターン目だ。

「ドロー。チャージ」

 ひょっとして自分のターンじゃないとイフリートは出せないのかな。

「コスト7で焼鳥屋に賛成するにわとりを召喚。コスト7でもう一枚のにわとりを召喚。まずは俺でバーサーカーに攻撃。破壊。にわとりでラジーさんに攻撃。そしてもう一枚のにわとりでラジーさんに攻撃。これで残り生命力は6ですね。ターンエンド」

 もうイフリートが出るのは確実なんだから、ためらいなく攻撃できる。

 

 お嬢様の十ターン目だ。

「ターンスタート。ドロー。コスト20で極大妖精(ビッグフェアリー)を召喚しますわ。極大妖精(ビッグフェアリー)で攻撃しますの。フェアリーオブウットサンクティフィカレント」

 光がラジーさんにまとわりついて、ラジーさんの生命力を削った。

 ラジー:生命力6→0

「さすがに二対一はきつかったか」

 場がすっきりした。

 

 ウォーターフォール滝から出た。

「凍えるほど寒いですわね」 

「ですよね。冷静さは失っても冷水は失わない修業ですよこれは」

「寒いことを言わないでほしいな。冷水だけに」

 つまらないことで盛り上がった。

 

 一旦体と服を乾かしてから動きやすい服装に着替えた。ちなみに着替えはワープゲートで帰還して勤め先で行った。そしてウォーターフォール滝に戻った。

「正直逃げられると思ってたよ」

「ではなぜ監視しなかったんですの?」

「20秒前まで仮眠を取ってたからね。着替えに時間をかけてくれて助かったよ。何しろここ最近働きづめでまともに寝てなかったんだよね」

 図太い神経してんなぁ。

 

 ラジーさんのハチャメチャな修行を受け続けた。犬とカードファイトしたりと手順が多くなるほど足場が崩れやすくなる条件で戦ったりと中毒起こしてもカードファイトを行ったりと色々無茶があった。

「こなすたびに実力が高くなっている気がしますわね」

「そうか。じゃあ一対一でやってみる?」

 ラジーさんはデッキを構える。

 

 ラジーさんはなんとかお嬢様に勝った。

「ギリギリだったね。まあ弱いけど充分ってところかな。二対一なら勝てないけど、一対一ならまあなんとかいける」

「どうしても勝てませんわね」

「いいじゃないの。実力が上がったんだから。闘争裁判は三日後で闘争裁判の会場に行くまで二日かかるから明日までに仕上げなければならないんだよね。このペースで行けば私を倒せるくらいにはなるよ。ドロウちゃんの実力も見てあげるよ」

 ラジーさんはデッキを構えた。

 

 ギリギリ勝てた。全体的にラジーさんの引きが悪くなった感じだったからね。

「なるほどね。この戦いで目覚めたんだね。主人公補正体質に。よかったじゃないの」

「ディスティニードローを何度も起こせるわけじゃないんですけど」

「一般的にはデスティニードローを何度も起こせる体質が主人公補正体質と呼ばれてるけど、同等以下の相手の引きを悪くするのも主人公補正体質なんだよね」

「知りませんでしたわ」

 お嬢様でさえも知らなかったのか。

 

 一旦帰って翌日一日ぶっ通しで修業した。

「二十四時間眠らなくても眠くならない術を身につけたのだった」

「反動があってたびたび痛い目に合っているっておっしゃっていたので乱用しすぎちゃだめですよ」

「そうですね」

 等々非常に説明臭い寝言をしていたとマイスさんから聞いた。 

 

 起きてからちゃんと正装に着替えて、キャラメルキャメルから降りる。降りたところは天秤をどでかくしたような建物の近くだった。なんでもここが闘争裁判専用のカードファイトフィールドらしい。 

 

 突如現れたワープゲートをピンハネル伯爵がくぐったので、真似してくぐるとたくさんの人と白装束の五人組がいた。

「こんにちは。私共は闘争裁判委員でございます。政治犯のピンハネル伯爵家を裁きとうございます。伯爵家は意義がなければ首を縦に振ってください。意義があるなら私たち五人を倒して無罪を勝ち取ってください。まずは私から行きますね」

 白髪の女の子が前に出てきてデッキを構えた。

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