魔法少女があらわれた!   作:ミ゙ヅヅヅ

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朝起きたら石油王になってないかな


6話

「ああ、どうしてこうなったんだ」

 

 

 思わず声が出る。

 

 理由は単純。何か色々流されて悪の組織に入団してしまったからだ。

 

 色々話を聞いて、あの時の自分はこれが最善だと思って入社した……訳だが、取りあえず嘆かせてくれ。

 

 改造されたけど、多分そこまで強くないから死ぬ気しかしない。収納能力、家で試してみたけどまじ使えない。

 

 しっかりと収納したものの質量加算してやがる。重過ぎるやつ収納したら動けなくなった。

 

 重い物を収納してから体重計に乗って太ったー!!とかして遊ぶぐらいしか能力の使い方思いつかない。

 

 

「どうせ他にも、制約とかもあるんだろうな」

 

 

 俺はそう呟く。

 

 今、一番賢い選択は悪の組織を何とかして辞めることだろう。しかし、それは契約書に書かれた叛逆行為にあたり、処罰が下される。

 

 いや、それよりも魔法少女に力を貸している、精霊の存在だ。ぶっちゃけ組織側の説明で信憑性はアレだが、その話が本当だと(いささ)か厄介なことになる。

 

 組織と魔法少女……精霊の争いはつまるところ、魔石……組織側では虹透石(こうとうせき)と呼ばれてる石の取り合い合戦みたいなものだ。

 

 

 精霊は正義を謳って魔法少女に戦わせている。しかし、俺が松村さんから説明を受けた限りだと、それは少し違うようにも思える。

 

 だからって組織こそが正義だ、なんて言ってる訳じゃない。あの組織は悪は悪だ。俺を誘拐して許可なく改造とか行ってる時点で世間一般で言う正義の部類では断じてない。

 

 恐らく、話はもう少し複雑で悪と正義を名乗った何かの争いだ。俺はそのように感じた。

 

 あの説明は、一方からの贔屭(ひいき)ありの説明だろうが、それを抜いても、やはり思うところがない訳ではない。

 

 

「……辞めるのはもう少し考えてからの方が良いだろうな」

 

 

 やっぱりそんな結論に至ってしまう。やはり、関与しない訳にはいかない。

 

 今の俺の気持ちは

 

 関与しなければ……というのが三割、悪の組織は危ない……というのが三割、そして給金が高いというのが四割といったところだ。

 

 ヤバい。俺、金にがめつ過ぎない?

 

 うだうだ考えるのは自分らしくない、と気持ちを奮い立たせ気休めだが自分を励ます。(しばら)く悪の組織で働くと決めたのだ。とりあえず、目的を達するまではあの組織で頑張ろう。

 

 

 それにしても……

 

 

「普通の改造で建物6階からの高さでも余裕。俺の場合でも4階ぐらいだったら痛む程度……かあ」

 

 

 身体強化手術で唯一今分かっていることだ。

 

 ……そう言えば、俺の部屋って二階にあるんだよなあ。今の時間は5時ちょっと。この辺だと丁度人が余り通りかからない時間帯だなあ……なんて。

 

 手術に関しては収納能力自体はしっかりと成功していてるし、身体強化に関しても成功しているのだと信用はしている。

 

 3階からでも無傷、4階ぐらいだと痛む程度かあ。

 

 

「自分の限界を知るって大切だよね」

 

 

 ぶっつけ本番で魔法少女と戦うことはないと思うが、念には念を入れておいた方が良いだろう。そう!あれだ。自分の限界を知ることって大切だしね。

 

 窓を見る。()はまだ没しておらず青々としている。

 

 今のところ足が早くなった、重いものを持つのが多少は楽になった、というのは分かっている。身体強化はある程度成功していることを確認できているのだ。

 

 

 

 俺はベランダへと出る。

 

 

 部屋の窓を出たところに少し長いベランダ。角を曲がると、妹の和水の部屋の窓あたりまで繋がっている。細長いと表現すべきベランダだ。

 

 ちゃんと出入り口は存在している。しかし構造上、俺の部屋からでも和水の部屋からでも窓から出入りすることができるのだ。出入りできた時点で使い道はないが。

 

 

 普通に出入り口から出れば良いだけだし、そもそも出たところですることがない。洗濯物とかは庭で事足りるしガチで使い余してる。

 

 

 ベランダに出てみる。高さは少し高い。目測だから細かい数字とかは分からないが充分に跳べそう。下手したら改造前の状態でも跳べるかもしれない。

 

 

「気持ち高めにジャンプをして跳んだ方が良いか」

 

 

 どれくらい丈夫なのかと言う実験なのだ。改造前でも無事かもしれない程度の高さでビビり散らしゆっくりと降りたところで高が知れてる。

 

 

 足を若干曲げ力を入れる。手を少し振ってジャンプする。立ち幅跳びの要領だろうか。全力で地面を蹴りベランダを面を踏みしめ気持ち高めにジャンプして跳ぶ。

 すると、視界が一気に高くなる。大きな浮遊感に包まれる。

 

 

「は……?」

 

 

 風を切る勢いでグンと跳躍する。そして、最高高度……ベランダのジャンプ面からだいたい5、6メートルほどまで上昇すると。合計8、9メートルぐらい。学校の階の高さで言うと3、4階程の高さ。

 

 後は当然のように落下していく。小さく叫び声を上げながら落ちる。

 俺は重力の通り落ち、顔面から地面へダイブした。

 

 

 

「ヘグッッ……!!イ…痛っ……あんま痛くない」

 

 

 凄く上空まで跳んだのは予想外だったが、身体が頑丈になっているのは確かなようだ。4階で痛い程度だから3、4階程の高さでは……少し痛いぐらいか。

 

 

「それにしてもここまでの身体能力で少女相手にボロ負けするって、相手どれほど化けもんなんだよ」

 

 

 吐き捨てるように俺は言った。

 

 

 

  ◆   ◆   ◆

 

 

「ただいまー」

 

 検証が終わり一先ず自宅に戻る。

 

 

「おかえりー!ってさっきも一回家に戻ってなかった?すぐ部屋に行ったみたいだけど」

 

「少し忘れもんがあってな」

 

 簡単に言い訳する。実は……って言っても普通に考えれば分かる通り一度玄関を通って自宅に戻っている。少し焦っていたから和水にバレないようにこっそりと家に入ったつもりだったが、見事にバレていた。

 

 コイツの気配察知能力は(あなど)れない。気がついたら背後を取られてるレベルで気配消したり、察知したりする。気配が消えてるのはデフォだが。

 

 忍びになれるのではないだろうか。

 

 

「何か食べるの買ってきてる?さっき冷蔵庫確認したんだけど、碌なものも入ってなかったよ」

 

「あー、そう言えば両親旅行に行ってたな。どうする?今から何か買いにく?それとも出前でも取るか」

 

「めんどいし出前で良いんじゃない?どうせ後からお父さん立て替えてくれるんだろうし。頻繁に旅行行けるぐらいだから、お金は大丈夫そうだし」

 

「じゃあ、弁当でも取るか」

 

 

 出前を頼むことにした。俺と和水は余り料理が得意でない。料理サイトとか見ながらだったら少しぐらいはできるが、普通に素人並みだ。後、なんか肉々しかったり濃い味すぎたりするし、碌なの作れん。

 

 

「そう言えば、かねかず。帰ってくるの思ったより遅かったよね。何かあったの?」

 

「ああ、色々あったな。まあ説明すんのめんどいし後で話すよ」

 

「ういー。分かった。あっ、そだそだ。今日友達呼んだって言ったじゃん。その話聞く?」

 

「聞かない」

 

「まさかの選択!」

 

 

 顔が自慢げで、何となく腹がたったので拒否をする。別に和水が通ってる学校の子の話を聞いたって特に益になることもないし。

 

 登校区域とかが俺が通ってた時から変わっていた筈だから母校ですらない。特に思い入れもないしどうでも良い。

 

 

「そんなこと言わずに聞けよ、私の話を」

 

「ええ、毛ほども興味ないんだけど……。今日家に友達呼んだっけ?」

 

「その通り、テレビゲームの対戦とかしたんだよー。……この前、一緒にやった協力プレイゲーム。かねかずにめちゃくちゃ妨害されたアレ」

 

「ああ、あれか」

 

「既にパワーアップしてるのに、木ノ子取るなんて外道だよ。血も涙もない」

 

 

 和水はプンスカと怒り口調でそう言う。弱いのが悪いのだ。俺は怒り気味の和水の気を逸らすべく話題を変えた。

 

 

「はは、……あっ、そう言えば、和水。お前の学校にれんちゃんって子いる?井波れんちゃん」

 

 

 どうせなら聞こうと思ってたことを今言っておく。確か彼女と和水は同じ中学であったはずだ。

 

 調査をするとき一番有効なのは身近な人に聞くことだ。多分身近じゃないと思うけど同じ学校ならある程度のことは知っているかもしれないから一応聞く。

 

 

「れんちゃんって青髪の子のこと?同じクラスにいるよ」

 

「知ってたのか。聞いても無駄かと思ってたけど知ってたか」

 

「まあ、苗字近いからね。出席番号順では私の後ろだし。……話したことないけど」

 

 

 やはり話したことがなかったのか。期待はしてなかったし別に良いけど。

 

 

「それで、伊波ちゃんがどうしたの?ストーカーしてるの?」

 

「してないわい!」

 

 

 そう突っ込むと和水は不思議そうな顔をした。俺って、ストーカーしそうな人に見えてんのか?それだったら少し落ち込む。

 

 

「実は彼女の兄に普段の素行について調べるように頼まれてまして」

 

「何で、うちの兄探偵紛いのことしてるの!」

 

「それで、れんちゃんに何か変わったことないか?」

 

「さっき言いそびれたけど、れんちゃん呼び凄いっすね、お兄さん。……えと、伊波ちゃんだよね。うー、特に変わったことはないと思うけど」

 

「そうか。だったられんちゃんと仲の良い子とか分かるか?」

 

「仲の良い子か……。結構友達いるからなあ、あの子。一番仲良さそうな子だと……弥永(やなが)ちゃんとかかな」

 

「どんな子なんだ」

 

「何か元気が有り余ってて明るく朗らかぁー、な子だよ」

 

「お前と真逆か」

 

「誰が暗くて陰鬱じゃ!!ほれ、見ろ。この可憐な美少女を!」

 

 

 辺りを見渡して見ても可憐な美少女は見当たらない。

 

 

「……で、弥永って子が最近仲良いのか」

 

「貶めるね、この兄は。数年後(あたし)の圧倒的美に平伏せ」

 

「それでその弥永って子が一番仲良いんだな」

 

「はい。……最近突然仲良くなり始めてね。性格結構違うから何があったんだろうって皆んなして噂になってて」

 

「それを(かげ)から覗く和水」

 

「ぶち殺す。……ええと、それでね。伊波ちゃんと弥永ちゃんの二人で遊びに行ったりと仲良しになっててね」

 

「ふーん。写真とかある?」

 

「クラス写真ならある」

 

 

 和水は携帯を開いて俺に写真を見せてくる。

 

 

「見せて見せて……ってお前写ってなくね?」

 

「トイレ行ってる間に撮られてて、先生も気づかなかったみたいで」

 

「いつも思ってんだけどそれ、呪われてたりしてるんじゃない?それか特殊能力とか」

 

「一度(みそぎ)にいったんだけどねえ。祓えもしたし……じゃあ残るは特殊能力かな」

 

 

 素で特殊能力持ちってヤバいな。何かの主人公なんじゃねえの?影の薄いウザキャラ。需要はないか。

 

 

 よくよく考えりゃ、特殊能力並みの影の薄さを突破して友達やってる、今日家来た子凄いな。俺も偶に見失うが、その子はどうやって和水を見つけているんだろう。

 

 

「しかし伊波ちゃんの兄に頼まれたかあ。それじゃあ、今日遊びに行ってた友達ってのがその兄って訳か」

 

「何度かウチに来たことあるけどお前、総じて居合わせなかったもんな」

 

「面倒なことに巻き込まれるような予感がしたからね。かねかずいつも何かに巻き込まれてたし」

 

「本当に危機察知能力高いな」

 

 それとも野生の勘だろうか。

 

「私が高いんじゃなくて、兄が低いだけだよ」

 

 

 和水は呆れながら呟いた。

 

 

 

◆◆

 

 

 弁当が届いた。俺は天婦羅(てんぷら)弁当。そした和水は

 

「私カツ弁。カロリー高め」

 

 

 重たいのによく食べられるな。

 

 

「それでいて、よく肥ふとらんよな。お前」

 

「へっ、まあね」

 

「根っからのインドアの癖に運動神経は良いもんな。それでいて代謝良いって、ゴリラみたく凄まじくエネルギー変換効率良いってことかな」

 

「口を開けばすぐに墓穴掘るね、この兄は。妹をゴリラで例えるなクソが。普段の筋トレ様々よ。褒め称たたえよ」

 

 筋肉至上主義者が何やら宣っている。

 

 

「凄い凄い。……んで、早く食べようぜ」

 

「賛成。忘れてたけど私あたし特番のクイズ番組みたかったんだ」

 

 和水はテレビのリモコンを手に取るとテレビの電源を起動させた。

 

 

 

「しかし、安かったね、弁当。何かあったのかな?」

 

「さあ、お金は後で立て替えて貰う訳だからどうでも良いけど」

 

 

 もっと言えばこの浮いたお金分あの両親は旅行する金に消えるのだが。

 

 

「天婦羅美味い?カツ一つあげるから天婦羅一個ちょーだい」

 

「カツは弁当内に何個か入ってるみたいだが天婦羅弁当には天婦羅が二つしか入ってないんだよ。価値が釣り合ってねえよ」

 

「こう言う時こそ優しさをアピールするんだよ。お兄ちゃんは大好きな和水ちゃんの為なら……って」

 

「大好きな和水ちゃんを甘やかすことはできないから、やらない」

 

「兄貴はいっぺん甘やかすという言葉を調べた方が良いよ」

 

「和水こそ等価という言葉を調べるべきだと思う」

 

「等価交換?…… ポラーニ・カーロイ。人間経済は交換・互恵・市場の三要素に類例できる。その内の交換に値する言葉である」

 

「何で何も見ずに、そんな(つまびら)かに説明できんだよ」

 

 俺の経済学の知識は『神の見えざる手』で止まっている。経済学は管轄外だ。

 

 

「まあ、天婦羅は良いよ。今日はそこそこ機嫌良いし」

 

「機嫌悪いときのお前は見たことないがな」

 

「良いんだよ。こう言うのは言ってなんぼなよ。機嫌なんて曖昧なもん言い切りゃ。言ったもん勝ちなんだし」

 

「そんなもんかね」

 

「そんなもんだよ。そだ、さっきも聞いたけど、今日何をしてたの?」

 

 

 これに関して、既に誤魔化しの言い訳は考えてある。しかし、誤魔化したところで勘の鋭い妹だ。後々絶対にバレるだろう。

 しかし正直に話すのも(はば)かられる。上手いこと、和水には言って良いこと不味いことの見極めをしなければならない。

 

「商店街の行きしな少しだけ話したけどれんちゃんの兄に頼まれごとされてね。それの相談。後は……」

 

「あとは?」

 

 可愛らしく首を傾げて訊ねてくる。

 

 絶対に言っちゃいけないのは悪の組織だと言うこと、魔法少女の存在、魔法的な石、組織の目的……とかだろうな。

 

 

 そう考えると俺は言葉をよく吟味してから選んび紡いだ。

 

「そう……だな、ちょっと改造手術受けて怪人として組織に入団?したかな」

 

「れっ……何か無視しちゃいけない単語がちらほら聞こえた気がするんだけど?!」

 

「驚く顔が見たくて」

 

「ああ、そうだよね。何か顔と口調がマジっぽくて」

 

「話しちゃいけないかも知れないこと言っちゃったよ」

 

「ジョークじゃない?!」

 

 やっぱり良いリアクションするな……。まあこの辺は別に問題ないレベルだろう。和水には少し手を貸して貰いたかったからっていう考えがあってのことだけど。

 どうせ勘が鋭くてバレるんだしある程度言っておいて協力して貰うのが一番だろう。和水には大抵のことは言っても良いとも思う。

 て言うか和水相手に隠しごとを隠し通せた記憶もない。なら危険じゃない程度に巻き込んどいた方が、下手に首を突っ込むより良いんじゃないか的な思考だ。

 

 我ながら頭が悪い考えだ。

 

 頭が悪く柔軟なことが出来ず、パニックに陥ったら自分でも何やってるか分からなくなることに定評のある俺ならではの発想だ……。取りあえず、自分を酷評しておいて気持ちを鎮める。

 

 決して、ただただ和水を驚かせていぢりたいみたいな思考ではないことを誓おう。そんなこと三割程度しか思ってない。

 

 

「改造ってマジ?かねかず。何一人でファンタジーの世界に飛び込んでんの。後入団!入社すぐの倒産からの得体の知れぬ組織への入団。待って全然追いつかない」

 

「和水を吃驚させたくてね、聞かれるまで黙ってたんだよ。サプラーイズ」

 

「嫌なサプライズなんてものが、リアルにあるなんて初めて知ったよ!何なの?サプライズに命かけてるの?驚かせたくて改造されたの。てか改造って具体的に何なの?」

 

 怒濤の勢いで和水が聞いてくる。何か焦ってる顔って(そそ)るよね。何か良いよね。

 

 

「おい、勝手に満足するな、ごら。こちとら全く把握できてないんだよ。まだ一番気になる単語の怪人とやらが聞けてないんだよ」

 

「和水ちゃんよく口調荒げるよね。これが若いってことなのかな」

 

「私あたしが口調荒げるの大体兄の所為せいだと思うんだよ」

 

「そんなことより、詳細聞きたくないの」

 

「聞きたいよ!」

 

 組織の目的、魔法少女、魔法的な石、後は悪の組織であること以外を話してみた。

 

 

「うわー。じゃあ一回帰って来てから二階から飛び降りたんだ。てか、怪人ってマジ。今のかねかずって人権とかあんの?人間から逸脱してそうじゃん怪人て。日本国憲法は人間に適用される憲法だよ」

 

「俺人間じゃないの?……そう言えばアニメてかで見る怪人って怪物みたいだし。いや、と言っても人型だし誤魔化せるだろ」

 

「あと改造施した組織何もんなの?無理矢理改造した感否めないし。普通に悪だよ。その組織」

 

 悪の組織ということ説明してないけど普通にバレてる。そりゃあバレるだろうけど。俺が自ら改造する動機なんてない訳だし、気がついたら改造されてたとしか言えないからなんだけども。

 

 

「随分と面白い状況になったもんだねー。かねかずが何かやらかすことには慣れたつもりではあったんだけど、思い直した方が良いな」

 

「今までのは、俺がやらかしたんじゃなくて、大体は周りが引き起こしたことなんだけどな」

 

「やらかしたことに乗っかったのはかねかず自身なんだけどね」

 

「面白いことに乗っからないのは俺の礼儀上違反することになるからな」

 

「あれ?!そんな厄介な性格してたっけか。うちの兄は」

 

「そして今回の組織の件を無事乗り切る為には和水の協力が不可欠だ」

 

「私あたし巻き込まれんの!?」

 

 主に両親への言い訳等だけどな。と言う訳で協力者ゲットだぜ!!

 

 ……テンション上げても危機的状況は変わらなかった。

 




新たに名前が出てきた人


彌永(やなが)五夢(いつむ)
 青髪少女の友達。赤っぽい髪をしている。

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