ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS 作:naogran
アールスハイドと魔人領の国境付近。ここに、アールスハイド王国軍第一班の野営地があった。
ミランダ「・・・」
そこに、ミランダ達騎士学院生達の姿があった。
クライス「落ち着いているな。ミランダ。」
ミランダ「クライス。」
クライス「例のマリアとかって子と修行したのが自身になったか?」
ミランダ「そう言うアンタは緊張気味ね。眠れそうにないんでしょ?まさか作戦参加に志願したの後悔してる?」
クライス「そ、そんな訳あるか!世界規模の作戦なんで少し落ち着かないだけだ!」
ミランダ「心配しなくても、私達の立場はオマケみたいなもんよ。アルティメット・マジシャンズに比べればね。(そう・・・今はまだオマケ。だけどきっと何時かは・・・)」
両手を握り締め、心の中でそう誓う。
ジークフリード「いやだからよ、王族警護専門の俺らが、何でこんな戦場に来てんだよ?」
クリスティーナ「学生の合同訓練や、アルティメット・マジシャンズを引率した実績を買われての事らしいですよ?間違っても参加した学生を死なせる訳にはいきませんからね。」
ジークフリード「結局またお守り役かよ。明日も早えーし、俺もう寝るわ。」
するとミランダがクリスティーナの方へ歩く。
クライス「ミランダ?」
ミランダ「クリスティーナ様。」
クリスティーナ「あら、あなたは。」
ミランダ「・・・・・・・」
クリスティーナ「?」
ミランダ「強くなりたいです!どうしたら良いですか?」
クリスティーナ「何かあったのですか?」
そう言われると、ミランダが1本の剣をクリスティーナに見せた。
クリスティーナ「っ!それは、軍の正式装備の?」
ミランダ「先日、アルティメット・マジシャンズのマリアの勧めもあって、ウォルフォード商会で購入しました。この剣で・・・マリアと共に1ヶ月間魔物狩りを重ねて来ました。今回んお作戦参加を決めた時点で、ある程度の事は覚悟したつもりでしたが・・・マリアの側で戦う事で・・・より彼女達との実力差を思い知らされました。実力だけじゃない。彼女達はこの作戦の要であり、連合軍を率いる中心的存在。それに比べて私は・・・『作戦に参加している』と言うだけで、最後衛で軍の人達に守られているだけ・・・自分が・・・不甲斐なくて仕方無いんです・・・マリアと少し友好を深める事は出来ましたが・・・このままじゃ胸を張って彼女の友人だなんて言えません・・・だから・・・」
クリスティーナ「・・・・・」
黙ってるクリスティーナが口を開き、ミランダに言った。
クリスティーナ「私達がこうしている今、殆どの学生達は温かいベッドで眠りに就いている事でしょう。過酷な作戦参加を選んだ時点で、あなたの心は人より遥かに強い。・・・ただそれでも、まだあなた自身が納得出来ないと言うのなら・・・私と共に前線に出なさい。私が直に鍛えてあげましょう。」
ミランダ「・・・・・・!はい!お願いします!」
クリスティーナ「フフッ、あなたなら何時かマリアさんと肩を並べられますよ。」
ミランダ「は・・・はい!」
クライス「・・・・・」
ジークフリード「彼奴ら、あんな事ばっかやってっから、ちっとも春が来ねーんだよ。」
クライス「うわっ!ジ、ジークフリード様!い、居たんですか!?」
ジークフリード「・・・もう寝ろよクライス。明日起きれねーぞ。」
クライス「・・・・・」
夜の崖の上に立つ謎の姉妹達は、崖から飛び降りて森林へ入って行った。
翌日。ダーム・イース混合軍。
兵士A「馬車での山越えはリスクも高いし、時間も掛かります。裾野の森林を迂回して山向こうを目指しましょう。」
シン「了解です。じゃあ引き続き後方の索敵を怠らないようお願いします。」
兵士A「畏まりました!」
シン「どう?シシリー、タクト。」
シシリー「今の所、前方に大きな反応はありません。」
タクト「こっちもだ。魔人と魔物らしき魔力も感じない。」
シン「実際問題。それが一番厄介なんだよなぁ・・・魔人とは言え、極限まで魔力落とされると、人間と見分け付かないし・・・まあどっち道、索敵には引っ掛かるだろうけど・・・」
マリア「充分じゃない。それで。」
シン「え?」
タクト「どう言う意味だ?」
マリア「言っちゃ何だけど、今更魔人領には”人間”は居ないでしょ。人間の反応が複数あれば、それは間違い無く魔人よ。」
シン「そりゃまあ・・・そうか。」
タクト「確かに。あのブルースフィアの人間での唯一の生き残りはケイティだけだもんな。」
後ろの馬車では。
兵士B「魔人領中心部を目指して進んでいるのに、わざわざ後方の索敵を行う必要なんてあるのか?」
魔法使い「おい、黙っててくれ。索敵に集中出来ない。(小さいのが・・・我々の魔力で・・・あれ?)」
索敵魔法に、巨大な何かが浮かんだ。
魔法使い(我々のすぐ後ろにある反応・・・何だ・・・これ?)
巨大な何かが、後方の馬車に接近している。
魔法使い「おいちょっと。そこ開けて後方確認してくれ。」
兵士B「ん?一体何・・・」
”メキャッ!”
兵士B「っ!?何だ今の音!?」
兵士C「後方からか!?」
彼らの目に映ったのは・・・破壊された馬車だった。
兵士B「おいちょっと待て!な、何だあれ!?急に!」
兵士C「伝令ーーーーーー!!ラルフ長官と御使い様に至急伝えろ!!最後尾の馬車が突然・・・!!!」
だが、後方から巨大な影が迫って来た。
兵士D「た・・・直ちに・・・!!」
”ゴシャ!”
兵士D「っ!?」
後ろを見ると、巨大な何かが馬車を破壊していた。
ラルフ「何だ今の音は!?後方の馬車か!?」
高官「お・・・恐らく・・・!」
ラルフ「進軍を止めよ!各自戦闘態勢を取れ!!」
シン「シシリー!タクト!マリア!グレア!災害級だ!後方から襲撃されているぞ!」
タクト「何!?」
すぐに馬車を降りた。
タクト「襲われたのは最後尾か!よりによって隊列が一直線になってる時に襲撃しやがるとは!」
マリア「それに、何でわざわざ後方に回って・・・!?」
災害級を探しに後方へ向かうと。
シシリー「っ!?」
タクト「なっ!?」
シシリー「待って下さい!移動してます!」
タクト「後方に反応が無いぞ!」
シン「え・・・!?(何だ・・・!?此奴・・・一体何してやがる・・・!?わざわざ俺達の反対側に回り込んで・・・)」
兵士D「ぎゃああああああ!!!」
シン「っ!?」
タクト「っ!!」
兵士B「お・・・おい!こ・・・今度は前方の部隊が・・・!!」
タクト「後方の馬車を襲撃し、すぐに前方の馬車を襲撃・・・!?」
マリア「な・・・何なの!?2匹敵が居るの!?」
タクト「待て!感じてるのは1匹だけだ!」
マリア「え!?どう言う事なの!?」
タクト「っ!まさか!シン、これは!!」
シン「ああ、間違い無い!俺達を避けて攻撃してやがるんだ・・・!!」
シシリー「そんな・・・!!」
マリア「災害級とは言え、そんな知能が・・・!?」
タクト「災害級の中に高い知能を持ってる奴が居る噂を聞いたが・・・ここに来やがるとは・・・それにこの速さは・・・狼だ!」
シン「四手に分かれるぞ!見付けたら即足止めを!」
タクト「OK!」
シシリー・マリア「了解!」
タクト「グレア!来い!」
グレア「うん!」
四手に分かれて災害級を探す。
兵士B「ちくしょう・・・!!一体何処から・・・!!」
付近の森林から。
兵士A「あ・・・あっ・・・!!」
災害級が姿を現した。
兵士A「うわああああああ!!!!」
姿を現した災害級が兵士を喰おうとしたその時。
災害級「ッ!」
上空から何かが災害級へ迫る。災害級がそれに気付いて避けた。
タクト「ふぅ・・・」
それは、タクトのハンドスラッシュだった。
兵士A「テ・・・ティガ様・・・!!」
シシリー「皆さん!大丈夫ですか!?」
兵士A「せ・・・聖女様・・・!!」
シシリー「タクト君。グレアさん。」
タクト「シシリー、気を付けろよ。」
グレア「見えたよ。」
破壊された馬車の上に立つ狼の災害級。
災害級『グルルルル・・・・』
シシリー(初めて見る・・・!何て巨大な・・・狼・・・!)
タクト「グレア、下がってろ。」
スパークレンスを天に掲げ、ウルトラマンティガへ変身した。
シン「っ!!」
ティガ「ハァッ!」
同じ頃、アールスハイド王国軍の方は。
ルーパー「っ!おい。」
ジークフリード「お出ましッスね。」
セシリア「出番みたいね。」
シルビア「頑張りましょうお姉様!」
ドミニク「魔物が多数接近中!!総員戦闘態勢!!」
イノシシの魔物が群れで接近中。
ルーパー「魔法師団!!撃て!!」
最初の魔法師団の攻撃で、イノシシの魔物達を討伐。
騎士「凄えなぁ・・・!!全員が無詠唱で魔法使ってやがる・・・!!」
ドミニク「さぁ、次は我々騎士団の番だ!!訓練の成果を見せ付けろ!!」
騎士達が構え、そして足に装備してるジェットブーツを噴射させて魔物達に挑む。
セシリア「うひゃあ!!何あれ!?」
シルビア「お姉様ホラ!ウォルフォード商会で売ってたシン君の『ジェットブーツ』ですよ!!」
ドミニク「訓練開始時は全く方向を定まらず、自分達は一体何をしようとしてるんだと呆れたものg¥だが!使いこなせば見よ!!この突進力!!魔物など恐れるに足らん!!」
騎士達が次々と魔物を斬り続ける。
クリスティーナ「さぁ次行きますよミランダ!!」
ミランダ「は・・・はい!!」
ノイン「す・・・凄え・・・これが・・・プロの軍人か・・・」
唖然としている騎士学院生達にジークフリードが。
ジークフリード「君らはここに見学に来たのか?戦いに来たのか?どっちだ?学生諸君。」
ノイン「え・・・?」
ジークフリード「学生の身でありながら、戦場に赴く覚悟は立派なもんだが、本番の戦場で『さあ、もう安全だから君達も戦いに参加して来なさい』なんて誰も言ってくれないぞ?覚悟をどう見せるかは自分達次第だ。ここには居ないシンやタクトやアルティメット・マジシャンズは、今も自分達の意志で最前線で戦ってる。そしてそこに追い付こうと、必死に足掻いている人間だって居る。戦う意志を持ってここに来たのなら、何時踏み出すかなんて迷ってるヒマなんか無いぞ。」
クライス「・・・俺は・・・行くぞ・・・!!うおおおおおおお!!!!」
ノイン「お・・・俺だってやってやる・・・!!おお!!!」
彼の言葉で覚悟を決めた学院生達が戦いに挑む。
ジークフリード(・・・あれ!?何か俺、本格的に引率っぽくなってねーか!?)
するとその時。
”ズズン!!!”
ドミニク「な・・・何だこの地響きは・・・!?何か来てるぞ・・・!!」
突如発生した地響き。徐々に大きくなっている。
ドミニク「ルーパー!!索敵を・・・!!」
ルーパー「いいやドミニク。必要無え。」
ドミニク「っ!?何故だ!?」
ルーパー「・・・見りゃ分かる。」
そこに巨大な影が現れた。この影は・・・
体長10メートルは超えている巨大なサイの魔物の影だった。
騎士A「な・・・!?」
騎士B「何だありゃ・・・!?」
ドミニク「サイ・・・!?・・・の魔物・・・!?そのようなもの聞いた事も・・・・・」
ルーパー「いや・・・まあそれ以前に・・・あんなサイズの生物見んの初めてだけどな・・・何にせよ、魔人共の差し金で間違い無えだろう・・・」
サイの魔物が後ろ足で地面を蹴る。
騎士C「・・・お・・・おい・・・!!」
サイの魔物が目を大きく見開いた。
ルーパー「突っ込んで来るぞォーーーーーーー!!!!進路から離れろーーーーーー!!!!」
サイの魔物が高速で突進し、逃げ遅れた騎士達と魔法使い達を殺した。
クリスティーナ「総員!!ジェットブーツを起動!!一旦離脱しなさい!!」
残った騎士達がジェットブーツでサイの魔物の進路から離れた。
クリスティーナ「はっ!!ミランダ!!」
逃げ遅れたミランダ。だが彼女がジェットブーツで間一髪回避した。
ミランダ「わっ!!とおっ!!ってえ!!」
回避出来たものの、ジェットブーツのコントロールが出来ず地面に落下してしまった。
クリスティーナ「大丈夫ですか!?ミランダ!!」
ミランダ「・・・お金借りてでも、コレ買っといて正解でした。マリアに感謝ですね。」
クリスティーナ「・・・・」
ドミニク「救護班!!負傷者の救助を急げ!!災害級の出現で他の魔物の集中が途切れている!!今なら無視して構わん!!」
ジークフリード「無事かお前ら?」
クリスティーナ「ジーク。とんでもないものが出て来ましたね・・・どうします?あれ。」
ジークフリード「元々皮膚の分厚い生き物だからなぁ。シン達なら兎も角、俺らの魔法じゃ通るかどうかも怪しいな。」
クリスティーナ「関節狙いでの剣の攻撃に賭けてみますか。」
ジークフリード「ま・・・やってみる価値はありそうだなぁ。」
ミランダ「・・・?」
ジークフリード「急所の首を集中的に狙え。足止めは俺がしてやる。団長!!」
ルーパー「ああ!?何だジーク!?」
ジークフリード「ちょっとの間、災害級以外の魔物引き付けといて貰えます?本命はこっちで何とかしてみるんで。」
ルーパー「・・・ちゃんとやれるんだろうなぁ?ジークよォ。」
災害級のサイの魔物がジークフリードに向かって突進し始めた。
ミランダ「ジークフリード様!!危ない!!」
彼は一歩も動かず、両手を前に翳した。すると地面から土壁が生成された。
セシリア「土壁!?」
女性団員「そんなもので災害級が止まる訳が・・・!!!」
災害級が突進で土壁を破壊した。
ミランダ「ああっ!!」
クリスティーナ「やっぱり・・・!!」
だが、災害級に異変が起こった。
クリスティーナ「っ!?」
それは、巨大な落とし穴に落ちたのだった。
災害級『バオオオオオオ!!!!』
ミランダ「落とし穴!?」
クリスティーナ「(そうか・・・手前の土を盛り上げる事で、穴を作るのと同時に目眩ましを・・・!!)災害級の動きが止まりました!!一斉に行きますよ!!!」
騎士達「うおおおおおおお!!!!!」
身動きを失った災害級に立ち向かう。
同じ頃ダーム・イース混合軍の方は。
ティガ「ッ!!」
シシリー「ハァッ!!」
ハンドスラッシュで狼の災害級と戦うが、災害級は避け続けていた。
ティガ「ハァッ!!」
ウルトラフィックスで動きを止めようとしたが、災害級が避ける。
ティガ「ッ!?」
シシリー(速い・・・!!恐らく私とタクト君だけでは動きを捉え切れない・・・!!)
そこにシンとマリアが駆け付けた。
シシリー「シン君!!」
ティガ「マリア!!」
シン「タクト!!シシリー!!マリア!!奴の両サイドに魔法を!!」
異空間収納からバイブレーションソードを取り出した。
兵士A 「け・・・剣であの災害級を・・・!?」
兵士B「む・・・無茶です!!御使い様!!」
ラルフ(ウォルフォード・・・!!)
シシリー・マリア「ッ!!」
同時に魔法弾を発射した。
災害級「ッ!!」
シシリーとマリアの魔法弾を避けた。
ティガ「タァッ!!」
そのタイミングを見計らったティガが、マルチ・スペシウム光線を放った。
災害級『ギャワァン!!』
マルチ・スペシウム光線を受けた災害級が怯んだ。
マリア「っし!!流石に3方向からの攻撃は避け切れないっしょ!!」
シシリー「狼の動きが止まりました!!」
シン(チャンス!!)
バイブレーションソードで災害級を斬り裂こうとしたが、災害級が噛んで受け止めた。
シン「マジかよ!!嘘だろオイッ!!」
シシリー「ああ!!シン君!!」
マリア「あ・・・あれじゃタクトは力使えないし・・・!!シンの剣の振動が止まって・・・!!」
シン「・・・悪いね。俺が剣士だったとしたら、お前の勝ちだったかもな。」
右腕を災害級の口に突っ込んで狙いを定める。そしてシンの炎が災害級の体内を燃やし尽くした。災害級が体内を燃やされた。
ティガ「タァッ!!」
光の手刀で切り裂くスラップショットで災害級の首を切断して討伐完了。
シシリー「た・・・体内から炎の魔法で焼き尽くして・・・手刀で首を斬り落とした・・・!?」
マリア「えげつなっ!」
2人はこの戦い方に恐怖した。
兵士C「おおおーーーーー!!」
兵士D「災害級の狼を・・・討伐したぞーーーーー!!!」
ティガ「・・・」
光となってタクトに戻った。
マリア「あり得る?こんなサイズの狼。」
タクト「普通だとこんなサイズはあり得ねえだろ。」
シン「ああ。かなりレアだけど、災害級に至った狼なら見た事はある。・・・まあ、こんなデカくなかったけど。」
マリア「魔人側が何か手を加えた可能性は?」
シン「充分あり得る。シュトロームは魔物や魔人の研究をしてた訳だしな。」
タクト「それに、俺達を無視して他の奴らを襲ってた。手際良く育てられたと考えられる。」
シシリー「あの・・・負傷者は?」
兵士D「数名程です。ですが直接襲撃された馬車に乗っていた者達は・・・恐らく既に全員・・・」
タクト「もう手遅れか・・・」
シン「・・・くそっ・・・負傷者はすぐに俺達で治療します。帰還を望む人が居れば、ゲートの魔法を開くので申し出て下さい。」
騎士達「・・・・・」
タクト「シン。」
シン「何だ?」
タクト「あの災害級が魔人達の手先だとすれば、恐らく魔人達は他の所にもそいつらを送り込んでると思う。」
シン「っ!確かに・・・そう考えると・・・」
タクト「となると、オーグ達が心配だ。グレア。」
グレア「何?」
タクト「周囲を探索してくれ。何か来たら知らせるように。」
グレア「分かった!」
周囲を警戒しに行く。
シン(マズイな・・・この作戦・・・恐らく時間を掛ければ掛ける程・・・目的の達成率は下がって行く・・・!!)
魔人領到着が少しずつ迫って来る。
同じ頃、アールスハイド王国軍では。
ジークフリード「うぇっ!ぺっ、ぺっ。」
災害級が落とし穴に落ちた衝撃で周囲に砂煙りが蔓延し、ジークフリードの口に砂が入った。
ジークフリード「どうやら上手く行ったが・・・口ん中に砂でジャリジャリだ・・・べっ!」
セシリア「ジークフリード様!」
シルビア「もう!無茶して!これで口を漱いで下さい。」
ジークフリード「がぼぼっ!」
生成した水で口を漱ぐ。
ジークフリード「ぺっ!サンキューシルビア。」
セシリア「よくあんな事を思い付きましたね。」
ジークフリード「いやまあ、昔シンが狩りでやってたって方法を試してみただけだけどな。」
シルビア「シン君が!?」
ジークフリード「さーて、問題はこの先だ。任せたぜ、騎士団。」
騎士A「うおおお!!」
穴に嵌った災害級に剣を突き刺したが。
騎士A「うおっ!か・・・硬え!!」
騎士B「くそっ!全く刃が・・・!」
サイの皮膚は硬く、剣では全く刃が立たない。
クリスティーナ「穴がから這い出て来るのは時間の問題ですよ!早くトドメを・・・っ!!」
”バオオオオオ!!!”
巨大な咆哮を上げた災害級が暴れ出す。
騎士達「うおああっ!!」
ジェットブーツで災害級から遠去かる。
クリスティーナ(乗れる程の巨体とは言え、当然足場は安定しない・・・!ダメージを与える所か、これでは剣を振るうのも難しい・・・!)
ミランダ(私より遥かに筋力の高い騎士団ですら刃が立たない・・・これじゃ私がどうやったって・・・はっ!)
あの時を思い出した。それは、マリアと一緒に森へ入ると、猪の災害級と遭遇した。
マリア『うわぁ、こりゃまたでっかい猪が出て来たわねぇ。ミランダ、あんたこれ1人で相手してみたら?』
ミランダ『冗談言わないでよ!私の力だけじゃ、とても彼奴の急所に届かないって!』
マリア『いやだから、漸く昨日買えたソレの出番って事よ。』
ミランダ『?』
ウォルフォード商会で買ったジェットブーツ。
ミランダ(そうだ!アレなら・・・!!)
何かが閃いたミランダが走り出す。
クリスティーナ「ミランダ!?」
そして、ジェットブーツで高くジャンプした。
ミランダ(もっと・・・!!)
更に高くジャンプ。
騎士C「あ・・・彼奴!あんな上空から何を・・・!?」
クリスティーナ「まさか・・・!」
空中で回転して剣を前に突き出して、ジェットブーツの噴射力で災害級目掛けて急接近する。
クリスティーナ「離れなさいあなた達!!」
災害級の上に乗ってる騎士達に避難を指示する。
騎士D「うおお!無茶すんじゃねぇえ!!」
ミランダ(いっけぇえええ!!!)
剣先が災害級の首の付け根に突き刺した。
災害級『バオオオオオオ!!!!』
騎士A「おお!!剣先が魔物の体に・・・!!」
騎士B「待て!でも・・・!」
ミランダ(くっ・・・!!この程度じゃ致命傷には・・・!!もう1回・・・っ!?)
剣を抜こうとしたが、抜けない。
ミランダ「剣が抜けない・・・!!くっ・・・!!うぅっ!このぉっ!!・・・あ!外せば良いのか。」
柄のグリップを引いて刃を外した。
騎士C「嬢ちゃん!!もう充分だ!!」
騎士D「危ないから一旦降りて来い!!」
ミランダ「っ!」
刺さってる刃を見て、ミランダが何かを閃いた。ジェットブーツで刃を踏む。
ジークフリード「っ!!」
クリスティーナ「っ!!」
騎士達「っ!!?」
ミランダ「うりゃああああああ!!!!」
ジェットブーツの噴射力で刃を災害級の体内へ押し込み、致命傷を与えた。
災害級『バオオオオオ!!!!』
騎士A「ジェットブーツで剣を・・・押し込んだ!!効いているぞ!!俺達も続け!!」
騎士達「うおおおおおおお!!!!」
致命傷を負った災害級に一斉に剣で突き刺した。魔法師団が魔力弾を一斉発射した。そして、サイの災害級を見事討伐した。
魔法使い「災害級・・・沈黙!討伐・・・確認しました!」
”オオオオオオオ!!!!”
周囲に歓声の声が響いた。
ミランダ「はぁ・・・はぁ・・・やった!!」
ルーパー「野郎共!喜ぶのは早ぇぞ!!まだ魔物は残ってんだ!!最後まで気ぃ緩めんな!!」
騎士達が残りの魔物達を討伐する。
ミランダ「くっ・・・私も・・・」
倒れそうになったが。
ドミニク「おっと」
ミランダ「!」
後ろからドミニクが支えた。
ドミニク「お前は行かなくて良い。少し休め。」
ミランダ「きょ・・・局長・・・」
彼はミランダを褒める。
ドミニク「見事だった。お前のお陰で災害級・・・いや、これはそれ以上の存在か。それを討伐出来た。胸を張って良い。」
褒められたミランダの顔が赤くなった。そこにジークフリードとクリスティーナが寄って来た。
クリスティーナ「マリアさんの特訓がしっかりと活かされたようですね、ミランダ。少し無茶はし過ぎですが。」
ドミニク「ほう。アルティメット・マジシャンズの知り合いだったのか。」
クリスティーナ「強くなりますよ、彼女は。私が保証します。」
ジークフリード「だったら尚の事、今は体を休めとかなきゃな。」
ひょいっちミランダをお姫様抱っこした。
ミランダ「!?」
ジークフリード「功労者は俺が安全な場所までお連れしますかね。」
ミランダ「・・・・・・じ・・・じじじ・・・じーくふりーど・・・さ・・・さま・・・」
お姫様抱っこされたミランダがパニックになった。
ジークフリード「顔が赤いな。大丈夫か?少しの間じっとしてな。」
ミランダ(にゃうううう!!う・・・嬉しいけど・・・恥ずい〜〜〜〜〜!ゴ・・・ゴメンマリア〜〜〜〜〜!)
心の中でマリアに謝った。
一方その頃、魔人領北西部のクルト・エルス混合軍は。
リオ「デアッ!!」
斬撃で現れた虎の魔物達を討伐していた。
アウグスト「終わったぞ。そっちは?」
トール「此方も討伐完了です。」
リオ「こっちも終わったよ。」
アウグスト「やれやれ、虎の魔物ばかり。何体目だこれで?」
リオ「1・・・2・・・3・・・もう6体目。」
トール「その内シン殿に”虎狩り王子”だとか呼ばれそうですね。殿下。」
4人の活躍を見ていた兵士達は。
兵士F「さ・・・災害級を瞬殺・・・これがアルティメット・マジシャンズかいな・・・」
兵士G「ああ・・・エルスの方々は彼らの戦闘を見るのは初めてですか。」
兵士F「こちとら災害級を目にすのも初めてやっちゅうのに・・・最早何処に驚いて良いのか分からんわ・・・にしても・・・川にぶち当たってしまうとは、運が無いですな・・・」
兵士G「元々帝国とは国交が盛んだった訳ではありませんから・・・道中の正確の地形までは計算に入れ難いのです。」
ユリウス「一層の事川の水を凍らせて、その上を渡るのはどうで御座る?」
トール「小隊規模なら行けるでしょうけど、この大部隊ですからね。渡り切る前に凍らせ切れない部分の水が反論し兼ねませんよ。」
ベーカー「現在早馬で調査させていますが、川から離れる形で進軍を続ければ、恐らく何処かで渡る事は可能でしょう。」
アウグスト「仕方あるまい。多少遠回りになるが、川沿いに足を進めよう。」
兵士H「アウグスト殿下!!ベーカー部隊長!後方部隊から報告!!索敵に反応です!!」
ユリウス「何だ?また虎で御座るか?」
リオ「位置は?」
兵士H「か・・・川の中です!」
トール「川?水中に入居るって事ですか?」
ユリウス「魚か何かが魔物化したで御座るかな・・・」
リオ「川の中は恐らく小さい魚ばかりだと思う。ピラニア系ならまた別だけど。・・・オーグ。」
アウグスト「ああ。念の為部隊を水辺から遠避けろ。今すぐにだ。」
兵士H「は、はっ!!」
ベーカー「魔物に気を配りつつ進軍を進めますか?それとも討伐を優先に?」
リオ「決まってるよ。討伐優先だよ。オーグ、良いよね?」
アウグスト「ああ、リオに賛同しよう。何せここは魔人領。我々の想像も及ばん生物が居ても可笑しくは無い。」
兵士H「総員戦闘準備!!敵の姿はまだ未確認!!水辺に注意を払え!!」
部隊を水辺から遠避ける。
トール「・・・居ますね。確実に我々の動きを感知しています。襲う気満々って所ですかね。」
リオ「サイズは・・・かなりデカそうだね。」
アウグスト「先手を取るか!リオ!」
リオ「うん!」
アウグスト「魔法師団!撃ち方用意!!水中に向かって魔法を放て!!」
リオ「ダァッ!!!」
斬撃波と魔法弾の一斉発射が水中に着弾した。
アウグスト「反応はあるか?」
トール「数発被弾してるとは思いますが・・・今の所動きに変化は・・・」
リオ「トール、このまま索敵を続けて。奴の動きを見逃さないで。」
トール「はい。」
中央辺りに居る部隊の方は。
兵士I「・・・なあ、どうせ水の中の生物なんだろ?無視して進んじゃマズイのか?」
兵士J「それもそうだよな・・・」
兵士I「殿下も何をそんなに慎重になって・・・」
”ザパ・・・”
水の中から出て来たのは・・・
ワニの魔物の災害級だった。
兵士達「う・・・うわあああああああ!!!!」
トール「殿下!!」
ユリウス「部隊中央辺りで御座る!!」
アウグスト「どうやら釣れたようだ!!」
リオ「正体を現したようだね!!」
アウグスト「よし!!行くぞ!!」
トール・ユリウス「はっ!」
災害級討伐に向けて走り出す。
兵士達「ぐああああああああ!!!」
水の中から現れたワニの災害級に、複数の兵士が喰い千切られてしまった。
兵士「ひぃっ!・・・く・・・くそっ!!!」
災害級に挑んだが、ワニの硬い皮膚で槍が折れてしまった。
兵士I「ダメだ!!丸で槍が通らん!!」
兵士J「ワニの鱗板は鎧同様の硬さだぞ!!他の箇所を狙え!!」
すると災害級が尻尾を大きく振った。
兵士達「がはぁっ・・・!!」
壁に叩き付けられた兵士達が命を落とした。そこにビースト達が駆け付けた。
ユリウス「ぬう!!丸焼きにしてやるで御座る!!」
リオ「デアッ!!」
斬撃波と、ユリウスの魔法弾が同時発射したが、災害級がそれを一瞬で避けた。
リオ「何!?」
ユリウス「避けた・・・!!あの図体で早い反応で御座るな!!」
トール「温度完治の機能を有する生物ですから・・・魔法に対する反応も敏感なんでしょう!」
災害級がそのまま水中へ姿を消した。
ベーカー「マズイですな・・・水中に逃げられては打つ手が・・・また同様に襲撃されたら・・・」
アウグスト「・・・・」
魔人領・南部。スイード・イース混合軍。
アリス「ねーねー、あれって・・・災害級?」
ユーリ「んー・・・その表現じゃちょっと物足りないかもぉ。」
ローランド「何にしても、かなりのデカさですね。」
目の前に、巨大な猿の災害級とその子分らしき猿の魔物が佇んでいた。
アリス「超災害級・・・とか?」
リン「ただのデカい猿。」
エドガー「な・・・な・・・何とかなりそう・・・ですか!?」
ユーリ「んー多分。大猿以外にも魔物居るけど・・・取り敢えず手出ししない方が良いかもぉ。どうせ、あの子達が片付けちゃうと思うしぃ。」
挑むのはアリスとリンとローランド。
ナージャ「・・・・」
そんな中ナージャに少し頭痛が走っていた。
デイジー「ん?ナージャ、どうしたの?」
ナージャ「え?・・・いえ、大丈夫よ。(何なのこの感覚・・・彼奴を知ってるの・・・?)」
リン「アリス、ローランド、細かい連中任せて良い?」
アリス「あっ!ズルいよリン!自分がデカいのと戦いたいからでしょ!」
ローランド「まぁどの道、邪魔だからやります!!アリスさん!!」
アリス「そうだね!!」
最初にアリスが拡散魔法弾を発射し、猿の魔物を半数討伐する。
ローランド「アウウウウウウウン!!!」
咆哮と同時に両目を赤くさせて魔物化した。
ローランド「ガァウ!!」
そのまま魔物達を喰い荒す。
エドガー「おお!大量の魔物を一瞬で・・・!!」
兵士K「流石アリス=コーナー様!!ローランド様!!」
兵士L「いやまあ、本来あれ俺らの役目だけどな・・・」
だが彼らに猿の災害級が。
兵士達「はっ・・・!!ぐああああ!!」
右手で押し潰されてしまった。
リン「っ!!」
魔力を収束させて、災害級に魔力弾を投げた。だが災害級がそれを右手で弾いた。
リン「っ!!(水+土の複合魔法!!ウォーターカッター!!)」
ウォーターカッターで斬り裂いた。
災害級『ギキィ!!!』
右肩を斬り裂いたが、浅かった。
リン「ちっ!(浅い!仕留め損ねた!)」
すると災害級が、油断したリンを捕まえた。
アリス「ああ!!リン!!」
ローランド「リンさん!!」
リン「
アリス「猿に解説してる場合かーーー!!!ああもう退けお前ら!!むきーっ!!」
ローランド「貴様ら邪魔だ!!」
押し寄せて来る魔物達を喰い荒し続ける。
兵士K「ああっ!アルティメット・マジシャンズが・・・!!」
兵士L「やはりあんな化け物・・・相手では彼女達でも・・・!!」
ナージャ「ユーリ、どうする?」
ユーリ「んー、もぅ。仕方無いわねぇ。ど〜れ〜に〜し〜よ〜う〜か〜なっ・・・と。」
異空間収納からステッキを取り出した。
デイジー「ステッキ?」
ユーリ「ナージャ、頼むわねぇ。」
ナージャ「分かった。」
オブシディアンから溢れる光が、ユーリの持つステッキに収束させた。
ユーリ「そ〜〜れっ!!」
ステッキから放たれた魔法カッターが、災害級に複数の傷を与え、リンを解放させた。
リン「ナイスユーリ!ナージャ!恩に着る!」
ユーリ「お次は〜〜〜っと!」
ナージャ「ハァッ!」
ユーリ「えいっ!」
取り出したステッキに光を収束させ、ステッキを振った。
災害級『?』
地面から光が出現し、そこから石の槍が飛び出した。災害級に全て命中した。
ローランド「ガァウ!!」
隙を見たローランドが、災害級の両目を噛み付いた。
災害級『ギキィィィィィ!!!!』
ローランド「アリスさん!リンさん!ガクさん!今です!!」
アリス・リン「うん!そのまま寝てろ!!」
2人の爆裂魔法で、災害級を大爆発した。
兵士K「う・・・うおお・・・」
兵士L「た・・・倒しちまった・・・あの超大型の魔物を・・・」
リン「余裕。」
アリス「死に掛けた癖に・・・」
ローランド「ん〜・・・これも中々美味ですね。しかもこんがり焼けて尚美味しいです。」
討伐された猿の災害級の肉を喰べてる。
アリス「ねぇ、それって美味しいの・・・?」
ローランド「僕とジェレミー様しか分からない味ですからね。皆さんは喰べないで下さいね?」
アリス・リン「喰べるか!」
ナージャ「・・・・・」
アリス「ん?ナージャ、どうかしたの?」
ナージャ「ちょっと少し頭痛が・・・でもすぐに治るよ。」
そして、クルト・エルス混合軍の方は。
トール「どうします殿下・・・?奴がもう一度此方へ来たら・・・」
リオ「その前に僕が水中に潜って彼奴を倒す?」
アウグスト「安心しろリオ。彼奴が陸に上がる事はもう無い。」
トール「え・・・!?な・・・何故です?」
リオ「何か策があるの?」
アウグスト「ああ。私がやる。下がって見てろ。」
トール「電撃の魔法・・・まさか殿下・・・!!」
電撃を落雷のように水中へ落とした。水中の中に潜むワニの災害級が電撃に苦しむ。
兵士F「な・・・!!ああっ!!水に電撃を伝わらせて・・・!!」
水には電気を伝わらせれる為、水中のワニの災害級がそれに耐え切れず討伐されてしまい、水面に死体が浮き上がった。
兵士F「で・・・電撃ちゅーか・・・完全に巨大な落雷やがな・・・!!一瞬でワニが黒焦げに・・・ホ・・・ホンマにこれが一国の王子の力かいな・・・!!雷の神・・・そう・・・丸で雷神の如き力・・・”雷神”・・・アウグスト=フォン=アールスハイド王太子殿下・・・!!」
アウグスト(これは・・・マズい流れ・・・!!)
雷神と呼ばれ、気不味くなったアウグストだった。
夏期合宿中・クロードの館にて。
メリダ『ほう!もう付与が済んだのかい!ユーリと言ったね。アンタ中々筋が良いよ!』
ユーリ『本当ですかぁ!?私、元々メリダ様に憧れてて、昔からずっと付与魔法の練習して来たんですぅ。』
ユリウス『ぬぅ・・・』
後ろでユリウスが悩んでる。
ユーリ『ウォルフォード君に会うまでは、付与に関しては誰にも負けないつもりで居たんですけどぉ・・・』
メリダ『ああ、あの子だったら物の数に入れる必要は無いよ。あの子の頭の中は私にだって理解不能だしね。』
シン『聞こえてるぞ!』
タクト『言えてるなメリダ様。』
メリダ『自身持ちな。アンタは才能があるよ。』
ユーリ『・・・!』
メリダ『アンタが望むなら、私のとっておきのを色々仕込んであげるけど、どうだい?』
ユーリ『是非〜〜〜〜!!お願いしますぅ!』
現在。クルト・エルス混合軍。
ユーリ「・・・・」
エドガー「それにしても・・・皆さん以前より更に魔法が洗練された印象を受けますな。」
アリス「あれからまたいっぱい訓練したもん!」
リン「血ヘド吐いた。」
デイジー「嘘言わないの。」
エドガー「はは・・・」
ナージャ「・・・・・」
ローランド「焼けた肉も美味ですね。」
焼けた魔物の肉を美味しそうに食べてる。
エドガー「ユーリ殿は・・・三国会談の時の騒動でも魔道具を使われていましたが・・・それらはやはり魔王殿が作製を?」
ナージャ「違うわ。ユーリが作った物よ。でしょ?」
ユーリ「えぇ。私達の合宿にメリダ様も同行して頂けてぇ、その時色々と教わったんですぅ。」
エドガー「ほう!成る程、導師様から!」
アリス「講義の後もユーリだけ残ってずっと教えて貰ってたよね〜。」
リン「あれはズルい。」
ナージャ「文句言わないの。」
アリス「でも〜。」
エドガー「”魔王”シン殿の魔道具を取り揃える商会の話は我が国にも伝わっていますからな・・・てっきりそう言った付与も彼がしたものとばかり。」
ローランド「ですが、メリダ様がシンさんに教えたのは基礎的な事だけだとメリダ様が仰っておりました。その後はシンさん自身が完全にオリジナルで魔道具を作ってるらしく。そのお陰でメリダ様も常に驚いておりました。」
エドガー「そうだったのですか・・・では導師様の技術は魔王殿ではなく、主にあなたに引き継がれていると・・・つまり現状・・・あなたが正式な”導師様の後継者”と言う事ですな!」
ローランド「メリダ様の後継者ですか。」
デイジー「良いじゃないそれ!」
ユーリ(
こうしてユーリに、導師様の後継者と二つ名を与えられた。
ユーリ「ええ〜〜!そんなぁ〜〜〜〜!!私なんてぇ〜〜〜〜!!うふふふふふふ!」
ナージャ「凄く照れてるね。」
リン「すっごい嬉しそう・・・」
アリス「ユーリだけズルい!私にも何か二つ名!!付けて下さいよ!!」
エドガー「ええーー・・・(ふ・・・二つ名のつもりで言った訳ではないのだが・・・)」
さっきの戦いを思い出しながら考えた。
エドガー「・・・せ・・・殲滅魔法・・・幼・・・あ、いや・・・少女・・・とか・・・」
アリス「そ、そ、そんあ二つ名欲しくな〜〜〜い!!」
エドガー「え・・・ええー、駄目ですか・・・」
アリス「つーか今、『幼女』て言いかけなかった?」
エドガー「は・・・!」
ナージャ「じゃあ、私に何か二つ名はあるかしら?」
ローランド「僕もお願い出来ますでしょうか?」
エドガー「ええー・・・そうですなぁ・・・ナージャ殿は・・・」
オブシディアンから溢れる光で力を与えたり、傷を癒す場面を思い出しながら考えた。
エドガー「こ、黒曜の女神・・・とか・・・」
ナージャ「黒曜の女神・・・何か良いわね。」
エドガー「それと、ローランド殿は・・・」
魔物化になって災害級を喰い荒す場面を思い出しながら考えた。
エドガー「
ローランド「
デイジー「響きが良いじゃない。ローランド。」
ローランド「ありがとうございます!」
アリス「もお!2人共ズルいよ!」
魔人領・東部。カーナン・エルス混合軍。
ガラン「ぬぅりゃ!!!!!」
養羊家のガランが仲間達と共に斧を振り下ろして魔物達を討伐してる。
ガラン「さーて魔物共・・・細切れになる覚悟があんなら掛かって来なぁ・・・」
彼の威圧に押された犬の魔物達が、一目散に逃げ出した。
ガラン「何だ、あの根性無し共が・・・」
兵士N「ホンマごっついわ・・・あれがカーナン養羊家かいな・・・正規軍の出る番無しやがな・・・」
兵士O「気合で魔物追っ払っちまったし・・・」
兵士P「もうどっちが獣だか・・・」
ガラン達の戦いに兵士達が少々引いてる。
馬車には、トニー、マーク、オリビア、ケイティ、ジェレミーが居た。
ジェレミー「もう終わったのか。早いもんだ。」
トニー「アレなら大型の魔物位までなら余裕でイケそうだねぇ。」
マーク「流石ッス!ガランさん。」
トニー「実戦は何よりの修行の場だ。僕らも負けてられないねぇ。マーク。」
マーク「・・・ウス。もう誰にも負ける気は無いッス!」
ケイティ「あ〜あ・・・」
トニー「ん?ケイティ、どうかしたのかい?」
オリビア「もしかして、出番無くて退屈なのですか?」
ケイティ「違う違う!何でローランドがここに居ないのよ!もふもふしたくて我慢出来ないのよ!」
ジェレミー「何時もの事か。合流するまで我慢するんだな。」
ケイティ「むぅ・・・」
トニー「マークはオリビアの事も守らなきゃいけないしねぇ?」
マーク「いやぁ・・・今じゃ俺とコイツの実力はどっこいどっこいだし別に・・・」
オリビア「何よ!?私は普通の街の食堂の娘なんだからね?守ってよ。」
マーク「雑談しながら魔物を討伐出来る女を普通とは言わねぇそ!」
ぎゃあぎゃあと2人が揉める。
トニー「良いねぇ。羨ましいよ。2人みたいな関係。」
ジェレミー「全くだ。ん?」
そこに1人の兵士が駆け寄って来た。
兵士Q「失礼します!!魔物が現れました!!と・・・討伐をお願いしても宜しいでしょうか!!」
トニー「出番みたいだねぇ。」
ケイティ「待ってました!!」
マーク「災害級ッスか?種類は?」
兵士Q「・・・し・・・鹿です!」
ケイティ「鹿!?」
トニー「えーと・・・確か大型までは軍の人達が対処するって・・・」
兵士Q「いえ!そ・・・それがその・・・と・・・兎に角一度見て頂ければ・・・」
ジェレミー「おいお前ら、ただの鹿じゃなさそうだ。」
マーク「え?」
巨大な影が現れた。
兵士R「や・・・や・・・ヤバい・・・!!」
兵士S「またアレが来るぞ・・・」
兵士達「に・・・逃げ・・・ぐああああああああ!!!!!」
ケイティ「っ!!」
トニー「マズいね!急ごう!」
ガラン「おぉい!何事だぁ!?」
マーク「ガランさん!!」
叫び声がした方へ向かう。
ジェレミー「っ!!」
ガラン「うおっ・・・これは・・・!!」
彼らが目にしたのは・・・
体長10メートルは超える巨大な鹿だった。
ガラン「鹿!?オイオイオイオイ・・・冗談みたいなサイズだな・・・!!」
マーク「あり得ないッス・・・こんなデカさ・・・」
ジェレミー「野生動物は魔物化すると体組織の変化から、徐々に巨大化する例があるんだ。けどあのデカさは限界を遥かに超えてやがるぜ。」
トニー「魔人側が何か施したとか思えないねぇ。」
ジェレミー「確かに、奴らならやりそうな手口だ。」
マーク「これを放置したら後の被害が計り知れないッス!討伐しましょう!」
ケイティ「ガランさん、これ使って。」
腰のポーチから傷薬を出した。
ケイティ「これで負傷者の手当てをやって。後で私達が治療するから。」
ガラン「お・・・おう!そりゃ良いが・・・な・・・何でこんなに黒焦げになってんだ・・・!?オイお前ら!何があった!?」
すると鹿の角に電気が溢れ出た。
ケイティ「角が青白く光ってる・・・これって電気!?」
ガラン「角に・・・帯電してんのか・・・!?」
鹿が首を振ると、辺り一面に雷撃が落ちた。だが彼らは間一髪避けれた。
マーク「・・・っ!!危なかったッス!!何スか今の!?」
トニー「こりゃあ、不意を突かれたねぇ・・・!」
オリビア「大気中の電気を角に纏わせて・・・魔力とブレンドさせて放ってるんだと思います。多分・・・」
ガラン「自然界の魔法ってトコか!」
すると鹿の角が青白くなった。
ジェレミー「来るぞ!」
顔に右手を翳すと、両目が青くなり、両手から長い爪を伸ばす。
ケイティ「トニー!」
剣とナイフを握る。
トニー「うん!!すぐ次が来る!!僕とケイティとジェレミーが突っ込むから、マークとオリビアは援護を!!」
マーク・オリビア「了解!!」
ケイティ「行っくよーーー!!!」
すると鹿が雷撃を発動した。
ジェレミー「おっと!!」
超高速で迫り、両手の爪で雷撃を斬り裂いた。
マーク・オリビア「はっ!!」
援護魔法を同時に放ち、鹿の足元に命中した。
ケイティ「トォッ!!」
3人が同時にジャンプした。
ガラン「相変わらず凄え威力だな・・・魔法とほぼ同スピードで突っ込むトニーとケイティとジェレミーの奴らも凄えが・・・」
マーク「何言ってんスかガランさん。4人の本気の速さはあんなもんじゃないッスよ!」
ガラン「!?」
トニー、ケイティ、ジェレミーが超高速でジャンプした。それと同時に鹿の右の前脚が切断されていた。
ガラン「なあぁっ!!い、何時の間にか鹿の脚が切れてやがる!?跳び上がる前に脚を切ったってのか・・・!?全く目で追えなかったぞ・・・!!」
ジェレミー「なぁ、此奴倒したら喰っても良いか?」
ケイティ「うん!」
鹿の角に電気が帯電し始めた。
トニー「っ!!」
だが、オリビアの炎で角が破壊された。
オリビア「これ以上電撃は使わせない!」
マーク「うぅらっ!!!!」
バイブレーションソードで左前脚を斬り落とした。
ケイティ「よいしょー!!!」
剣とナイフで左後ろ脚を斬り落とした。
ジェレミー「ドルァアア!!!」
右後ろ脚を噛み千切った。
ガラン(トニーが初撃直後に敵の注意を引き付け、その隙にマークとケイティとジェレミーが突く・・・!!オリビアもそれを理解してフォローを・・・!!個人の戦力としても凄ぇのに、しっかり連携も取れてやがる・・・!!)
トニー「流石に全部の脚を失って立ってる事は出来ないよねぇ!」
バイブレーションソードに風魔法を収束させて、鹿の魔物の頭部を斬り落として討伐した。
ケイティ「やったー!倒したー!」
マーク「お疲れッス、トニーさん!斬撃に風の魔法を乗せる事で間合いが倍位に伸びてるッスね。」
ジェレミー「大したもんだ。」
トニー「色々研究中だよ。2人もナイスフォロー。」
ガラン「・・・言葉もねぇや・・・あの鹿の化け物をこうもあっさり・・・」
兵士S「ア・・・アルティメット・マジシャンズが居なければ・・・下手したら我々はここで全滅してたんじゃ・・・」
兵士T「はは・・・」
トニー「ねぇジェレミー、それ美味しいの?」
ジェレミー「んあ?」
討伐した鹿の魔物の肉をもぐもぐ喰ってる。
ジェレミー「此奴中々の美味だぜ?お前らは喰うなよ?」
マーク「いや食べれないッスよ・・・」
ガラン「剣と魔法を同時に扱う・・・宛ら物語の中に登場する”魔剣士”だな。お前さんは。」
トニー「ま、魔剣士!?僕が!?」
羊飼い「相応しい称号だと思うぜ。」
兵士T「魔剣士トニー=フレイド殿・・・か。」
マーク「確かに『剣の使い手』ってイメージはウォルフォード君より、トニーさんの方が強いッスね。」
トニー「・・・いやまあ・・・嬉しくはあるけど・・・やっぱ少し恥ずかしいよねぇ。」
ケイティ「あ〜あ・・・ローランドもふもふしたぁ〜い・・・」
ジェレミー「我慢しろ。合流すれば人一倍もふもふしてやっても良いぞ。」
ケイティ「・・・でも我慢出来ない!!こうなったら・・・それ!!」
オリビア「え?」
ケイティがオリビアに飛び込んでギューっと抱き締めた。
オリビア「ひゃっ!?」
ケイティ「やっぱりオリビアのもふもふもサイコーね!!」
オリビア「ケ、ケイティさん!!またですか!?」
ケイティ「お願いオリビア!ローランドと合流するまでもふもふさせてよ〜!もふもふ〜♪」
オリビア「ひゃああああああ・・・・!!!」
マーク「あ、あの・・・ケイティさん・・・」
ケイティ「マーク!私がオリビアをもふもふするのを邪魔しちゃダメだよ!もふもふもふもふ〜♪」
オリビア「ひゃああああああ・・・・!!!マーク!ジェレミーさん!助けて下さ〜い!」
ジェレミー「オリビア、ローランド合流まで辛抱だ。」
オリビア「そんなぁ・・・・!」
マーク「オリビア・・・・ごめん・・・」
トニー「あはは・・・仲良いね。さぁ、それより先に進みましょう。本当の敵はまだまだ先に居るんですから。」
兵士S「本当の敵・・・魔人か・・・魔物より・・・災害級よりも恐ろしい存在・・・」
兵士T「災害級にすら太刀打ち出来ない我々が・・・一体何処まで戦力になれるのか・・・正直・・・足取りが重いな・・・」
こうしてトニーに、魔剣士の二つ名を得た。
別の場所では、5人の謎の姉妹が魔物を討伐していた。
???「此奴等しつこいよ!」
???「ハンナ!後ろ!」
ハンナ「キャッ!!」
???「テッサ!右!」
テッサ「よっ!」
???「カーラ!まだ来るぞ!」
カーラ「まだ来るの!?」
ハンナ「ウェンディお姉ちゃん!イルゼお姉ちゃん!そっち行った!」
イルゼ「これで何体目なの!?」
ウェンディ「ざっと100体は超えてる!」
魔人領・北東部にある砦。
ヒース「人間達は多方面から帝都に向かって進軍を続けるつもりらしく、今の所足取りは順調。このまま行けば数日でクルト方面辺りから出発した部隊がこの砦を発見するはずだ。さて、どうする諸君。」
サイード「そのクルト軍の中に例の連中は居んのかよ。あー・・・と、何つったっけ。」
ヒース「ああ、アルティマか。デカい魔力が幾つかあったが、恐らく・・・としか言えねーな。奴らの索敵に引っ掛からない遠目からの死人が限度だったんでな。」
サイード「何だそれ、意味ねぇじゃねーか。そこが一番重要事項だろ。」
ヒース「文句あんなら次はてめーが行けよ。尻尾掴まれて、ここまで敵を連れて来ねーように精々気を付けてな。」
サイード「何だとてめぇ!」
ラドリー「止めろ。仲間内で争ってる時か。」
サイード「仲間?勘違いすんなよラドリー。俺らがつるんでんのは、飽く迄
ラドリー「それぞれの目的が何だろうが、今この状況を切り抜ける事が最優先な事に違いは無いだろう。人間達の包囲網を抜けた後はお前の好きにしろ。サイード。」
サイード「ちっ。」
そこに報せが入った。
離反魔人「おい!客だぞ。それも団体だ。」
ヒース「あ?」
砦に入って来た客とは、魔人達だった。
魔人A「オイオイ何だよこのチンケな砦はよぉ。城でも用意してんのかと思ったぜ。」
魔人B「本当にここに居りゃ、
ヒース「ありゃ、帝都の城に居た平民魔人共の生き残りだろ。何だってこんな所に集まって来てんだよ。」
ラドリー「さあな。ゼストって男が誘導して来た事に違いは無いだろうな。(どう言うつもりだ、あの男・・・)」
離反魔人A「ウゼーなぁ、俺の方が砦に出たくなってきたぜ。」
離反魔人B「どの道、今回の件が終わればすぐ出られるさ。」
サイード「・・・・」
魔人A「よう、お前らだろ?ここを寝ぐらにしてる連中ってのは。しばらく世話になるぜ。」
魔人B「早速だけど、何か食いモンねーか?後酒もよ。」
そんな魔人共にヒースは苛立ってる。
魔人C「共に帝国を滅ぼした仲だろぉ〜〜〜〜。仲良くしようぜェ。」
ヒース「戦力になんのか?此奴ら。」
ラドリー「噂じゃ、二度程アルティマの連中に負けて逃げ帰ってんだろ。」
ヒース「何か、ここに避難して来たみたいな口振りだし。」
ラドリー「腐っても魔人だ。普通の人間程度なら問題無く戦えるだろう。」
ヒース「哀れな連中だねぇ。魔人になる前もなった後も、結局流されるだけの人生か。」
アメリア「アホらし。ちょっと外の空気吸って来る。」
外に行こうとするアメリアに、2人の魔人が。
魔人D「おい。」
魔人E「ああ。」
2人がアメリアにナンパする。
魔人D「ようネェちゃん。今から俺らと一緒に遊ぼうぜェ。」
魔人E「丁度俺らも外行こうと思ってたんだよ。」
アメリア「・・・良いよ。私も色々
2人の魔人と一緒に外に出て、森林に入った。
魔人D「なあ、もうこの辺で良いだろう。何処まで・・・」
アメリア「アンタら、何しにこの砦まで来た訳?」
魔人D「あ?ああ・・・人間共が総力上げてこっちに攻め込んで来てんだろ?」
魔人E「アルティメット・・・何とかって連中は帝都の方で引き付けるから、こっちにもし人間共が来たら応戦してくれって話だ。」
アメリア(・・・どうもやっぱり、話が色々と可笑しいよねぇ・・・)
魔人D「さぁ、もう良いだろ?こんな時だ。楽しめる時は楽しまなきゃ・・・」
彼女に触れてヤろうとしたその時。
左腕が斬り落とされた。
魔人D「あ?あ”ぁあああああ!!!!な・・・・う・・・・腕が・・・・何で・・・・!!!!」
アメリア「ん?どしたの?自慢の
魔人D「てっ・・・てめぇがやったのか!!この野郎!!!!」
今度は身体中がバラバラに斬り落とされた。
アメリア「最も・・・私に触れる時、まだ腕が残ってんならね。」
魔人E「なっ・・・一体何しやがっ・・・」
彼女は、魔力で生成した目に見えない針金の魔法でもう1人の魔人を斬り落とした。
アメリア「雑魚の上に下衆とか、救いないよアンタら。私はラドリーやヒース程辛抱強くないからさぁ、溜まってんのよねぇ・・・
彼女が溜まっているのはストレスだった。
アメリア「大国で踏ん反り返ってる連中にすぐにでも目にもの見せてやりたいのにさぁ。軍の精鋭だろうとアルティマだろうと、バラバラに斬り刻んで返り討ちにしてやるわ。」
無残に魔人をバラバラにしたアメリアを、1人の男が崖の上から見ていた。
謎の男「派手にやってるな。」
ジャンプして崖を飛び降りる。
ダーム・イース混合軍のテント。タクトのパディブレスで通信してる。
シン「雷神?それがオーグに付けられた二つ名なの!?」
アウグスト『お前ら・・・何でわざわざ報告するんだ・・・』
リオ『いやぁ〜、何か面白いから。』
アウグスト『面白くもあるか・・・!!』
シン「何だよそれ、随分格好良いじゃないか。」
タクト「オーグにピッタリだ。」
アウグスト『・・・てっきりからかわれるかと思ったが・・・』
マリア「何でですか!良いじゃないですか格好良くて!私も”風神”とかの方が良かったです!”戦乙女”って・・・私は何時まで乙女で居れば良いのよ・・・!!」
シン(あ、
タクト「それで、他の皆に何か二つ名は付いたのか?」
魔剣士トニー=フレイド
導師の後継者ユーリ=カールトン
黒曜の女神ナージャ=オブシディアン
殲滅魔法少女アリス=コーナー
アリス『ちょっと待てえぇぇぇ!!!私のは二つ名じゃな〜〜〜〜〜〜い!!!!!』
デイジー『良いじゃない。似合ってそう。』
アリス『似合わないよ!』
ユーリ『ウフフ・・・導師の後継者。ウフフフフフフフ。』
シン「いや・・・ユーリは一応後で婆ちゃんに確認しとこうな。」
ジェレミー『ローランド、お前の二つ名中々だぞ。』
リオ『うんうん。』
ローランド『光栄です!ジェレミー様!』
ケイティ『ねぇローランド!!会ったら人一倍もふもふさせてよ〜!!』
ローランド『うわっ!!びっくりしたぁ・・・』
シン「気になるのはやっぱり・・・各地に現れた『異常な災害級』の存在だよなぁ・・・」
タクト「まさかお前らの方にも出現したとは・・・俺の予感が当たったな・・・」
アウグスト『アールスハイド王国軍からの報告によると、向こうにも出現したらしいぞ。犠牲は出てしまったが、どうやら討伐には成功したらしい。』
マリア「で・・・殿下!!!」
タクト「おわっ!?」
マリア「その犠牲者の中に・・・まさか学生は居ませんでしたよね!?」
アウグスト『各国軍とも既に犠牲は出てしまっているが・・・何れも軍に在籍する者達だと言う事だ。お前の友人のミランダ=ウォーレスは無事だぞ、メッシーナ。』
マリア「・・・!知ってたんですか・・・」
アウグスト『無事所か、彼女の機転のお陰で災害級を討伐出来たそうだ。お前にも伝えておいてくれと、ドミニクから頼まれたぞ。』
マリア「・・・あの子ったら、きっと無茶したのね・・・」
シン「ミランダって確か・・・」
タクト「合同訓練の時で一緒になった騎士学院生の子だ。今はマリアと仲睦まじくなってる。」
シン「何時の間に・・・」
マーク『まあでも、各国とも災害級を討伐出来て良かったッス。けど・・・』
トール『ここは魔人領。今更何が出て来ても自分達は驚きはしませんが・・・』
アウグスト『・・・ああ。』
タクト「
シン「オーグ、話は変わるが。その災害級や犠牲者の事も含め、軍の人達の様子は今どうだ?」
アウグスト『・・・どう・・・とは?』
シン「この作戦・・・この先も大丈夫だと思うか?」
アウグスト『・・・ああ・・・恐らくは・・・な。』
シン(お前ならもう気付いているはずだろ、オーグ。今の所順調に見えるが、この先・・・想定出来る最悪の事態がもし幾つか重なってしまった場合・・・容易く作戦の全てが瓦解してしまう可能性に・・・)
アリス『あ、そうだ!ナージャが何か言いたいって言ってたよ!』
全員「?」
タクト「どうしたナージャ?」
ナージャ『皆、私・・・災害級を見た瞬間に頭痛がしたの・・・』
アウグスト『頭痛だと?』
ナージャ『何で頭痛がしたか分からないの・・・でも何か不吉な予感がすると思うの・・・』
シン(ナージャが災害級を見て頭痛?そんな事今まで無かったようだが・・・)
テントを出た4人。
タクト「グレア、また見張っててくれ。」
グレア「任せて!」
周囲を見張りに行った。
シン「日を追う毎に少しずつ
タクト「きっと・・・亡くなった兵士達の家族も悲しんでるだろうな・・・」
シシリー「シン君・・・タクト君・・・」
タクト・シン「・・・・」
シシリー「この作戦が始まる少し前に・・・お姉様達が帰省して来たんです。」
タクト「セシリアさん達が・・・!?」
シシリー「これで・・・最後になるかも知れないからって・・・お姉様達が覚悟してました。国を守る軍人の一人として、命を懸けて戦う事を・・・誉に思うと・・・」
シン「・・・」
シシリー「シン君とタクト君や私達だけでなく、きっと誰もが自分達の力でこの危機を乗り越えたいと思っているはずです・・・その為の犠牲は・・・本人も・・・その家族も・・・覚悟の上だと思います・・・だから・・・シン君が・・・気に病む必要は・・・」
涙を流すシシリーを、シンが優しく自分に寄せた。
シン「・・・ありがとうシシリー。・・・終わらせよう。一刻も早くこの作戦を。」
タクト「ああ。これ以上の犠牲を止める為にな。」
シシリー「・・・はい・・・えへ、ダメですね・・・私・・・シン君やタクト君を励まそうとしたのに・・・お・・・お姉様達の事を想像したら・・・自分で落ち込んじゃって・・・」
タクト「いや、それでもシシリーは俺達を励ましてくれてる。だから気にするな。俺がお前達の最後の希望だ。」
シシリー「はい・・・」
その2日後。タクト達の想いを他所に、1つの驚くべき報告が齎される事になった。クルト方面の連合軍が、魔人の拠点と思われる砦を発見したのだ。
それをすぐにドミニクへ報せる。
兵士「局長!!情報処理隊から緊急の報告です!!」
ドミニク「何だこんな早朝に・・・また災害級でも出たか・・・?」
起きたドミニクに魔人の拠点の発見を報告。
ドミニク「・・・!!魔人の拠点を発見しただと・・・!?」
魔人領・北西部の砦付近。クルト・エルス混合軍の野営地。
トール「間違いありませんね。このまま街道をしばらく進んだ先にある砦に、数十体の魔人が居ます。」
アウグスト「シュトロームやその配下の魔人達の姿は確認出来たか?」
トール「自分とユリウスとアラタ殿で慎重に索敵を続けましたが・・・残念ながら目視出来る場所に魔人は現れませんでした。」
アウグスト「・・・部隊長。悪いが少し人払いを。」
ベーカー「はっ。」
部隊長のベーカーに頼んで人払いさせた。アウグストは異空間収納から無線通信機を取り出した。
アウグスト「全員聞いているな?
アリス『でも殿下、魔人が複数居る以上、
アウグスト「本来なら避けたい所だが、魔人を取り逃さず包囲する名目で連合を組織した以上、魔人の拠点を発見したのに『各国軍がその場で待機』と言う訳には行かないだろう。それに、我々が不在時に先日のような災害級に軍が襲撃されてみろ。その被害は計り知れん。」
トニー『どっちにしろ
ダーム・イース混合軍。
マリア「軍が1箇所に向かうって事は、その分他の隙が出来るって事だもんね・・・」
アウグスト『その我々が隙を突いて、シュトローム達がコソコソ動くと言うのか?魔人共がそんな逃げの一手を取ると?』
シン「・・・あり得ないな。絶対に。」
たか「だな。そもそも逃げるつもりなら、半年の間にとっくに逃げてるはずだ。彼奴がこの魔人領から動こうとしないのには何か理由があるはず。それにもしこの拠点が・・・・・」
アウグスト『・・・どうした?』
タクト「いや、何でも無い。」
アウグスト『兎も角、此方で一度落ち合おう。以上だ。』
タクト「・・・OK。」
シン(分かっていながら、誰もその可能性を口にしないのは・・・その後に起こり得る問題を無意識に見まいとしているからだろう・・・)
兵士「失礼します!長官が今後の確認をしたいと。」
タクト「長官が?」
4人はラルフ達が居るテントへ。
ラルフ「真面に話をするのはこれが初めてですな。
シン「・・・どうも。報告が来ていると思いますが、各国軍共、これからクルト方面へ向かう事になります。(この人は俺の事を”御使い様”とか言わないんだな。)」
タクト(ラルフ=ポートマン・・・)
リチャード『無関係な話だが、ダーム王国とイース神聖国には”聖女”や”神の御使い”の容認派と否定派に分かれているんだ。』
レイチェル『否定派の中には、シンさんとシシリーさんを殺そうと企む者が居る可能性があります。』
リチャード『私達が知ってる時点だと、ラルフ=ポートマンだ。』
タクト「・・・」
イース指揮官「問題はクルトから最も距離のあるアールスハイド軍ですね。アルティメット・マジシャンズの同行が無い以上、状況によって到着前に戦闘を開始する事も視野に入れては?」
シン「迅速に事態を終結させる意味でも、その方が良いでしょうね。被害を最小限に抑える為、魔人は俺達だけで相手します。連合軍は1体の魔人も逃さないよう、徹底した包囲をお願いします。」
その言葉でラルフに怒りが。
ラルフ「それは、我々ではどうやっても魔人は討伐出来ないと。そう言っておられるのか?」
タクト「・・・」
シン「?」
シシリー・マリア「・・・・?」
イース指揮官「・・・・」
タクト「待てよ。シンは軍の力を見縊る奴じゃねぇ。スイードの一件からも各国軍だけで魔人の対処が出来るとは思えないって言ってるだけだ。」
シン「そうです。俺達だけで魔人の討伐に当たるのは、これまでの実績を踏まえて決定された事項だったはずでは?」
ラルフ「・・・フン!傲慢な事だ!」
愚痴を言ってテントから出て行った。
マリア「ちょっと何アレ!?」
シシリー「シン君にあんな態度・・・酷いです!!」
タクト「・・・・」
シン「俺・・・何かマズい事言いました?」
イース指揮官「いえ・・・特には・・・どうしたのでしょうね・・・普段の彼らしくもない・・・」
そんな中、ダーム王国軍の副官が
副官「も・・・申し訳ございません!!長官の非礼・・・代わってお詫びします!!!」
シン「えーと・・・あなたは・・・」
副官「ダーム王国軍の副官です。長官は・・・本来あのような事を仰る方ではないのですが・・・非常に申し上げ難いのですが・・・長官は・・・」
タクト「否定派。だろ?」
シン・シシリー・マリア「?」
副官「・・・はい。教皇猊下がお決めになられたシン様の”御使い”の名や・・・シシリー様の”聖女”の呼び名に納得が行かないようなのです・・・」
シシリー・マリア「・・・・」
シン(ホラ見ろ、言わんこっちゃない・・・)
タクト(人一倍の否定派か。)
副官「魔人の討伐は1体でも大きな功績です・・・今の長官は・・・恐らくそれをアルティメット・マジシャンズに独占されるのが・・・悔しいのではないかと・・・」
マリア「何よそれ!?この世界の危機に何考えてんの!?」
イース指揮官「誰もが力を合わせるべき時に・・・嘆かわしい・・・」
タクト「魔人を討伐して手柄を取りたいって言う欲か。」
副官「どうか、寛大な心でお許し頂きたい・・・作戦決行に支障が出ぬよう、私も長官を説得しますので・・・」
タクト「気にするな。何かあったら俺が何とかする。」
副官「・・・・ありがとうございます。で・・・では、失礼致します。」
彼もテントから出て行った。
タクト(リチャード・・・厄介な事が一つ増えちまったぜ・・・)
クルト・エルス混合軍。
リオ「いよいよ本拠地突入が近付くね。けど・・・」
ユリウス「兵の疲労も少しずつ見えて来たで御座るな・・・」
トール「精神面も同様でしょう。ただでさえ緊張を解く事が許されない魔人領と言うこの場所・・・加えて襲って来るのは、見た事もないような化け物達・・・少しずつ倒れて居なくなって行く仲間・・・不満や不安は溜まって当然の状況ですから。」
アウグスト「まさしくそれが、シンの懸念していた事だろう。例えそのような状況だろうと、敵が現れれば剣を取って前へ進まねばならん。不安を払い、重い足を引き摺り、仮に最終目的地に辿り着いたとしても・・・そこで待つのは、それまでの化け物すら従えるような更に上を行く怪物共。時間を掛ける程、道程が遠のく程、包囲網は削られ薄くなって行く。」
リオ「まさにスピード勝負だね。」
アウグスト(こう言っては何だが・・・理想は何事もなく帝都に辿り着き、そこで全て片付ける事だった。だが、こうして道程の途中で拠点を見付けた以上、それはもう仕方無い。問題は発見した砦にシュトロームが居なかった場合、即ち・・・それが魔人達の拠点の一つに過ぎなかった時・・・)
狩野翔
石谷春貴
安田陸矢
佐久間元輝
田所陽向
橘龍丸
遂に魔人領が目の前に見えた。シシリーはタクトから彼の過去を聞いた。その裏で、ラルフ=ポートマンが予想だにしない行動に移ってしまった。