推し変したらヤンデレに   作:555

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皆、推し変系ストーリー書こう!


朝香果林 後編

 あれからというもの僕と彼方さんの仲は急速に深まって行った。

 他のファンに知られたらタコ殴りにされるかもしれないけど、ライブ後には舞台裏の皆の写真や動画、彼方さんの衣装の写真それらが『頑張ったよ~』というメッセージと共に必ず送られてくる。

 二人で休日出掛けた事もあるし、お家にもお邪魔した。溺愛している妹さんにも会ったしその分僕もお返しとばかりに彼方さんグッズを沢山買って応援した。

 前まではペンライトは果林さんか彼方さんの色2本にしていたけれど今はどちらも彼方さんの色にしている。

 "君が居ないと生きていけない"とか"君しかいない"という流行りの歌の様なクサイ口説き文句のセリフを言うつもりはないけれど、僕はそれだけ彼女、彼方さんに釘付けになって言った

 それと対照的に百年の恋が冷めるとはよく言ったもので、急速に果林さんへのあんなにあった熱が冷めていた。

 

「えへへ、最近君が応援してくれるから彼方ちゃん、やる気満々だよ」

 

「確かに最近は練習頑張ってるみたいですけど、彼方さんは勉強も忙しくやってるんですし、身体とか大丈夫ですか?」

 

「うん、君を見るとそんなものは吹っ飛んでちゃうし、練習は楽しいからね~、頑張れるよ」

 

 昼休み、僕と彼方さんは彼方さんのお気に入りの昼寝スポットで二人で弁当を食べるのが習慣となっていた。

 ここから見える学食に並ぶ長蛇の列をよそ目に僕達は優雅に食べるのが好きだ。

 僕は元々学食派で買って食べていたのだが、今は彼方さんが弁当を作って持ってきてもらう事もあるし購買でパン等を買って食べている。

 でも購買で買うと決まって

 

「む~、また購買で買ったの? 栄養取らないと大きくなれないぞ~?」

 

 と腰に手を当てて頬を膨らませ正しくお姉さんみたいに注意をしてくる。

 僕としても毎日彼方さんのお弁当は食べたいけれど、推しのアイドルの手作り弁当なんて一生に一度も無い様な出来事だけど彼女の負担を考えるとあまり気が進まない。なので弁当を自分で作っていきます。なんて嘯いていたりもする。

 

「天気いいですね、今日」

 

「絶好のお昼寝日和だ~」

 

 太陽の日差しを浴びて気持ちよく、ぐっと身体を伸ばす。

 

「本当にここに人いなくて絶好のスポットですねぇ」

 

「彼方ちゃんの秘密のスポットなのだ、学食からは見えるけど何か皆来ないんだよねぇ」

 

 周りを見回すと人は僕達以外居ない。

 まるで自分達の土地みたいに広大な敷地を僕と彼方さん二人で独占をしている様で。

 そしてある一点に何となく僕は目を向けた。

 ここから見える学食の窓側に見慣れた人を見つけた。

 

「果林さん……」

 

 僕の元の推し、きっと僕のSNSとかは全く知らないしただのファンだから興味も無いだろうけど何となく果林さんには申し訳ないような気持ちがあった。 自意識過剰だろうけれどどこか気遅れをしてる部分はある。

 暫く見ていると、果林さんがこちらを向いて微笑んだような気がした。

 僕が前、夢中になっていた大人っぽさと子供っぽさが合わさったとても可愛らしい笑み。

 でも、今回は僕らに向ける一瞥は氷のように冷たく、何かドロドロとしたものが含まれているように感じだ、いや、きっと気のせいだ。

 きっとヲタク特有の自意識過剰で僕に視線を向けてて欲しいという気持ち悪い妄想なのだろう。

 

 

 

 

 

 

 ─────────

 

 

 

 

 

 

 授業終わりの放課後、彼方さんの元へ行こうと廊下を歩く足を早めていた時、見慣れた人影を見た。

 青みかがった髪に高校生離れしたスタイル、一目見たらついつい見蕩れてしまう程の美貌。僕の前の推し、朝香果林が廊下で腕を組んで壁に寄りかかっている。

 その姿さえも洗練されていて美しいと感じた。

 

「やっと来たわね」

 

 彼女は僕を見てニコリと優しく微笑んだ

 

「僕……ですか」

 

「貴方以外に誰がいるのよ」

 

 周りを見渡すと僕と彼女以外誰も居ない。

 僕に用事なんて一体なんなのだろう。

 

「えっと……僕に何か?」

 

「ここじゃ、話しにくいしいい所にでも行きましょ。貴方の家がいいわ」

 

「僕の家……ですか」

 

「私の寮は関係者以外入れないしそもそも女の子の寮に男子が入るのはきっと先生が許してくれないわ。どうしてもって言うのなら私はいいけどね? ほら、早く行きましょ?」

 

 

 

 

 

 

 ────────

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで僕の家に果林さんを連れてきたのだけど、家に果林さんが来るなんて前の自分に言っても信じられただろうか。

 僕の家でお茶を啜っているなんて。

 僕にとっては雲上人の様な人で、彼方さんの方が好きだけど果林さんは何処か手を伸ばしても届かない憧れのような人。

 

「それで僕に話ってなんですか」

 

 震える手で湯呑みを掴みお茶で口を湿らせてから僕は尋ねた。

 彼女は僕の彼方さんのグッズに塗れた部屋を見回した。

 

「何故私のファンを辞めたの?」

 

「え?」

 

「何故私のファンを辞めて彼方に鞍替えしたのかって聞いてるの」

 

 僕を知ってくれていた。という嬉しさが込み上げるより今、目の前の果林さんから出される威圧感というか僕をじっと見つめる憎悪と妄念の混じった黒く淀んだ目から与えられる恐怖の方が勝っていた。

 ただ質問を問われているだけなのに冷や汗をかいて、心臓は氷のように凍てついてしまっている。

 

「えっと……その……」

 

 何とか言葉を紡ごうとするが中々出てこず、まさか"飽きました"みたいなことは本人の前で言えるはずがない。

 

「折角貴方には沢山贔屓してあげたのに残念ね。それなのに貴方は彼方のファンになってしまって……!」

 

 果林さんが拳を強く握り怒りを滲ませながら僕を問い詰めるかのように強い口調で語りかけた

 

「貴方の為に応募されたハガキの懸賞は私から上に談判して当選する様にしたり、ライブの時に貴方が居てくれるだけで安心をして頑張れていたの。貴方のSNSは勿論見ていたわ。それで私は勇気を貰っていた、それなのに裏切るなんて」

 

 いつの間にか隣にいた果林さんによって僕は床に押し倒された。

 そして着ていた制服のボタンを一つまた一つと外し始めた。

 

「なっ、何しているんですか!?」

 

「貴方を元に戻す。彼方の事なんて考えられないくらいに。貴方に相応しいのは私なの。貴方に必要なのは私だけ、大人しく私に従って私だけを見ていれば良かったのよ!」

 

 果林さんの強い執着を宿した目が僕を貫く。

 僕は何を出来ずに果林さんの圧に屈し、ただ立ち尽くすのみで、果林さんの人形かの如くされるがまま

 

「まずは……」

 

 僕が何をしてこないと見るや否やぐるりと半回転程、僕に抱きつきながら転がった。

 そして、カシャというシャッター音。

 

「これはまるで貴方が変態さんみたいね。私を自分の家に連れ込んで押し倒した変態さん……♡」

 

 やられた、きっとこれが学校に知れたら僕は…………

 うふふ。と僕には悪魔とも思える笑い。

 カチャリと何処からか金属音が聞こえたような気がした。きっと僕の運命を縛る音。

 そこでプルル、プルルと僕の携帯の着信音が恐怖の空間に鳴り響いた。

 

「もぅ、こんな時に電話なんて……」

 

 僕の制服のポケットから携帯を取り出した果林さん

 

「あら? うふふ、あはは、貴方本当に彼方に気に入られているのね? 本当に目障りだわ」

 

 こちらに画面を向けてくれたので見ると、電話を掛けてくれたのは彼方さん。

 果林さんが電話に出るボタンを押した事を確認すると、僕は叫ぼうとした

 

「彼方さん、たすけっ……!」

 

「大人しく……ね? 彼方にあの写真を送っちゃってもいいのかしら?」

 

「ぐっ!」

 

「ふふっ、いい子。『ん? 彼方どうしたの? 突然で悪いのだけど、これから彼に関わらないで頂戴。電話も掛けないで。近寄るのもダメ。じゃそういう事でよろしく頼むわ』

 

「果林さん!!!」

 

「だってそうでしょう? 貴方に必要なのは私なの。彼方は要らないの。また私を応援してくれるわね? そしたら多少はおしおきは軽くはしてあげるから」

 

 きっと僕はこのまま果林さんのいいなりなのだろう。

 僕は諦めるように現実から逃げるようにそっと目を閉じた。

 願わくはこれが夢でありますように……

 




上手く書けなかったので、その内彼方編か書き直ししてリベンジしておきます
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