ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS 作:naogran
海に囲まれた国・アルニス王国。海辺にある要塞。
その要塞にある牢獄。
グレア「・・・ダメ。魔力結界が張られてる。」
ティオ「僕もダメだ・・・」
タクト「無理に脱走しても殺されるだけだな。」
カサンドラ「タクト、クラウドとレインは大丈夫なんでしょうか?」
タクト「分からない。アルニス軍が何を企んでるのかも不明だ。」
カサンドラ「・・・あのタクト、少し相談があるんですが。」
タクト「どうした?」
カサンドラ「その・・・ソフィーをどうにか出来ませんか?」
彼女は今ソフィーに抱っこされてる。
ソフィー「カサンドラちゃ〜ん♪」
フェオン「ソフィーったら、本当にカサンドラが好きね。」
ソフィー「だってぇ、可愛いじゃないですか〜♪」
司令官室。赤ジャケットの男が将軍らしき人物と会話していた。
将軍「手緩い!あんな兄妹締め上げればすぐ口も割るわい!」
赤ジャケットの男「制服さんの悪い癖だ。事を急ぐと元も子もなくしますよ。パスカル将軍。」
パスカル将軍「ふん!初めから軍隊が出動すれば、ジェームス如きに出し抜かれずに済んだのだ!」
赤ジャケットの男「将軍が不用意に打たれた暗号を解読されたのです。」
パスカル将軍「何!?」
赤ジャケットの男「これは、私の機関の仕事です。将軍は兵隊を必要な時に動かして下されば良い。」
パスカル将軍「ーーーー!!マルクス!!私がイージア探索の指揮官だぞ!!忘れるな!!」
マルクス「勿論。私が政府の密命を受けている事もお忘れなく。」
彼は部下と一緒に司令官室を出た。
パスカル将軍「クソッ!憲兵の青二才が!」
別の部屋では、クラウドとレインが居た。クラウドが蹲っているレインの傍に座っている。
”カチャ”
クラウド「!!」
鍵が開く音が聞こえた。ドアが開き、マルクスが入って来た。
マルクス「よく眠れたかな?」
クラウド「タクト達は!?タクト達に会わせてくれ!」
マルクス「流行りの服は嫌いですか?彼らなら安心したまえ。無傷で収容されてるから心配ない。来たまえ。是非見て貰いたい物があるんだ。」
この要塞の地下深くにある部屋へ案内された。
マルクス「入りたまえ。」
その部屋は真っ暗。マルクスが灯りを点けると。
レイン「っ!!」
クラウド「・・・!!」
そこには、巨大な人形が仰向けになって倒れていた。左腕と右足首が切断されている。
レイン「これは・・・?」
マルクス「凄まじい破壊力を持つ人形の兵隊だよ。此奴が海から打ち上げられなかったら、誰もイージアを信じはしなかっただろう。」
数年前。アルニス王国の海岸で人形の兵隊が打ち上げられた。その人形はすぐにアルニス軍へ引き取られた。
マルクス「此奴は、池上で作られたものではない。この身体が金属なのか粘土なのか。それすら我々の研究では分からないのだ。ここを見てくれ。怯える事はない。此奴は初めから死んでいる。」
恐る恐る人形に近付く。
マルクス「そこだ。」
その人形の胸には、水晶石に刻まれてる紋章と同じ石が埋め込まれていた。
クラウド・レイン「!?」
マルクス「同じ印が、君達の家の古い暖炉にあった。この石にもね。此奴は君達の手にある時にしか働かない。石は持ち主を護り、何時の日にか大海原のイージアへ帰る時の道標として君達に受け継がれたんだ。」
レイン「そんな!私達何も知りません!」
クラウド「石が欲しいなら渡すよ。だから僕達を解放してくれ。」
マルクス「君達は、イージアを宝島か何かのように考えているのかね?イージアは嘗て、恐るべき技術で大海原を這い、全ての大陸を支配した恐怖の帝国だったのだ!そんなものがまだ海を彷徨っているとしたら、平和にとってどれだけ危険な事か君達にも分かるだろ?私に協力して欲しい。水晶石にイージアの位置を示させる呪文か何かを、君は知っているはずだ。」
レイン「本当に知らないんです・・・タクトさん達に会わせて・・・」
マルクス「私は手荒な事はしたくないが、あの少年達の運命は君達が握っているんだよ。」
クラウド「何!?」
レイン「え・・・!?」
マルクス「君達が協力してくれるなら、あの少年達を自由の身にしてやれるんだ。クラウド=ヴェリテ=ビスマルク=イージア。そして、レイン=ヴェリテ=ビスマルク=イージア。」
クラウド「何故それを・・・!?」
マルクス「ヴェリデとビスマルクは貴族の間で使われてる姓の名。君達はイージアの正当な王位継承者。クラウド王子とレイン姫だ。」
クラウド・レイン「・・・・・・」
一方牢獄では。
タクト「あぁ〜〜〜・・・暇過ぎる。」
フェオン「凄い呑気ね。アンタ。」
タクト「何言ってんだよ。人類皆暇してんだろ?暇だから俺は寝るぜ。」
カサンドラ「ん?誰か来ます。」
牢獄のドアが開いた。
看守「出ろ。」
牢獄から出た。
タクト「あ!クラウド!レイン!」
クラウド「タクト!皆!怪我は?」
タクト「大丈夫だ。お前達は?酷い事されなかったか?」
マルクス「タクト君。皆。君達を誤解していた。許してくれたまえ。君達がこの方々から盗賊を守る為に奮戦してくれたとは知らなかったんだ。」
タクト「お前達、一体・・・」
レイン「皆さんお願いがあります。イージアの事忘れて下さい。」
レオン「どう言う意味だ?」
マルクス「イージアの調査は、クラウド君とレインさんの協力で軍が極秘に行う事になったんだ。君達の気持ちは分かるが、どうか手を引いて欲しい。」
タクト「お前達、本当なのか?」
レイン「ごめんなさい色々迷惑掛けて・・・ありがとう。皆さんの事は忘れません。」
タクト「まさか!さっき約束したじゃないか!」
クラウド「そうだけど・・・でも・・・」
タクト「・・・分かった。」
フェオン「え?」
タクト「そう言う事なら、行ってくれ。」
クラウド「ありがとう・・・」
2人はマルクスの部下と一緒に去って行った。
タクト「・・・」
マルクス「これは僅かだが、心ばかりのお礼だ。取っておきたまえ。」
9枚の金貨を渡した。
要塞を出たタクト達は、振り向きもしないままゲートを潜って、アールスハイド王国へ帰って行く。
クラウド・レイン「・・・」
ゲートへ消えて行ったタクト達を見守るしか出来なかった2人。マルクスがレインに水晶石を返した。
マルクス「思い出したまえ。この石を働かせる言葉を。約束さえ果たせば、君達は自由になれる。」
そう言い残し、マルクスが部屋を出て行った。
クラウド「タクト・・・」
レイン「お兄ちゃん・・・ごめんなさい・・・私・・・」
クラウド「いや、僕も悪かったよ・・・」
泣きじゃくるレインを、クラウドが抱擁する。
夜。リッテンハイムリゾート。この地に買い出しに来たアンドラーデ夫妻。
ローサ「よし、帰って晩御飯の支度しなきゃ。ん?あ!」
遠くからタクト達が帰って来た。
ローサ「あなたー!タクトよ!タクトが帰って来たわ!」
ジャスティン「何?あ!タクト!心配してたんだぞ。あれっきり姿が見えなくなっちゃって。・・・あれ?あの子達はどうしたんだ?」
タクト「もう済んだ事だ。」
ジャスティン「え?」
タクト「クッ!」
彼は走り去ってしまった。
ジャスティン「タクト!」
ローサ「・・・あなた達、タクトどうしちゃったの?」
フェオン「色々あったんです。」
レオン「俺達はこれで。」
フェオン達もタクトを追う。
途中で立ち止まるタクトを見付けた。
タクト「・・・」
イザベラ「タクトさん・・・」
アンナ「・・・」
タクト「・・・もう、考えるの止めた。帰るぞ。」
エミリー「タクト・・・」
ヒナ「・・・」
コテージに入ろうとした時、何者かがドアを開けた。
タクト「何だ!?」
そのドアを開けた人物に引っ張られた。
フェオン「タクト!?」
別の人物がフェオン達を引っ張った。
グレア「皆!!」
ティオ「助けよう!!」
助けに向かうが、コテージに入った瞬間に力尽きた。
グレア「な、何これ・・・?」
ティオ「力が・・・」
マリン「騒ぐんじゃないわよ!」
タクト「おい止めろ!!痛てててて!!」
その人物達の正体は、ジェームス一家の娘達だった。ジェームス達は肉や魚介類など頬張っていた。
ジェームス「ちょっと借りてるぞ坊や達。」
タクト「貴様ら!!ここは俺達のコテージだぞ!!」
彼らはロープで縛られてしまった。
ジェームス「偉そうな口を利くんじゃないぞ。兄妹も守れないこの子供が。」
レオン「何だと!?」
イザベラ「グレアさん!ティオさん!」
レア「どうしたんだ!?」
ティオ「精霊を気力なくす十字架か・・・」
壁に精霊の気力をなくす十字架かあった。
ソフィー「そんな!」
アリーザ「この子達金貨持ってるよ!」
ジェームス「やれやれ。あの兄妹を金で売ったのか?」
エミリー「違う!そんな事をするものか!」
ジェームス「その金で手を引けって言われたんだろうが?」
カサンドラ「クラウドとレインがそうしろって言ったんです!だから・・・」
ジェームス「んで、いじけてノコノコと帰って来たって訳か。それでもお前達は戦士か!え!」
タクト「威張ってんじゃねえ!お前達だってクラウドとレインを狙ってる癖しやがって!!」
ジェームス「当たり前だ!盗賊が財宝を狙って何処が悪い!」
ナイフでハムを突き刺した。
ジェームス「可笑しなのはあの軍達だ。何故あの2人をコソコソと攫ったりするんだ。」
突き刺したハムを噛んで、そのまま引っ張った。
ジェームス「お前達、彼奴らがあの子達を生かしておくと思うのか?」
タクト「え・・・?」
1枚のハムを丸々食べるジェームス。
ジェームス「クラウドとレインがそう言っただと?馬鹿野郎。お前達を助ける為に脅かされてやったに決まってるじゃないか!」
フェリ「よく分かるね。お父さん。」
ジェームス「伊達に男を50年やってるんじゃねえよ。泣かせるじゃないか。仲間を助ける為のつれない仕草。俺の若い頃にそっくりだ。お前達も夫にするならああ言う息子にしな。」
ワインの蓋を開けてゴクゴク飲む。
フェリ「え?お父さんのようになるの?」
マリン「あの子?」
”ピコンピコンピコン”
信号機が鳴り出した。
”ガシャアアーーーン!!!”
ジェームスがワインでテーブルの上の食料を払い除けた。
フェリ「あああ!!」
マリン「勿体無いよ・・・」
信号機で音を読み取る。
ジェームス「フフフ。暗号を変えたって無駄だぞ。・・・ん?大型戦艦を呼び寄せたのか?」
今、アルニス王国に向かってる巨大な大型戦艦の信号だった。
ジェームス「あの兄妹を乗せて出発する気だ。急がないと手が出せなくなる!出掛けるぞ!何時まで食べてるんだ!」
フェリ・マリン「は、はい!お父さん!」
タクト「おい、2人を攫う気か?」
アリーザ「兄妹じゃないのよ。水晶石さ。」
タクト「いや!水晶玉だけじゃダメだ!あの水晶玉はクラウドとレインが持たないと働かないんだ!!親父さん!俺達も仲間に入れてくれないか!2人を助けたいんだ!」
ジェームス「甘ったれるんじゃないぞ。そう言う時は自分の力でやるもんだ。」
タクト「あぁそうだ。俺達があんな事をしなきゃずっと守れたはずだ。イージアの宝なんかいらない!お願いだ!」
マリン「ヒューヒュー!泣かせるねぇ〜。」
ジェームス「五月蝿い!」
マリン「は、はい!!」
ジェームス「・・・」
真剣な眼差しのタクト達を見て、ジェームスが閃いた。
ジェームス(その方が2人が言う事を聞くかも知れないね。)
そう確信したジェームスがタクト達に寄る。
ジェームス「2度とここへは帰れなくなるかもだぞ。」
タクト「分かってる。」
ジェームス「覚悟の上だな?」
タクト「勿論!」
ジェームス「よし!」
剣を抜いて、タクト達の縄を切ってあげた。
ジェームス「3分で支度しな!」
タクト「よし!」
外に出たタクト達が準備を始める。
タクト「皆、準備は良いか?」
フェオン「えぇ!何時でも行けるわ!」
タクトはスパークレンスを出して、光を解放した。光の柱に包まれたタクトが、ウルトラマンティガへ変身した。
フェオン「行くわよ!」
そしてフェオン達は、身に付けてる首飾り・ヴォラーレリトスを光らせて浮遊した。
ティガ「タァッ!!」
飛翔して待機する。
下では、ジェームス達が小型船を準備していた。
ジェームス「彼らも準備出来たようだな。よし、お前達は本船で待機しろ!」
小型船がビーチの海に浮いた。
ジェームス「よし、行くぞ!!」
ティガ「タァッ!!」
彼らはアルニス王国へ急行した。
そして、アルニス王国に大型戦艦が停泊しようとしていた。
クラウドとレインを助ける為に急行するティガ達。しかし、アルニス軍の要塞で緊急事態が起きてしまっていた。