ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS 作:naogran
廃船から抜け出したスカーレットが、崖の上へ登る。その崖の上から谷を見下ろす。森からは煙が舞い上がり、更に谷の者達がイベリーゴ軍との乱戦を繰り広げていた。
スカーレット「愚か者が!」
アネモスビレッジの果樹園の外を駆けるボブ達3人は。
ボブ「始まっちまったものは仕方無え!」
ベガ「だが自重しろと言われたのに・・・」
城の方では。
アンソニー「ジタバタしねえで戦車で兵を救出しろ!」
装甲兵士A「ハッ!」
装甲兵士B「参謀!最後の1人が殺られました!」
アンソニー「こっちへ来るか?」
装甲兵士B「分かりません!村中が集まりつつあります!」
アンソニー「やだねぇ〜。森の1つや2つで殺気立ちやがって。リベリオの二の舞だぜ・・・ん?」
下の橋を見ると、ボブ達が現れた。
アンソニー「ええ?」
ボブ「うりゃああ!!」
3人が持っている黒い玉を戦車に向けて投げた。投げたが何も起きないと思いきや。
”バシュン!!!”
兵士2人「わあーー!!」
黒い玉が眩く光った。これは閃光玉だった。閃光玉で怯んだ兵士達から戦車を奪取した。
アンソニー「せ、戦車を取りやがった!?」
戦車を奪われた。
ボブ「早く動かせ!」
ダウト「そう急くな。」
チャド「うわー!来るぞー!」
駆け付けた装甲兵士達が現れた。
装甲兵士C「前へー!」
前列の3人が盾を構えながらゆっくりと行進する。
ボブ「ほれほれ!早うせい!」
ダウト「これかな?」
握っているレバーを前に倒した。
ダウト「動いた!」
ベガ「どっちへ行くんじゃ!?」
戦車が後ろへバックする。
装甲兵士達「うわあああーーー!!!」
迫り来る戦車から全力で逃げた。戦車が城の門に引っ掛かった。
ボブ「前へ行くんじゃ前へ!!」
ダウト「分かっとるがな!」
戦車を前進させた。
アンソニー「クソッ!戦車を全部出せ!ん!?」
そこに生きてるスカーレットが現れた。
アンソニー「あ、生きてたよ・・・短けえ夢だったな。」
自分の野望を自嘲した。
アンソニー「殿下!!」
戦車を奪ったボブ達が、谷の者達を援護する。
ベガ「ワシ等が食い止めるから皆を酸の湖に避難させてくれー!」
村人達「分かったー!!」
男達が谷の者達を酸の湖へ避難誘導する。
チャド「姫様とタクト殿がガンシップで戻るまでの辛抱じゃ!!」
村人A「皆急げー!早くしろー!」
ボブ「ボヤボヤせんとお前も手伝え!」
ベガ「ワシはぎっくり腰じゃ。ん?来た!戦車が来たぞー!」
遠くから戦車の編隊が現れた。
ベガ「急いで!」
ボブ「早うせい!」
ダウト「分かっとるがな!」
向きを変えたが、戦車の編隊が砲撃した。
ボブ・ベガ・ダウト「うわあーーー!!」
遥か遠くの上空にコルベットが飛行している。
司令官「間違いないか?」
コルベット兵「リベリオのブリッグです!あの雲の向こうにチラッと見えました!」
司令官「よし!」
コルベットがブリッグへ向かう。
一方そのブリッグでは。収監されたタクトとジェシカは船内の奥にある小さな部屋に閉じ込められていた。
タクト(スパークレンスがないし、看守が居るし、下手に出れない。どうすれば・・・)
考え込むタクトと、項垂れるジェシカにチャンスが訪れる。
看守『気を付けて下さい。さっきまで暴れていたから。』
タクト「?」
ドアが開き、入って来たのは2人の女性と1人の少年だった。
タクト「?」
女性「急いで。」
すると少女が服を脱ぎ始めた。
タクト(へ!?)
突然の事でタクトが外方向いた。
タクト(何だよ!?ルームサービス!?・・・って、リベリオの服の下はズボンだから平気か・・・)
女性「ジェシカさん。タクトさん。ここから出してあげます。」
タクト「え?」
女性「谷へ知らせに行って。あなたの凧なら、まだ間に合うかも知れない。用意してあります。」
ジェシカ「え・・・?」
女性「タクトさん、これを。イーサンから預かって来ました。」
スパークレンスをタクトに返した。
タクト「・・・」
女性「イーサンから皆聞きました。」
少女「私達が身代わりになるから。早くこれを。」
少年「お2人は早く行って下さい。」
ジェシカ「あなたは?」
女性「エリスの母です。」
ジェシカ「・・・お母様・・・」
エリスの母「本当にごめんなさい・・・私達のした事は皆間違いです・・・」
少女「早く。」
タクト「よし、瞬時に着替えさせて気配を消そう。」
3秒後。タクトの超能力で着替え終え、少女に変装したジェシカがエリスの母に付いて行く。気配を消したタクトも付いて行く。あの2人は項垂れるフリをしてる。看守はそれに気付く事なくドアを閉めた。
ジェシカ「あの2人は?」
エリスの母「大丈夫。心配しないで。」
しばらく進んで。
タクト「よし、これで良いだろう。」
気配を元に戻した。
ブリッグの大部屋。ここではリベリオ市の女性達と子供達が居た。
タクト(女性と子供達・・・男達は戦闘要員か。)
女性A「気を付けてね。」
老婆「酷い仕打ちを許しておくれ。」
タクト「いや、彼等は良い腕を持ってる。怒っちゃいないさ。」
イーサン「ジェシカ!タクト!こっちだ!」
女性B「さぁ!」
抜け穴からイーサンが2人を呼ぶ。
イーサン「急げ!」
ジェシカ「皆さん!ありがとう!」
頭巾を脱いで抜け穴に入る。
タクト「ありがとう皆!恩に着る!」
彼も抜け穴へ入る。
抜け穴の通り道。
イーサン「すまない。遅くなっちまって。」
タクト「いや、グッドタイミングだな。」
ブリッグの倉庫。
イーサン「ここから飛べるか?」
ジェシカ「やってみる!」
イーサンがハンドルを回して倉庫の扉を開ける。
タクト「用意は良いか?」
扉が開いた。だが、コルベットが雲から現れた。
タクト・ジェシカ「コルベット!!」
コルベットが機関銃を連射する。
タクト「クッ!!」
前に出たタクトがウルトラシールドで機関銃を防ぐ。
ブリッグ・ブリッジ。
市長「退避!雲の中へ急げ!!」
ブリッグが雲の中へ逃げ込んだ。
コルベット兵「撃ち方止め!!」
ブリッグが逃げ込んだ雲を見物する。
コルベット兵「バカめ!雲の中は乱流と電気の地獄だ!!」
雲の中で、ブリッグが乱流と雷に翻弄されていた。
操舵員「ダメだ!!舵が効かない!!」
女性達「キャアーーー!!!」
ブリッグの装甲が剥がれ始めた。
イーサン「船が分解するぞ!!」
市長「皆止むを得ない!雲を出て戦おう!」
雲を抜け出したブリッグの前にコルベットが待ち構えていた。
操舵員「ああっ!!」
市長「読んでいたな!?」
迫り来るコルベットを降下して躱したが、コルベットがブリッグを追うように降下する。
イーサン「クソッ!どうする気だ!?」
ジェシカ「雲よ!雲に押し付けて乗り移る気だわ!」
ブリッグが雲に乗り、コルベットがそれを押し付けた。ロープを腰に巻いたコルベット兵達が、ブリッグの扉を銃と剣で抉じ開ける。
イーサン「奴等が来る!飛び出すのは今しかない!」
タクト「ダメだ!俺達も残る!身代わりになってくれた2人と、エリスのお袋さんを見捨てる訳にはいかないんだ!!」
イーサン「谷の人を救えるのは君達だけだ!頼む!行ってくれ!僕等の為に行ってくれ!」
タクト「イーサン・・・お前・・・」
上では、リベリオの男達が懸命に闘っている。だがコルベット兵の圧倒的な強さに次々と殺された。
司令官「船は貰う!捕虜を作るな!根切りにしろ!」
倉庫に1人のコルベット兵が現れた。
タクト「何!?」
コルベット兵に立ち向かったタクトとイーサンが戦う。
イーサン「行けジェシカ!行けーー!!」
コンドルを蹴ってジェシカを行かせた。
ジェシカ「イーサン!!」
彼女は雲の中へ入って行った。
タクト「いい加減にしやがれ!!!」
飛び蹴りでコルベット兵が吹き飛ばされ、積荷に押し潰された。
タクト「フゥッ!」
イーサン「タクト!君も行ってくれ!」
タクト「無論だ!また会おう!」
倉庫からジャンプして落下し、スパークレンスの光を解放してウルトラマンティガへ変身した。
雲からティガとジェシカが抜け出した。ブリッグでは男達が戦ってる姿があった。
ティガ「・・・ジェシカ、急ごう。」
ジェシカ「うん!」
2人は急いでアネモスビレッジへ向かう。だがコルベットがそれに気付き、2人を追う。
ティガ「来やがったか!」
ジェシカ「タクト。加速するわよ。」
ティガ「あぁ。」
2人は加速し、コルベットから振り切ろうとする。しかしコルベットも加速し、2人に追い付いた。
ティガ「しつこい奴等だ!」
1人のコルベット兵が機関銃を連射する。2人はジグザグに避けながら逃げる。
ジェシカ「!!」
目の前に見覚えのある機体が見えた。
バリー「姫様ーーー!!」
それは、アネモスビレッジのガンシップだった。
ジェシカ「バリー!!」
ガンシップの砲撃が、コルベットを撃墜した。
バリー「ヒャッホーーー!!!」
撃墜されたコルベットが雲の中へ消えた。
ジェシカ「バリー!ダリル様!」
バリー「姫様!タクト殿!」
ティガ「助かった!けど早くしろ!じゃないと皆が!」
バリー「今収容フックを出します!ダリル様!右の赤いレバーを!」
ブリッグでは、コルベット兵が大部屋の扉を鉄骨で破壊しようとしている。
司令官「残るはここだけだ!急げ!」
大部屋では、生き残ったリベリオ市民達が避難していた。イーサン達が家具や積荷で扉を抑え込んでる。
イーサン「ドアが砕けるぞ!」
市長「何時でも来るがいい!リベリオの誇りを思い知らせてやる!」
松明でダイナマイトに着火する準備に入った。玉砕の覚悟を決めた彼等に救いの手が。
少年「ん?見てあれ。」
少女「え?何かしら?鳥?」
外に、ブリッグに近付く影があった。
コルベット兵A「船だ!アネモスビレッジのガンシップ!」
司令官「何!?」
アネモスビレッジのガンシップが接近している。そのガンシップにぶら下がってるダリルが手を離し、ブリッグへ落下する。
コルベット兵A「うわああ!?」
落下するダリルのキックを受けて気絶した。ダリルは双剣を握った。
コルベット兵B「き、貴様!!」
他のコルベット兵達の剣を防ぎ、一瞬で切り裂いた。
コルベット兵達「うわああーーーー!!!」
司令官「ダリルだ!討ち取って名を挙げろ!!」
コルベット兵達がダリルに迫り来るが、ダリルが大ジャンプして司令官に接近する。
司令官「おお!?」
剣を振る司令官を圧倒し、壁まで追い込ませた。
司令官「うぐっ!?」
ナイフが司令官の首元にくっ付く。
ダリル「降伏しろ。コルベットは最早戻らぬ。」
司令官「つ・・・強い・・・!」
ティガとガンシップは全速力でアネモスビレッジへ向かってる。
バリー「姫様!無茶だ!エンジンが爆発しちまう!」
ジェシカ「谷まで持てば良い!300まで上げて!!」
時速を300キロまで上げた。
ジェシカ「神様。風の神様。どうか皆を守って。」
アネモスビレッジへ全速力で向かうティガ達。だが、彼等は最悪な光景を目にしてしまった。