ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS 作:naogran
魔人領、ここは旧ブルースフィア帝国の帝都。
???「ん?」
ここに、ある男が佇んでいた。
???「フッ。」
彼は魔人領を見て、不敵な笑みを浮かべた。
アールスハイド王国・王城。
ジークフリード「しっかしシンの奴、よくまあこのタイミングで生まれてきてくれたもんですよねぇ。シンが居なかったら、マジな話この世界は終わってたかも知れないッスもんね。それにタクトもここによく来てくれたんッスから。」
ドミニク「意思を持つ魔人、オリバー=シュトロームを始め、大量に出現した魔人や魔物、それに対抗し得る人類唯一の希望だからな。一部じゃウォルフォード君の事を”神の使い”だって呼ぶ人間も出てきているみたいだしな。とても創神教の神子さんには聞かせられん。まぁ、ウォルフォード君やクリスティ君に関しては、元より危惧する事は何も無い。っで、他のメンバーの様子はどうだった?」
クリスティーナ「実力を見ると言う体で、アルティメット・マジシャンズに付き添いましたが、そもそもあの程度の状況で誰1人として全力を出す者は居ません。」
ドミニク「一応災害級も多く生息する危険区域なんだがな。」
クリスティーナ「寧ろ、それすら利用して、自分達の訓練に組み込んでしまってますから。精神的な未成熟さや甘えさはまだまだ見られますが、個々人の戦力は既に一国の軍隊にも匹敵するでしょう。故にシンやタクト以外のメンバーも、独立した戦力としてカウントすべきだと思います。」
ジークフリード「後衛向きだったり、治癒に秀でてたり、魔道具の扱いに長けてたり、魔力供給が出来てたり、って特徴はありそうなんで、まあその辺は臨機応変に動いて貰いつつ・・・」
ドミニク「基本は災害級や魔人の討伐に専念して貰う、と言う所か。」
ジークフリード「まぁ、同盟国には既にゲートによる移動手段が確保されてるみたいなんで、何かあったら各国に派遣して、フォローに回って貰えば良いんじゃないですかね。」
ドミニク「陛下も『アルティメット・マジシャンズは世界の共有戦力』と提言しているからな。恐らく各国ともその案え納得はしてくれるだろう。」
ルーパー「まあ何にせよ、現段階で決められるのはそんな所じゃねぇか?連合会議はその方向で進めろよ。」
ジークフリード「そうッスね。そもそも味方以上に敵の情報も不足し過ぎてますしね。」
クリスティーナ「殿下達すら苦戦した相手、それが何人居るのか。それによって戦力もまるで変わってきてますからね。」
ドミニク「そればかりはフタを開けてみんと分からんか・・・仕方あるまい。(ブルースフィアで見たあの連中・・・あの全員がそんな実力者だとは考えたくはないが・・・)」
以前にブルースフィア帝国で目撃したゼスト率いる斥候隊を思い出した。
ルーパー「俺達、軍人の戦力の底上げも必須だな。」
クリスティーナ「魔法師団の実力アップは、シンとタクトのお墨付きを貰いましたよ。」
ルーパー「ほう、そりゃ何よりだ。」
ドミニク「クリスティーナ、騎士団の様子は最近どうだ?少しは訓練の成果は出ているのか?」
ジークフリード(あ。)
クリスティーナ「実力は上がってます。・・・が、魔法師団程の急激は戦力アップかと言うとそれは・・・」
ジークフリード(始まった、面倒臭〜のが・・・)
ルーパー(嘘でもそこは強くなったって言っとけよ・・・)
ドミニク「魔法師団に後れを取っている場合か!!何かないのか!!ウォルフォード君やクリスティ君の戦術で我々にも応用出来そうなものは!!」
ジークフリード(いちいち対抗心燃やすなよ・・・)
クリスティーナ「そうですね。これは昔、シンに貰った物なんですが。」
懐から、1つのナイフを出した。
ドミニク「ナイフ?」
ジークフリード「あ!それ俺も貰ったわ!懐かしーな!」
クリスティーナ「懐かしいって、まさか無くしたんじゃ?」
ジークフリード「いや、な、な訳あるかよ!大事に部屋に仕舞ってあるっつーの!多分・・・」
ドミニク「何だ?大層な武器なのか?」
クリスティーナ「魔力を通します。」
ナイフに魔力を通すと、刃が高速で振動した。
ドミニク「そ、それは・・・!!」
ルーパー「ウォルフォード君の剣と同じ!?」
クリスティーナ「バイブレーションソードのナイフ版です。ですが殺傷力は同等です。単純び全騎士団員に持たせれば、容易く戦力アップに繋がるでしょう。」
ドミニク「おお!では・・・!」
クリスティーナ「ただし、それは騎士でない者も同様です。魔法使いだろうと、剣の素人だろうと、子供が使っても同じ殺傷力を得られるのです。」
ドミニク「・・・・・」
クリスティーナ「超振動による攻撃に力はいりません。技もいりません。ただ、手っ取り早く強くなれる。しかし、私達騎士がそれで良いのでしょうか?」
ドミニク「技術を必要としない”強さ”か。それは即ちそれまでの技術を捨てると言う事・・・それで胸を張って『強くなった』と言えるかは甚だ疑問だな。」
クリスティーナ「これに頼り切れば必ず剣の技術は衰退する。なので私もこれは奥の手として所持しているだけです。お守りみたいなものですね。容易く手に入れる力に意味はありません。私はそう思います。」
ドミニク「・・・そうだな、ウム。口惜しいが、その通りだ。やはり地道は訓練しかないか、我々は。」
ジークフリード「オメーもよぉ、案が無いなら回り諄い言い方しねーで・・・」
クリスティーナ「今のは前提の話です。」
ジークフリード「?」
クリスティーナ「それを踏まえた上で、我々の技術を無駄にせず、尚且つ、早急に戦力アップが出来るある道具を、先日ウォルフォード商会で発見しました。此方はすぐにでも導入すべきです。我々だけでなく魔法師団も。御三方もご存知の『アレ』ですよ。」
ジークフリード・ルーパー「まさか・・・トイレか?」
クリスティーナ「はぁ・・・・」
その頃コテージでは。
タクト「・・・・」
リオ「まさか、こんな大きいのとやりあったなんて。」
以前に魔物が生息する区域で討伐した3メートルを超える災害級の人間の歯型が残ってる首筋を切り取って貰い、6人で会議をしている。
ナージャ「流石にあの災害級でも危険過ぎだと思うけど・・・」
ケイティ「でもあんなデカイ災害級でも戦えるなんて凄いよね?」
タクト「ちょっとこれは皆にも注意しておかなきゃな。彼奴がどれだけ残酷かを。」
そして魔人領となった旧ブルースフィア帝都では、夥しい数の災害級が徘徊している。
城では。
フィン「隊長〜。ゼスト隊長〜?」
魔人の1人・フィンがゼストを探している。
フィン「あれェ?何処行っちまったんだろう・・・ん?」
灯りが点いてる部屋を覗くと、アベルとカインとサイクスが退屈していた。
フィン「あ。アベルさーん、他の方々も、隊長見てないッスか〜〜?」
しかし3人は。
アベル・カイン・サイクス「あぁ?」
切れ気味状態だった。
フィン「何か怖いなぁ・・・何怒ってんです?」
そこにダンテが顔を出した。
フィン「ダンテさん。」
ダンテ「気にするな。全力で暴れ足りずフラストレーションが溜まっているだけだろう。無論、私も同様だが。」
フィン「・・・・・」
ダンテ「ゼスト様に用事か?」
フィン「ああ、はい。シュトローム様に言われた魔物達の生態報告纏めたんで、先に隊長に確認して貰おうかと思ったんですけど。」
ダンテ「ゼスト様はシュトローム様の所だ。人間達の連合締結の件の報告でな。」
フィン「うぇ、マジすか!?大目玉食らうんじゃないですか?」
ダンテ「さあな。それ兎も角フィン、何時まで”隊長”と呼ぶのも考えものだぞ。実質我々の部隊は解散し、今や主人はシュトローム様ただ1人。魔人となった時に決めたはずだ。」
フィン「解散っつったって、メンバー変わった訳じゃないし、僕らにとっちゃ、やっぱりあの人は”隊長”でしょ?リオさんとかも呼び方変えられてないじゃないですか。」
ダンテ「まあ良いさ、主に大使忠義の心があるならな。」
フィン「忠義すか・・・正直な話、魔人化して帝国を滅ぼした時、僕達隊員の全てがシュトローム様に中世を誓っていた訳ではなかったと思いません?」
ダンテ「ん?どう言う意味だ?」
フィン「憎き帝国を滅させた事、その為に力を与えてくれた事、『感謝』はしても、それは『忠義』じゃなかったはずだ。僕らが本当にシュトローム様に中世を誓ったのって、やっぱりシュトローム様に御自身の過去を聞かされた時だと思うんですよ。あの人が他の腐った貴族共と同様なら、誰も付いていかなかった。今はどうあれ、嘗てのオリバー=シュトロームはこの国の愚かさに気付き、平民にまで手を差し伸べ、この国を変えようとしていた。それを知ったからこそ、僕らは改めて、あの人に付いて行く気になったんでしょ。」
ダンテ「・・・そうかもな。」
フィン「仮にですよ。もしあの人が、あの時この国の皇帝になられていたら、僕らの未来も、何か変わっていたんですかねぇ。」
”ガシャン!!”
怒りが爆発したサイクスが、持っていた瓶を壁に投げて割った。
サイクス「仮定の話に興味はねぇ。耳障りだ、失せろ。」
ダンテ「フィン、お前の意見には概ね同意するが、だからと言って、今更何が変わる訳でもない。我々は何があろうと、シュトローム様の『駒』として動く。それだけだ。殺せと言われれば、赤子をだろうと殺す。狂えと言われれば、喜んで狂うまでだ。」
フィン「えぇ、まあ。そこには僕も概ね同意します。」
外から先程の会話を盗み聞きしたあの男が不敵な笑みを浮かべた。
???「これは、面白くなりそうだ。」
彼は王城へ向かった。
ブルースフィア王城。
シュトローム「ほう、いよいよ人間達が世界連合を組みますか。」
ゼスト「申し訳御座いません。そうなる前に、ウォルフォードを何らかの形で貶めるのが理想だったのですが。」
ローレンス(要するに、失敗報告だよなコレ・・・大丈夫なのかよ・・・)
不安がいっぱいのローレンス。しかしシュトロームは。
シュトローム「まあ良いんじゃないですか。特に問題もないでしょう。」
ゼスト「・・・・」
ローレンス「え?」
シュトローム「人間達の動向に興味はありません。ここまで攻めて来たのならば、何からの対処をすれば良いだけの話。せめて、その報告を面白可笑しく聞ける事を期待していますよ。」
ローレンス(ホッ・・・)
ゼスト「恐縮ですが、1つだけ確認させて頂いて宜しいですか?」
シュトローム「どうぞ。」
ゼスト「奴らがこの国に攻め入った場合、迎え撃ちますか?それとも躱しますか?」
シュトローム「その判断はゼスト君、君に任せます。」
ゼスト「人間達を倒す事が、シュトローム様、あなたの新たな目標にはなりませんかな?」
ローレンス(おいおいゼスト隊長・・・一体何を・・・?)
シュトローム「私にとっては、どうだって良い事ですね。わざわざここを動くつもりもありません。」
ゼスト「承知しました。では、この件につきましては私にお任せ下さい。」
シュトローム「ああそうだ、ゼスト君。活動報告だけの期待して待つのも何なので、良い物を貸してあげましょう。どう言った対処をするにしても役には立つはずです。フフ、ここには良い実験隊が沢山居るのでね。」
王城・通路。
ローレンス「っで、どうするつもりです?ゼスト様。」
ゼスト「戦うつもりも、逃げるつもりもないと言われれば、出来る事は1つしかあるまい。」
ローレンス「?」
ゼスト「ローレンス、離反した魔人達の残党は今どうなっている?」
ローレンス「俺が操ってた連中は、大半がクルトでウォルフォードとクリスティに片付けられちまいました。更に別の場所ではあの男が全滅させてしまいましたが、一部生き残った奴らは、恐らく国に戻ってるはずです。ただ、あれだけ痛い目に遭ってる以上、流石にもう動かすのは無理でしょう。俺もやだし。なので今残っているのは、離反した上で当初から平民魔人とは別行動を突堤る。例の少々面倒な連中です。ただ、奴らは平民魔人とは違う海で動かし難いですからね。そこそこ腕が立つ上に独自に動き回ってるんで、正確な所在も掴めてないし・・・」
ゼスト「(しかし、我々がシュトローム様の元を離れる訳にはいかない以上、利用出来るとしたらそいつらだけ・・・となるとどうやって・・・)まあ良い、少し考える。それと離反した中の彼奴はどうしてる?」
ローレンス「今も消息不明です。」
ゼスト「そうか。私は寄る所があるから、お前は自室に戻れ。」
ローレンス(寄る所?城ん中で?)
王城のとある部屋。ゼストがドアをノックする。
ゼスト「私です。ゼストです。」
ドアを開けると、そこに居たのは・・・
ミリア「ああ、ゼスト。お久し振りですね。」
紅一点のミリアがソファに座っていた。ここはミリアの部屋だった。
ミリア「色々と動きがあったみたいですね。あなたの部下から聞きましたよ。」
ゼスト「えぇ、まあ。中々思うようにはいきませんが・・・その後どうです?実験の経過の方は?」
ミリア「経過は順調です。ですが、こればかりは結果が出てみないと成功したかどうかは分からないですが。」
ゼスト「それは、まあ、そうでしょうな。」
ミリア「ただ、その実験のせいで、体調があまり宜しくありません。シュトローム様のお役に立てないのは心苦しいですね。」
ゼスト「その・・・シュトローム様は、此方にお顔を見せに?」
彼女は悲しい表情をした。
ミリア「いえ・・・結果がすぐに出ない実験には、あまり興味がないようで・・・此方足を運ばれる事はないです。それに、シュトローム様にとって、私など居ても居なくてもいい存在でしょうから・・・」
部屋を出たゼスト。
ゼスト(シュトローム様は我々とちがい、人間らしい感情は全て欠落してしまっている。今は怒りや憎しみすら感じない。あるのは、せいぜい僅かな愉悦を感じるこころだけ。目的意識をはっきり持つ我々や、感情を色濃く残すミリアさんとは確実に何かが異なっている。自ら魔人に至った者と、そうでない者との違いなのか・・・?何にせよ、ミリアさんにとっては、希望を見出せない状況が続く事に違いはない。せめて実験が成功して、彼女にとっての救いに繋がれば良いのですが・・・)
先程の会話とゼストの心を盗み聞きしたあの男が、密かに王城を出て、1匹の狼犬を連れてブルースフィア帝国から脱出した。
翌日の荒野。魔法の訓練の休憩中。
シン「じゃあ、あのデカイ災害級に歯型を入れた奴が近くに居るのか?」
タクト「あぁ。彼奴は色々残酷だからな。」
アリス「色々残酷って、どんなの?」
リオ「そこは自分達の目で確かめないとね。」
ナージャ「っ?」
グレア「っ!」
突然、ナージャとグレアが何かを感じた。
アウグスト「ナージャ?グレア?」
ナージャ「静かに。」
グレア「来るよ。」
この荒野に、1人の人物が現れた。
マリア「ねぇ、あれは誰?」
グレア「来たわね。」
???「よぉ〜タクト、それにお前等も。」
以前ブルースフィア帝国に潜伏していた不気味な笑みの男だった。
シン「何だ彼奴?」
ユリウス「タクト殿の敵で御座るか?」
タクト「ここまで来たのか、ジェレミー。」
彼の名はジェレミー。
ジェレミー「あぁ、お前らに久々に会いたくてさ。いきなりだが、相手してくれ。」
すると彼の両手の爪が伸びた。
シシリー「爪が・・・!?」
そして左手を顔に翳すと、両目が赤色に変わった。
トニー「両目が赤い・・・!?」
アウグスト「あの目・・・魔人か!?」
タクト「皆下がってろ。俺がやる。」
ゆっくりと歩き、ジェレミーと睨み合う。
マーク「だ、大丈夫なんッスか・・・?」
オリビア「クリスティ君・・・」
デイジー「大丈夫よ。タクトを信じなさい。」
タクト「・・・」
スパークレンスを掲げて、ウルトラマンティガへ変身した。
ジェレミー「フッ。」
不敵な笑みを見せる。
ティガ「ハッ!!」
ティガが走り出すと、ジェレミーが横にある岩を片手で持ち上げて、ティガに向けて強く投げた。
ティガ「タァッ!!」
前宙で岩を避けた。
シン「危ない!!」
飛んで来る岩を魔力障壁で防いだ。
トール「彼奴・・・大きい岩を軽々と・・・!?」
ジェレミー「おるあ!!」
ティガ「ッ!!」
手刀と爪がぶつかり合い、ジェレミーがティガを押してる。
ティガ「フッ!!」
しゃがんでマルチキックで横に蹴るが、ジェレミーがジャンプして避けた。
ジェレミー「フンッ!!」
着地して爪でティガを押す。
ティガ「ッ!!」
爪を掴んでジェレミーを押す。
ジェレミー「ハァッ!!」
押されたジェレミーがキックでティガを蹴り飛ばす。
ティガ「アァッ!!」
ジェレミー「ハァッ!!」
そしてジェレミーが右手で地面を殴り、無数の石を宙に舞い上がらせる。
ジェレミー「ウオオオオオオオオ!!!」
石をラッシュで無数の石を殴り飛ばす。ティガが連続バク転で避ける。
ティガ「タァッ!!」
ハンドスラッシュで、ジェレミーの顔に直撃させた。
ティガ「ハァッ!!」
怯んでる隙にティガスライサーで、ジェレミーの両手の爪を破壊した。
ジェレミー「なっ!?」
ティガ「ハァッ!!」
マルチキックでジェレミーを遠く蹴り飛ばした。
ティガ「・・・」
ジェレミー「中々だな。」
起き上がったジェレミーが、折れた首を自分で元に戻した。
リン「首を戻した・・・」
トニー「結構危なそうな奴だ・・・」
ジェレミー「フッ。」
また不敵な笑みを浮かべ、右手の折れた爪を引っこ抜いて、また新しい爪を伸ばした。
ユーリ「再生した!?」
マリア「何なのよ彼奴!?」
ジェレミー「ウオオオオ!!!」
ティガ「ハアァァァ!!!」
同時に走り出し、手刀と爪で鍔迫り合う。
ティガ「ハアアァァァァ!!!」
ジェレミー「ウオオオオオオオ!!!」
そのままお互いの武器を円を描くように1回転した。すると荒野の地面に亀裂が起き、ティガとジェレミーが立ってる箇所以外の地面が崩れた。
ティガ「ジェレミー、これで決着だ。」
両腕を前に突き出し交差させ、大きく横に広げてエネルギーを集めてゼペリオン光線。
ジェレミー「フンッ!!」
右手の爪でガードする。
ティガ「ハァッ!!!」
威力を高めたゼペリオン光線がジェレミーを貫いた。
シン「っ!」
ティガ「・・・」
しかし、ゼペリオン光線を受けたジェレミーはまだ生きていた。
ジェレミー「危ねえなぁ。」
ボロボロになった両手の爪を引っこ抜く。
シシリー「そんな・・・まだ生きてるなんて・・・!」
アウグスト「やはり、我々も行くぞ!」
グレア「ちょ、ちょっと!」
シン達がティガの援護に向かった。
ティガ「・・・・」
ジェレミー「・・・・」
ティガとジェレミーが同時に走り出す。
ティガ「ジェレミーーーーー!!!」
ジェレミー「タクトーーーー!!!」
そして同時に右手を振り上げた。
”ガッ!!”
シン「・・・え!?」
全員「っ!?」
シン達が驚愕した。その理由は・・・
何とティガとジェレミーが握手をしたからだった。
ティガ「ジェレミー、相変わらずだな。」
ジェレミー「フッ、タクトもその強さは変わらねぇな。」
マリア「え、何何?何なの一体?」
ティガが光となって、タクトに戻った。
タクト「ん?何が?」
マリア「何が?じゃなくて!そいつタクトの敵じゃないの!?」
タクト「え?此奴が俺の敵?おいおい、ジェレミーは俺の敵だって何時言ったんだ?」
マリア「はぁ!?」
シン「じ、じゃあそいつはタクトの・・・?」
タクト「あぁ。俺の隠し仲間さ。」
シン(隠しキャラみたいに言うな・・・)
ジェレミー「改めて宜しくな。俺はジェレミー。ジェレミーで構わねえ。」
アウグスト「ジェレミー、お前は魔人なのか?」
ジェレミー「まぁそうだな。説明する前に、俺のファンが来やがった。」
後ろに、2人の魔人が現れた。
魔人A「ようやく見付けたぞ!」
魔人B「俺達の縄張りに入って、無事に帰れると思ってんじゃねえぞ!!」
ジェレミー「俺が逃げ出す場面を見やがったな?」
タクト「お前、ブルースフィアへ行ったのかよ?」
ジェレミー「まあな。彼奴等の親玉の行動とか盗み聞きしたからな、まぁ良いや、ちょっくら遊んで来るぜ。」
2人の魔人の前に立つ。
ジェレミー「ここまで俺を追うとは、中々度胸あるじゃねえか。」
魔人A「黙れ!!縄張りに入ったお前にはここで消えて貰うぞ!!」
ジェレミー「ヒュー格好良いね〜。何れ俺もそんな台詞言ってみたいもんだ。」
魔人B「巫山戯た野郎だ!!ん?お前、魔人か?」
ジェレミー「そうだな。お前らの仲間を殺しても良いのか?」
魔人B「黙れ!!俺達の敵であると変わりは無え!!ここで死ね!!」
ジェレミー「フンッ。」
右手で顔を翳すと、ジェレミーの目が赤から青へ変色した。
魔人B「なっ!?おい・・・彼奴の目・・・」
魔人A「き、聞いてねえぞ!?世界に1人しか居ない
アウグスト「魔喰人・・・やはりそうか!」
魔人A「でもまぁ・・・ここでお前を殺せば俺達の名が上がる!!死ねええええ!!!!」
2人の魔人が剣と斧を持ってジェレミーを襲う。しかしジェレミーが一瞬で避けた。
魔人A「ど、何処だ!?」
ジェレミー「ここだよ。」
魔人A「っ!?」
ジェレミー「頂くぜ。」
後ろに回ったジェレミーが、魔人の首を噛み始めた。
魔人A「ぐあああああああああああ!!!!!」
そしてそのまま首の肉を食い千切り、魔人を殺した。
シン「っ・・・!?」
タクト達を除いたアルティメット・マジシャンズに戦慄が走った。
食い千切った首の肉をそのまま食べる。
ジェレミー「悪くねえな、此奴の肉。折角だから他の部位も。」
殺した魔人の肉も喰す。
魔人B「テ、テメェ!!」
ジェレミー「お前はそこで待ってな。俺は飯喰うのに忙しいんだよ。」
魔人B「おい!!巫山戯んじゃねえぞ!!」
ジェレミー「ごちゃごちゃ五月蝿えな。ローランド!」
”アウウウウウウウン!!!”
遠くから1匹の狼犬が現れ、魔人に飛び付いた。
魔人B「ぐあああああ!!は、離せ!!離せこの犬が!!」
ジェレミー「ローランド、そいつを譲るぜ。」
ローランド「ガァウ!!」
狼犬のローランドは、魔人の腕を引き千切った。
魔人B「ぎゃあああああああ!!!あああ!!!あああ!!!痛ええ!!!痛ええ!!!」
惨めに痛がる魔人。ローランドはそのまま魔人の顔を噛み千切った。
シン達はその光景をただ怯えて見るしか出来ない。
ジェレミー「あぁ〜美味かった。ローランド、お前もどうだった?」
ローランド「ワン!」
ジェレミー「そうか美味かったか。おいタクト、終わったぜ。」
タクト「はは・・・相変わらず残酷だなお前。」
ジェレミー「これが俺なんだから仕方無えだろ。」
リオ「でも腕は落ちてないみたいだね。」
タクト「皆見たか?俺が言った此奴の残酷を。」
シン「残酷過ぎるだろ!」
アウグスト「まさかお前が、魔喰人だったとはな・・・」
シン・シシリー「魔喰人?」
デイジー「魔人や魔物を喰い荒す存在。世界にたった1人しか存在しないわ。」
ケイティ「その魔喰人こそ、このジェレミーなのよ。証拠としては、彼の両目が青くなる事。」
ジェレミー「ローランド、挨拶しろ。」
ローランド「初めまして、ローランドと申します。」
マリア・アリス「喋ったーーー!?」
ジェレミー「ローランドは俺の親父が飼っていた狼犬で、元魔物だ。」
ローランド「僕がこうして喋れるのは、ジェレミー様のお父上様の魔法のお陰です。」
アリス「わー!可愛い!」
ローランド「く、くすぐったいですよ・・・」
アリス「もふもふしてるー!」
タクト「ローランド、撫でられて嬉しそうだな。」
ナージャ「ローランド、もふもふ。」
グレア「本当にモフモフ〜!」
ローランド「も、もうナージャさんにグレアさんまで・・・」
ウォルフォード邸・タクトの部屋。
タクト「成る程、やはりあの災害級はお前がやったのか。」
ジェレミー「ああ、美味そうだったからつい。けど後一歩の所で逃げやがった。」
タクト「そう言う所は変わんねえな。」
ジェレミー「それが俺さ。」
タクト「ジェレミー、エスタって子を知ってるか?」
ジェレミー「エスタ?」
タクト「フラー大司教のメイドだ。」
ジェレミー「あぁ、あの子か。」
タクト「彼女を助けたのはお前だったんだな?」
ジェレミー「あぁ。あのクズ男の性的暴行を見てられなかったもんだからついな。」
タクト「それで、何か情報とか掴めたのか?」
ジェレミー「とっておきかどうかは分からねえが。」
ブルースフィア帝国で盗み聞きした事を全て話した。
タクト「実験?」
ジェレミー「あぁ。何の実験かは知らねえが、とてつもないデカイ実験に違いないと思う。」
タクト「もしそれが世界に何らかの影響を齎す場合は、全力で阻止しなきゃな。」
ローランド「はい。魔人達もどう動くかはまだ未知です。」
タクト「ジェレミー、ローランド、協力してくれるか?ここまで来たんだったら。」
ジェレミー「だな。両親の仇討ちもまだまだ物足りねえからな。」
ローランド「ジェレミー様を守るのが、私の使命です!」
タクト「助かる。それとお前、後でエスタに顔合わせとけよ?」
ジェレミー「OK〜。」
数日後、魔人領攻略作戦に向けた世界連合閣僚会議当日。
連合国のほぼ中央に位置する国、ダーム王国。この地にて、連合会議が行われる事となった。
ダーム王国・会議室。
ドミニク「『人類存亡の危機に際し、各国が協力し、事態の収拾に当たる。なお、連合締結中は、1つの集団として機能し、その行動に対し、何ら見返りを求めないものとする。』以上が、連合の調印内容となります。」
ここに、7カ国の代表が揃った。
アールスハイド王国代表・ドミニク=ガストール。
イース神聖国代表・ハミル=マキナ。
エルス自由商業連合国代表・ウサマ=ナバル。
スイード王国代表・エドガー=フランネル。
カーナン王国代表・ガラン=シェパード。
クルト王国代表・エンリコ=ベーカー。
ダーム王国代表・ラルフ=ポートマン。
ドミニク「アールスハイド王国軍務局長のドミニク=ガストールであります。現在、我々人類は魔人の大量出現と言う人類の存続すら危うい状況に置かれております。しかし!我々に希望が無い訳ではありません。大まかな作戦内容は既に作成しております。まずは、それを纏めた書類に目を通して頂きたい。」
作成した書類を各国の代表達に配った。
ラルフ「各国軍は大型までの魔物の討伐を担当・・・災害級の魔物と魔人は、アルティメット・マジシャンズが担当する・・・!?ドミニク局長・・・!本気ですかこれは・・・!?」
ドミニク「無論本気です。最善であると確信した上での立案です。」
ガラン「国家養羊家のガランだ。場違いに思われるかも知れないが、ウチの国じゃ養羊家の国家権限は軍より上でな。アルティメット・マジシャンズとはちっと面識があるんで、俺が代表に選ばれた次第だ。彼らの力は本物だぜ。俺はこの案で文句は無え。」
ラルフ「・・・・」
ウサマ「エルスの外交官ウサマ=ナバルや。ウチらはこの作戦、どっちかと言うと資金繰り中心に関わらせて貰いますよって。軍のお偉いさん差し置いて、ウチが出しゃばらせて貰いましたわ。あの子らなら作戦に掛かる資金に見合う働きをしてくれますわ。そこは間違いなく保証しますよって。」
エドガー「同意見です。」
エンリコ「同じく。」
ハミル「・・・」
ドミニク「目の前で災害級の魔物や魔人を討伐する姿を見た者は皆賛成のようですな。」
皆が賛成の中、ラルフは反対を示す。
ラルフ「正気ですか!?強いとは言え、高々15〜16歳の子供ですよ!?私は反対だ!!魔人討伐の実績があるとは言え、年端も行かない子供達にその様な重大任務を任せるなど、私は納得出来ません!!」
全員が黙る中、ウサマは。
ウサマ「(何やな、その言い方、あの子らを心配してると言うよりは・・・)ラルフさん言いましたかいな?ホンなら、何ぞ代替案でもあるんですか?」
ラルフ「我々が一致団結して立ち向かえば、必ずやどんな困難も打開出来るはずです!!」
全員「・・・・・?」
ウサマ「いや精神論やのうて、具体的な作戦案を訊いとるんです。」
ラルフ「そ、それは・・・そもそもそこまで力を持った集団など、魔人以上に世界の脅威となる可能性も!!」
エドガー「彼らは『世界の共有戦力』です。ディセウム陛下の提言をお聞きになりましたか?」
ラルフ「それは国家間で取り決められた単なる表向きの協定でしょう!!彼らが結託して暴動や反乱を起こさない保証などありますまい!!それにあの中には世界に1人しか居ない魔喰人と言葉を持つ魔物が居る!!その2つが暴動を起こせば!!」
エリンコ「安全な城壁の上に兵を待機させ、自分達のみが危険な死地に赴く彼らが、そのような事を企む輩だとは思えませんなぁ。」
ラルフ「そうやって周りの信頼を得ようとしているのですよ!その内化けの皮が!!」
しかしガランが発言を止めさせた。
ガラン「軽率な発言は控える事を勧めるぜ。」
今のドミニクは激怒寸前である。
ドミニク「アルティメット・マジシャンズには我が国の誉れ叩き第一王子アウグスト=フォン=アールスハイド殿下も属していると知っての発言ですかな?ラルフ=ボートマン長官!」
ラルフ「っ!し、失礼致しました・・・言葉が過ぎたようです・・・」
ハミル「ラルフ君、あなたがそこまで彼らを認めないのは何か理由が?」
ラルフ「マキナ様・・・?」
ハミル「彼らは信頼に値する人物ですよ。三国会談の時の一件を知っているでしょう。魔物と化した大罪人フラーの仕出かした事を彼の責任のみに留まり、イースの罪まで言及しなかった。本来国同士が敵対関係になっても可笑しくなかった程の事件なのにです。それにアルティメット・マジシャンズと言えば、民衆の間で”聖女”と呼ばれるシシリー=フォン=クロードさんや、今や”神の御使い”とまで言われているシン=フォルフォード君や、ティガ言う姿に変身して戦う”超古代の戦士”のタクト=クリスティ君が居るのですよ。彼らを信じ、人類の運命を託すのにまだ何か不満が?」
ラルフ(そ・・・それが気に食わないのだ!!”聖女”だと!?それは現教皇が今の地位に就く前に呼ばれていた呼称!!神子でもない人間が、敬愛する教皇の嘗ての名で呼ばれて良いものか!!それに”神の御使い”だと!?創神教にとって神とは絶対なる存在!!一個人が!!魔法使い風情が!!軽々しく口にして良い称号ではない!!創神教の信徒として、容認出来ん!!それだけは!!)
ドミニク「他に案が無ければ、このまま続けさせて頂きます。宜しいか?」
ラルフ「・・・・・・・・・・・・・」
会議終了後、ラルフはイライラしながら帰って行った。
ドミニク「ダーム王国は決議に不服なようですな。」
ハミル「いえ、そう言う訳ではありませんよ。」
ドミニク「?」
ハミル「創神教内、特に宗教国家であるイースやダームでは現在、”聖女”や”神の御使い”の存在の容認派と否定派に分かれているのです。ダームの民もその多くは容認派なのですが、ボートマン長官個人は、完全に否定派の様です。先程の反応ではっきりしました。」
ドミニク「信心深過ぎるのも考えものですな。っと失礼、これはあなたに言う言葉ではないな。」
ハミル「フッ。(些細な事かも知れないが、この事が作戦に影響しなければ良いが・・・)」
彼は心の中でそう願っている。
世界首脳会議に訪れた教皇猊下・エカテリーナ。そしてタクトは、英雄リチャードに案内されてある人物と対面を果たす。