魔法少女があらわれた!   作:ミ゙ヅヅヅ

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前書きって何書けば良いの?



4話

 

「おはよう。気がついたのかい」

 

 

 部屋に入ってきた男は、片手を少し挙げて俺に向かって笑顔で声をかけた。

 背は少し低めでぽっちゃりとした体型、茶色い眼鏡を掛け優しげな表情をしている。白いシャツに藍色のカーディガンを羽織りズボンは黒のチノを穿いている。

 いかにも人が良さそうな感じで、どうも悪い人には見えなかった。

 

 俺の予想ではこの状況で部屋に入ってくるのは警察、もしくは俺を拘束したものに関わる人物であると考えていた。見たところ警察ではないと思える。と、するならばこの男は……。

 

 

「……おはようございます?えと、ここは何処なんです?」

 

 

 鄭重(ていちよう)に今の状況を(たづ)ねる。相手はやばい奴の可能性が高いのだ。下手に捲し立てて怒らせるよりは下手に出ておいた方が良いに決まっている。

 

 取りあえず、男は『気がついたのかい』とか知ったようなこと言っていたので何らかのことを把握しているのだろう。そして、何らかというより全貌(ぜんぼう)を知っている可能性も結構高い。

 

 男は気まずげに笑って言う。

 

 

「ははは……取り敢えず自己紹介から。僕は松村、気軽に松村さんとでも呼んでくれ」

 

「はい。松村……さん?あの、一体何でおれ……ぼくは此処で拘束されているのですか?」

 

「説明か、そうだねえ。……と、その前に下半身の枷を外しておくよ」

 

「えっ?」

 

 男……松村と名乗るその人はそう言うと片手を前に突き出して何かを唱えた。すると、身体の自由を阻めていた枷が自然(・・)と割れた。金属の枷は粒子のように粒つぶに分解されて消えていく。何かのイリュージョンショーを体験しているような気分だ。

 彼は俺の驚いた顔に得意げな顔をして微笑(ほほえ)んだ。

 

 

「さて、井東くん。状況を話す前に今のキミの現状について教えて貰おう」

 

「は……、俺の名前をどこで」

 

「幾らでも調べられるからね。それでなくてもバイクの免許証入ってたし。……それより質問の答えの方が先だ。キミはどこまで覚えてる?」

 

「どこまで……?起きる前の最後の記憶ってことですか?」

 

 どこまで覚えているか……と突然言われても何を覚えているのかを聞いているのかが分からない。言葉をその侭受け取るならば此処で目覚める前の最後の記憶……?ってことになるのかな。

 

 

「最悪……記憶がパーにはなって無いって感じかな。でも少し抜けてる可能性もある。そして副作用も怖い。……あっ、そうだよ。その君が覚えている最後の記憶のことを訊ねているんだ」

 

 

 

 最初の方小さな声で呟いていたから余り聞き取れなかったが、何か記憶がパーとか怖いことが聞こえたし素直に従おう。

 彼、松村さんが悪い人でないにしても、現状従う他にない。今の状況すら把握できていないのだ。下手なことはできない。最後の記憶とやらがそんなに重要だとは思わないが、取りあえず言う他ない。

 

 取り敢えず、友達の家から出て商店街を散策していた旨を伝えた。

 

 彼は徐に言葉を発する。

 

 

「うーん。判断つかないな。もう少し詳細に頼むよ」

 

「え、はい。……ええと、商店街の入り口……南口の方ですかね。そこから商店街に入って、一先ず自宅に戻ろうと考えたんです。商店街通った先に自宅があるので」

 

 

 れんちゃんに関して調査をする……と言うのは取りあえず伏せておく。下手に話して巻き込むのはまずいかも知れないし。

 どっち(みち)自宅には帰ろうと思っていたので伏せても問題ないだろう。

 

 

「それで飲食店の方まで歩いて行ったんです。うどん屋とか焼鳥屋とかある辺りです」

 

 

 ウチの町の商店街は、田舎で大型のスーパーとかがない影響かそこそこの規模の商店街だ。商店街は田舎の癖して(にぎ)わい強く活気があるのだ。

 それゆえ、細かく言わない場所を勘違いするやも知れぬと俺は思い説明を付け加えておく。

 

 俺の言葉に男は、分かってるとばかりに項突(うなづ)くと俺に説明を()かす。

 

 

「そこ通り過ぎようとした時、妙に引っ掛かりを覚えて、少し道を戻ってみたんです」

 

 

 そう言えば、どうして引っかかりを覚えたのだろう。確か、戻ってみるとそこにポスター?……のようなものが貼ってあったような。

 

 

 ここら辺から俺の記憶が曖昧になって来ている。ポスターが裏路地のどの辺に貼ってあったかもあやふや、裏路地を結構進んだ気もするし、入ってすぐの所だった気もする。

 そもそもポスターであったかさえも不安だ。それぐらい記憶が混濁としている。

 

 

「とにかく、そのポスターに近づいたんです。そこには、何か文字が印刷されていて……ってポスターだから印刷されているか。と、それでポスターを読み進めた筈です」

 

「……うん。そのポスターに何書かれていたか覚えているかい?」

 

 

 男はゆっくりとした、重々しい口調でそう言った。

 

 うーん。ポスターの内容か。何か変なこと書いてあったような気はするのだが肝腎(かんじん)の中身はてんで覚えていない。それが本当にポスターであったのすら怪しいのだ。分かる筈もない。

 

 

「すみません。記憶がその辺りでプツリと切れてて曖昧です」

 

「なるほど、よく分かった。では、そこから先の内容を話そうか」

 

 

 男は首を縦に何度か振ってそう言った。やはり、俺がどうしてこのような状況にあるのか何らかの事情を知っている訳だ。

 俺は静かに男が話出すのを待つ。

 

 

「何となく察してるかもしれないけどね、現在この状況になったのは私たちが関係しているんだよ」

 

 

 それは……その通りだろう。警官でない時点で少し考えれば関係しているのぐらいは分かるし、それを踏まえてれんちゃんの名前を出すのも控えたのだし。

 

 それでも、松村さんの今話している表情を見れば何らかの事情があり、このような状況に陥っているのだとも察せられる。事情ありきで、やむを得ない事柄()為に仕様がなくやったかのようにも思える。

 それは……決して咎めないという理由になるものではないが、相手の話しはちゃんと聞かなければならないとも思う。

 

 松村さんは、申し訳なさそうに顔を暗くさせる。身体も心()しか(ちぢ)こめている。

 以為(おもえ)らく、私利私慾(しりしよく)のためにこのような状況を引き起こしたのではないだろう。

 

 

 そんなことを考えていると松村さんはおずおず言葉を出した。

 

 

 

 

「えっとねえ、落ち着いて聞いて欲しいんだよ」

 

「はい……」

 

 

 彼は言葉を発す。

 

 

 

「キミがポスターを見たあの後、気絶……キミを眠らせて私たちのアジト、つまり此処まで連れて来たんだよ。……そして改造手術を」

 

 

「おーけー、グーグ○、警察に通報!」

 

 

 男の言葉に、俺は即座に()から(・・)携帯を取り出してロックを解除し呟いた。不審者の通報は日本国民の義務だ!

 

 

 

「ちょっと、待ってくれないかな!!?まだ早い。早まらないで!最後まで聞いてから判断しようよ!!?ねえ!」

 

「いえ、既に警察案件かと!改造手術て何ですか!」

 

「正論だけども。それでも最後まで話を聞くべきだと僕は思うよ」

 

 

 此処から挽回できるものは既にないと思う。そして男の印象が少し崩れた気もする。リアクション芸とかうまそうだと暢気(のんき)に感じてしまった。いやでも、此方から抵抗する事も難しいのは確かだ。相手に対してのプレッシャーをしっかりと感じよう。最後のどんでん返しがあるかもしれない。最後まで聞こう。

 

 息を呑んで呟く。

 

 

「では、最後までお願いします」

 

 

 決心して俺は言う。どうせ駄目だろうが、ほんの少し挽回の期待を込めて呟いた。

 

 多分、無理だろうけど。

 

 

 松村さんは、息を大きく吐くと俺に向かって大きな声で言った。

 

 

「じゃあ一気にいくよ……。改造した理由は世界征服を達成せしめんとする為、悪の怪人となり敵と戦って貰う為なのだ!」

 

「すみません!俺の判断は何一つ間違ってなかったです!グー○ル先生、警察追加で」

 

「その気持ち分かるけどちょっと待って!?色々理由があるんだ!?」

 

「世界征服を達成せしめん為……って完全にアウトじゃないですか。せしめん、て」

 

 

 

 いや、これ完全に警察沙汰な内容じゃないか。一応刑法には、

 

 

 

──刑法

 

第七章 犯罪ノ不成立及ヒ刑ノ減免

 

 第三十五條 法令又ハ正當ノ業務ニ因リ為シタル行為ハ之ヲ罰セス

 

第三十三章 略取及ヒ誘拐ノ罪

 

 第二百二十四條 未成年者ヲ略取又ハ誘拐シタル者ハ三月以上五年以下ノ懲役ニ処ス──

 

 

 

 と、書かれている。うん。普通に警察沙汰だ。改造は『正当ノ業務』に当たらないだろうし、俺は一応十八歳。未成年誘拐にも当てはまる。

 と、言うか悪の怪人とか改造とか言ってる時点でヤバい空気がビンビンにする。

 

 

「うわ、法()されたらぐうの音も出ないんだけど……」

 

「法以前のヤバさを感ぜざるを得ませんが」

 

「う、……い、いや。しかし僕たちにも言い分があるんだよ。見返りも結構出すし。だからさ、もう少しぼくの弁明を聞いて欲しいんだよ」

 

「見返り?」

 

 

 よく分からないが俺に取って都合の良い話しだったら犯罪的な改造手術も致し方無い気もする。

 改造された側は被害者的立ち位置だし、悪の怪人とか言ってたけど美味しい話なら悪事でも(やぶさ)かではないような気がする……。

 

 

 ……。

 

 

 

 

「何ですか見返りって?まずは詳細とかをお願いします!」

 

「キミ変わり身早いね?!何その手の平返し!!」

 

「手の平タービンってよく言われます」

 

「何で誇った顔してんの!蔑称っぽいよ」

 

 

 さっきまで下手したら殺されるとも思っていたのに、美味い話があるとなれば俄然(がぜん)テンションが上がるってものよ。実はお金とか良い話とか大好きなのだ。

 低俗な男、井東銃一(かねかず)(ここ)に見参!!

 

 

 とまあ、若干冗談だが本当に美味しい話なら全力で乗っかろう。しっかりと話は吟味するけど。

 

 

 

 

「堅苦しいよりかはマシと捉えておくよ」

 

「ありがとうございます!それで良い話とは?」

 

「手を擦って近寄らないで。顔に対してのイメージ壊れるから」

 

「冗談ですよ。何か思ってたより面白そうだと思ってノっただけですし。あっ、犯罪行為とかなら流石に乗り気ではないのですが」

 

 

 既に未成年誘拐と改造という犯罪っぽいのを犯しているのは置いておく。乗り気でないだけで今の状況的に逆らえそうもないだろうけど。

 

 

 松村さんは俺の言葉に軽い感じで応えた。

 

 

「大丈夫。今の法では裁けないから」

 

 

 衝撃発言。

 

 

「やっぱり法引っ掛かるんですか?!いや、裁けないから引っ掛かってない?それでもスレスレなのは確か?」

 

 

 松村さんの発言に声を荒らげる。え、法引っ掛かんの?()、今の法じゃ引っ掛かんないの?グレーじゃないですかやだ。

 

 どんな事やらされんの?

 

 

 アレかな。この成分はまだ法で禁止されてないから合法なヤクだよ。ハイになれるヤクだよ。ヤセルクスリアルヨ、みたいな奴。

 

 

 

「大丈夫だって。心配しなくていいよ。ちゃんと日本の法律は知ってるから」

 

「未成年誘拐に不当手術」

 

「ぼそぼそと耳に痛い言葉を呟かないで!一応記憶にないみたいだけど了承して貰ってるから。録音機に録ってるから」

 

「まじですか!そんなとち狂った手術に了承するなんて……」

 

 

 驚きだ。

 

「……って、ポスターの後気絶させてその侭手術したって言ってたじゃないですか。それじゃあいつ了承したんすか」

 

「それはまぁ……いや、実際録ってると言ったんだよ。それより良い話を聞きたくないか?」

 

「聞きたいです!」

 

 

 松村さんは小さく『ちょろいな』と呟くと一息つく。ちなみにその声は俺の耳に普通に届いた。ちょろいって酷いな。聞こえてないと思ってるのだろうか?スルーするけど。

 

 

「それじゃあ話を進めるよ。まずキミは僕達の組織によって改造された訳だ。理由は……まあ素質があったからみたいな感じだよ」

 

「改造……悪の怪人でしたっけ?」

 

「ああそうだよ。でもその段階ではまだ戦闘員ってやつにしようと考えてたんだよ。でね、キミに張紙のさいみ……善意的に了承して貰ってね」

 

「今、催眠って……」

 

「で、改造しようとした時に少し問題が起きて。キミなんか筋肉になんらかのチカラが溜まっててね。パーになる寸前だったんだ」

 

「無視っスか……って、ちょっと待って下さい。パー、てなんすか!抽象的なんですが!」

 

 

 筋肉パーって、何!筋肉破裂とかすんの?こう……パンッ、って。え、怖。

 

 

「大丈夫、大丈夫。怪人手術によって何とかなったから」

 

「手術……」

 

「それで、君は改造人間となって生き永らえた訳だよ!」

 

「……。どう転んでも改造と言う言葉の時点で何か素直に感謝出来ないのですが」

 

 

 うん。改造人間かあ……。言葉をそっくりその侭受け取った場合感謝すべきなのか?いや、多分違う気がする。そして改造と言う言葉が引っ掛かりまくる。

 

 

「燃費が悪いって言ったって怪人一号だからね。初号機だよ。戦闘員よりパワーは劣るけど怪人特有のチカラなんてのもあるし」

 

 

 素質……か。でも戦闘員より劣るパワーなのか。パワーが何かよく分からないけど。

 

 

「それに特有のチカラって何ですか?今のところ本当に力とかあるのかも分からないですし。客観的にみると松村さん痛い人みたいな感じですよ。信じる根拠とかはないんですか?」

 

 

 枷が粒子のように消えていった奴を除く。アレは超常現象っぽかった

 取りあえずなんらかの力を見せて貰えるならこの話の信憑性が少しは上がる。今のところ、松村さんは電波なことを口走ってるよくわからないおじさんぐらいの状態だし。

 

 

「そもそも見せるって言っても、キミは既にその力を使っているんだけどね」

 

「えっ?」

 

「分からない?……さっき警察に連絡しようとしてたじゃないか。一体何を使って連絡を取ろうとしてたの?」

 

「えっ、そりゃ携帯を使って通報しようとしたんですけど」

 

 

 俺が持っている携帯はごく普通のものだ。携帯電話なのに電話機能が存在しない……なんて特異なものではない。普通の携帯だ。

 そしてその携帯のロックを外して検索エンジンを起動させて音声入力ボタンを押した。(なん)らおかしな点は見当たらない。

 

 

 俺は(いぶか)しげに思いながらもその(むね)を男に伝える。すると松村さんはじゃあ、と言って言葉を続ける。

 

 

「キミ、その携帯一体どこから取り出したんだい?」

 

「そりゃあズボンのポケットから……って、へ?!」

 

 

 確か、松村さんがここに来るまでの間にポケットの中を探った覚えがあるな。探った結果ポケットには何も入ってなかった……筈。

 しかしながら、俺は当然の(ごと)く携帯をどこからともなく取り出し、グー○ルの音声入力を起動させ通報をしようとしていた。では、携帯は一体どこから現れた?

 

 

「無意識のうちに使うなんて凄いよ。第一号だからどこまで凄いのかは分からないけど。……さあ、携帯は一体どこから出てきたんだろう」

 

 

 携帯が何処にあったか。携帯は何処からともなく現れた。そして何処かに消えた。いや、片づけた。それは何か自分が知らない力が作用してその様な現象が発生した。

 うーん、それじゃあ一度不成(ならず)二度までも何も無い状態からスマホを取り出す事が出来たのだ。

 

 分からん!取りあえず携帯を出そうと試みる。

 

 携帯よ、出て来い……と強く念じてみる。すると俺の手の皮膚が盛り上がり携帯がピきピきと浮かび上が……え、グロっ!!

 

 腕から携帯が浮かび上がる。驚いてもう一度よく見てみると腕には何の痕も残っていないかった。

 

 

 うわ、グロいグロいグロい!!

 

 

 俺は手に持った携帯を真自々々(まじまじ)と見つめる。特に変わった様子は無い。ええ……。

 

 

 

「あの、すみません。これは一体なんですか?」

 

 

 俺は松村さんに質問をする。何か英語の教科書の最初の方にありそうな文章だな。松村さんは暫くして答えた。

 

 

「君の携帯だよ」

 

「……」

 

「……」

 

「えと、質問を少し変えます。何で俺の手から携帯が浮き出て来たんですか?」

 

「君が念じたからじゃない?」

 

 

 は な し にならねぇ!!もっとこう根本的な事が聞きたいんだよ!!そうだよね、これ俺の携帯だし念じたから現れたんだろうね!!?だが聞きたいのはそれじゃあ無い。

 

 何故俺の腕に携帯が入り、浮かび上がらせることができるのかだよ。

 

 

「何故腕に携帯埋まってるんですか!」

 

 

 俺は知りたい事を簡潔に言った。すると男は合点がいった様に答える。

 

 

「携帯って、手で操作するモノだからだよ」

 

「成る程。これは伝わってないな」

 

 

 男の返答に思わず声に出したリアクションを取ってしまう。

 

 

「俺が聞きたいのは、何故腕にスマホを埋める……?という暴挙に出たのかを聞きたいんです」

 

「別に携帯を埋め込んでる訳ではないよ。ただ携帯を収納しただけだよ。他のものも入る」

 

「他のも……うーん。それならまあ」

 

「今の法では裁けないってのもこのチカラが関係しててね」

 

「え……は、はい」

 

「現在の科学では解明されてないものでね。手術を施したって言っても一体何を手術したのか。この手術をしたからこのような超常的な現象が起こっているのだ……という因果関係を証明できないっていうか」

 

「よく分かりませんね」

 

「藁人形に五寸釘刺し込んで人呪い殺しても逮捕されないようなもんだよ。因果関係証明できないし」

 

 

 あっ、分かり易い。

 

 

「質問いいですか?」

 

「ああ、良いよ」

 

「改造の件は千歩譲ってまあ良いです。改造されたからにはそれ相応の理由がある筈です。その理由として最初に松村さん敵を倒すためって言ってましたよね。……その敵って一体なんですか?」

 

 

 一番大事であるだろう質問をする。最初に想像するのは国。日本政府に武力をもって立ち向かうみたいな奴。そして次に思い浮かぶのは世界と戦うこと。世界征服なんて言ってたから最終的には世界と戦うのだろうか。

 

 松村さんの返答を待つ。

 

 

「うーん。そうだね。実際に会わせてみるのが早いか」

 

「えっ?!」

 

 

 敵に会わせる?!ちょっと待って、何も準備できてないんですけど。

 

 俺の反応に構わず松村さんは片手を上に上げると何かを唱えた。すると周りの風景が変わった。

 

 

 


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