ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS   作:naogran

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LAST STAGE「存亡の戦い」

イージアの球体と戦うポセイドンだが、サメに変貌した人形達によって堕ちてしまった。

 

クラウド「あ・・・!!」

 

爆煙を上げ、徐々に沈没していく。

 

マルクス「素晴らしい!最高のショーだと思わんかね?おぉ!」

 

ポセイドンが海に沈没した。

 

マルクス「ハハッ!見ろ!人が家畜のようだ!ハハハ!!」

 

クラウド「マルクス!!」

 

ロープが解かれ、クラウドがマルクスに飛び込んだ。

 

マルクス「何をする!!」

 

クラウド「ぐあっ!!」

 

殴り飛ばされたが、水晶石の奪取に成功してレインと共に逃げ出す。

 

マルクス「クソッ!」

 

水晶石が奪われ、ポセイドンの映像が消滅した。

 

 

 

 

先程の入り口へ逃げようとしたが、閉ざされてしまってる。

 

マルクス「返したまえ!良い子だから!さぁ!」

 

クラウド「頼む!開いてくれ!」

 

その声が届いたように、壁が開いた。

 

レイン「開いた!」

 

クラウド「早く!」

 

早く逃げ出し、マルクスが早歩きで追う。

 

 

 

 

球体の通路。

 

マルクス「ハハハ!何処へ行こうと言うんだ?」

 

クラウド「しつこい奴だ!レイン!絶対に離れるな!」

 

レイン「うん!お兄ちゃん!」

 

 

 

 

 

 

工房を出たティガ達は、潜伏していた蜘蛛歩きする人形と出会していた。

 

ティガ「ハァッ!!」

 

だが、デラシウム光流で粉砕された。

 

フェオン「早く急ごう!」

 

捜してる最中、ジェームスから受け取った真珠が光った。

 

グレア「これ・・・」

 

レア「光ってるぞ?」

 

ティオ「そうか、これは2人の場所を教えてるんだ!」

 

カサンドラ「急ぎましょう!」

 

 

 

 

 

 

同じ頃、2人はマルクスから逃走してる。

 

マルクス「ハハハハハ!」

 

 

 

 

レイン「何で振り切れないの・・・?」

 

クラウド「とんでもない男だ・・・!」

 

 

 

 

ティガ「クラウドーーーーー!!」

 

ソフィー「レインさーーーん!!」

 

 

 

 

レイン「この声!」

 

クラウド「タクトとソフィー!?」

 

 

 

 

ティガ「クラウドーーーーー!!」

 

ソフィー「レインさーーーん!!」

 

 

 

 

クラウド「僕達はここだ!!何処に居るんだ!!」

 

ティガ「そこか!!」

 

クラウド「あっ!!」

 

ティガ「クラウド!レイン!」

 

壁の向こうにティガが立っていた。

 

クラウド「タクト!!」

 

ティガ「クラウド!今行く!・・・下がってろ!道を開ける!」

 

クラウド「時間がない!これを頼む!マルクスが来る!」

 

 

 

 

遠くからマルクスが走って来る。

 

 

 

 

クラウド「海に捨ててくれ!」

 

ティガ「ッ!」

 

投げた水晶石をティガがキャッチした。

 

クラウド「あっ!!」

 

ティガ「クラウド!レイン!」

 

壁から杖が出て来て、ティガに魔力弾を放った。

 

ティガ「チャァッ!!」

 

だが間一髪ウルトラシールドで防いだ。

 

ティガ「マルクス!!」

 

マルクス「その石を大事に持ってろ!双子の命と引き換えだ!」

 

彼はクラウドとレインを再び追跡する。

 

ティガ「ソフィー、頼む。」

 

ソフィー「うん!」

 

水晶石をソフィーに預けた。

 

ティガ「ハァッ!!」

 

マルチタイプに戻り、マルチ・スペシウム光線で壁を破壊して道を作った。

 

フェオン「彼奴、2人を殺す気だわ!」

 

エミリー「早くしないと2人が危ない!」

 

ヒナ「こっちです!早く!」

 

ティガ「ッ!」

 

全速力で走り、クラウドとレインを助けに向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人が逃げた先は、何もない巨大な空間。マルクスが魔法の杖の魔力弾を放ち、2人を足止めした。

 

マルクス「立て!鬼ごっこは終わりだ!」

 

クラウド・レイン「・・・」

 

覚悟を決めたかのように、クラウドとレインがマルクスを睨む。

 

マルクス「終点が玉座の間とは上出来じゃないか。ここへ来い!」

 

クラウド「ここが玉座だと?ここはお墓だ。僕達とお前の。」

 

マルクス「・・・」

 

クラウド「国は亡びたのに、王族だけ生きてるなんて滑稽だ。お前に石は渡さない!お前はここから逃げる事も出来ずに、僕達と死ぬんだ!」

 

レイン「今、イージアが何故亡びたのか私達はよく分かるわ。アウラーの谷の歌にあるもの。土に命を植え、風と共に生きよう。種と共に冬を越え、鳥と共に春を歌おう。どんなに恐ろしい武器や魔道具を持っても、沢山の可哀想な人形や動物を操っても、大地から離れては生きられないのよ!!」

 

マルクス「ッ!!」

 

魔法の杖の魔力弾で、レインの服の右袖を破いた。

 

マルクス「イージアは亡びぬ!何度でも蘇るさ!イージアの力こそ人類の夢と理想だからだ!」

 

今度は、魔力弾でレインの左袖を破いた。

 

マルクス「次は胸だ!跪け!命乞いをしろ!小僧共から石を取り戻せ!」

 

 

 

 

ティガ「待てーーーーー!!」

 

 

 

 

そこにティガ達が駆け付けた。

 

ティガ「石は隠した!2人を撃ってみろ!石は2度と戻らねえぞ!」

 

 

 

 

クラウド「皆ダメだ!奴は僕達を殺す気なんだ!」

 

マルクス「超古代の戦士!双子の命と引き換えだ!石の在り処を言え!それとも、君の力と私の魔法で勝負するかね?」

 

ティガ「・・・クラウドとレインと話しがしたい!」

 

 

 

 

クラウド「来ちゃダメだ!!石を捨てて早く逃げてくれ!!」

 

マルクス「・・・3分間待ってやる!」

 

3分間の猶予が与えられた。

 

 

 

 

ティガ「・・・皆、頼む。」

 

フェオン「うん。」

 

ティガがここに残り、フェオン達がクラウドとレインに歩み寄る。

 

 

 

 

クラウド「皆・・・」

 

レイン「皆さん・・・」

 

ソフィー「怪我はありませんか?」

 

レイン「はい・・・」

 

エミリー「クラウド、レイン、落ち着いてよく聞くんだ。あの言葉を教えてくれ。」

 

レイン「え・・・?」

 

イザベラ「大丈夫。私達も一緒に言います。」

 

フェオン「私達の手に、2人の手を乗せて。」

 

水晶石を持ったフェオンの左手をイザベラ達が重ね合わせ、クラウドとレインも重ね合わせる。

 

ティオ「ジェームス達の縄は切ったよ。」

 

ヒナ「大丈夫です。私達を信じて。」

 

クラウド「・・・」

 

レイン「・・・」

 

耳元で亡びの言葉を教えた。

 

 

 

 

マルクス「時間だ!答えを聞こう!」

 

 

 

 

フェオン達がマルクスを見て、それぞれの武器を収めた。

 

 

 

 

マルクス「ん?」

 

そして・・・

 

 

 

 

 

 

「タナトス!!!」

 

 

 

 

 

 

巨大な水晶石が眩しく光り、そして水晶石も眩しく光った。

 

全員「うわああーーー!!」

 

その光でフェオン達が後ろの樹の根に飛ばされた。

 

マルクス「うわあーーー!!!」

 

そして水晶石から巨大な手が現れ、ティガを捕えようと接近する。

 

ティガ「ッ!!」

 

両腕を前に突き出し交差させ、大きく横に広げてエネルギーを集める。

 

ティガ「チャァッ!!」

 

ゼペリオン光線でその手を消滅させた。

 

 

 

 

 

 

大部屋では、巨大な水晶石が天高く舞い、イージアの中枢となる空間を破壊し、球体を崩壊させる。

 

 

 

 

 

 

巨大な空間。

 

マルクス「ああー!目が・・・目があーーーー!!」

 

先程の光で失明してしまったマルクスが彷徨い歩く。

 

ティガ「マルクス・・・自身の目が潰れたか・・・ッ!!」

 

フェオン達は意識を失っている。

 

ティガ「皆!!」

 

だが樹の根が動き、フェオン達を包んでくれた。

 

ティガ「フェオン達を守ってくれるのか・・・?」

 

1本の根がティガに何かを語り掛けた。

 

ティガ「・・・ッ。」

 

それを聞いたティガが頷いた。

 

 

 

 

マルクス「ああ!ああー!目が!ああーー!ああぁ!!」

 

 

 

 

 

 

外では、壁の崩落が始まっていた。崩れた壁で人形達が押し潰される。

 

 

 

 

 

 

オクトパス号・船尾。

 

マリン「お父さん!崩れちゃうよ!」

 

ジェームス「仕方無い脱出だ!急げ!」

 

アリーザ「早く!」

 

ドルフィンに乗り、崩壊するイージアから脱出した。オクトパス号は海へ沈没して行った。

 

 

 

 

海上。

 

アリーザ「お父さん見て!球体が崩れていくよ!」

 

 

 

 

ビクともしなかったイージアの底の球体が崩落した。その球体の中から、無数の樹の根が生えた。

 

 

 

 

海上。

 

フェリ「クラウド・・・レイン・・・良い子達だったのに・・・」

 

ジェームス「きっと亡びの言葉を使ったんだ。あの子達は奴等からイージアを守ったんだ。」

 

マリン「・・・ん?崩れが止まった!」

 

 

 

 

崩壊が止まったイージアの樹の上に蒼色の光が輝いた。

 

 

 

 

フェリ「水晶石だよ!とびっきり大きい奴だよ!」

 

部下A「遠退いて行く・・・!」

 

 

 

 

イージアは遥か地平線の彼方へ徐々に遠退いて行ってる。

 

 

 

 

ジェームス「樹だ!!あの樹が皆持って行ってしまう!」

 

追おうとしたが、4艘のドルフィンが連結してる為上手く小回り出来ない。

 

ジェームス「おおおい!皆降りろ!」

 

フェリ「そんな無茶な!!」

 

 

 

 

 

 

地平線の彼方へ遠退いて行くイージアの樹の根の中では。

 

ティガ「クラウド。レイン。」

 

意識を失っていたクラウドとレインが目を醒ました。

 

クラウド「タクト・・・」

 

レイン「皆さん・・・」

 

フェオン「2人共、周りを見て。」

 

クラウド・レイン「あ!」

 

カサンドラ「樹の根が、私達を守ってくれたんです。」

 

グレア「私達に感謝してるみたいだね。助けてくれてありがとうって。」

 

 

 

 

イージアの浜辺へ向かうと、凧がまだあった。

 

レオン「ラッキー!あったぞ!」

 

ソフィー「タクト君、誘導をお願い。」

 

ティガ「あぁ。」

 

ワイヤーを握って待機する。

 

 

 

 

全員が凧に乗った。

 

ティガ「よし、行くぞ!」

 

フェオン「えぇ!」

 

ティガ「チャァッ!!」

 

飛翔してワイヤーで凧を引っ張ってイージアから離れる。

 

 

 

 

イージアの庭園では、人形が動物や昆虫達に囲まれながら花の手入れをしている。

 

 

 

 

彼等は地平線の彼方へ消えて行くイージアを見守った。

 

 

 

 

 

 

一方ジェームス達は、連結状態のドルフィンを前進させているがあまり進んでいない。

 

ジェームス「何してるんだ!ちっとも進めないじゃないか!」

 

アリーザ「無理だよ!こんなに乗ってるんだもの!」

 

ジェームス「ん?待て停めろ!」

 

空を見ると、ティガと凧がこっちにゆっくり降りて行ってる。

 

フェリ「クラウド!レイン!」

 

ギルバート「生きてる!!」

 

マリン「あの子達も!!」

 

 

 

 

凧が着水し、ティガがワイヤーでドルフィンにくっ付けた。

 

クラウド「ジェームスさん!」

 

レイン「おじ様!」

 

2人がジェームスに飛び込み、ジェームスが2人を抱き締めた。

 

ジェームス「よく帰って来てくれた!」

 

ティガが光となり、タクトに戻った。

 

タクト「皆!無事だったか?」

 

ギルバート「無事なもんか!ワシの可愛いボロ船が・・・しくしくしく・・・」

 

ジェームス「メソメソ泣くな親父!もっと良い船造れば良い話だろ!よく頑張ったな・・・彼奴らに蹂躙から解放されてお前達は自由を手に入れたんだ・・・」

 

クラウド「ジェームスさん痛い・・・」

 

ジェームス「おぉ、すまない。」

 

抱き締めてるクラウドとレインを離して、腰のポーチから何かを出した。

 

ジェームス「情けねぇじゃないか。散々苦労した結果がこれだけさ。」

 

それは、小さな宝石5つだった。

 

盗賊団「二ヒヒヒヒヒ!」

 

他の盗賊団も手に入れた宝や宝石を見せた。

 

マリン「何しろ時間が無くてね。」

 

タクト「・・・あ!」

 

マリン「アハハハハハ!!」

 

全員「アハハハハハ!!!」

 

大いに笑い合った。

 

 

 

 

 

 

その夕方。遂にリッテンハイムリゾートへ帰って来た。ジェームス盗賊団はタクト達と別れて、新しい旅に出た。

 

 

 

 

リッテンハイムリゾート。

 

タクト「いやぁ〜、何か久し振り。」

 

レア「帰って来たぞぉ〜!」

 

レオン「本当、色々大変だったなぁ〜。」

 

フェオン「でもお陰で、2人を助ける事が出来たんだし。結果オーライね。」

 

グレア「ねぇタクト、1週間の宿泊って言ってたけど後何日あるの?」

 

タクト「・・・後3日あるな。よし、じゃあ残りの3日間遊びまくるぞー!」

 

全員「おーー!」

 

タクト「クラウドとレインもどうだ?」

 

クラウド「僕達も?」

 

タクト「折角来たんだし、パーっと楽しもうぜ?」

 

レイン「お兄ちゃん、ここは皆さんの言葉に甘えよ?」

 

クラウド「うん!僕達も遊ぼう!」

 

こうしてクラウドとレインを入れて、残りの3日間を遊びまくった。

 

 

 

 

 

 

そして最終日、タクト達はクラウドとレインを連れてアウラーへ送ってあげた。

 

 

 

 

 

 

アウラーで、谷やヤク達と出会い、更に2人が住む近くの方達と出会った。

 

 

 

 

別れの時。

 

クラウド「僕達の為に助けてくれて、本当にありがとう。」

 

タクト「いいって事よ。こっちこそ、色々楽しかったぜ。」

 

レイン「また皆さんとお会い出来たら嬉しいです。」

 

フェオン「勿論よ。また何時か会いましょ。」

 

レオン「また2人で静かに暮らせよな?」

 

クラウド「うん。」

 

タクト「よし、そろそろ行くか。」

 

イザベラ「はい。」

 

ゲートと開いた。

 

タクト「クラウド、レイン、また会おうぜ。」

 

ヒナ「お世話になりました。」

 

エミリー「またな。」

 

ソフィー「元気でね。」

 

ティオ「じゃあね。」

 

グレア「バイバーイ!」

 

アンナ「またお会いしましょう。」

 

カサンドラ「お元気で。」

 

タクト達がゲートへ入り、リッテンハイムリゾートへ帰って行った。

 

クラウド「ありがとう・・・皆・・・」

 

レイン「お兄ちゃん、この子達の世話をしなきゃ。」

 

クラウド「うん。今行くよ。」

 

『THE END』




キャスト

タクト=クリスティ:綱啓永

クラウド:蒼井翔太
レイン:山崎エリィ

フェオン:内山夕実
イザベラ:黒沢ともよ
エミリー:大橋彩香
ヒナ:高野麻里佳
レア:本渡楓
アンナ:近藤玲奈
レオン:岡本信彦
ソフィー:櫻庭彩華
カサンドラ:高田憂希
グレア:高橋李依
ティオ:村瀬歩

ジェームス:森久保祥太郎
マリン:花澤香菜
フェリ:飯田里穂
アリーザ:諏訪ななか
ギルバート:中村浩太郎

カルマ:神原大地
ルブラ:小野友樹

ジャスティン=アンドラーデ:東地宏樹
ローサ=アンドラーデ:川澄綾子

ディセウム=フォン=アールスハイド:細谷佳正

パスカル将軍:小杉十郎太

兵士:狩野翔
   松田修平
   市川蒼
   野瀬育二
 
マルクス=オットー=イージア:赤羽根健治

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