俺の居場所は幻想郷   作:明希☆

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別種族の共存

八幡が元の世界に帰って一週間が経った。

 

 

私は今、縁側に座っている。

修行のやる気が起きないのだ。

 

霊奈「霊夢〜」

 

お母さんが私を呼ぶ声が聞こえる。

私を探しているのだろう。

 

霊奈「あら、こんなところにいたのね」

 

いつもの優しい声色。

お母さんはいつも私に優しい。

きっと、私が寂しさでいっぱいなのも気づいているんだろうな。

 

そんな事を考えているとお母さんは私の隣に腰かけた。

 

霊奈「八幡君がいなくなって寂しいの?」

 

まあ、なんとなく分かってたけどやはりそれを聞いてくるのね。

私はお母さんの質問に対し素直に頷いた。

ここで意地を張っても仕方がないからだ。

 

霊奈「そうね。お母さんも寂しいものその気持ちは分かるわ。でもね、霊夢。もし、八幡君が向こうで辛いことがあってこっちに来た時、そんなしょぼくれた態度では八幡君に嫌われてしまいますよ」

 

お母さんの言われたことで私は我に返った。

確かにその通りだ。八幡は私が元気いっぱいの姿を見て私を好いてくれたんだ。

今の私を見たらきっと八幡は良い風には思わないだろう。

 

霊奈「だから元気出して頑張ろう!」

 

お母さんの言葉は全て安直だ。

しかし、お母さんの言葉だからこそ私の心にスッと入ってくる。なぜなら、その言葉の中に私への愛を感じるからだ。私はお母さんの目をしっかり捉えて「うん」と力いっぱい頷いた。

 

 

私の目の前には笑顔のお母さんがうつる。

 

 

それから私は今まで通り修行に集中力を取り戻した。

 

 

三年後

 

 

今までの基本の訓練が終わり実戦向けの訓練になった。基本的にお母さんと一対一で向かい合い鋭い攻撃の訓練から素早く躱す訓練までその場に応じた完全なる戦闘。

これには流石の私も疲れを隠せない。

お母さんも心なしか厳しくなった。

でも、仕方がないのかもしれない。

博麗の巫女たるもの妖怪に負けることは決して許されないのだから。

 

 

そんな毎日が続いていると勿論、無事では済まないこともある。

 

 

霊夢「うわっ」ドンッ

 

 

私はお母さんの弾幕に被弾して吹き飛ばされてしまった。私は地面に倒れ伏す。これにはお母さんも心配そうな目を私に向ける。しかし、それも一瞬のことお母さんはすぐに我に返り「立ちなさい」と一言私に告げた。

 

私は言われるがままにすぐ立ち上がる。

 

しかし!

 

霊夢「くっ!」

 

すぐに膝をついてしまった。

流石にダメージが大きい。

体の自由が上手く効かなくなっている。

 

霊奈「今日はここまでですね…」

 

流石のお母さんもここで終了にしてくれた。

正直、これは助かる。

このまま、続けるなんて言われたらきっと私はボロボロにされるだけだっただろう。

 

私はなんとか踏ん張り縁側まで歩いた。

 

霊夢「ふぅ〜」

 

あ〜、ダメだ。全然お母さんに勝てない。

本当ならあの弾幕も避けれないこともなかったはずなのに…。

 

私は少し自己嫌悪に落ちてしまった。

すると…。

 

霊奈「大丈夫?霊夢?」

 

お母さんが心配そうな目で私を見ている。

先程までの修行の時とは違い。母親の目だ。

その辺の公私をしっかり分けれるあたり流石だと思う。

 

霊夢「大丈夫よ」

 

お母さんを心配させてはいけない。

そう思った私はすぐさま自分が大丈夫だという意地を見せる。

すると、お母さんは少しホッとした表情を見せてくれた。

やっぱり、その表情が私にとっても一番落ち着く。

 

霊奈「それなら良かったわ。ここ最近、少し厳しくし過ぎたから体を壊しちゃったのかと思って」

 

霊夢「こんな程度で体を壊したら博麗の巫女は務まらないわよ」

 

霊奈「あら、そんなこと言って被弾しちゃったじゃない?いつものあなたなら避けれるとおもったのだけれど」

 

霊夢「あれは、そう!偶々よ。偶々」

 

何気ないこの会話。

これが今の私の一番の楽しい時間だ。

この会話が延々に続いてくれればな…。

あわよくば八幡もこの会話に入っていて…。

と、そんな事を考えている時だった。

 

ヒューン

 

紫「霊奈!妖怪よ!」

 

突如、目の前にスキマが現れる。

中から出てきたのは勿論、紫。

どうやら、妖怪が現れた事を知らせにきたようだ。急な指令、博麗の巫女ならよくある事なのだが今日の紫は少し焦っているように感じた。察するに協力な妖怪が出たのであろう。

 

霊奈「分かりました。紫さん、すぐ向かいましょう」

 

お母さんも紫の雰囲気から何かを察したのか真剣な眼差しを浮かべ紫の方へ歩み寄る。

 

霊奈「霊夢。少し行ってくるから良い子にしててね」

 

そう言ってお母さんは紫と共にスキマの中へと入っていった。しかし、この瞬間私の中で嫌な予感が走る。何かよくないことが起こるそんな気がするのだ。

 

霊夢「お母さん…」

 

神社に一人取り残された私はただ小さく囁いた。

 

 

あれから何時間も経ったかしら?

三時間?四時間?

もう太陽はとっくに沈んでる。

しかし、お母さんが帰ってくる気配はなかった。私の中の嫌な予感はある形で形成されてゆく。しかし、そんなことあるわけないと私は否定し続けた。ただ、ひたすらにお母さんの帰りを待って…。

 

霊夢「早く帰ってきてよ」

 

ヒューン

 

霊夢「!!」

 

どこか近くでスキマが開いた。

どうやら、帰ってきたようだ!!

 

すぐに行かなきゃ!

 

そう思い私はすぐさま境内の方へと向かう。

しかし、そこにある光景はとても私の望んだ光景ではなかった。

 

 

紫が血塗れのお母さんを抱き抱えている。

 

 

私はすぐさまお母さんにかけよった。

 

 

霊夢「お母さん!お母さん!」

 

どうして、返事をしてくれないの?

どうして、体が冷たいの?

私は震えた体で紫の方へ視線を向けた。

紫は、ただ首を横にふる。

 

霊夢「うわあぁーーん」

 

その瞬間、私の目から涙が溢れて出た。

お母さんが死んだ。あの優しいお母さんが私をおいていっちゃった…。どうして?

ワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイ

 

私の心はパニック状態に陥る。

紫はお母さんの体をそっと縁側に置き、私を抱きしめてくれた。

 

紫「ごめんね」

 

紫はただ一言そう溢す。

私はそのまま一晩中泣き続けた。

 

翌日になって紫に聞いたのだが今回、とてつもなく強い妖怪が人里に現れお母さんは命がけで人々の命を守ったという。

その結果、なんとか妖怪を倒すことには成功したもののお母さんの方も大きくダメージを負ってしまい相討ちという形で勝負がついたようだ。

 

八幡がいなくなった今、家族はお母さんただ一人だけだった。でも、そのお母さんももういない。私は一人ぼっちになったのだ。

 

 

 

 

 

その後のことは早かった。

 

 

 

 

 

お母さんの葬式が人里で行われすぐさま人里では私が新しい博麗の巫女、博麗霊夢として紹介された。私は歳がまだ幼いこともあり周りからも不満の声が少なからず上がっている。しかし、博麗の巫女がいなければ人は妖怪の餌食、周りは渋々ながらも納得した。

 

しかし、それから一ヶ月後

 

霊夢「……」

 

私は一度たりとも妖怪退治を成功させることが出来ていなかった。

これは別に実力がないからではない。

私は…。

 

妖怪「くうぅ…」ナミダメ

 

私は妖怪にトドメをさす勇気を持っていないのだ。どうしても最後の瞬間にためらってしまう。心ではわかっているのに体が動かないのだ。

 

霊夢「はぁ…」

 

今も私は目の前の妖怪にトドメを指さずため息をついた。そして、そのまま妖怪を放置して神社へと戻る。こんなことを私はもう数回繰り返していた。

それもあってか紫から何度も叱られている。

 

紫「はぁ、霊夢。また、妖怪を取り逃したの?」

 

縁側でくつろいでいるとひょっこりスキマから紫が現れた。

 

霊夢「仕方ないでしょ。私は弱いんだから」

 

ここで無抵抗の妖怪を目の前で逃して来たなんて馬鹿正直なことは言わない。

そんな事を言ったらもっと叱られるのは目に見えてるからだ。

 

紫「ふ〜ん。その割にはさっきの妖怪をわざと見逃したように見えたけど?」

 

霊夢「げっ」

 

まさか、さっきのを見られていたとは…。

これは、また叱られちゃうな…。

 

紫「霊夢。確かにあなたはまだ幼いわ。その歳で命を殺めるのはかなりの勇気がいる。でもね、妖怪を倒さないと幻想郷の人と妖怪とのバランスが崩れちゃうのよ。それがわかってるの?」

 

紫の言ってる事は正論だ。

紫みたいな大妖怪を除いて一般的な妖怪や妖精と人間が共に暮らすなんて不可能。

この種族の間にあるイザコザを常に管理しないといけないそれが博麗の巫女だ。

しかし、私は妖怪を倒すという事をこの一ヶ月まだ一度も行えていない。

 

霊夢「……」

 

それ故に私は無言になってしまう。

 

紫「また、だんまり?あのね、霊夢。流石の私もずっとあなたに優しくしてられないわよ」

 

紫の言葉に少し殺気が混じる。

どうやら、本当に怒っているようだ。

これはなんとかしないとヤバイわね。

 

と、そんな時だった。

 

妖怪「あ、あの!」

 

紫・霊夢「え?」

 

神社の鳥居の方に妖怪が立っている。

あいつはさっき私が見逃した奴だ。

 

妖怪「さっきはありがとうございました」

 

霊夢「は?」

 

わけが分からない。

この妖怪は一体、何を言ってるのかしら?

紫も同じような顔を浮かべている。

 

霊夢「あの?何言ってるの?」

 

妖怪「え?あ、いや、さっき私の事を見逃してくれたじゃないですか。そのお礼に来ました」

 

この妖怪は馬鹿なのかしら?

普通、見逃されたならそのまま姿を隠すのが正しい行動だ。なのにこいつは私にお礼を言いに来た。

 

霊夢「なんで?そんなのでお礼に来るのよ?普通、そのまま逃げるでしょ?」

 

私はすぐさま心に思った疑問を妖怪に尋ねる。すると、妖怪の方が次は「え?」と反応をする。

そして、ただ一言こう告げた。

 

妖怪「だってあなたは本来、私を倒さなくてはならなかった。でも、それをしなかったってことはあなたは私にとって命の恩人と変わりありません。だから、お礼を言いに来たんです」

 

へぇ、妖怪の中にも律儀な奴はいるのね。

その瞬間、私の心にある一つの考えがよぎる。もし、これが実現すれば幻想郷は真の理想郷になるほどの考えだ。

 

霊夢「とりあえず、そんなお礼はいらないわ。ただ私が仕事をサボっただけのことだしね。怒られるならまだしも褒めらたらむず痒くなっちゃう」

 

妖怪「え?でも」

 

霊夢「ああ、もう!鬱陶しいわね。早く帰らないと今度は本当に退治するわよ!」

 

そう言って私はお札を構える。

妖怪は、「ひっ!すみません」と言って帰って行った。

 

紫「驚いたわ。あんな律儀な一般妖怪がいるなんて…。今まで妖怪は基本殺めてたから一切気づけなかったのね」

 

紫は先程の妖怪に興味深そうな感想を述べる。しかし、今はそんな感想より聞いて欲しいことがあるのだ。

そう思い私は紫に勇気を振り絞って提案する。

 

霊夢「ねぇ、紫」

 

紫「!!なに?霊夢?」

 

やっと自分に対して口を開いてくれたことに驚いた様子で紫は私の方へと振り返った。

 

しかし、私はそんな紫の表情など気にすることなく言葉を続ける。

 

霊夢「人間と妖怪って共存出来ないかしら?」

 

この幻想郷の常識を覆す言葉を…。

 

紫「は?」

 

紫はまるで新種の妖怪を見たかのような表情でこちらを見てくる。

 

霊夢「だから、人間と妖怪の共存よ。今の見たでしょ?妖怪にもしっかりと感謝の心がある。てことは、お互いにお互いの種族を認め合えばきっと出来るわよ。人間と妖怪が本当に笑顔で暮らせる世界が!」

 

しかし、紫はその言葉に対して呆れたような表情を私に向けてきた。

そして、バッサリと言い放つ。

 

紫「無理ね」

 

その時の紫の表情はただひたすらに冷たかった。

 

紫「人間と妖怪はそれぞれ違った価値観を持つの。だからこそ意見の食い違いで共存は不可能と言われてきたわ。さっきみたいに感謝の心を持つ妖怪がいたからと言って全種族が意見を統一させるのは無理よ」

 

意見の食い違い。

これによるぶつかり合いはなくなることはない。しかし、そんなこと百も承知でよ。

 

霊夢「違うわよ、紫。あなたは前提条件が間違えているのよ。別に意見の食い違いがあると共存は不可能になるわけじゃないわ」

 

紫「え?」

 

霊夢「意見が食い違ったならそれを決める基準となるものを作ればいいのよ」

 

紫「基準となるもの?霊夢、あなた一体なにが言いたいの?」

 

霊夢「まあ、簡単に言うとこう言うことよ!」

 

そう告げると私は右手から弾幕を空に向けて放つ。その弾幕はまるで花火のように空を舞った。

 

霊夢「霊力や妖力は使いようによってはこんなふうに美しいものにも変えれる」

 

紫「……なるほどね」

 

どうやら、紫も理解してくれたようだ。

 

紫「要するにあなたはその美しさのある弾幕の中、制限を決めてあくまで遊びとして勝負をする。それによって互いの意見のどちらが優先するのか決めるってわけね」

 

流石は紫ね。

もうすでに私の言いたい事を言っちゃった。

 

すると…。

 

紫「ふふふふ、あっはっはっは」

 

紫が急に大きな声で笑い出す。

え?どういうこと?

結構、ガチで困惑中の私。

 

紫「いや、ごめんなさい。ついおかしくて」

 

霊夢「…。やっばり、ダメだった。この案」

 

紫は幻想郷ができた時からいる。

紫がダメだと断言するならおそらくダメなのだろう。結構、いい案だと思ったんだけどなぁ。

 

しかし、次に紫から返ってきた返答は予想外のものだった。

 

紫「いやいやいや、なに勘違いしてるの霊夢?最高の案よ!」

 

え?今、紫が最高の案って言った?

 

紫「まさか、弾幕をこんな斜め上の使い方にしようとするなんて、その発想、まるであの子見たいね」

 

紫がふふふと笑いながら私の顔を覗く。

その瞬間、私の顔が少し赤くなったのが分かった。そう紫の言うあの子は勿論、八幡のことである。ここだけの話。八幡は、私と暮らした一ヶ月間、凄い発想力を発揮してたのだ。八幡の考えはどれも斜め上でお母さんも私もよく度肝を抜かれた。勿論、紫も例外でない。

 

だって霊力の原理を初めて知った時なんて、八幡はこんな事を言ったんだから。

 

八幡「カードなどの中に霊力を込めておいたら霊力を直接消費することなく多様な弾幕を打つことってできないんですか?」

 

普通、こんなこと思いつく?

物体の中に霊力を閉じ込めるなんてどんな風に考えたら思いつくのよ…。

 

 

でも、まあ、そんな八幡と一緒に暮らしてたからこそ思いついたこの美しき弾幕。どうやら、少なからず私も彼に毒されているようだ。

 

紫「あらあらあら、顔が赤いわよ霊夢」

 

そんな私の表情を見てからかってくる紫。

 

霊夢「う、うるさいわね!!」

 

あ〜、もう!!

やっぱり、八幡の事を考えてると自分が自分じゃなくなっちゃう!

ちょっと落ち着かないと…。

 

霊夢「それで紫?私の意見は賛成という事でいいの?」

 

紫「う〜ん。そうねぇ、まだ、賛成とは言わないけれどあなたが本気でそんな世界を目指すと言うなら私はサポートするってところかしら」

 

なるほど。

つまり、この考えが現実になるかは私次第ということね。

いいわ!やってあげる!この私が幻想郷全てを塗り替えて上げるんだから!

 

こうして私の計画が始まった。

 

まず、やったことは基本的なルールの設定と勝敗を決めるゲームの名前だ。

これは紫と一晩中話した結果、弾幕ごっこという名前に決まった。戦闘に使う弾幕に『ごっこ』という遊びを表す言葉をつけることで危険なものという認識を弱めようと考えたからだ。紫も「あら、いいじゃない!」とかなり気に入った様子。

 

次にルールなのだがこれは流石に一日では決まらないので三日ぐらいかけてしっかりと構想を練った。その結果、弾幕ごっこはあくまで勝敗を決めると同時に美しさも競うものというルールを付け、また、スペルカードというものも作った。これには、各自それぞれが霊力、または、妖力などをこめ自分のイメージしたとっておきの弾幕を予め用意しておくというものだ。

 

そうこれはあの時、八幡が思い付いたカードの中に霊力を込めるという発想をそのまま貰ったのである。因みに実験も兼ねて一つスペルカードを作ってみたが大成功だった。

 

このルールをまるまる紫に提出すると紫は「ふむふむ」と言いながら私の意見を文句ひとつ言わずに聞いてくれた。

 

紫「なるほどね。確かに八幡君が考えたカードを使うという発想は弾幕ごっことは相性がいいわね。もし、これが実現すれば戦いそのものが幻想郷の美しさの象徴になるかもしれないわ。あなたが描いた未来は、まさに私が望んだ未来…」

 

紫が望んだ未来か…。

確かにこの幻想郷は理想を目指した世界。

しかし、考えの違いから流れる血はとても理想郷とは言えないものがあった。

 

紫はまるで瞑想をするが如く目を閉じ静かになる。そして、そのまましばらくしてゆっくりと口を開いた。

 

紫「分かったわ霊夢。私も本格的にこの世界を目指すことにするわ」

 

この瞬間、紫はサポートではなく全面協力へと変わった。紫が協力してくれるなら心強い。私自身、この弾幕ごっこが実現するのではないかと希望を持った。

 

しかし、現実は甘くない。

 

私と紫はそれぞれこの新たなルール「弾幕ごっこ」を幻想郷に広げてまわった。

しかし、人里ではそんな遊びに何の意味があると批判を受け、妖怪たちにもそんな遊びには付き合えないとあしらわれる。

しかし、これも仕方ないのかもしれない。

だって、私はまだ年齢も若い女の子。

いくら紫が同意したとはいえ、そんな未熟者が考えた案を採用するなど殆どいなかったのだ。

 

霊夢「う〜、やっぱりダメなのかしら…」

 

周りから否定され続けた私は現在、疲労困憊である。まさか、ここまで乗ってくれる人が少ないとは…。

 

紫「う〜ん。やっぱり、実績がないのが響いてるのかもね。人里では貴方は妖怪も碌に倒せないダメ巫女って扱いになってるもの」

 

霊夢「うっ…」 

 

紫の言葉が私の胸を貫く。

そう実は私が妖怪を倒せないことから現在、人里の人たちに不満が溜まってしまってるのだ。しかし、それも仕方がないのである。

自分たちを脅かす妖怪が全然退治されないのだ恐怖から不満が溜まっても仕方がない…。

 

紫「どうするの霊夢?ひとまず、あなたがそれなりの戦績を残さないと妖怪からも舐められ人間からも不満が溜まる。とても、このシステムを広げることなんてできないわ」

 

確かにその通りだ。

まず何より信用がない私の話に耳を傾ける奴はいない。なんとか、信用を得ないと…。

でも、どうやって?

私は頭の中でいろいろな案を模索する。

しかし、何一ついい案は思いつかなかった。

と、その時!!

 

霊夢・紫「!!」

 

人里の方から巨大な妖気が現れた。

 

霊夢「紫!!」

 

私は紫の名を呼ぶ。

それと同時に紫はスキマを開け現在位置から人里まで繋げた。

私はすぐさまスキマに飛び込み人里へと向かう。

 

そこには…。

 

そこには、巨大で異質な体を持った化け物が立っていた。その大きさは10メートルは超えているだろう。

 

霊夢「あ、あれは一体!」

 

思わず私は声を荒げなが言う。

あんな妖怪、今まで見たことない。

一体、何者なの?

そんな事を考えてると私の横にいた紫は声をあげる。

 

紫「あ、あれは!」

 

紫の表情からしてどうやらあの妖怪を知っているようだ。

 

霊夢「紫、あなたあの妖怪知ってるの?」

 

紫「知ってるも何もあの妖怪。霊奈をやった妖怪と同じ妖怪よ。といってもあれはもはや化け物だけどね」

 

霊夢「……え?」

 

今、紫はなんて言ったの?

お母さんをやった妖怪?

 

霊夢「何言ってるのよ。その妖怪はお母さんと相打ちで倒されたんでしょ!」

 

紫「ええ、確かにそのはずよ。とすると、もしかして同種の妖怪かしら。どこから、

幻想入りしてきたか分からないけどあんな化け物が二体もいたってこと…。強さも霊奈の時と同じくらいあるし…」

 

お母さんを倒した妖怪と同種で強さは同じくらい…。

それを聞いた瞬間、私の体に鳥肌が立つ。

もし、紫の言うことが事実なら到底、私では倒すことなど出来ない。

 

紫「霊夢、逃げなさい!こいつは私がなんとかするから!」

 

紫は私に対してそう叫んだ、、、

しかし…。

 

人「うわぁ!化け物!!」

 

妖怪「な、なんだよ!あれ!」

 

もし、ここで私が逃げてしまえば人里の人とその周辺に住んでる妖怪の命が危ない。

私は博麗の巫女、こんなところで逃げるわけには行かないのだ。

 

霊夢「いいえ、紫。私も戦う。博麗の巫女たるものこんなところで逃げるわけには行かないもの…。私はあの妖怪を殺す!!」

 

紫「霊夢……。分かったわ」

 

私の言葉に対して少し言い淀んだ紫。

しかし、すぐに私の意思を感じ取ったのか私が戦う事を許容してくれた。

 

紫「それと霊夢。貴方はあの妖怪を殺すって言ったけどあれに魂はないわ」

 

霊夢「え?」

 

紫「あれはね。邪念の塊よ。どこからあんな邪念が来たのかは知らないけどあれには命はない。いわばロボットみたいなものよ。だから霊夢。手加減する必要なんてないわ。思いっきりやりなさい!」

 

霊夢「そう、分かったわ!」

 

正直、この情報は何よりもありがたかった。

いくら、化け物とは言え私はまだ殺すと言うことに抵抗がある。しかし、相手に魂がないと分かった今、私の心のタガは外されたも同然だ。

 

霊夢「行くわよ紫!」

 

そう言って私は化け物に向かっていく。

紫はその後をすぐに追った。

 

 

 

人「あれは?博麗の巫女か?ダメだ今の巫女じゃあんな化け物は倒せない!」

 

妖怪「ああ、幻想郷はお終いだ」

 

周りは絶望よ表情を浮かべながらひたすら祈っている。

 

霊夢「紫、私じゃあいつを倒せる力はないから攻撃はあなたがお願い。私はあいつを錯乱させるように動くから」

 

紫「分かったわ!」

 

この勝負、正直、絶望的と言わざるおえないけれど、もし可能性があるとしたら私が相手を翻弄してる隙に紫の本気の一撃をお見舞いする。これしかないだろう。

 

私は化け物後ろに回り込み弾幕を放つ。

 

霊夢「はぁっ!」

 

ボンッ

 

しかし、予想通り私の弾幕では化け物はかすり傷すら負わず、それどころか弾幕に反応すらしない。ここまで差があるのか…なら!

そう思い今度は弾幕を連打する。

 

霊夢「はあっ!はあっ!はあっ!」

 

ボンッ ボンッ ボンッ 

 

流石の化け物もこれには反応を示してくれた。化け物は私の方へと視界を向ける。

そして、手のひらを私の方へと向けた。

 

その瞬間…。

 

ビューーーン

 

もの凄いエネルギー波式の弾幕が私に放たれた。

 

霊夢「ちょっ!」

 

私は間一髪のところでそれを回避する。

正直、今の一撃をモロに食らったら一発KOだったわ…。

ただ、化け物は今、私を捉えている。

私はチラッと紫の方へと視線を向けた。

そこにはすでに妖力を集中させた紫がいる。

 

紫「よくやったわ霊夢!」

 

ドオンッ!!

 

その言葉と同時に紫は巨大な弾幕を放った。

もよ凄い威力が込められた弾幕がそのまま化け物めがけて飛んでいく。

 

そして!

 

ドッカーン‼︎

 

その弾幕はモロに妖怪に直撃した。

周りには砂埃が立つ。

 

霊夢「やった!」

 

作戦が成功した!

あんなのを食らったら流石の化け物もタダじゃ済まないはず!

しかし、紫の表情は依然として硬かった。

どうして?

 

そう思いながら化け物の方を見る。

砂埃が少しずつ消え、視界がハッキリしてきた。

するとそこには…

 

化け物「グルルルルル!!」

 

傷は負ってるもののまだ立っている化け物がいた。まさか、あの弾幕を耐え切ったというの!さっきの弾幕はとんでもない力が込められてたはずなのに…。

 

紫「……」

 

どうやら紫はさっきの一撃で仕留めきれてないことにはいち早く気づいてたのね。

流石だは…。

でも、そうなるとどうやってあいつを倒せば…。

万事が尽きたか…。

そう思った時だった。

 

化け物「グアアああああ!!」

 

化け物が急に叫び声をあげ暴れ出した。

恐らくさっきの一撃でキレてしまったのだろう。私と紫は何をされてもいいように戦闘態勢を崩さない。

しかし、次に化け物がとった行動はとんでもないことだった。

 

化け物「はぁ!はぁ!はぁ!はぁ」

 

なんとやけになった化け物はただ出鱈目に弾幕を四方八方に放つ。

 

紫「えっ!」

 

霊夢「ヤバッ!」

 

こんな所でそんなものを乱射されては死人がでる。現に人と妖夢は現在パニック状態になり逃げ回っている。

と、その瞬間!

 

ドンッ!

 

化け物が放った弾幕が一つの民家に直撃した。しかもその民家の下には女の子が隠れている。

 

霊夢「危ない!」

 

ビューーーン

 

私は慌ててその女の子の所へと向かった。

 

 

ガタガタガタ

 

ドンッ

 

間に合え!

私は民家が崩れ落ちるのと同時に飛び込んだ。

 

紫「霊夢っ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「うっ!」

 

少女「う〜〜」

 

よかった。

なんとか間に合ったようだ。

私は建物の下敷きになる前になんとか少女を救い出すことに成功した。

少女をそのまま地面に置いてあげる。

 

霊夢「ここは危ないから。早く逃げなさい」

 

そう優しく言うと少女は「うん」と言ってすぐに逃げて言った。

 

さてと…。

私は化け物の方へ振り返る。

すでに化け物弾幕は止んでおり少し興奮してるようだがなんとか大人しくなった。

 

霊夢「本当、どうしようかしら…」

 

私は頭をフル回転させて考える。

と、その時!

 

霊夢「あっ!そうだ!」

 

私は慌てて自分のポケットを漁る。

そして、そこから一枚のカードを取り出した。

 

霊夢「これなら、奴にダメージを与える上に動きを封じれるかもしれないわ!」

 

そうこれは弾幕ごっこに当たって試作品で私が作ったスペルカード。

このスペカと紫の弾幕を合わせれば…。

そう思い私は紫にスペカをかざした。

 

紫「‼︎」

 

どうやら、紫は私の作戦に気づいてくれたようだ。

さあ、化け物さん。ここからが反撃よ!

私は化け物の方へと飛び立つ。

 

 

化け物「グルルルルル!!」

 

化け物は私が近くなり威嚇する様な声を出した。

 

霊夢「威嚇のつもり?悪いけど私にそんなの意味ないわよ」

 

そう言って私はスペルカードをかざす。

 

霊夢「今から貴方をこのカードで倒すわ」

 

化け物「くりゃあああ!!!」

 

その瞬間、化け物は私に弾幕を放ってきた。

たく、本当に魂がないのね。

意思を全く感じないわ。

私はすぐ急上昇してその弾幕を躱した。

私の視線は化け物を見下ろしている状態になる。そうなるのを確認すると同時に私はカードに少量の霊力を込めた。

その瞬間、スペルカードが光出す。

もとより込めていた霊力が反応したのだ。

それを合図に私は叫ぶ。

 

霊夢「霊符 夢想封印」

 

それと同時に無数の弾幕が美しく舞い散る。

 

化け物「ぐらぁ?」

 

困惑する化け物。

しかし、もう遅い。

化け物の周りには今私が放った夢想封印が取り囲んでいる。

化け物は身動きひとつ取れない状況となった。

それと同時に紫と目配せをする。

紫は私に対して軽く頷いた。

どうやら、準備は出来てるみたいね。

 

霊夢・紫「はぁ!!」

 

その瞬間、私は取り囲んでた弾幕を一気に化け物に放った。紫もそれに合わせて弾幕を放つ。さっきの紫の攻撃だけでも少なからずダメージを食らったのだ。私の夢想封印と掛け合わせればきっとこいつを倒せる。

 

化け物「ぐわあああ!!」

 

化け物はそのまま体がボロボロになっていく。

そして!

 

ドカーン

 

もの凄い爆発が起きた。

化け物はそのまま跡形もなく消え去る。

 

霊夢「ふう。どうやら成功したみたいね」

 

紫「ええ、よくやったわ。霊夢。」

 

紫から労いの言葉をかけられた。

 

紫「まさか、霊奈を倒したのと同じ化け物を倒すなんて…。あの夢想封印かなりのものだったわ」

 

霊夢「ふふふ、これも八幡のおかげよ」

 

八幡が考えたカードに霊力を込めると言うアイデア。これがあったから化け物を倒せた。

本当によかった…。

と、そんな事を考えていると

 

人「博麗の巫女がやってくれたのか?」

 

妖怪「あの巫女が…」

 

全員「「「うお〜〜!!博麗の巫女と大妖怪があの化け物を倒してくれた!!」」」

 

人や妖怪が私達に感激の声をあげている。

どうやら、今回の戦いでかなりの人からも妖怪からもかなりの信用を得れたようだ。

これは非常に大きい。

すると、それを見た紫が私に耳打ちをしてくる。

 

ふむふむ。なるほど。

 

耳打ちを終えた紫の顔を見るといやらしい顔を浮かべていた。ほんといい性格してるわこいつ。

 

私はそのまま人間と妖怪達を見下ろす。

そして、大きな声で叫んだ。

 

霊夢「みんな〜〜!!聞いて頂戴!!今回、よく分からない化け物が幻想郷に現れたわ!今回はなんとかなったけどまた、同じような奴が来ないとも限らない。そうなったら妖怪とか人間とか関係ないに今度こそ幻想郷が終わるかもしれないわ」

 

私が叫ぶと下の方ではザワザワと騒ぎ声が上がる。今の私のセリフに恐怖を感じたからだろう。

 

霊夢「落ち着きなさい。だから、私から提案があるの!それはこの前、言った弾幕ごっこよ。これから種族間のイザコザをこれで解決し妖怪と人間が共存できる世界をつくる。これならまた、あんな化け物が現れた時、みんなで協力して化け物に対応できるようになるわ!」

 

人「弾幕ごっこか…」

 

妖怪「確かにあんな化け物がまた来た時、幻想郷に住むもの同士争ってる場合じゃなくなるかもしれないし…」

 

人「そうだ。その弾幕ごっこって奴を採用しよう!これからは妖怪も人里に入ることができ食料なんかも分け合う。共に協力しよう!」

 

妖怪「ああ、そうだ!ルールなんかもしっかり決めてやっていこう!」

 

化け物を倒したおかげで私の意見は前までとは段違いで通った。

 

 

その後、無事幻想郷中に弾幕ごっこが広がり一年足らずで弾幕ごっこが定着した。

それからは霊夢自身、妖怪の命を奪うことなく弾幕ごっこで妖怪と戦い。勝利を収めていた。

 

すると、ある日謎の金髪少女が私の元に訪れて勝負を迫ってきた。

なかなか、腕はいいのだが私にはまだまだ及ばないようで金髪少女が挑戦してくるたびに返り討ちにした。でも、金髪少女は負けず嫌いなのか倒しても倒してもリベンジにくる。最初は、めんどくさかったけど戦いってるうちに私も楽しくなってきて何故かお茶を一緒にする仲までになっていた。

そして、私が異変解決をするのにもついてくるようになりしまいには親友と言って差し支えないほどの仲になったのだ。なんやかんや八幡の次に仲良くなった同年代の友達。

私自身嬉しかったことは否定できない。

 

その後、沢山の異変を金髪少女と解決していった赤い霧の異変や春が来ない異変。

幻想郷ではおかしな異変が絶え間なく続く。

しかし、異変が終わるたびに妖怪と仲ようなり昔の私では考えられないほどの友達ができていった。

 

今、八幡はどうしているのだろうか?

ふと考える時がある。

あまり良くないことなのだがしょっちゅう八幡があのボタンを押してこっちに来ることを妄想してしまうほどにだ。

ただ、こっちに来ていないと言うことは幸せに向こうで暮らしている証拠。

私はグっと寂しさを堪える。

辛くなったらいつでもこっちに来なさいよ八幡。

私の友達も沢山紹介してあげるからね。

あ、ただそれで一目惚れとか辞めてね。

こっちに来たら八幡は私のなんだから!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「まさか、2体の邪念の塊が両方やられるとわね。博麗の巫女。なかなか、おもしろいじゃないか…」

 

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