ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS 作:naogran
旧ブルースフィア帝国・帝城では。
シュトローム「そうですか、最後の街が滅びましたか。」
ゼスト「はい。これで帝国の版図にある街や村は全て消え去りました。」
ミリア(ゼスト率いる魔人部隊が、街道を通る対象を襲い、食糧の供給をストップさせる。そんな中で贅沢を続ける貴族達に、餓えた平民達が恨みを募らせた所に誘いをかけ、彼らを魔人化。魔人となった平民達は、積年の恨みを晴らすべく、領主を血祭りに上げ、更に街や村を蹂躙。シュトローム様は帝国貴族を憎んでおられる。だがこのやり方で、多くの平民までもが犠牲になった。シュトローム様、あなたは何故そこまで・・・?)
帝城・謁見の間。
シュトローム「皆さんの働きで、帝国を滅亡に追い込む事が出来ました。大変に喜ばしい事です。」
魔人達「ウオオオオオオオオーーーーーー!!!!」
盛大な歓声を上げる魔人達。しかしシュトロームから、驚きの言葉が。
シュトローム「さて、この後どうしましょうか?」
魔人達「?」
シュトローム「帝国を滅亡させる事が、私の目標でしたからね。もうする事が無いんですよ。」
魔人A「何を仰っているのですか!!」
魔人B「そうです!この勢いで次は隣国を攻め取り、そのまま世界を統一し・・・」
シュトローム「世界統一?何の話です?何故そんな面倒な事をしなければいけないのです?」
魔人B「め、面倒・・・?一体何を・・・!?」
魔人C「これだけの魔人が居れば、魔人の国を創る事も・・・まさか、何もしないおつもりで・・・!?」
魔人A「だったら何故!?何故私達を魔人にしたのですか!?」
シュトローム「何故?帝国を滅する為の手駒を増やしたかったからですよ。」
魔人A「駒・・・だと・・・!?」
シュトローム「私は”貴族打倒の力を与える”と言っただけですよね?一体何処からそんな話に?」
彼の目的は、ブルースフィア帝国の貴族達の滅亡。それ以外の目的には興味を持たない。そして”手駒が欲しい”。魔人達はこの言葉に激怒した。
魔人D「き・・・貴様!!!!」
魔人E「そんな事の為だけに俺達を魔人に変えたのか!!!許さ・・・!っ!?」
激怒してシュトロームを殺そうとするが、ゼスト率いる斥候隊達に妨害された。
シュトローム「面倒ですね。」
右手を振ると、魔人達の魔力が一瞬で消えた。
魔人D「なっ・・・!?」
魔人E「集めた魔力が消え・・・!?」
シュトローム「あなた方がどう言う野望を抱こうとも自由ですけど、そこを私に押し付けないで頂けますか?迷惑ですから。」
ある日の荒野。
アリス「ウッヒョー!気持ち良い〜!」
ユーリ「まさか空を飛ぶ日が来るなんてねぇ〜!」
マリア「まっ、こうやって空を浮いて居られるのは、シンがかけてくれた浮遊魔法のお陰なんだけどね〜!」
トール「自分達は、風の魔法を操って移動してるだけですからね。」
戦闘服に付与された浮遊魔法で空を飛んでいる。
タクト「お〜、もう使いこなせたか。」
シン(うん、大分様になってきたな。)
メイ「シンお兄ちゃん、タクトお兄ちゃん、私も早く飛びたいです!」
タクト「え?でも飛んだら・・・」
メイ「大丈夫です!ちゃんとこれを穿いて来たです!」
ドロワーズを見せる。
男性陣「・・・ハッ!!」
エリザベート「ハッ!!メイ!はしたない!!」
メイ「え?でも、これは見せても良いんじゃないのです?」
エリザベート「い、良いと言えば良いですけど・・・いけません!!」
タクト「ま、まあ穿いて来たのなら良いとして。」
通信機に接続したスピーカーで皆を呼ぶ。
シン「おーい!そろそろ降りて来ーい!」
アリス「えぇ〜?折角調子出て来たのに〜。」
シン「交代の時間だぞー!」
タクト「飛びたいなら他の時間で飛べよなー!」
アウグスト「あの魔道具、色々使えそうだな。」
トール「殿下の立太子の儀式で、使ってみても良いかも知れませんね。」
マリア「そう言えばもうすぐでしたっけ?」
アウグスト「あぁ。」
メイ「皆さーん!早く代わって下さいです〜!」
森林の中では。
???「リオ!後ろ!」
リオ「ダァッ!!」
魔物達を惨殺したリオが静かに佇む。
リオ「ケイティ。そっちは?」
ケイティ「倒したよ〜!」
???「これで全部ね。」
リオ「あぁ、スイード王国までもうすぐだ・・・行くぞ。」
彼らはスイード王国へ向かった。
ブルースフィア帝国・帝城。
魔人A「そうですか・・・分かりました!ならば俺は俺の好きにやらせて貰う!」
シュトローム「どうぞ。っと言うか最初からそうして下さい。彼の考えに賛同する方はどうぞ。一緒に行って頂いて結構ですよ。」
斥候隊と一部の魔人達がここに残り、他の魔人達はここを出て行った。
シュトローム「一体何を考えているのやら。」
ゼスト「宜しいのですか?彼らをあのまま放置しておいて。」
シュトローム「構いませんよ。既に帝国を滅ぼすと言う目的は達したのです。好きにやらせておけば良いでしょう。」
ミリア「あの、どうしてそこまで帝国を憎まれておるのですか?元は帝位継承権を持つ帝国の公爵だったとお伺えしましたが・・・」
シュトローム「そう言えば、話した事が無かったですね。それでは、お聞かせしましょうか。私がまだ、オリベイラと呼ばれていた時の事を。」
今から2年前、嘗て帝国にはストラディウス領と言う領地があった。
領民A「オ、オリベイラ様!」
領民B「我々の仕事を、ご領主自ら・・・」
オリベイラ「なに、構わんさ。土も肥沃な状態を保っているし、作物も元気に育っている。これは、今年の収穫高も期待して良さそうだね。」
領民A「はい!何処の畑も大豊作です!」
彼の名はオリベイラ=フォン=ストラディウス。ストラディウス領の領主で帝国の公爵。彼は領民達から厚い信頼を得ている。
オリベイラ「ここも大分人が増えたねぇ。」
領民A「オリベイラ様の領地改革により、柵付き面積も増えましたから。人出が足りなくて、他領から流れて受け入れた人達も居るようです。」
オリベイラ「へぇ〜。じゃあもっと増えるかな?」
領民A「それでも街では、人出不足が深刻化している業種もある様です。」
オリベイラ「何処もかしこも人手不足かぁ。」
領民A「以前からお聞きしたかったのですが、オリベイラ様は何故ここまで平民優遇の政策を?」
オリベイラ「私も子供の頃は、何の疑問も無く貴族優遇の世界を受け入れていたよ。だが、若い頃旅をした時、ある国で衝撃を受けてね。その国は帝国と違い、奴隷制度も無く、平民達までもが活気に溢れた生活をしていたよ。搾取されている帝国の平民達との違いを知った時、帝国の未来はこうあるべきだと思い知らされたんだ。」
領民A「その国とは・・・?」
オリベイラ「アールスハイド王国だよ。」
実は彼は、アールスハイド王国へ訪れた事があった。アールスハイド王国に衝撃を受け、ブルースフィア帝国を変えようと努力している。
その夜のストラディウス公爵邸。書斎でオリベイラが読書をしていると、誰かがノックして入って来た。
???「あなた、そろそろお休みになったら?」
1人の女性だった。名前はアリア。オリベイラの最愛の妻である。
オリベイラ「この地域の収穫高が少なくてね、どうにか出来ないかと思って居たんだ。」
アリア「民達の為に働くのは良いですけど、あなたの身体も心配ですわ・・・」
オリベイラ「アリア、君の方こそ身体には気を付けてくれよ?漸く授かった私達の宝なんだからね。」
2人の間に、もうすぐ子供が誕生しようとした。しかし、彼の幸せは長く続かなかった。
帝国にあるリッチモンド公爵領。
???「貴公らに頼みがある。オリベイラを帝都に呼び出して欲しいのだ。」
ヘラルド=フォン=リッチモンド。後のブルースフィア帝国の皇帝。
貴族A「ストラディウス公爵をですか?」
ヘラルド「奴の事、目障りだと思わんか?」
貴族B「それは勿論!!」
貴族C「我らの領から、奴の所へ移住する平民は増える一方!!」
貴族D「我々は腸が煮え繰り返っております!!」
ヘラルド「奴は帝国の上納金を増やし、貢献代として、このまま行くと次期皇帝の座に就いてしまう。」
貴族B「奴が皇帝になってしまったら、平民優遇の政策を執るでありませんか!!」
自分達が私腹を肥やそうとしても、平民達が優遇されるのを許さないと言うクズな貴族達。
ヘラルド「そこでだ。貴公らはストラディウスを帝都に呼べ。その間に私が失脚を図ってやろう。」
貴族D「それは真ですか!?」
ヘラルド「奴を出来るだけ長く帝都に止まらせろ。理由は何でも構わん。」
貴族A「歓迎会と称して!」
貴族B「平民優遇政策について聞きたいと言えば!」
貴族C「そして何度も勉強会を開いて!!」
ヘラルド(オリベイラ、お前はもう終わりだよ。)
翌日、ストラディウス公爵邸に。
オリベイラ「やった!やったぞアリア!!貴族達が、他の貴族達が私の考えに賛同すると言って来たんだ!!」
アリア「おめでとうございます!でも、突然どうして・・・?」
オリベイラ「最近思うように税収が上がらなくてね、このままだと帝国の上納が厳しいらしい。上納金の遅れは貴族達の剥奪だ。自分達の特権を守る為ならば、何だってやるつもりだったんだろう。手紙には、近い内に帝都で会合を開き、そこで領地経営の指南をして欲しいと書いてある。」
アリア「帝国へ・・・?本当に大丈夫なんですの・・・?」
オリベイラ「え?」
アリア「皇帝選挙で、あなたが優位に立っていると見て、良からぬ事を企む貴族達が居るとか・・・」
オリベイラ「心配無いさ!私の魔法の腕は知っているだろ?」
アリア「それは・・・確かにあなたは、帝国有数の魔法使いだと言われてますけど・・・」
オリベイラ「これでも若い頃は、魔物ハンターとして過ごしていた次期もあるんだ。見す見す刺客の手にかかったりはしないさ。」
アリア「けどあなたが、魔物ハンターとして過ごしたのは1ヶ月だけだったでしょう?」
オリベイラ「ははっ、これは手厳しいなぁ。」
だがこの行動が、彼をどん底に突き落としてしまう要因になる。
その後馬車が来て、オリベイラが乗って帝都へ目指す。
アリア(どうかあの人の身に、何も起こりません様に・・・)
するとそこに。
執事「奥様、お客様がいらっしゃっております。」
アリア「お客様?どなたなのですか?」
執事「奥様にお話をしたいお方です。」
彼女はお客様が居る部屋へ。そこには、1人の男が座っていた。
???「これはこれは公爵夫人。お初目にかかります。」
アリア「あの、あなたは・・・?」
???「少し、お話を伺いたいのです。」
数日後、ストラディス領にある噂話が広まった。
領民C「神隠し・・・?」
領民D「女、子供ばかりもう3人目・・・?」
領民E「聞いた話じゃ、他の所でも同じ様な事が起きているらしいよ?」
???「ちょっと良いかね?」
領民D「な、何でございますか・・・?」
???「私は、帝都から来た憲兵団の者なのだが・・・」
憲兵と名乗るこの男。
憲兵「この辺りで人攫いが起こして・・・」
領民C「人攫い!?」
憲兵「しっ。声が大きい。しかも攫われた者は奴隷として売り飛ばされていた情報を入手したのだが。」
領民D「奴隷・・・!?」
憲兵「それについて、何か知らないかね?」
この男、密かに不敵な笑みを浮かべた。
酒場では。
領民E「え!?人攫いは領主様の仕業!?」
領民F「あのお方は俺達平民にもお優しい領主様だぞ!!」
領民G「ウチの女房が聞いた話じゃ、自分の領地に平民を集め、その中から奴隷として売り飛ばしてるって。」
領民E「あのオリベイラ様が・・・?」
領民G「帝国貴族の領主が、こんなにも平民を優遇するなんて可笑しいと思わねぇか?」
領民F「確かに・・・・」
遠くの道路にある馬車。
帝国兵士A「上手く行っているみたいだな。」
帝国兵士B「俺達が偽憲兵とは知らず、そんな話を鵜呑みにしてやがる。」
帝国兵士A「まぁ、所詮は乙後の悪い平民って訳だ。」
これは帝国貴族の策略だった。
リッチモンド公爵邸では。
ヘラルド「オリベイラが領地に戻る?」
使用人「歓迎会に経営指南など、何かと引き止めには尽くしましたが、妻の出産が迫っているからと。」
ヘラルド「フム・・・奴を帝都へ誘き出して二月。仕上げにかかる頃合いか。」
数日後。
憲兵「我々は遂に、人攫いの足取りを掴んだ!!」
領民達「おぉ!」
憲兵「そいつを取り押さえるのに、協力して欲しいのだ!」
森の中の道を進む馬車。
憲兵「止まれ!!止まれぇー!!」
御者が馬車を止め、領民達が馬車を囲む。
憲兵「荷を改めさせて貰うぞ!」
御者「これは公爵様の馬車ですよ?そんな事が許されるとでも・・・」
1枚の令状を御者に見せる。
憲兵「これは公爵様直筆の取り調べ令状だ。口答えは許さん!!」
馬車の荷を確認するとそこには・・・
5人の若い女性が縛られて、檻に閉じ込められていた。
憲兵「攫われた娘達だ!!」
これが証拠となり、領民達の怒りが爆発し、オリベイラへの復讐心が湧いた。これがヘラルドの考えた策略だとは知らずに。
ストラディウス公爵邸では、アリアが編み物をしていた。
アリア「何だか、外が騒がしいですね・・・」
カーテンを開けて外を見ると、怒りに満ち溢れた領民達の姿が。1人の領民が公爵邸に松明を投げた。
アリア「っ!!」
すると彼女の後ろから・・・
その頃オリベイラは、公爵邸へ急いでいた。
オリベイラ(アリア、大事な時に長い間1人にしてすまない。もうすぐ君の元へ。)
すると馬車が急停車した。
オリベイラ「っ!?どうした!?」
御者「お、お屋敷が・・・!!」
オリベイラ「え?・・・なっ!?」
炎に包まれた屋敷を見て、オリベイラが戦慄した。
シュトローム『屋敷から火の手が上がってるのを見て、私は急ぎましたが・・・既に屋敷は暴徒に蹂躙されていてね・・・漸く妻の部屋に辿り着いた時にはもう・・・・』
火事になった公爵邸。アリアの部屋へ行ったが、アリアの部屋は既に炎に包まれていた。
オリベイラ「な・・・何故です・・・!?何故・・・こんな・・・酷い事を・・・」
領民A「惚けるな!!」
領民B「こっちは全部知ってんだ!!」
領民C「お前が娘を攫って、奴隷にして売り飛ばしているのをな!!!」
オリベイラ「わ・・・私がそんな事をする訳がないじゃないですか・・・・!!!」
領民A「しらばっくれるな!!!」
領民B「俺達は見たんだぞ!!!」
領民C「公爵家の家紋が付いた馬車を憲兵団と共にな!!!」
オリベイラ「憲兵団が一般人と同行させる訳にはいきませんよ・・・・・!!!」
領民達「っ!?」
オリベイラ「私の家紋が付いた馬車で攫って来た人間を運ぶ・・・!?違法な奴隷をそんな馬鹿な方法で運ぶとでも・・・・!?」
領民達「っ・・・!!」
シュトローム『私は、気付いたんです。貴族達を使って私を帝都に引き止め、その間に貶める噂を流す・・・こんな大掛かりな事が出来るのは誰か。そして私を陥れて一番得をするのは誰か。』
全てはヘラルドの策略だと知ったオリベイラは。
オリベイラ「フッ・・・フフフフ・・・・フフフフフ・・・」
狂った様な笑い声を発した。
領民C「オ・・・オリベイラ・・・様・・・?」
オリベイラ「あぁ・・・私は何て愚かなのでしょうか・・・こんな恩を仇で返すような愚かな人間の為に・・・こんな下らない事を画策するような貴族をのさばらせる帝国の為に・・・!!」
彼から黒い魔力が溢れ出た。
オリベイラ「今まで尽力していたとは・・・・・!!!」
領民A「り・・・領主様・・・お許しを・・・!!」
ヘラルドの策略だと知った領民達がオリベイラに謝罪するが。
オリベイラ「許す・・・?こんな事を仕出かした愚か者を許す・・・!?一体何を巫山戯た事を言っているのですか・・・!!許す訳無いだろうが・・・!!!お前らを・・・お前らを・・・唆した貴族達も・・・そんな奴らをのさばらしている帝国も・・・全部・・・全部・・・許すものかあああああああああ!!!!!!!!!!!!」
彼の絶望が爆発し、衝撃波が周囲に響き渡り、領民達と死んでしまったアリア諸共消し炭にした。ストラディウス領に大規模な爆発が起こった。
オリベイラ「ハハ・・・ハハハハハハ・・・・待っていて下さいね・・・ブルースフィア帝国・・・全てを・・・皇帝から貴族・・・平民にまで・・・全てを滅ぼしてあげますからね・・・・・!!!!!」
これが、魔人・オリバー=シュトロームの誕生の切っ掛けだった。
そして現在。ゼストと斥候部隊のローレンスがシュトロームの話を聞いた後、廊下を歩く。
ゼスト「ローレンス、シュトローム様の話を聞いてどう思う?」
ローレンス「どうって・・・あれだけの事をされれば、貴族も平民も、纏めて帝国を滅ぼしたくなる気持ちも分かるな、と。」
ゼスト「だがシュトローム様は目的を果たされてしまわれた。今のシュトローム様には新しい目的が必要だ。そう思わんか?」
ローレンス「それは、まぁ・・・無いよりはあった方が・・・」
ゼスト「そこでだ。お前は出て行った魔人達に紛れて、スイード王国に攻め込む様に仕掛けろ。」
ローレンス「ん?」
ゼスト「スイード王国は、アールスハイド王国と国境を接する小国だ。そこに魔人の集団が現れたとなれば、必ず奴らが飛んで来る。」
ローレンス「奴らとは・・・」
ゼスト「シン=ウォルフォードと、タクト=クリスティだ。」
ローレンス「っ!?シュトローム様を追い詰めたと言う、あの・・・!?」
ゼスト「そうだ。だからこそシュトローム様の次の標的に相応しい。」
ローレンス「分かりました!来る日に備え、奴らの力を確かめようと言う事ですね!」
ゼスト「フッ、分かりが良いな。ローレンス、お前なら出来ると信じている。期待しているぞ。」
夜のスイード王国では、リオと3人の女が居た。
リオ「ナージャ、周辺の気配は?」
ナージャ「・・・いや、反応は無いわ。」
???「おまたせ!」
リオ「ケイティ、どうだった?」
ケイティ「周辺の捜索したけど、何も居ないわ。」
リオ「それじゃ、ここで野営するか。」
テントを張ってキャンプする。
一方その頃、元ブルースフィア帝国のとある廃都では。
魔人A「全くよぉ!シュトロームの腰抜けにはガッカリしたぜ!」
魔人B「魔人の力を存分に使わずどうしろってんだ!?まぁ代わりに俺達が世界を支配してやるから良いけどな!」
離反したシュトロームの手駒の魔人達が喚いてる。そんな中、魔人のローレンスは。
ローレンス(あーやだやだ、こんな低俗な連中にしばらく付き合わなきゃならんとは・・・こりゃ早めに・・・)
魔人A「んで、次は何処を攻める?」
魔人B「そりゃあ、帝国の次はアールスハイド王国だろう!!」
ローレンス「なぬ!?いやー、こんなのはどうです?まずは周辺の小国を落とし、我々が大国並みの規模となってからアールスハイドに挑むと言うのは?」
魔人A「あ?」
ローレンス「大国同士、対決する方がロマンがあって良いかなーって。ね?(くそ・・・ロマンって何だ?アホか俺は・・・いや、それより、帝国を滅ぼせたのはシュトローム様の力があったからこそだって分かってんのか?此奴ら・・・)」
魔人A「フム、周辺国を制圧して、我々の戦力を増強するのも悪くないか。魔人を増やす事は出来ないが、捕虜や俺達に従う者は出て来るだろうしな。」
考え込む魔人を他所に、ローレンスが地図を開いた。
ローレンス「(近隣諸国が魔人に襲撃されたとなれば、恐らく国がウォルフォードとクリスティを動かそうとするはず・・・とは言え、あまり距離があったり、小国過ぎると、ウォルフォードやクリスティが現れる前に此奴らが国を制圧し兼ねない。)アールスハイドに脅威を与える意味でも、次の狙いは・・・帝国と王国の国境を接するスイード王国でどうです?」
魔人A「良いんじゃないか?スイードならここからそんなに距離も無い。」
ローレンス(ウォルフォードやクリスティがもし現れなければ、此奴らにまた別の国を襲わせれば良い。)
魔人A「次の標的はスイード王国で決まりだ!!」
魔人達「オオオーーーー!!!!」
だが彼らは知らなかった。スイード王国にはリオ達4人が居ると言う事に。
翌日、アールスハイド王国では、立太子の儀式の日が訪れた。
「いよいよアウグスト殿下も王太子か!」
「おめでたい日ね本当に!」
「魔人騒動で落ち着かない日々が続いてるからな・・・」
「無事、この日を迎えられて何よりだ!」
王城内では。
エリザベート「お似合いですわ、アウグスト様。」
シン「おお・・・!オーグが王子様っぽい!」
マリア「いや王子様だし。」
タクト「どうだオーグ?今の心境は。」
アウグスト「うーむ・・・心境か・・・皆の前でこう言う格好をするのが恥ずかしくなってきたぞ・・・」
エリザベート「シンさんの影響を受け過ぎですわ。・・・やっぱり怪しい。」
シン(しつけぇ・・・)
タクト(腐女子め・・・)
アリス「今日は私達もステージに上がるんですか?」
アウグスト「ああ、研究会の面々もこの場を借りて紹介しようと思ってな。」
マリア「うぅ・・・キンチョー・・・」
そしてステージにアウグストとディセウムが立った。
「お!いらっしゃったぞ!」
「アウグスト殿下ーーー!!」
「陛下ーーー!!」
儀式が始まった。
ディセウム「我が息子アウグスト=フォン=アールスハイドよ、汝は王太子となり、国の為、国民の為に身を粉にして邁進する事を誓うか?」
アウグスト「私は、この国の為、国民の為に、命を捧げる事を誓います。」
ディセウム「うむ、よく言った。アウグスト、汝を王太子として認めよう。国民の為一層務める事を期待する。」
アウグスト「畏まりました。」
周囲が拍手喝采。
兵士A「はっ・・・はっ・・・!」
しかし駆け付けたこの兵士の言葉によって、彼らは試練に赴く事になる。
兵士「ご・・・御報告申し上げます!!スイード王国に魔人が多数出現!!現在、スイード王都に向かって進行中との事です!!」
タクト「っ!?」
兵士B「馬鹿者!!大切な儀式の最中に、そのような報告をするとは何事だ!!」
アウグスト「よい!その者を咎めるな!」
兵士2人「殿下・・・?」
アウグスト「よく知らせてくれた。魔人出現の情報は、何より最優先される。」
シン(遂に動き出したか・・・!!)
タクト(奴らか・・・!!)
「ま・・・魔人が出現って言わなかったか・・・!?」
「や・・・やだ、ちょっと・・・大丈夫なの・・・!?」
国民がパニックになる中、アウグストが国民に宣言する。
アウグスト「皆、落ち着いて聞いて欲しい。たった今隣国スイード王国に魔人が現れたとの報告が入った。」
シン(おいおい、そんな不安を煽るような事をわざわざ・・・!?)
アウグスト「だが心配するな!魔人に対抗する手段を我々は既に持っている!!シン!!タクト!!」
シン(っ!そうかオーグ・・・国民に希望を持たせる為にわざと・・・)
タクトとシンが前に出る。
アウグスト「彼らはシン=ウォルフォードとタクト=クリスティ。周知だと思うが、新たな魔人と魔物討伐の英雄だ!我々は彼らと共に研鑽を続け、遂に魔人に対抗するだけの力を得た!これよりスイード王国に、魔人共の討伐に向かう!!」
国民達「おおおおおお!!」
そしてアウグストがマントを脱ぎ捨てた。
アウグスト「我々はすぐにスイード王国へ向かう!!安心するが良い!!」
シン(下に着込んでたのかよ!?アイドルの早着替えか!)
タクト(流石オーグ、準備が早いぜ。)
回転して私服に瞬時に着替える。
マリア「これ、私達も脱ぐトコロ?」
アリス「予定と違うけど・・・ここしかないっしょ!」
そして究極魔法研究会のメンバーもマントを脱ぎ捨てた。勿論シンから貰った戦闘服を着込んでいた。
アウグスト「シン、タクト、お前らも何か言え。」
シン「お、俺も!?」
タクト「何故!?」
アウグスト「これは国民の不安を払拭する為のパフォーマンスだ。決めてみせろ。」
シン「・・・・・」
タクト「成る程、そこまで考えてたか。」
アウグスト「それと今すぐ何かチーム名を決めろ。研究会の名前じゃ、国民に不安が残る。」
シン「今ぁ!?うおい無茶振りし過ぎだっての・・・!!」
タクト「じゃあ俺から言う。」
まずはタクトが国民達に宣言する。
タクト「俺は、シン=ウォルフォードと共に魔人を討伐したタクト=クリスティだ!俺達は必ず魔人達を討伐し、スイード王国を守る!!俺が、世界を守る希望の光になる!!」
国民達が歓声を上げた。
タクト「よしシン、お前も言え。」
シン「マジかよ!」
動揺する中、シンが宣言する。
シン「えーーーーー・・・俺を始め、ここに居る仲間達は魔人に対抗出来る力を十分に持っています。だから安心して下さい・・・(チーム名!?えーと・・・えーと・・・究極魔法・・・研究会・・・究極・・・あぁぁダメだ!!これしか浮かばねえ!)俺達は、必ず討伐して来ます!!」
そして決まったチーム名がこれだ。
シン「アルティメット・マジシャンズが!!」
チーム名「アルティメット・マジシャンズ」。
全員(アルティメット・マジシャンズって!?)
国民達「うおおおおおおおおおおお!!!!」
シン「ゴメン・・・やっちゃった・・・」
タクト「もうちょい考えて名付けろよお前・・・!!あ〜腹痛ぇ・・・」
アウグスト「くくくくくくくくく・・・!!」
マリア「これ明日には国中が浸透してるよ・・・」
リン「良い名前!私は気に入った!」
アリス「リンが言うと余計にヤバいから。」
アウグスト「くっく・・・それより派手に出陣するぞ・・・くくっ・・・」
シン「笑うな!!」
ディセウム「アウグスト、シン君、タクト君、それに皆も。スイードには我が国から魔人対策の手段を幾つか提供しているが、実戦ではやはり心許ない。我々もすぐに出来る限りの対処をする。どうかそれまで・・・頼むぞ!」
エリザベート「お気を付けて・・・アウグスト様。」
アウグスト「ああ。」
タクト「じゃあ出発しようぜ。」
そしてアルティメット・マジシャンズが宙に浮いた。
「・・・!!これ・・・は・・・!?」
「アルティメット・マジシャンズが宙に・・・凄え・・・!!」
シン「アルティメット・マジシャンズ、出陣!!」
全員「おお!!」
タクト「行くぜ!!!」
そして、隣国スイード王国へ向かった。
所河ひとみ
スイード王国に襲来した魔人軍団を討伐すべく出動したアルティメット・マジシャンズ。そこで出会ったタクトの仲間達。この国を救えるのか・・・