ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS   作:naogran

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突入の日
斥候魔人、離反魔人 登場



##豪勇無雙の英雄再臨編##
第21話「突入の日」


説教された後の3人。

 

エカテリーナ「あ痛たたた・・・たん瘤になってるわ・・・」

 

あの時のメリダの拳が効いたのだった。

 

アーロン「相変わらずやったなぁお師匠さん!カーチェが頭ド突かれた時、俺もケツがキュッってなったわ!」

 

ディセウム「ははは、アーロンは一番メリダ師に叩かれてたからなぁ。」

 

アーロン「そんなん、思い出さんといてくれる?兄さん。」

 

ディセウム「懐かしいなぁ・・・我々3人が揃うのも何年振りの事かな?」

 

エカテリーナ「・・・師匠が本気で怒るのは何時だって、自分ではなくて誰かの為だわ。シン君の事、本当に大事にしてるのね。」

 

アーロン「・・・」

 

ディセウム「まるで、本当の孫のように思っているよ。メリダ師も・・・マーリン殿も。」

 

エカテリーナ「・・・私、謝った方が良いかしら?シン君にも。」

 

ディセウム「そうだな。この作戦が無事完了したらな。」

 

アーロン「そう言や、部下から聞いたで兄さん。シン君は兎も角、息子さんも立派にやっとるそうやないか。」

 

ディセウム「奇遇だなアーロン。私も息子から聞いているぞ。三国階段じゃ、エルスは随分横暴な交換条件を出して来たそうじゃないか。」

 

アーロン「っ!!い・・・いややなぁ・・・アレは部下の独断やで!俺は無関係や!なははははは・・・」

 

ディセウム「使者の選出した当人のお前が無関係?面白い冗談を言うようになったな。」

 

アーロン「ぎくっ!?筒抜けですかいな・・・全部・・・?参ったわこりゃ・・・」

 

ディセウム「まあ、結果的にはこうして作戦実行に至った訳だし、今更どうこう言う気はないがね。」

 

アーロン「はぁ・・・危うかったわ・・・俺まで虎の尾踏む所や・・・」

 

エカテリーナ「タクト君やシシリーさんやアウグスト殿下。それに他の多くの仲間達。私達がそうであったように、シン君も多くの素晴らしい出会いに恵まれているのね。」

 

ディセウム「その通りだよ。神の力や導きなど、そこには一切関係ない。信じようじゃないか。”神の力”ではなく、彼自身を。そして共に戦おう。」

 

 

 

 

 

 

ラドクリフ邸でタクトは、オリバー=シュトロームの妻・アリアと出会った。

 

タクト「オリバー=シュトロームの・・・妻・・・」

 

リチャード「そうだ。シュトロームは嘗てオリベイラ=フォン=ストラディウスの名前を持ち、ブルースフィア帝国の公爵だった。」

 

タクト「シュトロームが、元公爵?」

 

リチャード「あぁ。だが彼は、ある男によって人生を狂わせてしまったんだ。その話は、アリアさん、話せますか?」

 

アリア「はい・・・」

 

タクト「俺に話してくれアリアさん。シュトローム・・・いや、オリベイラに何があったのかを。」

 

アリア「主人は、帝国にあるストラディウス領で、帝国民達に優遇を与え、領地改革までもお考えを持っていました。」

 

タクト「領地改革・・・確かにブルースフィア帝国は、貴族達が自分達の私腹を肥やすだけのクズにしか過ぎなかった。」

 

アリア「でも主人は違ってました。あの人は嘗てアールスハイド王国に訪れた事があったんです。」

 

タクト「それって、本当なのか?」

 

アリア「はい。アールスハイド王国を訪れた後に、ブルースフィア帝国の領地改革と、帝国民達に優遇を与え続けたんです。」

 

タクト「それだけ立派な考えを持ってたのに、何故魔人になってしまったんだ?」

 

アリア「事の発端は、当時公爵だったヘラルド=フォン=ブルースフィア皇帝です。」

 

タクト「ヘラルド!?彼奴が・・・」

 

アリア「ご存知なんですか?」

 

タクト「1年前にブルースフィア帝国へ訪れた時、そこで奴に会った事があるんだ。憎たらしい奴で、史上最低のクズだと今でも思っている。」

 

アリア「ヘラルド皇帝は、他の貴族達と暗躍を企てたんです・・・それは、主人を失脚させようと・・・」

 

タクト「っ!?」

 

アリア「ヘラルド皇帝は、主人に招待状を送って、帝都へ向かわせました・・・主人が帝都で会合を行ってる間に、皇帝の手下達が、領民達に嘘の情報を流し、自作自演で信頼を失わせました・・・」

 

タクト「酷い奴らだ・・・それで、奴らはどうやって失脚を?」

 

アリア「女性や子供達の人攫い・・・」

 

タクト「・・・・・」

 

アリア「憲兵団と名乗る者が領民達に嘘の情報を流したんです。そして領民達は主人の仕業だと思い込んでしまい・・・ストラディウス家に襲撃を始めてしまったんです・・・」

 

タクト「嘘の情報を流すとは・・・でも憲兵団は、一般人と同行なんて出来ないはずじゃ・・・まさか、それを知らない一般人達に協力を!?」

 

アリア「そうです・・・」

 

タクト「聞いて呆れるぞ・・・!?」

 

アリア「ストラディウス家は、領民達によって燃やされてしまったんです・・・」

 

タクト「でも、どうやって助かったんだ?」

 

アリア「私達は、リチャード様に助けられたんです・・・」

 

タクト「リチャードが?」

 

リチャード「ああ。アリアさん、ありがとうございました。ここからは私が話そう。アリアさん達を助けた経緯を。」

 

タクト「・・・」

 

リチャード「私はあの時、偶然にもストラディウス領を通り掛かったんだ。そして、彼が教えてくれたんだ。」

 

タクト「彼?」

 

???『私だ。』

 

そこに現れたのは、1人の幽霊だった。

 

タクト「ウェイド。そっか。アンタは予知を持っていたんだな。」

 

リチャード「ウェイドがアリアさんに危機が迫っていると知らせてくれたんだ。それを聞いた私は、ストラディウス邸に訪れた。そしてアリアさん達に、『あなた方の命が狙われている』と伝えたんだ。」

 

タクト「だから助かったのか。」

 

リチャード「その日以来、私はストラディウス邸で襲撃の備えをしていた。そしてウェイドの予知が的中し、アリアさん達を避難させたんだ。あの後今すぐに戻ろうかと思ったが、大爆発が起こってしまって。その爆発はもしかしたら、オリベイラが魔人化になってしまったかと。」

 

タクト「そうか・・・」

 

リチャード「その後に、彼女達を我が家に匿う事にした。」

 

タクト「その間にオリベイラが魔人化し、オリバー=シュトロームとして君臨したのか・・・酷い話だ・・・あのクズ皇帝の自作自演が彼を狂わせてしまうとは・・・ん?」

 

部屋の小さなベッドを見付けた。

 

タクト「アリアさん、あのベッドは?」

 

アリア「実は、ここで子供を産みまして・・・」

 

タクト「マジで!?うわぁ〜おめでとうございます!」

 

アリア「クスッ、ありがとうございます。」

 

ベッドの赤ん坊を見る。

 

タクト「ワオ!可憐な女の子。この子の名前は?」

 

アリア「はい。メアリーです。」

 

タクト「メアリー。良い名前だなぁ。って、喜ぶのは早いか・・・リチャード、俺に出来る事は何か無いか?」

 

リチャード「うん。オリバー=シュトロームを、元の人間に戻して欲しいんだ。」

 

タクト「え?」

 

リチャード「その為に、君の力を貸して欲しい。君の力ならば、シュトロームを元に戻す事が出来るだろう。これはアリアさんの願いでもあるんだ。勿論、私達も協力する。」

 

タクト「・・・・・」

 

アリア「タクトさん・・・」

 

タクト「分かった。俺が必ずシュトロームを人間に戻して、オリベイラを救ってみせる!」

 

リチャード「ありがとう。」

 

レイチェル「タクトさん、頼みましたよ。」

 

タクト「ああ。アリアさん、安心して。俺が彼を元に戻してみせる。」

 

アリア「タクトさん・・・」

 

タクト「そうだ。アリアさんにこれを。」

 

ティガのカラータイマーを模したペンダントをアリアの右手の中指に嵌めた。

 

アリア「これは・・・?」

 

タクト「お守りだ。あなたを守ってくれる。」

 

アリア「綺麗・・・」

 

彼はアリアの両手を優しく握る。

 

タクト「アリアさん、俺があなたを救う光だ。必ずオリベイラを取り戻す。」

 

アリア「・・・はい・・・ありがとうございます・・・」

 

涙を流してお礼を言った。

 

 

 

 

廊下。

 

リチャード「そうだタクト君、君に伝えたい事がある。」

 

タクト「何?」

 

リチャード「ダーム王国とイース神聖国には”聖女”や”神の御使い”の容認派と否定派に分かれているんだ。」

 

タクト「シシリーとシンをか?確かにあの2ヶ国にはそう言った2つに分けられているな。」

 

レイチェル「否定派の中には、シンさんとシシリーさんを殺そうと企む者が居る可能性があります。」

 

タクト「過激派か。」

 

レイチェル「ですから、何かあったらタクトさん、あなたがお2人を守って下さいね。」

 

タクト「そう言う事なら任せとけ。それで、否定派の中に知ってる奴とか居るのか?」

 

リチャード「私達が知ってる時点だと、ラルフ=ポートマンだ。」

 

タクト「ラルフ=ポートマン・・・ダーム王国の長官だな。分かった。忠告ありがとう。」

 

リチャード「それと、エカテリーナの事だが。」

 

タクト「教皇猊下?」

 

リチャード「実は彼女、メリダの弟子だったんだ。」

 

タクト「え、マジで!?メリダ様の弟子!?」

 

レイチェル「はい。そして、アーロン様もメリダさんの弟子の1人です。」

 

タクト「アーロン=ゼニス。エルスの大統領か。」

 

リチャード「だから今後、彼女の事は普通に接してくれて構わない。」

 

タクト「そ、そうか。猊下がメリダ様の弟子とは初耳だぜ・・・っと、そろそろ時間だな。それじゃあリチャード、レイチェル、俺は魔人領へ行って来る。」

 

リチャード「あぁ、気を付けろよ。」

 

レイチェル「健闘をお祈りします。」

 

ゲートを開いて、シン達の元へ向かった。

 

リチャード「よし。レイチェル、私達も戻って準備するぞ。」

 

レイチェル「はい。」

 

 

 

 

 

 

遂に、魔人領出発の時が来た。

 

ダーム・イースの混合軍では。

 

兵士A「いよいよ魔人領に向けて出発か・・・気を引き締めて掛からねばならんな・・・」

 

兵士B「何せ魔人領は、今や魔人や魔物の巣窟。生きて帰れるかも分からんからな・・・」

 

 

 

 

別の馬車では。

 

ラルフ「何と言う事だ・・・よりにもよって教皇猊下が、かのシン=ウォルフォードを”神の御使い”とお認めになられてしまうとは・・・」

 

高官A「ポートマン長官・・・」

 

高官B「長官!私も納得出来ません!創神教徒でもないのに”神の御使い”などと!」

 

騎士長「剰え、教皇猊下自らが奴の結婚式を執り行うそうではないですか!」

 

高官B「どうにか教皇猊下に”神の御使い”の二つ名を取り下げていただかねば・・・」

 

ラルフ「・・・我々が功績を挙げて・・・シン=ウォルフォードなど不要であると、教皇猊下にお見せするのだ・・・”御使い”などまやかしであると、御目を覚まして差し上げようではないか・・・!!」

 

彼はシンが神の御使いだとまだ勘違いしていた。

 

高官A「幸か不幸か、奴は我が軍に合流して現在、魔人領を目指しております。奴以上の功績を目に見えて挙げられる絶好の機会ですな。」

 

ラルフ「フム・・・これこそがまさしく神の御導き!神は我らにこそ慈悲を与えて下さっている・・・!!(シン=ウォルフォード・・・!!貴様の思い通りにはさせんぞ・・・!!)」

 

 

 

 

そして、シン達の馬車では。

 

マリア「タクト、さっきまで何処行ってたの?」

 

タクト「いやぁ、ちょっとトイレ。」

 

グレア「長いトイレだったんだね。」

 

シン(今頃、他のメンバーも他国の軍に合流してる頃か。次に集合するとしたら・・・恐らくは魔人の拠点を発見した時だな。)

 

 

 

 

アウグスト・トール・ユリウス・リオは、クルト王国軍に合流。

 

アリス・リン・ユーリ・ナージャ・デイジー・ローランドは、スイード王国軍に合流。

 

トニー・マーク・オリビア・ケイティ・ジェレミーは、カーナン王国軍に合流。

 

 

 

 

シン(皆、無事に作戦を進められると良いけど・・・)

 

シシリー「皆の心配してるんですか?シン君。」

 

シン「あ、俺また顔に出てた?」

 

シシリー「フフ。」

 

タクト「お前ってそう言うの多いよな。」

 

シシリー「それにしても”神の御使い”ですか・・・凄いですね。」

 

グレア「二つ名がまた増えたなんて凄いよね。」

 

シン「全く・・・何時も何時も俺の知らない所で勝手に二つ名が・・・」

 

マリア「良いじゃない!二つ名って言うのは、実力が認められた人にしか贈られないんだから!」

 

タクト「俺は”超古代の戦士”もしくは”ティガ”だな。」

 

マリア「タクトの奴って響きが良いし格好良いよねぇ〜。私も何か欲しいなぁ〜。」

 

シン「人の気も知らずに呑気な事を・・・よし、だったら俺が付けてやる。」

 

マリア「え!?本当!?何何!?」

 

シン(マリアのイメージと言えば・・・)

 

 

 

 

『私は彼氏が欲しいのよ!』

 

『何で私には出会いがないのかなぁ・・・』

 

『はぁ・・・リア充が・・・』

 

 

 

 

シン「”愛の求道者”とかかな・・・」

 

グレア「あ、地雷踏んだ。」

 

マリア「表出なさいシン。喧嘩売ってると見なしたわ。」

 

強引にシンを引っ張る。

 

シン「ええ!?何で!?結構マジで考えて・・・」

 

シシリー「もう、馬車で走ってる最中だよマリア。」

 

シン「大丈夫だって!マリアにもすぐ良い人が見付かるって!!」

 

マリア「何よ、その上から目線。」

 

シン「え!?何!?マジで外出るの!?」

 

グレア「マリア、外に出て怪我でもしたら危ないよ?」

 

マリア「大丈夫よグレア。此奴なら無傷で済みそうだし。」

 

グレア「それだけの理由?」

 

兵士「報告!!前方に多数の魔物が現れました!!」

 

シン「いや魔物じゃなくて!!・・・って、え?」

 

 

 

 

前方に、山羊の魔物の大群が道を阻んでいた。

 

 

 

 

グレア「ヒャー、お客様が多いねぇ。」

 

マリア「命拾いしたわねシン。」

 

シン「へ?」

 

マリア「アレで我慢してあげるわ。」

 

馬車の屋根の上に立つ。

 

シン「いや、でも大型の魔物までは軍の人が対処するって・・・」

 

マリア「あ”?」

 

シン「お、怒んなよそんなに・・・」

 

タクト「マリア。」

 

馬車の屋根の上に立つ。

 

タクト「俺との初めての共同作業と行こうか?」

 

マリア「そうね、一気に行くわよ。」

 

タクト「んじゃ。」

 

右手にエネルギーを集める。

 

 

 

シン「すみません。」

 

兵士「はっ!何でしょうか御使い様!」

 

シン「み・・・御使い様・・・魔物の討伐ですけど、初手だけ任せて貰って良いですか?えーと・・・兵士の皆さんを鼓舞する意味でも・・・」

 

兵士「分かりました!!すぐに指揮官に確認を取って来ます!!」

 

指揮官に確認を取りに行った。

 

 

 

 

ラルフ「何?魔物の討伐をアルティメット・マジシャンズが?」

 

騎士長「出しゃばりおって!作戦内容にも目を通しておらんのか!」

 

高官B「・・・しかし、魔人領に近付いた途端にこれか・・・」

 

ラルフ「(何のつもりか知らんが・・・まあ奴らの実力をこの目で見ておいて損はないか・・・あの数・・・幾ら奴らでもそう容易くは片付けられんだろうしな・・・)良かろう。初手のみ許可する。」

 

騎士長「フン!勝手な奴らだ。どうせ手こずって我らにすがり付いて来るのが目に浮かぶは。」

 

彼らはアルティメット・マジシャンズの力を見た事が無い。

 

騎士「ダーム王国軍!イース神聖国軍!それぞれ戦闘準備!先頭のアルティメット・マジシャンズの両脇にて陣形を固めよ!!」

 

 

 

左右に両軍の陣形が固まった。

 

兵士「それでは初手!お願い致します!!」

 

マリア「了解。」

 

タクト(ダーム共め、目にもの見せてやる。)

 

 

 

 

魔物達「オオオオオオオオ!!!!」

 

 

 

 

タクト「マリア!行け!」

 

マリア「えぇ!」

 

風の魔力を集めた。

 

兵士「っ!?うわ!!何だ!?突風が!!」

 

 

 

 

突風が山羊の魔物達を囲み、魔物達が突風魔法により上へ浮いた。

 

 

 

 

兵士「な・・・何なんだありゃ・・・」

 

この光景を見たラルフが言葉を失った。

 

 

 

 

マリア「喰らえ!!」

 

タクト「ハァッ!!」

 

 

 

 

マリアの竜巻と共に魔物達を全て両断し、タクトのハンドスラッシュが風で軌道を変えて魔物達を一網打尽にした。

 

 

 

 

魔物達はバラバラになり、大半を討伐した。

 

タクト「ふぅ。」

 

マリア「あの、初手終わりましたけど。」

 

兵士「・・・え、あ・・・はい!」

 

騎士「ぜ、全軍進めーーーー!!魔物の残りを掃討せよーーー!!!」

 

残った魔物は両軍が討伐する。

 

シン「まぁ、大半今ので片付いちゃったっぽいけどな・・・」

 

マリア「本当は爆発魔法でドカーンと行きたい所だけど、地形壊しちゃ後に続く兵士さん達に悪いしね。」

 

タクト「だから敢えて風でやったって訳か。」

 

シン「い、意外と冷静だったんだな・・・」

 

 

 

 

数分後、魔物全滅。

 

兵士A「終わりか?これで・・・」

 

兵士B「ああ。殆ど俺達の出る幕無しだな・・・」

 

兵士C「魔人領攻略作戦・・・正直不安も大きかったが・・・圧倒的じゃないか・・・アルティメット・マジシャンズ・・・!!」

 

彼らは、馬車の屋根の上に立つタクトとマリアに見惚れた。

 

兵士A「”ティガ”と・・・”戦乙女”・・・戦場にして凛々しく先頭に立ち、圧倒的な力で魔物を蹴散らす・・・まさしく”戦乙女”・・・!!」

 

兵士達「うおおおおおおおおおお!!!!」

 

マリア「え!?」

 

タクト「何だどうした!?」

 

兵士達「ティガ様ーーーー!!タクト=クリスティ様ーーーーー!!!戦乙女!!マリア=フォン=メッシーナ様ーーーーー!!!」

 

タクト「戦乙女?マリアの事か?」

 

マリア「あ、私!?」

 

兵士達「マリア様ーーーー!!戦乙女様ーーーー!!メッシーナ様ーーーー!!」

 

急に称えられたマリアが”かちーん”と固まった。

 

シン「マリア!もういいだろ!!降りて来いって!!」

 

マリア「はぇ!?あ・・・うん・・・」

 

赤面しながら馬車に戻る。

 

 

 

 

馬車の中。

 

グレア「マリア、良かったじゃない。」

 

マリア「え!?」

 

タクト「お前の望み通りの二つ名を頂戴出来たみたいで。戦乙女さ・ま。」

 

マリア「タクト!!アンタねぇぇぇ!!!」

 

怒ってタクトの背中にマウントポジション。

 

タクト「うわああああ!!ごめんごめん許してくれーーーー!!!」

 

マリア「でも・・・シン達の気持ちが少し分かったわ・・・コレ・・・すっごく恥ずかしい・・・」

 

タクト「二つ名ってのは、あんまり関心するもんじゃねえな。俺は構わんけど。さてと。」

 

馬車から出て周囲を見る。

 

 

 

 

後ろの馬車では。

 

高官A「な・・・何なのだあの大魔法は・・・!!」

 

高官B「桁違いではないか・・・!!」

 

高官A「あれ程の魔法をウォルフォードとエステンド以外でも使えるのか・・・」

 

騎士長「つ・・・つまり・・・ウォルフォードとクリスティとはあれを超える実力者・・・!?」

 

ラルフ「っ・・・・!!!!」

 

イライラするラルフに視線を感じた。

 

ラルフ「っ・・・!?」

 

 

 

それは、タクトの視線だった。

 

タクト「・・・・・」

 

彼はラルフを冷静に睨んだ。

 

 

 

 

ラルフ(おのれ超古代の戦士め・・・・・!!!我々を虚仮にしおって・・・・!!)

 

 

 

 

 

 

その頃魔人領では、斥候隊が何かを探していた。

 

ローレンス「この辺りか?」

 

魔人「ああ。放っていてもすぐ出て来る。ここらが奴の縄張りだ。」

 

すると後ろから、巨大な狼の魔物が現れた。

 

ローレンス「あれか・・・デカいな・・・」

 

フィン「そりゃそうですよ。無気力なあの方が唯一好奇心を持って育て上げた”とっておき”ですから。」

 

ローレンス「魔人の意志通りには動かせるんだな?」

 

フィン「ええ。コイツにとっての主人はシュトロームですが、同様の魔力を受けて魔人化している我々の事も仲間だと思い込んでますからね。コイツと同じ”変異種”が帝国領各地に、後数体身に潜めています。」

 

ローレンス「各地に侵攻して来る人間達の軍隊にぶつけるには持って来いだな。」

 

魔人「そこらの災害級よりは遥かに戦力になる。相当数奴らの数は削れるはずだ。・・・もっとも、ウォルフォード達に太刀打ち出来る程とは思えないがね。」

 

ローレンス「構わんさ。それはコイツらの仕事じゃない。隠しの”変異種”も、他の連中が誘導を始める頃だ。人間達が帝国領に入り次第、即投入するぞ。」

 

 

 

 

 

 

そして、魔人領北東部のとある砦では。

 

ラドリー「・・・以上が奴らからの提案だ。意見は?」

 

離反した魔人のラドリーが、同じく離反した他の魔人達にゼストが提案した事を全て話した。

 

ヒース「お前はどう思ってんだ?ラドリー。」

 

ラドリー「殆ど信用出来ん。人間達の侵攻は確かな情報だが、その対抗策は何一つ口にしなかったからな。」

 

離反魔人A「要するに、こっち方面に侵攻して来た人間を対処してくれって話だろ?」

 

離反魔人B「信用も何もあるかよ。」

 

離反魔人C「それで報酬を得られるんなら、そんな良い話ないじゃねーか。魔人になった俺らに敵う人間なんていやしねーだろ。」

 

ヒース「報酬なんざ口約束で何とでも言える。要は、俺らがどう動くか・・・そこだろ。」

 

ラドリー「人間達の・・・魔人に対抗出来る集団が居るって話は聞いたか?ヒース。」

 

ヒース「噂でちらっとはな。アルティマ・・・何とかだっけ?巫山戯た名前の連中だぜ。」

 

ラドリー「それに、その中にあの超古代の戦士が居るって事は聞いたか?」

 

ヒース「あぁ、確かティガって言ってたな。彼奴が、あのクソ皇帝の右目を失明させたのはスカッとしたな。」

 

ラドリー「もし仮に、そいつらを俺達にぶつけるのが目的だったらどうする?」

 

ヒース「・・・・そんときゃとっとと逃げりゃいーじゃん。何で俺らが相手しなきゃならねーんだよ。」

 

これにはラドリーもニヤついた。

 

ヒース「狩れる時は確実に狩る。無理そうなら迅速に退く。ハンターの基本だぜ。」

 

ラドリー「アメリア。」

 

アメリア「・・・そんな事よりさ、帝国周りの国の軍隊が大半出払ってこっちに向かってんなら、それって他国を落とすちゃんなんじゃないの?侵攻して来る人間なんか無視してさ。私らで今の隙に大国をモノにするってのどう?」

 

ラドリー・ヒース「はぁ・・・・」

 

アメリア「な、何よそのため息・・・?」

 

ラドリー「また、お前の何時ものソレか・・・」

 

ヒース「そうシンプルな話じゃねーのよアメリアちゃん。幾ら人間達が本腰を入れて侵攻して来るからって、国に兵を残してないワケねーし。あのクソ皇帝じゃあるまいし。当然、そんな事態も想定して対策は取ってるはずさ。」

 

ラドリー「奴らにとっても今はただならぬ事態。情報も得辛いし、行動も読めん。迂闊に手を出すべき時期じゃない。」

 

アメリア「むぅ・・・アンタらって何時もそうよ。つまんない。」

 

ヒース「そんなに国落としに拘るなら、あの平民連中に付いてきゃ良かったじゃねーか。」

 

アメリア「嫌よ。彼奴ら頭悪そうだもん。私、バカは嫌いなの。自分がバカだから。」

 

離反魔人A「んで?結論としてはどーすんだよ?」

 

ラドリー「当面は、あのゼストって男の言う通りにしてやれば良いさ。敵意を持って俺達に近付く奴は全て狩る。隙を見て他国へ逃げるのか、それともこの地に留まってやり過ごすのか。ここに居ればどちらも可能だ。その後の事は状況を見て判断しよう。」

 

ヒース「決まりだな。よし、ちょっと偵察に出て来るわ。」

 

 

 

 

 

 

国境付近。

 

シン「今日はここで野営か。どの辺りに居るんだろう今?」

 

シシリー「国境付近らしいですよ?予定通り進んでいるそうです。」

 

兵士A「ここに置くぞ。」

 

兵士B「了解。じゃあこっちはこの先に。」

 

魔道具を設置する。

 

シン「あれは?」

 

マリア「魔物避けの魔道具でしょ。」

 

タクト「それも、魔力遮断して魔物達に感付かれないようにする便利な物だ。」

 

兵士「失礼します。御使い様、聖女様、戦乙女様、ティガ様、グレア様。野営の準備が整いました!」

 

タクト「おう、ご苦労様。」

 

シン(御使い様・・・魔王様のがまだマシだったような・・・)

 

マリア(い・・・戦乙女様・・・)

 

 

 

 

テントに到着。

 

兵士「それでは、此方のテントが御使い様と聖女様。彼方の2つの1人用が戦乙女様とティガ様のテントになります。」

 

シン「・・・・はぁ!?ちょっと待てぇ!!俺とシシリー同じテント!?」

 

兵士「はい・・・あ。それからその・・・独り者も多いので、出来れば防音の魔道具を・・・」

 

シン「そんな状況でそんな事するかぁ!!!って言うか、一緒のテントにも泊まらないですから・・・!!」

 

兵士「え?そうなんですか?」

 

シン「俺もタクトもグレアと同じ1人用。シシリーとマリアは大きい方のテント。それで結構です。」

 

兵士「畏まりました。はぁ良かった・・・もし一晩中声が聞こえてたらどうしようかよ・・・」

 

タクト(此奴、それを分かってて準備したのか?)

 

 

 

 

女子の浴槽テント。

 

マリア「はぁ〜〜〜疲れが取れるわ〜〜〜!野営なのにお風呂入れるって最高よねぇ!これも嘗てメリダ様が開発した給湯の魔道具のお陰よねぇ!」

 

魔物の革で作った浴槽。(ビニールプール的なもの。)

 

グレア「ん〜!良い気持ち〜!」

 

女性兵士『聖女様、戦乙女様、グレア様、お湯加減は如何ですか?』

 

マリア「あ、丁度良いです!ありがとうございます!・・・本当はシンと同じテントが良かったんじゃないの?シシリー。」

 

シシリー「ふぇ!?・・・シン君と同じテントに泊まって、朝皆の前に出て来る勇気が無いよ・・・」

 

グレア「おやおや?照れちゃってる〜?」

 

マリア「あははは!まあそうよねぇ。アンタら見てると、これから戦場に向かうって事忘れそうになるわ!」

 

シシリー「もう・・・マリアにグレアさんったら・・・」

 

 

 

 

男子浴槽の入浴後。

 

シン「お風呂ありがとうございます。お先にすみません。」

 

兵士A「いえいえ!簡素なもので申し訳ありません。」

 

タクト「いや、簡素で十分だ。贅沢はあんまり好みじゃない。」

 

兵士A「ありがとうございます。それにしても凄かったですね。昼間の戦乙女様とティガ様の力。アルティメット・マジシャンズの方々は皆あのような魔法が使えるのですか?」

 

シン「そうですね・・・まあマリアは元々学院でも成績も優秀だし、攻撃魔法を得意としてるってのもありますけど。」

 

タクト「でも一応メンバーは全員あれに近い魔法を使えると思うぞ?」

 

兵士A「そ・・・そうなのですか・・・」

 

兵士B「飛び抜けて凄いのは御使い様とティガ様だけだと思っていたが・・・どうやら他の方々も同じように人間離れした力の持ち主のようだな・・・」

 

 

 

 

女子浴槽。

 

マリア「ん!?」

 

シシリー「どうしたのマリア?」

 

グレア「何かの気配を感じた?」

 

マリア「う〜〜〜〜〜〜ん・・・何か今あらぬ扱いを受けた気が・・・」

 

 

 

 

外。

 

兵士B「そこまでの実力者がそれだけ揃っていて・・・この作戦・・・俺ら必要なのか・・・?」

 

タクト「あらま変な自暴自棄になりそうな展開だ。どうする?」

 

シン「う〜〜ん・・・あ。仮に俺達だけで魔人を殲滅しようとした場合。恐らくは何ヶ月・・・下手すれば何年掛かりになります。奴らが真っ向から俺達を相手取るとも思えませんし、つまりその間・・・民衆はずっと不安を感じ続ける事になる。」

 

タクト「だがそれだけじゃない。時間を掛けている間にスイードやクルトのように襲撃を受ける国が出るかも知れない。勿論それは犠牲者も増えてしまう事でもある。それを避ける為には、早急に事態を収拾する必要がある。その為にも皆の、世界の力が絶対に必要なんだ。」

 

兵士A「・・・!!」

 

兵士B「そうか・・・そうだよな・・・民衆の為・・・俺達にもやれる事が・・・!!すみませんでした御使い様・・・!ティガ様・・・!我々の覚悟が足りていませんでした・・・!!」

 

タクト「分かれば良いんだ。そして俺達がこの世界を守る光になってやる。」

 

兵士A「はい!やってやる!!なあ皆!!」

 

兵士B「おお!!それに俺達には御使い様とティガ様が・・・!!アルティメット・マジシャンズが付いてる!!やるぞーーーーー!!!」

 

兵士達「おおおーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

遠く離れた森林では、巨大な狼の魔物が熊達を喰い荒らしていた。

 

 

 

 

 

 

そんな事を知らない彼らは。

 

マリア「あ〜〜〜さっぱりした〜〜!ついつい野営だって事忘れちゃいそう!」

 

グレア「ん〜また入りたいねぇ〜!」

 

シシリー「衛生面も大事さし、他の兵士さん達も喜んでたね。」

 

シン「おーいシシリー。マリアー。グレアー。戻ってるかー?俺達のテント狭いからこっち来たよ。入って良い?」

 

シシリー「はい、良いですよ。」

 

 

 

 

テントで報告会。

 

シン「よし、じゃあ報告会だ。」

 

タクト「その前にこれだ。音を遮断する防音の魔道具を使ってからだ。」

 

マリア「無線通信機の存在はまだトップシークレットだもんね。私もついうっかり街中で使いそうになるわ。」

 

タクト「よしOK。後は。」

 

パディブレスを起動する。

 

タクト「シン。」

 

シン「ああ。着信音を鳴らしてっと。」

 

”チリンチリン”

 

着信音の鈴を鳴らす。

 

アウグスト『こちらクルト班。タクトか?こちらは皆揃っているぞ。』

 

アリス『タクト君?こちらスイード班!準備OKだよ〜!』

 

トニー『カーナン班。こっちも準備出来てるよ。』

 

タクト「OK。一応確認だが、リオ達返事してくれ。」

 

リオ『聞こえるよ!』

 

ナージャ『私も居るわ。』

 

デイジー『聞こえるわよ。』

 

ローランド『僕も同じく。』

 

ケイティ『聞こえるよ〜。』

 

ジェレミー『防音の魔道具も展開済みだ。』

 

タクト「よし。」

 

マリア「こっちは国境に着く前に一戦交えたわ。結構な大群だったわね。」

 

シン「ま〜殆どタクトとマリアが片付けてたけど。」

 

タクト「他の皆は襲撃とかあったか?」

 

 

 

アウグスト『こちらは魔物の襲撃は無かったぞ。別方面から出発したクルトの舞台は、もしかしたら遭遇しているかも知れないが。』

 

 

 

アリス『私達の所はちょっとだけ出たよ!』

 

ユーリ『中型ばっかりだったから、私達の出番は無かったんだけどねぇ。』

 

リン『退屈だった。』

 

ナージャ『何言ってんのよリン。その分負担が少なくて済んだでしょ?』

 

ローランド『そうですよ。』

 

 

 

トニー『こっちも少しだけ出たねぇ。でも兵士さん達だけで何事も無く討伐出来てたし問題無しだよ。』

 

 

 

タクト「皆それぞれ遭ったんだな。」

 

シン「恐らくだけど、どれも魔人領から発生した魔物だよな。何でダーム方面だけこんなに魔物が出たんだ?」

 

アウグスト『シンとタクトが居るからだろ。』

 

シン「何だよそれ!」

 

タクト「俺達をトラブルメーカーみたいに言うな!」

 

アウグスト『いや、これは真面目な話だ。シンとタクトの基礎魔力量は常人と比べて圧倒的に多いだろう。それに引き寄せられているのではないか?』

 

タクト「あぁ、一理あるな。」

 

アウグスト『今にして思えば、合同訓練の時と言い、三国会談の帰りの時と言い、あんなに大量の魔物と偶然遭遇するなんて考えられんからな。』

 

シン「言い方変えただけで、結局トラブル体質だって言ってるよな?」

 

アウグスト『ははは。』

 

シン「笑って誤魔化しやがって・・・!」

 

シシリー「でもそのお陰で、マリアも”戦乙女”って呼ばれるようになりましたからね。」

 

マリア「っ!!ちょ!?いいのよシシリー!!そんなの言わなくても!!」

 

アウグスト『ほう?何やら楽しそうな事になっているではないか。くっくっくっ。』

 

タクト「ご名答。正にその通り。」

 

マリア(バレちゃいけない人にバレた気が・・・)

 

シン「明日からはどの軍も魔人領に進軍か。腹を括り直した方が良さそうだな。」

 

タクト「オーグ、当面の目的は全軍が帝都へ目指すんだったよな?」

 

アウグスト『まあ、そこを拠点としている可能性が最も高いからな。実際ドミニク達は帝都でシュトロームの存在を確認しているしな。ただ、魔人達の全てが帝都に居るとは限らないし、拠点を移動させている可能性もゼロではない。場合によっては、向こうから此方に進軍して来る事もあり得る。』

 

タクト「その為に、ローラー作戦を立案したと。」

 

アウグスト『そうだ。各方面から部隊を複数に分け、索敵を併用して進軍すれば、例え帝都以外に拠点を移していたとしても、必ず奴らの根城は発見出来るだろう。皆、決して気は抜くなよ。明日、我々が足を踏み入れるのは正しく、魔人達の支配域なんだからな。』

 

全員が頷く。

 

 

 

 

 

 

同じ頃、ラルフ達は。

 

高官A「ラルフ長官、如何致しますか?」

 

高官B「あんな規模の魔法・・・始めて目にしたぞ・・・チームメンバーであの実力・・・”魔王”の使う魔法は一体どんなものなのだ・・・」

 

高官A「あれに後れを取らず手柄を立てる必要があるのか・・・一体そんな方法が何処に・・・?」

 

ラルフ「手柄の話ではない!偽りの”御使い”の名を暴く為に我々は動いているのだ!!仮に”神の御使い”と呼ばれる者が居るのならば!当然にして真摯に神を敬っている人間でなければならない!!聖職者どころか、創神教徒ですらない者など話にならん!!」

 

高官A「そうですな・・・その通りです。信仰心もない人間が”御使い”などと・・・思い上がりも甚だしい。我々にはそれを証明する義務がある。」

 

彼らはまだ、シンが賢者の孫である事を知らない。

 

ラルフ「奴らより先に・・・魔人を討伐するのだ!!1匹でも多くのな!!」

 

そんな中、ダーム王国の副官が。

 

副官(ラルフ長官・・・いや・・・他の者達もそうだが・・・敬虔な創神教徒の意見として間違っているとは思わないが・・・シン=ウォルフォードを”神の御使い”とお報せになったのは他でもない創神教の頂点に在らせられる教皇猊下だぞ・・・それを否定するなど・・・考えられん。一体どうしたと言うのだ・・・?)

 

彼は、ラルフ達の考えに違和感を抱いている。

 

副官「ん?・・・おい、あの男は何処へ行った?」

 

騎士長「はい?どうしました?副官殿。」

 

副官「馬車での移動中、長官の隣に居た男だ。黒髪で・・・ええと・・・狐目をした・・・てっきりこの作戦の参謀か何かだと思っていたが・・・」

 

騎士長「ん?さあ?居ましたか?そのような男。」

 

副官「・・・?」

 

 

 

 

 

 

誰も見覚えの無いその男は今、外に出て何処かへ向かっていた。

 

男(魔物除けか。くくっ、馬鹿馬鹿しい。こんな物が通用するのは魔力を頼りに寄って来るカモのだけだろう。・・・さて、確かこの辺り・・・)

 

彼は、謎の人物と会った。

 

???「順調か?エミール。」

 

エミール「おやおや。わざわざ伝令すみませんね。此方はほぼ予定通りですよ。若干効き目の弱い者も居ますが。思考の偏りが顕著な者は実に操作しやすいですから。」

 

???「それでも、お前の魔力操作の腕が優れているのは確かだろう。」

 

 

 

 

 

 

「我ら魔人の中ではな。」

 

 

 

 

 

 

謎の人物の正体は、斥候隊のダンテだった。このエミールは魔人で、ダーム王国の兵士としてスパイをしていたのだった。

 

エミール「ふっくっくっくっくっ。(人間共、お前らが外側から攻め入って来るのなら、我々は内側からそれを崩壊させてやろうじゃないか。)例の変異種はどうです?」

 

ダンテ「もう目と鼻の先だ。明日には各国軍とぶつかる事だろう。」

 

エミール「そうですか。ふっくっくくく。それは楽しみだ。」

 

ダンテ「人間達の動きはどうだ?」

 

エミール「予想通りですね。それぞれの軍が帝都に向かって進軍するようです。」

 

ダンテ「此方も大凡は上手く事を進められている。引き続き頼むぞ。」

 

エミール「了解。では私はそろそろ戻ります。」

 

ダンテ「慎重にな。何せシン=ウォルフォードとタクト=クリスティがすぐ傍に居るんだからな。」

 

エミール「そのスリルが楽しいんじゃないですか。(我々魔人を追い詰めているつもりなんだろうが・・・ふっくっくっくっくっ・・・お前ら人間は、魔人の手の平で踊らされているだけなのさ。)」

 

だが彼らは、あの存在が近くに居る事を知る由も無かった。

 

 

 

 

 

 

 

崖の上に立っている謎の男が。

 

???「これ以上、奴らの好きにはさせん・・・!!」

 

 

 

 

更に別の崖の上では、謎の姉妹が。

 

???「お姉ちゃん、いよいよだね。」

 

???「えぇ。彼奴らの心配でもあるからね。」

 

???「でも彼なら何とかなりそうかもね。」

 

???「他人任せにするんじゃないよ。」

 

???「魔人領攻略開始まで・・・もう少しだね。」

 

この姉妹達は一体・・・

 

『To Be Continued・・・』




キャスト

タクト=クリスティ:萩谷慧悟

シン=ウォルフォード:小林裕介
シシリー=フォン=クロード:本泉莉奈
アウグスト=フォン=アールスハイド:小松昌平
マリア=フォン=メッシーナ:若井友希
アリス=コーナー:久保田未夢
リン=ヒューズ:山口愛
ユーリ=カールトン:長妻樹里
トニー=フレイド:小林千晃

リオ:土岐隼一
ナージャ=オブシディアン:斉藤朱夏
ケイティ=グレイス:山崎はるか
デイジー:寿美奈子
グレア:高橋李依
ジェレミー:前野智昭
ローランド:山本和臣

ジークフリード=マルケス:金子誠
クリスティーナ=ヘイデン:古賀葵

ミランダ=ウォーレス:吉七味。
クライス=ロイド:手塚ヒロミチ

リチャード=ラドクリフ:堀内賢雄
レイチェル=ラドクリフ:白鳥由里
ディセウム=フォン=アールスハイド:星野充昭

ウェイド=ワトソン:中村悠一

アリア=フォン=ストラディウス:坂本真綾

ローレンス:杉山紀彰
ダンテ:柳田淳一
フィン:市来光弘
エミール:高梨謙吾

ラドリー:小林竜之
ヒース:山本祥太
アメリア:佳村はるか

アーロン=ゼニス:内田直哉

謎の男:千葉翔也

謎の姉妹:伊波杏樹
     鈴木絵里
     奥野香耶
     楠田亜衣奈
     藤田咲

騎士長:松田修平
兵士:狩野翔

ラルフ=ポートマン:小上裕通

エカテリーナ=フォン=プロイセン:斎藤千和





次回予告

魔人領へ突入する各王国軍。しかし、その先に立ちはだかるのは常識を覆した巨大な魔物だった。

次回ウルトラマンティガ

行く手を阻む者

お楽しみに
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