ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS 作:naogran
50年前・コスペル王国。その男は、ある罪を犯して罪人となった。人々はその男を湖の小さな島へ隔離させた。男はその島で孤独に生きて来た。だが、彼の身の周りで起こった不可思議な現象に、男は苛まれ続けた。
その男が亡くなって9年の時が経った現在。タクト達はコスペル王国の図書館に居た。
アンナ「わぁ。このお花綺麗〜。」
レア「どれどれ?レアにも見せてくれ。」
フェオン「この国は、観光名所がいっぱいあるのね。」
ヒナ「はい。私達が見て来た観光名所はまだ一部ですが。」
イザベラ「まだ沢山あるんですね。」
エミリー「私は花園が1番気に入ってるな。」
タクト「・・・・」
女性陣が観光名所の図鑑を読んでる中、タクトはある本を黙読している。
タクト(死者行方不明者・・・その遺体は未だ発見せず・・・神隠しか何者かの犯行の可能性がある・・・)
レア「お?タクト、何読んでんだ?」
タクト「・・・・」
レア「ん?おいタクト。」
タクト「え?あぁレアか。いや、この本でちょっと気になる事があってな。」
レア「お?新しい観光名所の図鑑か?」
タクト「違う。この国で不可思議な事件を記した本だ。」
フェオン「不可思議な事件?」
タクト「死者行方不明者の遺体は発見されず、神隠しか何者かの犯行って言う噂もあってな。」
エミリー「遺体が発見されてない事件?」
フェオン「な、何なのそれ・・・?」
グレア「それってどんな事件なの?」
タクト「詳しくは書かれてないんだ。その現場へ行けば、何か分かるかも知れない。」
一行は、その現場となる大きな湖へ向かった。
グレア「へぇ〜。綺麗な湖ね〜。」
ティオ「ここも元々コスペル王国の観光名所の1つだったけど、今は立入禁止になってるね。」
フェオン「こ、こんな綺麗な湖で事件なんて起きる訳ないでしょ・・・?」
イザベラ「ねぇお姉ちゃん。あの島は何?」
湖の真ん中に存在する島を発見した。
カサンドラ「何でしょう?あの島。」
グレア「ムム?あの島からとてつもない力を感じるよ。」
タクト「何か秘密がありそうだな。ん?」
左を見ると、1人の女性が双眼鏡で湖の島を見てる。
???「あれが噂の島ね。彼処に何か秘密があるかも。」
タクト「なぁ。」
???「ん?あなた達は?」
タクト「この国の観光客だけど、アンタはあの島に何の用があるんだ?」
???「えぇ。あの島にはね、サンタナの記録が遺されてるって噂があるの。私はそれを確かめる為にこの国に来たのよ。」
フェオン「サンタナ?」
???「ノーラン=サンタナ。嘗てある罪を犯してあの島へ隔離された男。」
タクト「そうなのか。」
???「あ、まだ名乗ってなかったわね。私はローリー=マクレーン。ジャーナリストよ。」
タクト「ジャーナリストか。俺はタクト=クリスティ。こっちはフェオン、イザベラ、エミリー、ヒナ、レア、アンナ。それでこの2人が精霊のグレアとティオだ。」
ローリー「精霊!わぁ!初めて生で見るわ!」
グレア「私達って珍しいの?」
ローリー「子供の頃、お母さんから聞いたの。この世界には精霊が存在しているって。」
ティオ「光栄だね。」
イザベラ「あの、ローリーさん。あの島にそのサンタナさんって方が遺した記録があるって。」
ローリー「あ、そうよ。私は今からあの島へ行って記録を探すの。これもジャーナリストの仕事だから。」
タクト「なぁ、あの島俺達も行かせてくれないか?」
フェオン「え!?」
ローリー「え?あなた達は観光客なんでしょ?」
タクト「一見すればな。でも俺達はこれまで魔人や魔物と戦い続けた御一行だから。護衛が付いといた方が安心だろ?」
ローリー「そうねぇ・・・じゃあ付いて来なさい。」
タクト「ありがとう。」
フェオン「わ、私はここで留守番してるわ・・・終わったら帰って来てね・・・?あは、あははは・・・」
ティオ「けどフェオン。もし僕達があの島へ行って一生帰って来なかったら独りぼっちだよ?」
フェオン「そ、それも嫌だ!行けば良いんでしょ!?行けば!」
エミリー「それでローリーさん。あの島はどうやって行くんだ?」
ローリー「あのボートで行くわ。」
一艘のボートがそこにある。
ローリー「あれであの島へ行くわ。」
ボートに乗り、湖の島へ。タクトが漕いでる。
タクト「なぁローリー。サンタナって男の記録を見付ける目的はアンタの意志か?」
ローリー「いいえ。依頼されたの。王妃様に。」
エミリー「王妃様に?」
ローリー「王妃様は、50年前にサンタナに助けられた事があるの。だからジャーナリストの私に、サンタナが何故亡くなったのかその真実を暴いて欲しいって。」
アンナ「サンタナさんは王妃様の恩人なんですね。」
ローリー「だから王妃様の願いを請け負い、サンタナの死の真相を暴くの。」
レア「ジャーナリストの鑑だな。」
タクト「お。そろそろ着くぞ。」
湖の島へ近付いた。
島へ降りると、異様な光景が。
ヒナ「な、何でしょうかこれは・・・?」
それは、夥しい数の人形が木々や石像に縛られている光景だった。
フェオン「ギャアアアーーーー!!!!」
絶叫したフェオンがエミリーの後ろに隠れた。
エミリー「フェオンさん!」
ローリー「あ、あの子どうしちゃったの・・・?」
カサンドラ「フェオンはこう言った怖いのが苦手なだけなので。」
ローリー「そうなんだ・・・」
タクト「それよりも、この島は何なんだ?何でこんなに人形達が吊るされてるんだ?」
吊るされてる人形を凝視する。
タクト「特に何の力も感じられないし。何の為にこんな・・・」
イザベラ「あ!皆さん!これ見て下さい!」
タクト「どうした?イザベラ。」
イザベラ「これです!」
ヒナ「これは?」
彼女が見付けたのは、2つの墓石だった。
レア「これは、墓か?」
フェオン「名前が彫られてるわ。」
タクト「ノーラン=サンタナ。」
ローリー「ここでサンタナが亡くなったのね。それで、その隣の墓は誰の墓かしら?」
アンナ「名前が彫られてませんね。」
エミリー「彼の親族か誰かの墓なのか?」
ローリー「いえ。王妃様から聞いたけど、彼は天涯孤独だったそうよ。」
タクト「親族が居ないとなると、一体誰の墓か・・・グレア。ティオ。この墓を調べてくれ。」
グレア・ティオ「うん。」
精霊2人が、名前が無い墓を調べてみる。
グレア「少女?」
タクト「何?」
ティオ「1人の少女のお墓らしいね。」
フェオン「その少女はサンタナとどう言う関係なの?」
ローリー「この島に記録があるはず。探ってみましょ?」
島の奥へ進む。フェオンはイザベラの後ろに隠れながら進む。
タクト「ん?小屋だ。」
目の前に1つの小屋があった。
イザベラ「サンタナさんが住んでいた小屋でしょうか?」
ティオ「生活感が残っているね。」
グレア「そうだね。隣に畑もあるし。」
エミリー「もう1つ小屋があるぞ。」
近くに別の小屋もあった。
タクト「誰の小屋だ?ちょっと見て来る。」
もう1つの小屋へ入ってみる。
タクト「人形がびっしり貼り付けられてる。ん?」
壁にある綺麗なアンティーク人形があった。
タクト「アンティーク人形?綺麗に残ってる。ん?右腕に何か書いてある。・・・あの娘への供養の為。どう言う事なんだ?」
小屋を出た。
ローリー「何か見付かった?」
タクト「あの娘への供養の為。」
ローリー「何それ?」
タクト「あの小屋に飾られてる額縁に書かれてあったんだ。恐らく、あの墓に眠ってる少女と関係あるのかも知れない。」
エミリー「だったら、あの小屋へ行けば何かあるかも知れない。」
最初に見付けた小屋へ入ってみる。
フェオン「ベッドやソファーや机等の家具が風化してるわね。」
ローリー「ここにサンタナの秘密があるかも知れないわ。」
するとカサンドラが机の中から1冊の赤色の本を見付けた。
カサンドラ「ありました!」
その本は、綺麗に保存されていた。
タクト「50年経ってるのに、コイツだけ新品同様に遺されていたのか。」
ヒナ「いえ。見た限りだと9年前からあるみたいですよ。」
タクト「diary。サンタナの日記みたいだ。鍵付きか。」
鍵で開錠し、日記を開く。
タクト「この日記を読む者は、恐らく私が死んだ後の人間だろう。」
カサンドラ「サンタナが未来を予知していたのでしょうか?」
タクト「多分な。」
サンタナ『私は嘗て、コスペル王国の魔術師だった。人々の病気を治療し、疫病を収束させた英雄だった。だが、私を良く思わない者達が私を危惧し、暴行し、この島へ追いやった。』
エミリー「サンタナは偉大な魔術師なのに、何故この島へ?」
タクト「聞いた事がある。コスペル王国は昔、魔女狩りが多発していたんだ。サンタナは魔術師だった故に、魔女の類だと勘違いされたんだ。」
フェオン「だから迫害されたのね・・・酷い話ね・・・」
ローリー「サンタナはその後どうなったの?」
タクト「読んでみる。」
サンタナ『この島へ追放された私は、自分の持つ魔術で作物を育ち、自給自足の生活を送った。だがある日、近くに一艘のボートがやって来た。そのボートには、3人の娘達が乗って遊んでいた。私はその娘達を微笑ましく眺めていた。だが突然、1人の娘が湖へ転落してしまった。私が助けに行こうとしたのだが、娘は水面に上がらず沈んでしまった。』
タクト「この湖の水面に上がって来なかった・・・?水難事故か・・・?」
ヒナ「どう言う事なんでしょう・・・?」
タクト「ティオ。湖の中を調べてくれるか?」
ティオ「何か気味悪そうだけど、行ってみる。」
湖の中をティオが調べてみる。
ティオ「水面も水中も綺麗だけど・・・水面に上がって来なかった少女は何処に・・・?ん?」
湖の底で光る何かを発見した。
ティオ「あれは・・・!タクトに知らせなきゃ・・・!」
ティオが湖の底を調べに行ってる間。
サンタナ『その娘が転落し、2人の娘はパニックになって逃げ出した。それから数日後の夜、私は何かに引き寄せられるように湖畔へ向かった。そこで私は、転落した娘が島へ這い上がる姿を目撃してしまった。しかしふと見た瞬間、娘は消えていた。恐れた私は、その娘を供養する為、魔術を使って人形を生成した。その人形で呪いを祓い続けた。』
フェオン「ね、ねぇ・・・あの人形で呪いを祓うって何考えてるの・・・?」
タクト「一部の宗教で、不気味な人形を祀る事で災いや呪いを祓い除ける儀式が行なわれている地域もあるそうなんだ。恐らくサンタナはその宗教の信者だろう。」
カサンドラ「その儀式は有効だったのでしょうか?」
イザベラ「分からないよ。」
サンタナ『私は何度もその人形を生成し、島の木々や岩や小屋に結び付けてこの島に潜む呪いを祓い退け続けた。それから私は、沈んでしまった娘の為にもう1つの小屋とアンティーク人形と墓を作った。小屋は死んだ娘の為にと思って作り、墓は娘を供養する為に作った。私はそれから恐怖に苛まれながら長年この島を生き続けた。』
タクト「そうか。あの小屋とアンティーク人形は転落した少女の為に作った物なのか・・・」
サンタナ『そして私は、癌に罹ってしまった。もう私は解放される。この世の苛酷から。亡くなった娘に会えるかも知れない。私はあの世へ逝き、助けに行けなかった事を謝罪したい。そして、嘗て私に助けられた公爵のご令嬢様にこれを書き遺す。幸せであれ。ノーラン=サンタナ。』
日記が終わり、タクトが日記を閉じた。
エミリー「何だか、煮え切れない内容だったな・・・」
ローリー「うん。でもサンタナが亡くなった真実が解明出来た。王妃様にこの日記を・・・」
ティオ「タクト!!」
そこに慌てた様子のティオが戻って来た。
タクト「ティオ?どうした?」
ティオ「この湖、何かが潜んでる!」
タクト「何だと!?」
すぐに外へ出て、湖畔から湖を見る。
タクト「・・・・」
透視能力を使って湖の底を探る。
ローリー「タクトは何してるの?」
フェオン「シッ。今集中してるの。」
タクト「影が見えた。」
カサンドラ「どんな姿ですか?」
タクト「海蛇のような姿・・・かなり全長が長い・・・そうか・・・転落した少女が這い上がれなかった理由が分かった。」
イザベラ「本当ですか?」
タクト「この湖には、魔物が潜んでる。」
全員「え!?」
グレア「魔物が!?」
アンナ「けど、潜んでいるならどうして今まで発見されなかったんですか?」
タクト「恐らくそいつは、厄介な事に自身の気配を消す力も会得していたに違いない。気配を消して、転落した人間を引き摺り込んで捕食してしまう残酷な魔物。」
エミリー「どうやってそいつを討伐するんだ・・・?」
タクト「餌を使おう。フェオン、持ってる魚を全部出せ。」
フェオン「え?う、うん。」
異空間収納から現状持ってる魚を全部出した。
ローリー「どれも豊富ね。」
タクト「・・・コイツだ。」
1匹のウツボを手に持った。
タクト「んでコイツを。」
ウルトラ念力でウツボを浮遊させ、湖の上へ。
ローリー「何してるの?」
すると水面に巨大な影が現れた。
タクト「来た!!」
左手を突き出して、巨大な影をウルトラ念力で掴んで釣り上げた。その正体は・・・
巨大な海蛇だった。
フェオン「な、何よあれ!?」
タクト「ハァッ!!」
ウツボを海蛇に食べさせた直後にハンドスラッシュで頭部を貫いて討伐した。海蛇は水面に浮かんだ。
海蛇を湖畔へ打ち上げた。
タクト「やはりな。」
イザベラ「な、何ですかこれ・・・?海蛇・・・ですか・・・?」
タクト「デビルズ・レイク。湖に存在する幻の海蛇。」
ローリー「これがデビルズ・レイク・・・初めて見るわ・・・」
タクト「恐らくコイツの体内には。エミリー、コイツの胴体を斬ってくれ。」
エミリー「わ、分かった。ハァッ!!」
太刀でデビルズ・レイクの亡骸を切断した。デビルズ・レイクの体内から、遺骨が出て来た。
アンナ「っ!?」
レア「遺骨・・・!?」
タクト「そうだ。転落した人は、デビルズ・レイクに掴まれ、底へ連れて行かれた時捕食された。サンタナの日記に書かれてあった娘。その子もコイツに食われたんだ。」
ローリー「じゃあ、日記に書かれてあった湖から這い上がったあの子は?」
タクト「当時。その子はまだ死を自覚せず、サンタナの前に現れて助けを求めたんだろう。だけどサンタナは呪いだと勘違いしてしまい、人形で供養し続けた。その結果、少女は湖へ這い上がる事が出来なかった。そしてコイツは、どうやら大昔から潜んでいた。転落した人間を食い続けた。」
ヒナ「ですが、潜んでいたのなら何故対処出来なかったんですか?」
タクト「それはだな・・・ん?」
デビルズ・レイクの体内から光る何かがあった。
タクト「これは・・・!」
カサンドラ「どうしたんですか?タクト。」
タクト「コイツを飲み込んだんだ。」
それは、小さな水晶玉だった。
ローリー「感知防御の水晶玉!」
タクト「何かの弾みでこの水晶玉を飲み込んだ。その結果、誰からも気配を感じ取られず潜み続けた。」
フェオン「じゃあ、もし私達が転落してしまったら・・・」
タクト「恐らくコイツの腹の中。」
フェオン「うぅぅん・・・・」
気絶してぶっ倒れた。
イザベラ「お姉ちゃん!!」
タクト「あらら。」
その後、デビルズ・レイクの亡骸は財源として利用された。サンタナの島は国王直属の神父にお祓いをして貰い、ローリーはサンタナの日記を王妃に渡して彼の死の真相を教えてあげた。
ローリー「あなた達のお陰で、サンタナの死の真相を知れたし、王妃様も真相を知れて涙を流したけど・・・」
タクト「そりゃあ、彼が長年苛まれ続けたからな。」
ローリー「でも王妃様は、彼の死を無駄にしないように精一杯生きて行く事を誓ったわ。」
フェオン「それは何よりね。」
ローリー「ジャーナリストとしての収穫も手に入ったし。私はそろそろ行くね。」
ティオ「また次の取材?」
ローリー「私はジャーナリスト。どんな困難な場所へ行こうとも、真実を伝えるのが私の仕事!じゃあね!」
彼女はコスペル王国から旅立った。
アンナ「ローリーさん、また会えますかね?」
カサンドラ「きっと会えますよ。」
タクト「よし。俺達も出発するか。」
彼らもまた、新しい旅へ進んだ。
ある日、クリミア王国に女性を襲うウイルスが蔓延し始めた。
カサンドラ「大変です!フェオン達が!」
タクト「何?」
謎のウイルスを収束させろ!