やはり俺の武偵ラブコメは間違っている。   作:みにぃ

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お久しぶりです。みにぃです。かなり時間が空いてしまって申し訳ないです。
期間が空いてしまった分、結構丁寧に書いております。
これからもこれくらいのかなりゆったりした投稿頻度になってしまいますが、どうかご容赦ください。
よろしくお願いします。


第十四話

 先日遠山に言われた言葉を思い返す。話す内容は決まった。というより、そんなことも決められていなかった自分に驚いた。

 今まで、話さなければいけないという意思はあれど、俺には神崎が何を考えているのか、正直さっぱり分からなかった。まあそれに関しては今もちゃんと分かっているとは思えないが。

 だがそれでも、遠山から聞いた事を信じるのなら、なんとなく想像することは出来る。

 話すことも、話そうという意思もある。となれば、多少強引にでも話に行ける気がする。知らんけど。

 俺はコミュ障というわけじゃない。用事があれば話せるのだ。出来ないのは雑談と気を使った会話だけ。雑談とかマジで何話せばいいんだよ。もっと何話すか明確に決めろよ。

 

 まあ、そんな思いを胸に登校したは良いものの、今日神崎は学校へ来ていなかった。マジかよ…、俺今日は結構確固たる意志を持って登校したのに…。

また何か任務をこなしているのだろうか。その如何は分からないが、今日神崎が学校へ来ていないということは、だ。つまり神崎と話すためには女子寮に行かねばならない、ということになる。

 よし、今日はやめよう。いや流石に無理。女子寮とか俺が行ったら問答無用でしょっぴかれるだろ。しょっぴかれるだけならまだしも貼り付けにされて火あぶりになる可能性すらある。…いや普通に冗談にならない。ここ武偵校だしガチでありそう…。怖すぎるだろ。

 第一この学校の女子寮とかどっかにブービートラップ仕掛けてあってもなんら不思議ではない。いや、それは男子寮も同じようなもんだな…。

 まあどちらにしてもちょっと行きたくないなぁ…。と考えていると、ふと遠山が神崎の連絡先を知っていたことを思い出す。確かこの前のバスジャックが解決した後に連絡を交わしていたはずだ。

 そうなればとりあえず今日帰ったら遠山に聞いてみよう…。

 

「隙ありぃぃぃい!!!」

 

考え事にひと段落つけていると、とんでもなく暑苦しい声と共に、声以上に暑苦しく鬱陶しいものが突進してくる。

しかし何の礼儀なのか、しっかりとセリフを言い終わってから突進してきているせいで全く当たる気はしない。

 俺はその猪のような暑苦しい何かをギリギリ避けましたよ感を演出しながら躱す。うおー、あぶねー。

 

「ほう、今のを避けるか…。流石は我が宿敵、比企谷八幡!!!」

 

「…前から思ってたけど材木座、お前何かする前に発狂するのやめろよ。周りから変な目で見られるし、相手には完全に動き読まれるしでいいこと何もないだろ。」

 

「ムハハハハッ、バカを言うでないぞ八幡。この我の一撃、もしも貴様が掠りでもしてしまえば、貴様の脆弱な肉体など一瞬で木っ端微塵で即死だ。流石の我も死者蘇生はドラ〇エと遊〇王以外ではやったことがないからな。」

 

「お前さっき今のを避けるか…、みたいなこと言ってたじゃねーか。」

 

「当然だ。繰り出す一撃は常に相手を殺すつもりで、というのが我の信条だからな。」

 

言いながら、格好いい事言ったぜ…、みたいな顔をしているこの鬱陶しい男は材木座義輝。

俺と同じく、この強襲科で平塚先生グループ常連の落ちこぼれである。

強襲科を受験し、受かったということが信じられないほど緩んだ肉体に、何よりその痛い言動。当然グループを組むようなことがあればあぶれるのは当然であり、あぶれれば必然的に余りもの同士でペアを組むしかなくなる。

 そんな調子で、…誠に遺憾ながらあれよあれよと知り合いになってしまったのがこの材木座義輝である。

 

「時に八幡よ。」

 

「なんだよ。」

 

 徒手組手もそこそこに、小休止を取っていると、材木座が話しかけてくる。

 

「いやただの噂だぞ?ただの噂なんだがな?お前が最近あの神崎アリアと仲良くしているという噂を聞いたのだ。いや当然お前に限って女子と仲良くできるなぞそんなことはあるまいと思ってはいる。だがどうにも気になってな。真偽のほどをこの我自ら確認してやろうと思ってな。一応言っておくが本当に絶対在り得ないとは思っているのだぞ?」

 

「いや、どこ情報だよそれ…。」

 

 とは言ったものの、確かあいつも友達少なかったな…。それでいて結構注目されやすいから、必然的に一緒にいる人間というのも注目されやすいのかもしれない。そう考えれば、そういう噂が出てくるのも納得できる。

 

「そんなもん真っ赤な嘘だ。別に仲良くねーよ。」

 

俺がそう言うと、材木座はほっと胸を撫でおろす。かと思うとすぐさまこちらに笑みを向けてくる。

 

「モハハハハ!そうであろうなぁ!お前のような男が仲良くできるのであれば別に我でも良いもんなぁ!我てっきり貴様が我の知らぬうちに大人の階段を上らんとしているのかと考えてしまったわ。いや全く、そんなこと不可能に決まっておるのになぁ。そのようなことに頭を悩ませていた過去の我が滑稽で仕方がないわモハハハ!」

 

「うぜぇ…。」

 

 こいつは後で一回殴ろう。二回でもいい。いや三回か?うん。まあいいや、マジでぼこぼこにしてやろう。

 心底愉快そうにモハモハ笑う材木座の隣で俺が心底不愉快そうに顔をゆがめていると、組手再開の笛が鳴り、その直後に体育館へ響き渡った平塚先生のスピーカー越しのアナウンスに、館内の空気は一気に殺意を交えたものへと変わる。

 

「ここからは武器の制限を解除する!銃や刀剣、爆弾も何でもあり!両者ともに相手を殺すつもりでかかれ!」

 

 その言葉に、ウォォォォォォォォォォ!と生徒たちは沸き立つ。

俺の隣にいた材木座もまた、武器の制限解除に心が沸き立っているらしい。クックック…、と気持ちの悪い声をあげながら立ち上がり、こちらへ指をさしてくる。

 

「八幡よ…。死にたくなければそこで座っていろ…。我は呪具を持ってしまうと手加減が出来ぬ…。貴様を…、殺したくはない。」

 

 そういうと材木座は常に腰に掛けている太刀を抜く。いつも思うけど持ち手のところに巻いてあるあの包帯邪魔じゃないんだろうか。めっちゃひらひらしてるけど。

俺武器あり嫌いなんだよなぁ…。主にこいつがもっとうるさくなるから…。

 まあいつも通り適当にいなしてればすぐ疲れてダウンするだろう。そしてそこから流石は我が永遠のライバル…、ガクッとか言って倒れるまでがテンプレである。

 あ、いや待てよ、閃いた。別にやましい事ではないので通報はしないでほしい。ただ疲れたこいつを竹刀かなんかで一発ひっぱたいてやるのも良いかもしれないと思っただけだ。

 その日体育館には一人のボッチの絶叫が響き渡ったそうだ。

 ちなみに、そのボッチは普段からやかましい奴だったらしく、痛みで悶絶しようと誰も興味を持つことはなかったそうだ。ドンマイ、材木座。

 

 

 放課後、何故か妙にすっきりした気持ちで帰路を歩く。

 いやー、何故かは分からんけど放課後からずいぶん気分がいいな。うん、何故かは分からんけど。

まあ実際、材木座のことを抜きにしても、だ。ここ最近峰に付きまとわれていたが、今日は見つかることなく帰れた。どうやってるのか知らんがあいつ帰ろうとしている俺をどうあっても見つけてくるのだ。マジで怖いよ。どこから何に気を付けて見てればそんなにすぐ見つけられるの。

 寮へ帰り、部屋を見回すが、遠山はまだ帰ってきてはいなかった。今日は用事があるので、メールの一つでも入れておこうかと、ソファに横になりながらケータイを開く。

 しかし、ここ最近神崎関連であまりよく眠れていなかったこともあり、ソファに横になるとすぐさま眠気が襲ってくる。

 …まあ、結局実際に話をするのは明日になるのだ。あいつが帰ってきてからでも良いだろうと、俺はそのまま目を閉じた。

 

 覚醒した意識の中に真っ先に飛び込んできたのは無機質なケータイのバイブレーションだった。

 ケータイを開くと、見知った名前で電話がきている。珍しいな。あいつがわざわざ電話するとは。

 

「もしもし、どした。」

 

 俺が応答すると、電話の向こうからは風を切るような音と、荒い息遣いが聞こえた。

 

「比企谷か!」

 

「お、おう。どうしたんだよ。なんか事件か?」

 

「…事件はまだ起きてない。だが、これから起こるんだ!絶対に!」

 

「落ち着いて状況を報告しろ。何言ってるかさっぱり…」

 

「羽田の第二ターミナルだ。今から急いで来い!」

 

 遠山の荒げた声に、思わず言葉を飲み込んだ。

 

「武偵殺しが、現れる!」

 

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