魔法少女があらわれた! 作:ミ゙ヅヅヅ
第3話も実質初投稿!
──見知らぬ部屋へと誘拐された
「……」
そしてゆっくりと瞳を閉じた。心做なし表情も
……もう一度、もう一度目を開けてみるか?きっと寝惚けていたのだろう。そう頭の中で何度か唱えてもう一度目を開ける。
「……うわあ」
間の抜けた変な声が口から漏れる。知らない天井が見える。いや、何だこれ。
余りの
しばらく呆然とした侭天井を見つめていたが、だんだんとこの状況に危機感を感じてきた。
何でこんなところに、と言った具合で。
天井が見えるという事は現在、寝転んだ状態にある。それなら当然現状を確かめるためには起き上がるしかない、という感じで俺は上体を起こして立ち上がろうとする。しかし
「
反射的に手を腰に持っていく。余り痛くはなかったが、何もないと思っていたところを阻まれたので少し
「何か付いてる?……てか布団掛かってるじゃねえか。呆けてて気づかんかった」
流石に布団掛かってたのぐらい気づけよとは思う。ボケたか?いやまあ、テンパっていただけだが。
まあ、そんな不安になること考えるよりまず確認すべきことがあるだろう……と思い直し取りあえず身体の上に掛かっている布団を手で押し除ける。
そこには、金属製の
「えっ、何コレやばいヤツだ……」
身体に付けられている枷を見て
簡単に整理してみても、普通に警察案件だ。
一先ず外せないか確かめる。引っぱったり叩いたり足を力ませてみたりしてみる。しかし枷は何ともなく、ビクともしなかった。何か外せるモノ、この状況を何とか出来るモノがないかと
大きな四角テーブルを中心に、部屋の奥の左側に俺が寝かされているベッド。反対の壁際に本棚、テーブルを越えた部屋の手前側に金属製のドアが見える。
テーブルは木製で長年使われているのか、脚のところに傷がように見え、壁際の本棚は古びた本が結構な数保管されている。
金属製のドアは、キッチリと扉は閉められている。一応、内側から開けられるタイプの鍵だが、下半身が拘束されている以上開けにもいけないしどうしようもない。
「これって……
俺は今の状況を想像をして少し震える。
誘拐とか何歳になって言ってんだよって感じだが、他に考えられるのは何かの事件に巻き込まれて口封じの為に……とかぐらいしか思い付かない。でも、もし口封じなら既に
どっきりカメラでした〜とかを
それだったら現実的な考えが思い浮かんだ。俺は頭を振って都合の良い考えを振り払う。やっぱり……誘拐……なのか。それもこの歳になって?
どうやら、現実とした受け止めるしかないようだと俺は悟った。
◆◆
そんなこんなで、冒頭に誘拐宣言に戻るわけだ。
「そういえば、目覚めた時ヤケに清々しい感覚がしたよな。一体何だったんだろう」
少し時間が経ち、今出来ることは何もない……と諦め悟り、今の状況などを考えることにした。実際問題身体を縛られている状態で動くこともできないし、拘束を外すこともできないお手上げ状態なのだ。
後できることとなればこの状況への考察か現実逃避ぐらいだ。
後、清々しい目覚めとか言ってた
縛られて気持ち良いとかマジで変態だ。
俺自身Mの気なんてない!……なんて絶対的な自信を持って言い切ることはできない。本当にできない。
観る分にはSもMも好き、好物であるが。しかし、それとこれとは話が違うのだ。
実際にするされるとなると、興奮より先に痛みがきて無理だ。痛いのが苦手って訳ではないが、当然の如く好きではないのだ。どれだけ考えなおしても苦手に分類される。
では目覚めた瞬間のあの、爽快感は気の
眠気が取れてただ単純にスッキリしただけじゃないこの感覚。そもそも今日は朝起きたのが遅く、既にスッキリした状態ではあったのだから眠気ではないと思う。
あれだけ起きるの辛いとか言っていたけど身体自体は万全であった。今はそれの比じゃないぐらい、過去一番に調子が良い気がする。中々判断がつかない。
SMモノだとこの後、蝶の仮面を付けた嬢によって目隠しをされ、
「SMは冗談にしろマジでヤバい。亀甲三角木馬鞭打ちにしろ、何にしろ、この状態じゃ抵抗もあったもんじゃない」
俺はボヤきながら考える。
「最後の記憶が商店街で裏路地方面に入った所まで……か」
何とか頭から記憶を絞り出す。取りあえず拉致監禁拘束なんて人生で一度あるかのないかの強烈なイベントを忘れる……なんて普通じゃありえない。本当におかしい。とゆうか俺の人生において、そんなイベント起きるな!
いや、こう言う時こそ前向きに考えるのもありかもしれない。
今、
この昂揚感。緊迫感。圧倒的臨場感。
これがワクワクという感情か (白目)
と、今できることの一つとして、現実逃避をするもどうしようもない。
ポケットに何か入ってないか探ってみた。
財布がなくなっていたので、現金目当てかと閃いたものの、七千円程度しか入っていないのでその線もないかと落ち着いた。
依然として拘束された状況は続いていた。しかし変化した点もある。例えば、周囲の状況。起きたばかりの時は気が付かなかったが、この部屋の天井からの反響音的に地下や、それに類する位置にあるっぽいのだ。
そこで、暫く音を聞いていたのだが段々と音が大きくなっていたのだ。取り敢えず、上に人がいるのでは?と言ったぐらいのことしか分からないが。
そんなことを呟いていると、コツコツと降りてくるような音が聞こえてきた。目覚めてから今現在に至るまで、パトカーのサイレン音などはついぞ聞こえない侭であった。
そうなると、降りてくる足音は俺を拘束した張本人、もしくは関係者の可能性が高いだろう。
そうこう考えるうちに足音はこの部屋の前で止まった。
──ガチッ、ガッ──
扉に鍵を差し込み部屋のロックを外す音が聞こえてくる。ガチャリとゆっくりとドアが開く開閉音がする。部屋の外から一人の男が入ってきた。