ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS   作:naogran

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STAGE3「襲来者達」

その日の朝。谷の皆が草原や果樹園等を隈なく捜索している。大人達は火炎放射器を持ってる。

 

少年「あった!来てー!」

 

1人の少年が、果樹園に何かを発見した。

 

少年「こっち!」

 

男性を呼んで、木に付着してる白い物体を見せる。

 

少年「やっぱりあの船に胞子がくっ付いてたんだね。」

 

男性「まだ毒は出してないな。」

 

探していたものは、胞子だった。昨夜の船に張り付いてた蟲に付着した物がこの果樹園に落ちたのだった。男性が火炎放射器で胞子を焼却した。

 

男性「もう一踏ん張りだ。」

 

少年「うん。1つでも残すと大変だからね。」

 

 

 

 

そして一方では、船の残骸跡から巨大な赤い塊が残されていた。

 

村人A「何だろう?この塊は。」

 

村人B「あの炎でも燃えないとはなぁ。」

 

バリー「さぁ皆、此奴の詮索は後回しだ。胞子を焼く手伝いに行ってくれ。」

 

村人達「おう。」

 

バリー「念入りに頼むぞ!」

 

村人達が胞子を焼きに行った後。

 

バリー「全く厄介な物を持ち込みおって・・・」

 

ダリル「バリー、ここを見ろ。」

 

バリー「は?」

 

塊を見ると、心臓の鼓動みたいに動いている。

 

バリー「動いとる!まるで生きとるようだ。・・・ダリル様、これは?」

 

ダリル「旅の途中で不吉な噂を聞いた事がある。リベリオ市の地下に眠っていた旧世界の怪物が掘り出されたと。」

 

バリー「旧世界の怪物?」

 

ダリル「巨神兵だ。」

 

バリー「巨神兵!?あのセブンスインフェルノで世界を焼き尽くしたと言う!?此奴が・・・」

 

ダリル「巨神兵は全て化石となっているはずだった。だが、地下で1000年も眠り続けていた奴が居たのだ。」

 

バリー「そう言えば、此奴は人の形にも見えます。」

 

ダリル「イベリーゴは遥か西方の凶暴な軍事国家。死んだリベリオの虜囚と言い、気になる。」

 

 

 

 

 

 

墓地の方では、ジェシカが村人達と亡くなったイベリーゴの兵士達やリベリオの虜囚達を埋葬していた。その時ジェシカが何かを感じ取った。

 

ジェシカ「後をお願い!」

 

風使いの杖を持って墓地を後にした。

 

 

 

 

一方タクトは、船の残骸の後始末をしている。

 

タクト「ん?・・・何か来る。」

 

彼も何かを感じ取ってその場を後にした。

 

 

 

 

何かを感じ取った2人が合流した。

 

ジェシカ「タクト、どうかしたの?」

 

タクト「何か感じるんだ。ジェシカは?」

 

ジェシカ「私も同じよ。ん?」

 

タクト「ん?」

 

谷の向こうから何かが来る。

 

ジェシカ「何かしら?」

 

すると、謎の音が谷中に響いた。

 

村人達「ん?」

 

その音の正体は・・・

 

 

 

 

 

 

1機の戦闘機と4機の大型船のエンジン音だった。

 

 

 

 

 

 

村人達「うわあああーーーー!!逃げろーーーー!!!」

 

 

 

 

タクト「イベリーゴ帝国の船か!!」

 

ジェシカ「皆を城へ!!」

 

タクト「分かった!!」

 

すぐに村人達を城へ避難するよう叫ぶ。5機の船が谷に着陸した。

 

ジェシカ「皆城へ!!」

 

タクト「皆城へ避難しろーーー!!早く!!」

 

ジェシカ「あっ!!」

 

1機の戦闘機が城へ近付いてる。

 

ジェシカ「お父様!!」

 

タクト「クッ!!」

 

すぐにギャビンを助けに走る。4機の大型船からイベリーゴの兵士達が降りた。更には戦車も降ろした。

 

 

 

 

 

 

城では、ギャビンが剣を握った。

 

ギャビン「婆様は隠れておれ!」

 

大婆様「私はここに居るよ。」

 

外に1機の戦闘機が着陸しようとしてる。

 

 

 

 

タクトとジェシカが走って城へ向かう。

 

 

 

 

城の敷地内に戦闘機が着陸し、複数の兵士達が降りて城へ侵入した。そして・・・

 

 

 

 

”バシューーーン!!!”

 

 

 

 

タクト・ジェシカ「ッ!!」

 

銃声を聞いた2人が急いで城へ駆け付ける。

 

 

 

 

ギャビンの部屋。

 

ジェシカ「はっ!!」

 

そこには4人の兵士と1人の男と大婆様。更に・・・

 

 

 

 

 

 

銃殺されたギャビンの遺体が。

 

 

 

 

 

 

タクト「ギャビン・・・!?」

 

殺された父を見て、ジェシカの怒りが爆発した。

 

ジェシカ「おのれ!!!!!」

 

タクト「ジェシカ!!」

 

彼女は怒りに身を任せ、3人の兵士を風使いの杖で叩き殺した。

 

男「っ!!」

 

そこに居た男が剣を握った。

 

タクト「ッ!!させるか!!」

 

気付いたタクトが男の剣をキックで折った。

 

男「ガァッ!!」

 

その反動で男が飛ばされ、壁に激突した。

 

タクト「ッ!!」

 

残った兵士がタクトに剣を振るうが、タクトが避ける。

 

タクト「ジェシカ!冷静になれ!」

 

ジェシカ「ハァッ!!!」

 

だが彼女は我を忘れて、タクトが戦ってる兵士を殺した。そこに鎧を纏った兵士達が侵入した。

 

タクト「新手か!」

 

ジェシカ「ハァッ!!!!」

 

風使いの杖で戦うが、鎧の兵士達の銀色の盾で破壊された。鎧の兵士の振り下ろす剣を宙返りで避けた。着地したジェシカが、ギャビンの形見の剣を握った。

 

大婆様「ジェシカ・・・!!」

 

タクト「止めろ!止せ!!」

 

ジェシカ「アアアッ!!!!」

 

剣を握って走り出す。だがそこにダリルが現れ、ジェシカの握ってるギャビンの剣を左腕で刺し受け止めた。

 

ジェシカ「ハッ!」

 

タクト「ダリル!」

 

そしてダリルの右手には、短刀が握っており、鎧の兵士の隙間に剣先を向けてる。

 

ダリル「双方動くな!動けばヴルグの皮より削り出したこの剣がセラミック装甲をも貫くぞ!」

 

兵士「あの男、ダリルです。」

 

ダリル「イベリーゴ兵に聞く。この谷の者達は、昨夜そなた達の船を救わんと必死に働いた。今もまた、死者を丁重に葬ったばかりだ。小なりとは言え、その国に対するこれがイベリーゴの礼儀か!」

 

彼の左腕から血が流れ、ギャビンの剣にも伝わり、ジェシカの足元に血が落ちた。

 

ダリル「戦を仕掛けるならば、それなりの理由があるはずだ。まず使者を立て口上を述べるべきであろう。」

 

ジェシカ「・・・!」

 

ダリル(ジェシカ。落ち着くんだジェシカ。今戦えば、谷の者は皆殺しになる。生き延びて機会を待つのだ。)

 

男「えーい・・・クソ・・・小娘共が!」

 

起き上がった男が拳銃を向ける。

 

女「止めろアンソニー。」

 

アンソニー「しかし!・・・あ〜あ、なんて奴だよ。皆殺しちまいやがった。」

 

女「諫言耳が痛い。辺境一の剣士ダリルとはそなたの事か。我等の目的は殺戮ではない。話がしたい。剣を収められよ。」

 

それに応じたダリルが剣を収める。落ち着きを取り戻したジェシカが倒れそうになったが。

 

タクト「ジェシカ!」

 

すぐにタクトが支えた。壁の穴から一部始終を見てたスナネコのエクが怒りを覚えた。

 

 

 

 

 

 

城の外では、谷の者達が集められていた。武器は全て没収されてる。

 

バリー「ッ!姫様だ!」

 

村人達「姫様!タクト殿まで!」

 

イベリーゴ軍の前にタクトとジェシカが立った。その後ろにアンソニーと上司と思われる女が戦車の上に立ってる。

 

アンソニー「聞け!イベリーゴ帝国・辺境派遣軍司令官。スカーレット殿下の御言葉だ!」

 

スカーレット「我等は!辺境の国々を統合し、この地に王道楽土を建設する為に来た!そなた達は菌海の為に滅びに瀕している。我等に従い、我が事業に参加せよ!菌海を焼き払い、再びこの大地を蘇らすのだ!」

 

チャド「菌海を焼き払うだと!?」

 

ベガ「そんな事が出来るのか!?」

 

スカーレット「嘗て人間をしてこの大地の主と成した奇跡の技と力を我等は復活させた。私に従う者は、最早森や毒や蟲共に怯えぬ暮らしを約束しよう!」

 

谷の者達は黙るばかり。そこに。

 

大婆様「待ちなされ!」

 

口を開いた大婆様が前に立った。

 

大婆様「菌海に手を出してはならぬ!」

 

アンソニー「何だこのババア?おい!連れて行け。」

 

スカーレット「いや、言わせてやれ。」

 

大婆様「菌海が生まれてより1000年。幾たびも人は菌海を焼こうと試みた。だが・・・その度にヴルグの群れが怒りに狂い、地を埋め尽くす大波となって押し寄せて来た。」

 

 

 

 

嘗て人間達は菌海を焼き払う活動を続けた。だがそれがヴルグの怒りに触れてしまい、大波となったヴルグが世界中を埋め尽くした。

 

 

 

 

大婆様「国を滅ぼし、町を呑み込み、自らの命が飢餓で果てるまでヴルグは走り続けた。やがてヴルグの骸を苗床にして胞子が大地に根を張り、広大な土地が菌海に没したのじゃ。菌海に手を出してはならん。」

 

アンソニー「黙れ!そのような世迷言許さぬぞ!」

 

大婆様「おや?どうするんじゃ?ワシも殺すのか?」

 

アンソニー「なっ!?き・・・貴様!」

 

大婆様「殺すが良い!盲の年寄りさ!簡単なものだよ!ギャビンを殺したように。」

 

バリー「ギャビン様を!?」

 

村人A「なんて酷い!!ギャビン様は病人なのに!!」

 

村人達「出て行け!!人殺し!!」

 

ギャビンが殺された事を知った谷の者達が怒りを爆発して、イベリーゴ軍を責める。

 

アンソニー「黙らせろ!!逆らう奴は容赦するな!!」

 

戦が始まろうとしたが。

 

ジェシカ「皆待って!私の話を聞いて!」

 

彼女の呼び掛けが谷の者達を制止した。

 

ジェシカ「これ以上犠牲を出したくないの。お願い。」

 

タクト「俺からも頼む。アンタ達を失いたくはない。だから冷静になってくれ。」

 

バリー「姫様・・・タクト殿・・・」

 

ジェシカ「大婆様も分かって。この人達に従いましょう。」

 

タクト「ギャビンの死を無駄にしない為にも。」

 

谷の者達の中に泣く者が居た。タクトとジェシカがその場を去った。

 

 

 

 

 

 

そして、谷の者達はイベリーゴ軍に従った。

 

イベリーゴ兵A「もたもたするな!」

 

男達は、戦車と共に昨晩爆発した船の残骸から残った巨大な塊を引っ張る作業に入る。そして物資を運ぶ作業に入ってる。

 

 

 

 

城の展望台からスカーレットとアンソニーが見物している。

 

スカーレット「中々良い谷ではないか。」

 

アンソニー「私は反対です。本国では一刻も早く巨神兵を運ぶようにと命令しています。」

 

スカーレット「命令は実行不能だ。大型船すら彼奴の重さに耐え切れず墜落してしまった。」

 

アンソニー「しかし、まさか本心でこの地に国家を建設するなどと・・・」

 

スカーレット「だとしたらどうなのだ。お前はあの化け物を本国の馬鹿共のオモチャにしろと言うのか。」

 

アンソニー「そりゃま、分かりますがね。あ、私は一軍人に過ぎません。そのような判断は分を超えます。」

 

スカーレット「フンッ。狸め。」

 

2人は城へ戻って行く。

 

スカーレット「私はリベリオに戻る。留守中巨神兵の復活に全力を注げ。」

 

アンソニー「ハッ!」

 

スカーレット「このガンシップは使えるのか?」

 

アンソニー「はい。拾い物です。」

 

アネモスビレッジのガンシップ。

 

 

 

 

 

 

その夜。

 

スカーレット「間違えるな!私は相談しているのではない。」

 

バリー「しかし!姫様とタクト殿をリベリオへ連れて行くなど・・・」

 

ボブ「人質6人にガンシップに食糧とは・・・」

 

スカーレット「人選は任せる。明朝の出発までに準備を完了しろ。」

 

 

 

 

その後。アネモスビレッジのガンシップが大型船に格納され、バージに食糧などの物資が積まれた。

 

ダリル「人質ご苦労。」

 

バリー「ワシらは兎も角。見て下さい。奴等何もかも持ってっちまうつもりですぞ。」

 

ダリル「ワシは一度この地を離れ、密かに戻って機会を待つ。何としてもあの化け物の復活を止めさせねばならん。」

 

バリー「はい。」

 

 

 

 

彼はその後、ジェシカの部屋に尋ねる。

 

ダリル「ジェシカ。」

 

しかし彼女の返事はない。ドアを開けると、ジェシカの姿は何処にもなかった。

 

”ガリガリ”

 

だが部屋にスナネコのエクが、壁に爪を引っ掻けている。

 

ダリル「エク。お前の主は何処に居るのだ?」

 

壁の前を走り回るエク。ダリルが壁に触れると隠し扉が開いた。その奥は階段となっている。

 

 

 

 

長い階段を下りると、灯りが点いてる部屋が見えた。その部屋を覗くと。

 

ダリル「おおっ・・・」

 

 

 

 

 

 

無数の胞子の花があり、テーブルの椅子にタクトとジェシカが座っている。ジェシカは眠っている。

 

タクト「・・・ん?ダリル。」

 

ジェシカ「・・・あっ。」

 

ダリル「ジェシカ、タクト、これはどう言う事だ?菌海の植物ではないか!」

 

ジェシカ「私達が胞子を集めて育てたんです。」

 

タクト「けど心配はない。瘴気は出してない。」

 

ダリル「毒を出さぬ?確かにここの空気は清浄だが・・・何故だ?猛毒のヒソクサリが花を付けておるのに。」

 

ジェシカ「ここの水は、城の大風車で地下500メートルから上げている水です。砂は、同じ井戸の底から集めました。綺麗な土と水では、菌海の木々も毒を出さないと分かったの。汚れているのは土なんです。この谷の土ですら汚れているんです。何故・・・誰が、世界をこんな風にしてしまったのでしょう・・・」

 

ダリル「そなた達、それを自分で・・・」

 

タクト「あぁ。ギャビンや皆の病気を治したいと言う彼女の意思受け止めて俺も手伝ったんだ。」

 

ジェシカ「でも・・・もうここも閉めます・・・さっき水を止めたから・・・やがて皆枯れるでしょう・・・」

 

彼女は泣いてダリルに飛び込み、ダリルが右腕でジェシカを強く抱擁する。

 

ダリル「ジェシカ・・・」

 

ジェシカ「私・・・自分が怖い・・・憎しみに駆られて・・・何をするか分からない・・・もう・・・誰も殺したくないのに・・・」

 

タクト「・・・・」

 

 

 

 

 

 

明朝。出発の刻が訪れた。大型船にエンジンが噴いた。大型船に向かうタクトとジェシカとバリーに、谷の3人の少女達が。

 

少女達「姫姉様ーーー!!」

 

走ってジェシカに向かった。

 

少女A「これ皆で集めたの!」

 

少女B「チコの実!」

 

少女C「姫姉様にあげます!」

 

ジェシカ「皆・・・」

 

チコの実が入った袋を受け取った。

 

ジェシカ「こんなに沢山・・・大変だったろうに・・・」

 

少女達「わあああーーん!!」

 

泣いた少女達をジェシカが抱擁する。

 

ジェシカ「ありがとう。大事に食べるからね。」

 

少女A「姫姉様可哀想・・・」

 

イベリーゴ兵「搭乗急げ!出発だ!」

 

タクト「待ってくれ。彼女に猶予をくれてやれ。」

 

ジェシカ「さあ。皆もう泣かないで?大丈夫よ。私はすぐ帰って来るわ。」

 

少女A「本当に・・・?」

 

ジェシカ「あら。私が嘘吐いた事あった?」

 

少女A「ない・・・」

 

ジェシカ「ね?」

 

少女C「うん・・・」

 

少女A「本当ね?」

 

ジェシカ「うん!さっ。危ないから。」

 

少女達「うん!」

 

すぐに皆の所へ戻って行く。

 

少女達「きっとねーー!!」

 

ジェシカは笑顔で手を振る。

 

タクト「さぁ、乗るぞ。」

 

3人は大型船に搭乗する。

 

 

 

 

そして5機の船が離陸した。

 

村人A「姫様を頼むぞー!」

 

村人B「後は宜しくなー!」

 

 

 

 

こうして船がリベリオに向かって飛び去った。

 

『To Be Continued・・・』




次回予告

タクトとジェシカを乗せた船がリベリオに向けて出発した。そこに現れた謎のガンシップが彼等に迫る。

STAGE4・災いの連鎖

お楽しみに
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