プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~   作:黒点大くん

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九十九枚目 魔海龍 バミューダ

 俺はターンを終えて目つきの悪い男の七ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コストを3軽減してコスト2で魔海の鍛冶師を召喚。魔海のサハギンを手札に加えて一枚ドロー。コスト3で魔海のサハギンを召喚。二枚ドロー。ターンエンド」

 手札は4枚か。魔海の手札加速は凄いな。

 

 俺の七ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コストを1軽減してコスト8でアルカナンバーナイン ザ・ハーミットを召喚。ザ・ハーミットの効果発動。俺が勝てばお前か俺の墓地のコスト9未満の魔法をノーコストで使える。お前が勝てばこれ以降に使う魔法のコストは9軽減する」

「コストが9軽減するのは普通にありがたい。コスト20の魔海大陸の剣が出ましたよ」

「勝つ前提で話をするんじゃねえ。俺はコスト21のアルカナンバートゥエンティーワン ザ・ワールドが出た」

「メガチャージを使うかな。ターンエンドで」

 墓地にもうちょいいいカードを落としておいてくれよ。メガチャージ一枚じゃしょっぱい。

 

 目つきの悪い男の八ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コスト0で魔海のサハギンを召喚。二枚ドロー。コスト6で魔海の変異体 マレンティを召喚。効果で俺の場の魔海の数だけドローする。4+1で5枚だな」

 8枚か。

「あともう少しだな。ターンエンド」

 大陸剣はやだよ。雑に手札増やしまくってデッキアウトさせてくるからな。

 

 俺の八ターン目だ。

「ドロー。俺はアルカナンバートゥエンティーワン ザ・ワールドを手札に加えた。コストを21軽減してコスト0でアルカナンバートゥエンティーワン ザ・ワールドを召喚。アルカナンバートゥエンティーワン ザ・ワールドの効果発動。山札をめくった時に負ければ今まで俺がしてきたことはすべて無駄になる……が、勝てば一気に勝利に近づく。射幸心が煽られるおぞましいカードだぜ」

 この状況で勝てない確率は低い。だってコスト22以上のカードなんざめったにないからな。

 

 山札をめくる。

「俺はコスト1の小アルカナを引き当てた」

「コスト20の魔海大陸の明黒剣 メガラニカソード」

「ジャッジメントの効果で小アルカナのコストを21にする。その効果でいっぺんにアルカナが押し寄せて、ザ・サンの効果発動。俺が負ければ生命力は1になり、勝てばお前のターンの終わりに俺は勝つ」

 ジャッジメントに頼れない以上運に頼るしかない。

「おじさんがんばってー」

 コイツを手放さないためにがんばっていいカードを引き当てなきゃならん。

 

 山札の上をめくる。

「俺はコスト56の棒と剣と聖杯と護符だ」

「コスト20の魔海大陸の明黒剣 メガラニカソード」

「これで俺は勝つ」

「手札の魔海龍バミューダの効果発動。手札の魔海と名の付くカードを三枚まで山札の下に送って、このカードを場に出す」 

 それに何の意味があるんだ。特殊勝利無効化とかあったら俺は泣くよ。

 

 目つきの悪い男の九ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コスト6でクワトロブースト。ターンエンド」

「ザ・サンの効果で俺の勝ちだ」

 目つきの悪い男は首を横に振った。

「いいでしょう。今回はバミューダの顔見せみたいなものと割り切ればいいだけですからね」

 顔見世だが何だか知らねえが俺の勝ちだ。ただの負け惜しみなのに不思議と、うさん臭かったな。

 

 場がすっきりした。

「お前は俺に何を差し出すんだ。トバクファイトを挑んだ以上お前は俺にカードを譲渡しなきゃならん」

「この三枚のカードを差し上げます。正直に言ってこのカード要らないんだよね。だってデッキに合わないから。相性のいいカードでデッキを組むのって意外と大事なことだよ」

 三枚のカードをもらった。

 

 ……レアカードと言えばレアカードなんだけど、俺のデッキにも合わないから要らない。

「これやるよ。これでデッキを強くするといい」

「わーい。ありがとー。おじさんだいすきー。いままでよりもっともーーーっとすき」

 四番手ははしゃいだ。

 

 目つきの悪い男は四番手をじっと見る。

「おじさんどこかで会ったことあると思うけど、どこで会ったかなぁ」

「知らないです。たぶん気のせいだよ」

 コイツの言った通りたぶんマジで気のせいなんだろうな。でもその割には何かが引っかかりまくる。腑に落ちない。

 

 四番手とともにカードハンターの集う街から出て行った。目立たないために覆面を脱ぐ。目立つと色々と面倒くさい。

「はわあああ。覆面をとったおじさんもイケメンだねえ」

 七番手はもらったカードをデッキに入れた。

 

 七番手は俺の指に指を絡ませた。まあ都合がいいからいいか。

「自らはぐれないようにするのはいい心がけだ」

「えへへー。恋人繋ぎしちゃった」

 殺気をあちらこちらから感じる。

 

 街を出てフラム伯爵家に寄り道した。

「こんなすごいところはじめてきたよー。でもなんか初めてきた気がしない」

「なんか思い出せるか?」

「なんも分からない。さっきのたぶん気のせいだとおもうよ」

 まだ記憶は復活しないのか。都合がいいな。でも記憶が復活しそうな兆候はあるから注意をしておかないといけない。

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