プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~ 作:黒点大くん
ラジーお姉様に呼び出された。
「ラジーお姉様なんですか?」
「ちょっと紹介したい人がいるんだよね」
ラジーお姉様の部屋に連れられた。
ラジーお姉様の部屋には背の高い男の人と男の人と女の人がいた。
「この人たちはどなたなのでしょうか?」
「首長様の親友……」
「気に食わないがそういうことだ」
首長様っていうことはどこかの部族の偉い人なのかな。
背の高い男の人は目を大きく見開いた。
「特に役にも立たない
「お姉様これはどういうことですか?」
「私が
「いやいや初めての人がいるんだから説明してもらわないと」
訳が分からないのよね。
背の高い男の人は
「私は次元の巫女様を信奉している。私の力も次元の巫女様から貰った力だ」
「次元の巫女様ってのは異世界のカードを持っている謎の女ってことだ」
「私もこの人も次元の巫女を探しているから協力しようってなってる」
「ですからそのこととこれに何の関係があるのですか?」
いい加減本題に入ってほしい。
「うぇっ!?」
私のデッキケースから高次元のスピードラットが飛び出した。
「そのカードの力によってカードが変質しているのだ」
効果も名前も書き変わる。
背の高い男の人は手を自らの口でふさぐ。
「なるほど。次元の巫女様は残りカスでもこれほどの力を持っているのか」
変質したカードはデッキになって私の二つ目のデッキになる。
「長年協力してきた私じゃなくてラーナが選ばれたか」
「次元の巫女様の力は強大な力だ。だが吞み込まれればマズいことになる。せいぜい吞み込まれないようにな」
二つ目のデッキから禍々しい力と清々しい力を感じる。
一つ目のデッキから焼鳥屋に賛成するにわとりが飛び出して、4枚増えた。
「ええ!?」
増えた4枚のにわとりは高次元獣 フェネクスというカードに変化した。
「カードが変わった」
フェネクスは二つ目のデッキに入って、にわとりは一つ目のデッキに戻る。
訳が分からない。
「お姉様これはどういうことですか?」
「次元の巫女の器に選ばれたんだよ。闇であれば闇に染まり光であれば光に染まる強大な力を得たってわけだ」
「このことは内密に……」
背筋に氷を当てられたような気分になった。
そのあと休んだ。
結局あの人たち何者だったんだろう。
「なんだったのかな」
何だったんだろうね。
窓から変な人が入ってきた。
「俺はカードハンターだ。お前のカードをもらいに来たぜ」
「カードハンターですって?」
カードハンター……なんか体が震える。息も荒い。心臓がいつもよりも動いている。汗もだらだら出ている。
カードハンターが舌なめずりをしている。
「伯爵家によく忍び込めるね」
「楽をしたければこのぐらいしないといけないんだよ。いいとこのお嬢様には分からないと思うがな。トバクファイトエントリー」
「トバクファイトエントリー」
まあ勝てばいいのよ勝てば。勝てなかった後のことはどうしよう。
……ギリギリ勝てた。にわとりをあと1ターン出すのが遅かったら負けてたわ。
「何をもらおうかしら」
一番弱いカードを貰った。トバクファイトは勝ったら何かしらもらうのがマナーだからね。
「買えりうちに合うとはな……覚えてろ」
カードハンターは割れた窓から出て行った。
その日は何事もなく過ぎた。
何もない日だったのでカネスキちゃんの家に遊びに行った。
「
「ぐわー」
茂みから様子をうかがうと誰かがカネスキちゃんに倒された。
……よく見たら私を襲ったカードハンターじゃないのよ。
「楽勝でしたわ。もうちょっと手ごたえが欲しいですの」
「うわあああ」
カードハンターはカードを一枚置いて行ってから逃げた。
楽勝なんてそんな噓くさい。私はギリギリ勝てたのに。もしかして今のカネスキちゃんって私よりもずっと強かったりするのかな。
「まあそれはないよね」
一応私二連勝してるからね。相性かな。
茂みから出た。
「あっ。いらっしゃい」
「カネスキちゃん。いきなりで悪いけど何も言わずに私とカードファイトをしてほしいの。カードファイトエントリー」
「分かりましたの。カードファイトエントリー」
カネスキちゃんは首を傾げる。
……今はなんやかんやあって私の9ターン目が終わったところよ。
「まさか手札二枚で焼鳥屋に賛成するにわとり3枚の攻撃を防がれるとは思わなかったわ。格闘家の能力を使うべきだったわね。ターンエンド」
カネスキちゃんの10ターン目だわ。
「ターンスタート。ドロー。チャージ。コスト10で巨獣ギガントを召喚しますの。さらにコスト5でドラゴンブレスを使いますわ。ターンエンドですの」
巨獣ギガントの咆哮でにわとりがすべて破壊された。
私は何もできずにターンを終えて、次のターンに巨獣ギガントにとどめを刺された。
「本気出してる?」
カネスキちゃんのカードから伝わる力強さがちょっと足りなかったわね。
「今回は引きが悪かっただけですの。次がありますわよ」
ごまかされた。
そのあと勝ったり負けたりして家に帰った。負けた回数の方が多かったな。あとドロウちゃんとの戦いも見たけどあれは全然本気じゃなかった。手を抜かれてた。
「私じゃ実力が見合わないのかも」
「入るよー」
お姉様が入ってきた。
お姉様は私の横に座る。
「実力がないなら二つ目のデッキを使えばいいのに」
「あっ」
忘れてた。