俺の居場所は幻想郷   作:明希☆

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再開

八幡「ここも変わらないな」

 

ボタンを押した俺は昔懐かしい景色に胸を躍らせる。霊奈さんと霊夢は元気にやってるかな?そう思いながら俺は鳥居をくぐって神社の中へと入った。

 

しかし、誰もいない。

中にいるのかとは思うが一体どうやって声を掛ければいいんだ…。

「こんにちは」も違う気がするし「久しぶり」もなんか違う…。

 

どうしよう…。

 

俺がそんなバカみたいなことで悩んでいると神社の中から人が出てきた。

 

霊夢「あ〜、境内も汚れてきたし掃除をしないとね」

 

あれは間違いない霊夢だ。

かなり成長してめちゃくちゃ美人になってるが俺には分かる。

え?てか、可愛くなりすぎだろ、あいつ。

いや、前も可愛かったけどさ。今はなんというか大人の色気が少しブレンドされてる気が…。

 

霊夢「ん?誰かいるの?」

 

おっと、どうやら俺の気配を感じ取ったようだ。ここは建物の角度的にギリギリ霊夢から見えていない。そんな中、ぼっちの俺を感じとるとは流石霊夢だ。

 

霊夢「参拝客?」

 

そう言いながら霊夢は俺の方へと顔を覗かせる。

 

八幡「よ、よう…」

 

霊夢「え?」

 

俺を捉えた瞬間、霊夢は固まった。

比喩表現なしに固まった。

瞬きひとつしていない。

 

八幡「ど、どうした?霊夢?」

 

そんな霊夢の態度に思わずそう言葉が溢れる。

 

その瞬間だった!

 

霊夢「は、はちまーーーん!!」

 

バサッ

 

霊夢が勢いよく俺の方へと来る。

え?ちょ、待って!

 

ヒュッ

 

ドテンッ

 

八幡「あっ」

 

思わず飛びかかってきた霊夢を俺は躱してしまった。そのせいで霊夢は地面と抱き合うことになる。いや、俺は悪くない。だってあんな美人に急に飛びつかれたら反射的に避けてしまっても仕方ない。うんうん。

 

霊夢「い、いてててて」

 

霊夢は涙目になりながら立ち上がる。

少し鼻が赤い。

うん、可愛い。

 

しかし、そんなバカなことを考えてる暇はなかった。すぐさま、霊夢は涙目のまま俺を睨みつけてくる。

 

霊夢「どうして避けるのよ!!」

 

これはかなりご立腹の様子。

無理もない感動の再会を現在、俺はぶち壊してしまったのだから。

 

八幡「いや、その、急に飛び込んできたから。つい反射的に…」

 

言葉を詰まらせながらもなんとか弁明を図る。しかし、霊夢は思いっきり頬を膨らませ「ふんっ」とそっぽを向いてしまった。

これは一体どうしたらいいのだろう。

 

八幡「悪かったよ霊夢。お前が想像以上に可愛くなってて驚いてしまったんだよ。だから、な?許してくれ。この通りだ」

 

そう言って俺は頭を下げた。

え?プライドはないのかって?

馬鹿野郎そんなもん生まれてくる前に捨てたわ!

 

霊夢「か、かわいい…。まあ、いいわ。特別に許してあげる。そのかわり…」

 

お、どうやら成功したようだ。

しかし、このパターンは交換条件付き。

小町で学んだがこういう時はだいたい一筋縄ではいかない命令がくるのだ。

もし出て行けとか言われたらどうしよう。

俺、野宿になるのか?

でも、確か野宿は妖怪に食われる可能性があるから危険って霊奈さんが言ってたな。

 

やだ、八幡。幻想郷に帰って初日で人食い妖怪の餌になっちゃうの?

うん。今の脳内再生は自分でも気持ち悪かった。

てか、霊夢のやつ命令を全然俺に言わないな?どうしたんだ?

と、そんなことを考えた瞬間だった。

 

バサッ

 

霊夢が俺に飛びつく。

今度は先程とは違い物凄いスピードで飛びつかれ避ける隙もなかった。

 

霊夢「私の気が済むまでこうしなさい…」

 

霊夢は俺の胸の中でそう呟く。

ああ、この感じ懐かしい。

以前、霊夢と別れ際に交わしたハグ。

それと同じ暖かさが俺の胸に広がる。

俺はそのまま霊夢の体を包み込みこう言葉をこぼすのだった。

 

八幡「ただいま」

 

霊夢はその言葉を聞くと俺の顔の方を上目遣いの形で除き「おかえり」と呟いたのであった。

 

 

それから10分後。

霊夢はやっと離れてくれた。

正直、あんな美人に抱きつかれて平常心を保てるわけがない。心臓が常にバクバクだった。しかし、それは俺だけではない。俺自信、霊夢も激しく心臓が動いてるのを感じ取った。まあ、俺の心臓も霊夢に感じ取られたのだろうけど…。

 

霊夢はその後、俺を建物の中へと案内してくれる。懐かしいなぁ。ここで霊夢と霊奈さんと俺で飯を食ったものだ。

あれ?でも待てよ?

 

八幡「なあ、霊夢?霊奈さんはどうしたんだ?」

 

そう先程から霊夢さんの姿が見えない。

妖怪退治に出かけているのだろうか?

しかし、俺の質問に対して霊夢の表情は暗くなる。まさか!俺の脳内で最悪の可能性が浮かび上がった。

 

霊夢「そのことも含めて説明しないといけないわね」

 

霊夢は、暗い表情ながらも俺と向かい合いそして、俺がいなくなった後の幻想郷での出来事を話してくれた(詳しくは別種族の共存を読んでね)

 

八幡「なるほどな」

 

霊夢の話を聞き終えた俺は色々な感情が入り混じる。霊奈さんの死による悲しみ。霊夢が幻想郷のルールそのものを変えて、何故か俺の考えたカードに霊力を込める奴が主流になってる驚き。そして、霊夢に沢山の友達が出来たことへの喜び。

 

霊夢「まあ、色々な情報が一気に入ってきて混乱するのは分かるけど出来れば八幡のことを話してほしいな」

 

おっと、そうだ。

あのボタンは最終手段であることは霊夢も知っている。故に俺に辛い出来事があったことをもう霊夢は察しているのだ。

 

八幡「分かった」

 

俺は意を決して霊夢に外の世界で体験したことをありのまま全て話した。

 

霊夢「そんなことが…」

 

霊夢は悲しそうな表情を浮かべる。

そして…。

 

ギュッ

 

再び俺のことを抱きしめた。

 

八幡「え?ちょ?霊夢?」

 

突然の出来事に戸惑ってしまい言葉がうまく出ない。

 

霊夢「八幡、辛かったね。また、人に拒絶されて誰からも受け入れて貰えなくて、でも、大丈夫。私は八幡を拒絶したりしない絶対にあなたのもとからいなくならないわ」

 

ああ、霊夢は俺を受け入れてくれたのか。

正直、怖かった。

俺がやったことを霊夢は許容してくれないかもしれない。それに怯えながら俺は全てを話した。でも、霊夢ら俺の全てを受け入れてくれたんだ。

 

やはり霊夢はいや、この幻想郷そのものが俺にとって何よりも大切な"本物"だ。

 

八幡「ありがとな霊夢…」

 

俺は涙ながらにその言葉をこぼした。

 

しかし!

 

霊夢「でもっ」

 

霊夢の抱き締める腕に力が入る。

 

八幡「ちょ、ちょっと霊夢さん!痛いんですけど」

 

俺がそう嘆いても霊夢は一向に力を緩めない。それどころかさらに力を増していく。

 

霊夢「状況から仕方なかったとはいえ、私以外の女に告白したのよね。だから、私はいま嫉妬で狂いそうだわ」

 

八幡「え?」

 

ちょ、なんか今すごくヤンデレみたいなセリフ言わなかったか?嫉妬って…。いや、まあ、たしかに俺が悪いんだけどね。俺だって霊夢が他の男に告白したとか言ったら多分、嫉妬するし…。

 

霊夢「八幡。このままじゃ私、気がどうにかなりそうよ。さあ、どうする?」

 

どうするって…。

これはあれか、私に告白しろと案に伝えているのか?たしかに俺と霊夢はお互い好きだとは言ったが恋人ではない。

ここはひとつ比企谷八幡、男を見せるか。

俺はそう思い霊夢を一度引き離す。

そして、そのまま肩に手を置き、目を合わせた。

 

八幡「霊夢!」

 

霊夢「は、はい!」

 

ヤバイ。めっちゃ緊張する。

霊夢も顔を赤めて思わず敬語になってるし…。でも、ここで下がるわけにはいかない。

 

八幡「俺と…」

 

俺は覚悟を決め告白する。

そう思った瞬間だった。

 

八幡「俺と「霊夢ーーーーーーーーーー!!」っ!え?」

 

 

外から突如、霊夢も呼ぶ声が聞こえる。

声の軽い感じから言って霊夢の友達だろう。

霊夢はマジかよという表情を浮かべている。

 

霊夢「は、八幡!今の声は気のせいよ。それより、今の続きを」

 

霊夢はそうやって俺に続きをせかした。

いや、出来るわけないでしょ。

 

霊夢「いいから、続きを「霊夢ーーーーーーーーーー!!!いないのかーーーー!!!」あーーー!もうっ!!魔理沙の奴!!」

 

その瞬間、霊夢はキレながら建物から出て行った。

 

八幡side out

 

[

 

 

霊夢side in

 

今、私はめちゃくちゃキレている。

折角、八幡が私に告白してくれそうな雰囲気だったのに!

あいつ絶対許さない。

そう思い。私は声の主の方へと飛び出た。

 

???「よう、霊夢!暇だったから来てやったぜ!!」

 

来てやったぜって…。

ああ、ヤバい。凄く殴ってやりたいわ。

 

あ、そうそうみんなにはまだ紹介してなかったわね。今目の前にいるのは霧雨魔理沙。

一応、私の親友的存在よ…。

って、私誰に言ってんだろ。

まあ、いいや。

 

魔理沙「おいおい、霊夢。お前、やけに機嫌が悪いな?もしかしてあの日か?」

 

霊夢「あんた、これ以上口開いたら殴るわよ?」

 

もうなんでよりにもよってこんなタイミングなのよ。そう思い私が絶望に落ちていると…。

 

八幡「おい、霊夢?その子がさっき言ってた友達か?」

 

私たちの声を聞いたのか、八幡が中から出てきた。ああ、なんか嫌な予感がするわ。

八幡に限って大丈夫だとは思うけど魔理沙は結構、可愛くてカッコイイ。目移りするには十分な程の外見。しかも…。

 

魔理沙「お?なんだ、外来人か?」

 

八幡「え?お、おう。。」

 

魔理沙「そうか!私、霧雨魔理沙ってんだ。よろしくな」ニッ

 

八幡「え、ああ。俺は比企谷八幡だ。よろしくな」

 

 

そう魔理沙は凄く人懐っこいのだ。

初対面の人にもズバズバと話しかけてすぐ仲良くなる。

 

でも、八幡はこの程度で落ちないよね。

そう思い私は八幡の方へと目をやる。

 

すると…。

 

八幡「かわいい…」

 

魔理沙「えっ?」///

 

八幡「あ、いや、すまん。つい本音が…。って、違う!」

 

魔理沙「ほ、本音って…。へへへ」

 

え?なにこいつら?なんでそんな付き合いたての初々しいカップルみたいな会話してんの?

てか、八幡。あんたなんで魔理沙を口説いてんの?いや、まあ、分かるわよ。多分、思わず口から溢れちゃったんでしょ?美味しい料理を食べて思わず「あ、美味しい」って言うのと同じような感じで…。

 

でも、普通私の目の前でいう?

そう思いながら私は八幡の事を睨みつける。

この天然タラシ野郎が!!

すると、八幡は怯えた目になる。

あの目は本気で謝ってる目だ。

八幡の目について一番詳しく私が思うんだから間違いない。

 

魔理沙「ん?どうしたんだ霊夢?八幡のこと睨んで?」

 

ぐっ!流石に魔理沙に対してあんたが可愛いって言われて嫉妬したなんて言えない…。

なんとか誤魔化さないと…。

 

霊夢「別に睨んでないわよ?」

 

魔理沙「え?そうだったか?絶対、睨みつけるのかと思ったんだが…。まあ、いっか」

 

ふう。魔理沙がサバサバな性格で助かったわ。

 

魔理沙「で?霊夢?どうして、外来人の八幡がいるんだ?幻想入りしたなら帰してやらないと」

 

魔理沙の疑問は的をついてる。

普通、幻想入りした人間は私がすぐ結界をいじって外へと出してあげる。でも、今八幡は明らかに私の家の中にいた。外にすぐ帰すなら家の中で寛いでいるなんてあり得ないのに。

 

霊夢「あ〜、まあ、説明すると結構長くなるんだけど仕方ないか…」

 

そう思い魔理沙に八幡の事情を全て話した。

ちなみに私と八幡が抱き合って別れたことなど余計なことは話していない。

 

魔理沙「へぇ、大変だったんだな八幡。でも、安心しろ!ここじゃあ、お前を拒絶する奴はまずいない。これからも仲良くやっていこうぜ」

 

そう言いながら手を八幡に差し出す魔理沙。

八幡は、「ありがとな」と一言だけ言って魔理沙の手を取った。二人は硬い握手を交わす。

なんやかんやあったけどこのタイミングで八幡と魔理沙があってくれたのは八幡にとってよかったかも知れない。八幡、幻想郷は貴方を受け入れてる。その事を今の魔理沙との握手でよく理解できたはず…。

 

魔理沙「あ!そうだ、八幡!お前一体どこに住むんだ?」

 

八幡「え?」

 

魔理沙が急にそんな事を言い出した。

八幡が住む場所?

そんなの博麗神社に決まってるじゃない?

 

八幡「え〜と、一応、霊夢の許可が出るならこの神社に住まわせて欲しいんだが…」

 

そう言いながら弱々しく私を見る八幡を

別にそんな心配しなくても大丈夫よ。

 

霊夢「ええ、勿論いいわよ。八幡は以前もここに住んでたし私とっては家族みたいなものだしね」

 

まあ、というより八幡がもし別の場所に住むって言ったらもう反対するけどね。

 

八幡「そうか、ありがとな。霊夢」ニコッ

 

そう言いながら私に微笑む八幡。

八幡って目の濁りがなくなってからめちゃくちゃイケメンなのよね。思わず私のキャラじゃないけどキュンとしちゃったわ…。

気をつけないとね。

 

魔理沙「え?でも?」

 

すると、魔理沙が心配そうな眼差しで私と八幡を見てくる。何よ、その目?

 

魔理沙「霊夢、お前金銭面は大丈夫なのか?」

 

あっ!

 

八幡「金銭面?」

 

魔理沙「え?ああ、そうか、八幡は知らないのか…。実はな。霊夢の奴、あんまりお金を持ってなくてな一人でもかなりきつい生活をしてるんだ。なんなら、この前なんて雑草を美味しそうな目で見てた時は思わず私の大切に育ててたキノコをあげちまったぜ」

 

ちょっ!魔理沙!!余計なこと言うんじゃないわよ!八幡に対する私の好感度が下がっちゃうでしょ!

 

八幡「そ、そうなのか…」

 

そう言いながら八幡は心配そうな目を私に向ける。

 

霊夢「べ、別に八幡が気にする必要は無いわ!お金なら、、、そう!魔理沙がなんとかしてくれるから!」

 

魔理沙「いや!無理だからな!」

 

くっ!白状もの。

 

八幡「…バイトは出来ないのか?」

 

魔理沙「う〜ん。基本、人里では一定のコミュニティが出来ていてそいつらで仕事を分け合ってるんだ。だから、外来人の八幡がバイトを頼むのは少し難しいな。それこそ、住み込みのバイトじゃ無いと…」

 

八幡「なるほど…。つまり、金を稼ぐ為には人里で住む必要があるってわけか…」

 

え?人里で住む?

 

霊夢「ちょ!それはダメよ!」

 

何故かこの幻想郷、人里には可愛い子で溢れかえってる。もし、イケメンの八幡がそんなところで住んだら少なからず誘惑しようとする輩が出てくるわ。それだけは、防がないと…。

 

魔理沙「なんでダメなんだよ霊夢?」

 

霊夢「いや、よく考えてみなさいよ。外の世界と幻想郷じゃ何もかも勝手が違うのよ。そんな中、人里で住もうものならきっと混乱しちゃうわ」

 

我ながら咄嗟に出た言い訳にしてはかなり良いことを言ったと思う。

 

魔理沙「あ〜、たしかにな〜。う〜ん。じゃあ、どうしよう…」

 

ふう。なんとか、八幡が人里に行くことは避けれた。でも、問題は解決していない。本当に生活費どうしようかしら…。

そんな事を考えてる時だった。

 

 

「それなら、心配ないわよ」

 

 

私の後ろからスキマの開く音が聞こえる。

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