ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS   作:naogran

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魔人領攻略前編=攻略始動=
離反魔人 登場



第23話「魔人領攻略前編=攻略始動=」

ダーム・イース混合軍は、他の混合軍との合流へ向かう。

 

シン「急げば2日位でクルト王国軍に合流出来るってさ。」

 

タクト「その間に襲撃が無ければ幸いだけどな。」

 

マリア「発見した砦に、シュトロームやクルトで戦った連中は居るのかしら?」

 

タクト「どうだろうな・・・」

 

シン(どちらにせよ、そこでの戦いがこの作戦の1つのポイントになりそうだ。)

 

マリア「っ!」

 

シシリー「どうしたのマリア?」

 

マリア「街だわ・・・!」

 

見付けたのは、廃墟と化した街だった。

 

タクト「酷えなぁ・・・」

 

マリア「当たり前だけど・・・人一人居ないわね・・・」

 

シシリー「こんな小さな街まで・・・襲撃に遭って、残らず全滅させられてしまったんですね・・・」

 

マリア「っ?」

 

彼女の目に映ったのは、左足が失くなった少女のぬいぐるみ。

 

マリア「・・・・!」

 

タクト「っ。」

 

グレア「・・・」

 

そして彼の目に映ったのは、白骨化した遺体達だった。

 

タクト「災害級や魔人に襲われた者達が無残に遺されてる・・・殆どは喰われてしまったようだ・・・」

 

マリア「私には・・・理解出来ない・・・魔人って言ったって・・・少し前まで私達と同じ人間だったはずでしょ・・・それが何で『魔人になった』って言うだけで・・・ここまで非情になれるの・・・!?例え命令だったとしても・・・どうして・・・小さな子供や、罪の無い人達まで・・・!」

 

タクト「マリア、お前の言ってる言葉、俺達も理解している。」

 

シン「俺だって、魔人=悪だなんて、安直に決め付ける気は無かったけど・・・こんな光景を見せられたら・・・そんな事も言ってられないよな・・・」

 

タクト「あぁ。戦争や反乱・・・更に革命行為とは真逆。正義の元で行われている訳じゃない。完全な虐殺行為だ。奴らは自らの意志で、本当の意味での、人類の敵となる道を選んでしまったんだ。」

 

 

 

 

同じ頃ラルフの乗ってる馬車では。

 

ラルフ「・・・・・」

 

 

 

 

タクト『待てよ。シンは軍の力を見縊る奴じゃねぇ。スイードの一件からも各国軍だけで魔人の対処が出来るとは思えないって言ってるだけだ。』

 

シン『そうです。俺達だけで魔人の討伐に当たるのは、これまでの実績を踏まえて決定された事項だったはずでは?』

 

 

 

 

ラルフ「調子に乗った若造共が・・・!(しかし・・・どうする・・・?このままでは連合軍が集結し、次第に奴らが一気に魔人共を殲滅してしまう・・・それでは奴らの二つ名の撤回所か、ますます名声が確かなもに・・・どうする・・・)」

 

彼は此方を見ているエミールに目を向けた。

 

ラルフ(・・・そうか!簡単な事ではないか!奴らより先に戦功を挙げれば良いのだ!)

 

不敵に笑うラルフに対し、副官は。

 

副官「・・・」

 

チラッとエミールを見る。

 

副官「あの・・・失礼ですが・・・そちらは・・・何処の所属の・・・」

 

エミール「・・・長官。」

 

ラルフ「彼は今回の為に、他国から派遣された作戦参謀だろう。今更何を言っている?」

 

副官(・・・!?不審がる者も特に居ない・・・私だけ知らされていなかった・・・のか・・・?)

 

エミール(ふっくっくっくっ・・・御し易い御し易い。欲に強い者、迷うのある者、意志の弱い者、衝動で動く者、手に取るように洗脳が出来る。)

 

実は副官を除いた全員が、このエミールに洗脳されていたのだった。

 

エミール(さぁ、奴は一体何を仕出かしてくれるかな?人間よ、シン=ウォルフォードよ、タクト=クリスティよ。精々恐れ慄け。慌てふためけ。シュトローム様を楽しませる駒として、我々魔人の手の上で舞い踊るが良い!)

 

 

 

 

その近くに、1人の男が潜んでいた。

 

男「・・・・・」

 

彼は茂みに隠れながら進む。

 

 

 

 

 

 

2日後。

 

マーク「あ!来たッスよ!」

 

漸く、ダーム・イース混合軍と合流。

 

アウグスト「ダーム王国軍到着か。久し振りだなシン、タクト。」

 

シン「あぁ。皆取り敢えず無事で何よりだな。」

 

タクト「相当大変だったそうだな。」

 

リオ「うん。大きいワニの災害級が襲って来たんだ。」

 

ジェレミー「こっちはでかい鹿の災害級だ。そのお陰で良い肉が手に入った。」

 

異空間収納から鹿の災害級の肉を取り出した。

 

タクト「相変わらず抜け目無ぇなジェレミー・・・ん?どうしたオリビア?何かぐったりしてるが。」

 

オリビア「あ・・・あのぉ・・・」

 

ケイティ「もうオリビアったら凄くもふもふなんだよ?ローランドが居ない間にもふもふしたのよ〜♪」

 

タクト「またオリビアをもふもふしただと・・・?」

 

ケイティ「ねぇオリビア!また今度ローランドと一緒にもふもふさせてね!」

 

オリビア「も・・・もう止めて下さい〜・・・」

 

タクト「オリビア、すまないな。」

 

シン「っで、アリス達は?」

 

マーク「明日には到着する見込みみたいッスよ。」

 

アウグスト「移動の休息や、軍との細かな連携の確認に1日程掛かるとして、恐らくその直後、砦に攻撃を仕掛ける事になる。砦はここからしばらく行った先の山間だ。お前達も後で現場を確認しておいてくれ。」

 

グレア「OK。」

 

シン「連合軍の動きは勘付かれてないか?」

 

アウグスト「五分五分だな。奴ら一度も砦の外に出ないから何とも言えん。物資の調達等どうしているんだか・・・」

 

シン「まあ包囲して叩くだけだから。極論、バレてもあまり関係無いと言えば関係無いか・・・」

 

 

 

 

翌日の昼頃に、アリス達スイード王国軍も合流した。

 

ケイティ「ローランドーーーーー!!!」

 

ローランド「うわああああ!?」

 

ケイティ「ずっと会いたかったよぉ〜!!!もふもふもふもふもふもふもふもふ〜♪」

 

ローランド「ケ・・・ケイティさーーーーん!!止めて下さいーーーー!!」

 

ジェレミー「諦めろローランド。ケイティに思う存分もふもふさせてやれ。」

 

ローランド「そ、そんなぁ〜〜〜〜!!!!」

 

デイジー「あはは・・・」

 

ナージャ「・・・・・」

 

シン「ナージャ、大丈夫?」

 

ナージャ「え、えぇ・・・」

 

マリア「大丈夫?まだ頭痛する?」

 

ナージャ「でも少しすれば大丈夫だから・・・」

 

ユーリ「ナージャ、あの日からずっとこうなのよぉ。」

 

リオ「とても辛そう。」

 

タクト「あの災害級達と何か関係がありそうだな。それも少しずつ調べる必要があるな。」

 

 

 

 

作戦開始まで少しの間は、各自体を休める事になった。

 

兵士「此方が、アルティメット・マジシャンズの皆様で御利用になれる天幕になります。男女別で御用意出来ております。」

 

マーク「おお!広い!」

 

シン(これだけの広さがあれば・・・)

 

アリス「どうしたのシン君?」

 

シン「いや〜、他の兵士さん達にはちょっと悪いけど、実働部隊は俺達だけだから、ちょっと贅沢させて貰おうかなって。」

 

アリス「??」

 

 

 

 

そして彼が用意したのは、高級なベッドである。

 

マーク「や・・・野営にベッド!?ウォルフォード君が用意したんスか!?」

 

シン「ああ。異空間収納でね。ちょっと野戦病院っぽいけど・・・」

 

アウグスト「不自然この上無いな。」

 

タクト「何だこのミスマッチ感・・・」

 

シシリー「シン君、この寝具って・・・」

 

シン「ああ。家で使ってるのと同じ奴だよ。」

 

シシリー「わあ!」

 

マリア「え?何?何か特別なものなの?」

 

アリス「きゃあああ!!凄ぉい!何この布団!下も上もフワッフワでフッカフカ!!」

 

ケイティ「本当だ!!凄く気持ち良いよ!!」

 

タクト「あ、俺の使ってる奴と同じだ。」

 

リオ「ベッドが寝心地が良い〜!」

 

マリア「本当だ、凄く柔らかい・・・何なのこの素材・・・」

 

シン(フッフッフッ。この世界の寝具は羊毛メインだからな。俺が密かに自宅で俺とタクトに開発した羽毛布団と、木の皮を利用した低反発マットレスの威力を思い知るが良い!)

 

ユーリ「これならあっと言う間に熟睡出来そうねぇ♡疲れもすぐ取れそう♡」

 

アリス・リオ「くー・・・」

 

リン「アリスとリオもう寝てる。」

 

デイジー「疲れてるんでしょうから、寝かせてあげなさい。」

 

アウグスト「準備が良いと言うか何と言うか・・・」

 

シン「はは。使う機会があって良かったよ。」

 

ジェレミー「ローランド、お前はナージャと一緒に寝てくれ。彼女の気分を少しでも和らげろ。」

 

ローランド「分かりました。ナージャさん、ご一緒に。」

 

ナージャ「ありがとうローランド・・・」

 

シン(魔人とまだ相対するんだ。皆きっと表に出さなくてもプレッシャーを感じてる。少しでもそれを和らげられればと思って用意したけど、喜んで貰えたようで良かったな。)

 

 

 

 

 

 

その夜、アルティメット・マジシャンズが熟睡していると。

 

シシリー「・・・っ?」

 

1人だけ起きたシシリー。

 

シシリー「・・・ん?」

 

だが、その中にタクトは居なかった。

 

 

 

 

毛布を羽織って天幕を出ると、タクトは地面に座って星空を見上げていた。シシリーはタクトへ歩み寄る。

 

シシリー「タクト君。」

 

タクト「シシリーか。眠れないのか?」

 

シシリー「いえ、先程起きちゃって・・・タクト君も?」

 

タクト「いや、眠れる気配すら無い。」

 

シシリー「・・・あの、良かったら少しお話でも。」

 

タクト「良いのか?」

 

 

 

 

 

 

近くの森の中。

 

男「あれが合流地点か。ん?」

 

天幕からラルフ達が出て行く様子が見えた。

 

男「彼奴ら、こんな時間に何処へ・・・?」

 

誰も居ない事を確認し、天幕へ入る。

 

男「っ!?おい!」

 

その中に、血を流して倒れている人物を発見した。

 

男「おい!しっかりしろ!どうしたんだ!?」

 

その人物は、ダーム王国の副官だった。

 

男(この男・・・ダームの副官か・・・!?まさか・・・彼奴が!?)

 

 

 

 

 

 

一方、タクトの隣にシシリーが座っている。

 

タクト「俺とシシリーだけの話って、新鮮だな。」

 

シシリー「フフッ、そうですね。」

 

タクト「シシリー、魔人領攻略は間近に迫ってるけど、何か不安とかあるか?」

 

シシリー「・・・少しだけありますよ。でもシン君や皆さんと一緒なら怖くないかなって今でも思っておりますし。タクト君は?」

 

タクト「俺は不安より・・・恨みが人一倍あるな。」

 

シシリー「恨み?」

 

タクト「皆には話してないけど、シシリーにだけ話してやる。俺はシンに出会う5ヶ月前、フェオン達と共にブルースフィア帝国へ訪れた事があるんだ。」

 

シシリー「え・・・?」

 

タクト「俺はそこで、その国の残酷さや無慈悲さを、隅から隅まで見渡し続けたんだ。飢えていて、苦しんで、挙句の果てに殺し合って、殺した人間を喰うと言う光景を目にしたんだ。」

 

シシリー「・・・・・」

 

タクト「俺達は密かに帝国の平民達に食糧とか与え続けたんだ。肉や野菜や菓子などを与え続けたんだ。皆は凄く喜んでくれたんだ。皆は俺達の事を『救いの神』と讃えてくれたんだ。」

 

シシリー「それって、タクト君とフェオンさん達の二つ名の一つですか?」

 

タクト「いやいや。・・・だけど、俺は貴族達から危険視されたんだ。」

 

シシリー「え?」

 

タクト「貴族達は平民達に食糧を与えてくれる俺達を、強制的に指名手配したんだ。それも懸賞金は肉1年分だった。」

 

シシリー「・・・!?」

 

タクト「俺は貴族達に色々反発したんだ。そしたら奴等は『平民達は貴族の糧として生きるのは当たり前』、『平民達に食糧を与えているお前は我々に対する死神』だとほざいたんだ。」

 

シシリー「どうして貴族がそんな考えを・・・?」

 

タクト「貴族は貴族らしく、平民達を従い奴隷として命令するってのが彼奴等の考えなんだ。逆らった者は無条件で殺すと多々ある。」

 

シシリー「酷い・・・」

 

タクト「俺はそいつ等を許さなかった・・・平民達の中には俺を捕まて肉を欲する奴等も多かった。俺は必死に奴等から逃げ続けると、1人の男に助けられて、地下へ逃げ延びたんだ。その地下にあったのは、貴族達に対抗するレジスタンスの隠れ家だったんだ。」

 

シシリー「レジスタンス・・・」

 

タクト「そのレジスタンスの中に、まだ幼い子供達が居たんだ。俺はその中でラスティーって言う男と出会ったんだ。彼は両親と共にレジスタンスに参加していて、勇敢な奴だった。周りからとても信頼されていたんだ。俺達はそのレジスタンスに参加して、貴族達と戦ったんだ。」

 

シシリー「そうだったんですね。」

 

タクト「けど・・・」

 

シシリー「?」

 

タクト「隠れ家が明るみに出てしまったんだ。」

 

シシリー「え?隠れ家なのに・・・どうして!?」

 

タクト「裏切り者が居たんだ。そいつは貴族達に『情報を教えてくれたら食糧を与えてやる』と買収され、隠れ家を教えてしまったんだ。貴族達は隠れ家を壊し、必死に抵抗するレジスタンスを次々と容赦なく皆殺しにしたんだ。中には子供達まで居た・・・」

 

シシリー「・・・・・」

 

あまりの衝撃で、シシリーは言葉に出来なかった。

 

タクト「生き残ったのは、俺達とラスティーだけだった。そこで俺は皇帝ヘラルド=フォン=ブルースフィアと対面した。奴は非情で残酷で、俺の目の前で平民達を次々と殺したんだ。更にはラスティーを人質にしたんだ。俺は怒りを爆発させて。」

 

異空間収納からスパークレンスを出した。

 

タクト「ティガに変身して、ラスティーを人質にした兵士達や貴族達を殺し、更にはヘラルドの右目を潰したんだ。解放されたラスティーと共にブルースフィアから逃げ出したんだ。」

 

シシリー「そうだったんですね・・・・タクト君も人殺しを経験したんですね・・・・」

 

タクト「俺は前から魔人を討伐してるから経験してるよ。だから何の躊躇いも無かった。・・・その後にラスティーに食糧と金を与えて別れたんだ。彼奴等は今頃、何処かで働いているかもな。」

 

シシリー「・・・」

 

タクト「けど、あの時もっと早く気付いていたら・・・ラスティーだけじゃなく、他の皆も助けられたかも知れねえのに・・・」

 

あの時を思い出して悔しがるタクトを、シシリーが優しく抱き締めた。

 

タクト「シシリー?」

 

シシリー「私、タクト君がこんなに苦労しているなんて初めて聞きました。」

 

タクト「・・・俺はシン達以上に苦労してるよ。だからそれを糧として今も戦い続けているんだ。レジスタンスの敵討ちの為と、この世界を守る光となる為にね。」

 

シシリー「そうですね。私も攻略に不安を抱えてちゃダメですね。私も、皆さんと一緒に皆を救える光として頑張ります。」

 

タクト「まぁその時は俺達がフォローしてやるからさ。自分のやれる事を精一杯やる事が大切だ。」

 

シシリー「はい!」

 

タクト「それとさっきの話、皆には内緒な?」

 

シシリー「分かってますよ。」

 

 

 

 

 

 

その頃、魔人領の砦では。ヒースが望遠鏡で此方を見張っている兵士達を覗いている。

 

ヒース「はっ。魔力も抑えずに。アレで隠れてるつもりかねェ?」

 

アメリア「バレても別に構わないんじゃないの?ここまで来たら、どっちが先手を取るかって程度の話でしょ。」

 

ヒース「動きに今まで以上の強張りがあんなァ。そろそろ()()かもな。奴らが砦を発見して数日間、一体何を待っていたと思う?アメリアちゃん。」

 

アメリア「そりゃ増援でしょ。」

 

ヒース「だよなぁ。気配は極力殺してるが、デカい魔力も幾つか行き来してる。此奴らがきっとアルティマだな。」

 

アメリア「妙だと思わない?ヒース。」

 

ヒース「何がよ?」

 

アメリア「平民魔人(チンピラ)共曰く、アルティマの連中は帝都に引き付けるって聞いてるらしいのよ。それが何で(こっち)に来てる訳?」

 

ヒース「計算通りなのか、計算外なのか・・・ズル賢そうなツラしてたからなァ、あのヒゲメガネ。・・・ま、砦に居る以上、アドバンテージはこっちにある。深追いはすんなよ。」

 

アメリア「・・・・・」

 

ヒース「オーイ。」

 

アメリア「先に言っとくけど、この件が片付いたら私はすぐに大国の襲撃に向かうよ。例え一人だろうとね。」

 

ヒース「・・・訊いて良いか?」

 

アメリア「言いたくない。」

 

ヒース「・・・まぁ良いや。気が向いたら何時か教えろよ。お前が帝国貴族だけでなく、大国まで憎む理由をさ。」

 

 

 

 

 

 

魔人達が潜む砦付近で、”ザッ・・・”と足音が聞こえた。

 

ラルフ(よし、行け。)

 

それは、ラルフ率いるダーム軍の一部だった。彼らは先にここを攻略して戦功を上げようと企んでいる。

 

兵士A(っ!長官!)

 

ラルフ(どうした?)

 

兵士A(夜には閉じていた門が開いています・・・!)

 

ラルフ(・・・索敵で敵の位置は把握出来ているな?)

 

魔法使いA(はっ。まずはこの先の広間に数体居ます。)

 

ラルフ(構わん、行け・・・!不意を突けば、奴らなど恐るるに足らん・・・!)

 

慎重に奥へと進む。その様子を、偵察へ向かっていたグレアに見られているのを知らずに。

 

 

 

 

広間前まで着いた。広間を覗くと、2人の魔人を発見した。

 

兵士B(居たぞ・・・魔人共だ!)

 

ラルフ(・・・隙だらけだな。)

 

兵士C(恐らく下っ端の見張りでしょう。どうします?)

 

ラルフ(先制して少しでも数を仕留める為にも、まだ他の魔人共に感付かれたくない。魔法の使用は避け、剣での奇襲を仕掛けるぞ。)

 

 

 

魔人2人「はははは。」

 

 

 

兵士A(今だ・・・!!!)

 

チャンスを見た兵士が、魔人2人に急接近する。

 

兵士A(貰った・・・!!!)

 

後ろから剣を振り下ろした。だが。

 

魔人B「はいよ、ご苦労さん。よく勇気を出して斬り掛かって来れましたぁ〜。」

 

もう1人の魔人が剣を掴んで受け止めた。

 

兵士A「なっ・・・!!」

 

 

 

ラルフ「っ!?」

 

 

 

魔人A「待ち草臥れて欠伸が出るかと思ったぜ。()()()の動きなんざお見通しなんだよ。」

 

既にラルフ達の行動に気付いていた。

 

兵士A「長官!!我々の動きは既に補足されています!!すぐに逃げ・・・」

 

だがもう1人の魔人がその兵士の首を殴り落とした。

 

魔人B「遅ェよ今更。後ろ見てみろや。」

 

 

 

後ろを見ると。

 

魔人C「よ〜〜〜う、人間共。」

 

魔人D「ようやく自分達の立場が分かって来たかぁ?」

 

兵士D「・・・と・・・取り囲まれてる・・・!!」

 

ラルフ「バカな・・・!!」

 

魔人C「よし・・・報告通り、今の所アルティメット何とかって奴らは居ねぇようだな。」

 

魔人D「へへ、ビビって損したぜ。」

 

魔人C「屈辱だよなぁ・・・()()のせいでこんなひ弱な連中にまでナメられてんだ。きっちり教育してやろうぜぇ。お前らが相手してんのは、人間とはまるで格が違う魔人だって事をなぁ。」

 

 

 

 

 

 

その頃合流地点では、タクトとシシリーはまだ起きていた。

 

タクト「なぁシシリー。」

 

シシリー「何ですか?」

 

タクト「俺、引っ越す予定なんだ。今自分の家を建築中なんだ。」

 

シシリー「お家ですか?」

 

タクト「毎日ウォルフォード邸で暮らすのも良いが、自分の家が欲しくなってな。陛下に頼んで建築して貰ってる。勿論費用は自腹。」

 

シシリー「完成は何時頃ですか?」

 

タクト「最近建築始まったばかりだからなぁ・・・もう少し先かな?完成したら招待するよ。」

 

シシリー「楽しみにしてます。」

 

グレア「タクトーーーーー!!」

 

そこに偵察へ行ったグレアが大急ぎで戻って来た。

 

シシリー「グレアさん?」

 

タクト「ようグレア。周囲はどうだ?」

 

グレア「大変なんだよ!さっきラルフ長官が!!」

 

タクト「長官がどうしたんだ!?」

 

すると兵士達が騒ぎ始めた。

 

タクト「っ!?」

 

シシリー「何ですか?」

 

 

 

シン『オーグ!!起きろ!!』

 

アウグスト『む・・・どうしたシン・・・?』

 

シン『今、微かにだが戦闘音が聞こえた!!魔人達の砦の方だ!!』

 

 

 

起き上がったシン達が天幕から出た。

 

タクト「シン!!」

 

シン「タクト!シシリー!」

 

タクト「お前の言ってる言葉、グレアと同じだ!周囲を見ろ!」

 

シン「っ!!」

 

アリス「ねぇ、何この騒ぎ!?」

 

タクト「シシリー!」

 

シシリーの毛布を借りてシシリーに被せる。すぐに布を外すと、シシリーが戦闘服へ一瞬で着替えた。

 

ジェレミー「何だ何だ?」

 

ケイティ「何が起こってるの?」

 

ローランド「これは・・・!」

 

そこに、1人の兵士が慌てて駆け寄った。

 

兵士E「殿下!!アルティメット・マジシャンズの皆様!!大変です!!魔人の砦にて、何者かが戦闘を開始しております!!」

 

ジェレミー「何だと!?」

 

アウグスト「どう言う事だ!!刻限まで一切動くなと指示を出してあっただろう!!くそっ・・・!一体誰が・・・!!」

 

シン(・・・まさか・・・!!)

 

タクト(彼奴が・・・!!)

 

2人は、この事態を起こしたのがラルフだと察した。

 

タクト「おい!ダーム王国軍のラルフ長官は何処に居るんだ!?」

 

兵士E「え!?えと・・・すみません、この混乱で何とも・・・」

 

タクト「やはり・・・」

 

アウグスト「タクト、心当たりがあるのか!?」

 

タクト「あぁ。ラルフ長官は俺達よりも先に魔人を討伐して、戦功を自分の物にしようとしていた節がある。この事態の元凶は恐らく彼奴だ!」

 

アウグスト「・・・この期に及んで、またそんな考えを持った輩が居たのか・・・!!確認しているヒマは無い!!我々は今すぐ砦へ向かう!!長官の所在についてはそちらで確認を頼む!!」

 

兵士E「はっ!!」

 

アウグスト「各国軍指揮官に告ぐ!!予定より早まったが、闘卒が取れ次第砦周辺への配備に移れ!!!」

 

指揮官一同「はっ!!!」

 

タクト「俺は先に行く!」

 

スパークレンスを天に掲げて光に包まれ、ウルトラマンティガへ変身した。

 

ティガ「タァッ!」

 

飛翔して砦へ向かう。

 

シン「俺達も行くぞ!!」

 

アルティメット・マジシャンズが飛翔し、砦へ向かった。

 

ジェレミー「ローランド!ナージャ!ケイティ!俺達も行くぞ!」

 

ローランド「はい!」

 

ナージャ「うん!」

 

ケイティ「OK!」

 

ジェレミー「ヴオオオオオオオオ!!!」

 

両目が青くなって魔喰人化し、猛ダッシュで砦へ向かう。

 

ローランド「アウウウウウウウン!!!」

 

咆哮と同時に魔物化し、ナージャとケイティを乗せて猛ダッシュで砦へ向かう。

 

リオ「デイジー!乗って!」

 

デイジー「うん!」

 

兵士から借りた馬に乗って砦へ向かう。

 

 

 

 

兵士E「あった・・・!!ダームの天幕・・・!!」

 

ダームの天幕を発見。

 

兵士E「長官!!ポートマン長官!!中に居られますか!?」

 

だが返事は無い。

 

兵士E「緊急時だ、仕方無い・・・失礼します!!」

 

中に入ると、ダーム副官が殺されていた。

 

兵士E「うっ・・・!?こ・・・これは・・・!?ダ・・・ダームの・・・副官殿・・・!?(・・・他には誰も居ない・・・一体・・・何が・・・!?ポートマン長官・・・まさか・・・本当に・・・)」

 

 

 

 

 

 

場所が変わって、砦では。

 

ラルフ「はぁ・・・はぁ・・・」

 

魔人C「気ぃ済んだかぁ?無力だなぁ、人間てのは。」

 

魔人D「それだけ束になっても俺ら魔人に傷ひとつ付けられねえんだもんなぁ。」

 

ラルフ(し・・・信じられん・・・!!我々は・・・戦闘のプロだぞ・・・!!魔人とは言え・・・向こうには、どう見ても素人・・・何故ここまで・・・!!災害級以上の・・・存在・・・くそ・・・何と言う事だ・・・!!まさか・・・事実だったと言うのか・・・!!)

 

魔人D「なあどうよ?俺等やっぱ最強じゃねェか!」

 

魔人C「違いねェ!此奴等片付けたら、改めて世界征服を狙おうぜ!」

 

サイード「バカかテメェ等!戦闘訓練も戦術のカケラも知らねぇお前達が魔人になって能力が上昇した程度で調子乗ってるから、毎度痛い目見てるんだろうが。せめて、それを学ぶアタマぐらい持っとけよ。」

 

魔人C「は・・・はは、サイードさん・・・」

 

魔人D「すいません・・・へへ・・・」

 

サイード「けどまあ心配すんな。それらを補えるこの俺が上手くお前達を使えば、間違い無く国の一つや二つ手中に出来る。(くく・・・思った通り動かねぇラドリー達より()()()の方がよっぽど使えるぜ。手駒は多いに越した事はねぇ・・・ようやく動ける時が来たって訳だ。)

 

魔人A「へへ、頼んますよサイードさん。」

 

魔人B「俺らで世界を統一しましょうや。」

 

ラルフ(くそ・・・更に・・・明らかに格上の魔人が・・・)

 

サイード「さて、勇敢なる軍人諸君。出来れば死ぬ前に答えてくれるとありがたい。連合軍と、それを率いるアルティマの面々は、この砦周辺に一体どれだけ集まっている?悪いが、さっさと片付けて俺達は他国へ進出してぇんだ。教えてくれねぇか?」

 

ラルフ「・・・・・」

 

兵士F「ちょ・・・長官・・・」

 

兵士G「長官?」

 

ラルフ(ア・・・アルティメット・マジシャンズによりスイードやクルトでの魔人討伐数は・・・軽く80を越えていた・・・こ・・・こんな連中を・・・苦も無く討伐したと言うのか・・・!?シン=ウォルフォード・・・!!タクト=クリスティ・・・!!”神の御使い”を名乗るなど・・・やはり私は許せん・・・!!そして指輪の魔法使いめ・・・その力で多くの魔人を討伐しおって・・・!!だが・・・その実力は・・・本物だったと言う事か・・・!我々は・・・恐らくここで全滅する・・・)

 

サイード「さあどうした?」

 

ラルフ「・・・・この場にどれだけの人間が居るか・・・だと?」

 

彼が魔人達に口を出した。

 

 

 

 

ラルフ「連合7ヶ国全軍だ!!無論アルティメット・マジシャンズも含めてな!!」

 

 

 

 

サイード「・・・何だと!?」

 

魔人A「オ・・・オイマジかよ!!聞いてたと話しが違うじゃねェか・・・!!」

 

ラルフ「一部の戦力を割いてここへ寄越したとでも思っていたか?くく、残念だったな・・・我々は総力を以って貴様らを叩き潰すつもりだ!!神に背き魔人などに堕ちた愚か者共が!!貴様らは一匹たりともここから逃げる事など出来んぞ!!!」

 

だが、サイードが投げた剣がラルフの心臓に突き刺さった。

 

サイード「余計な事まで喋んなバカが!不愉快だぜ!」

 

兵士B「ああ・・・長官・・・!!!」

 

ラルフが殺され、兵士達の怒りが爆発した。

 

兵士達「うわああああああああ!!!!!」

 

だがその時。

 

魔人E「フンッ!!!」

 

突如現れたフードを被った魔人が、兵士の剣を掴んだ。

 

兵士B「き、貴様!!!」

 

魔人E「手を出すな。」

 

その魔人は、兵士が持つ剣を砕き、兵士に向かって拳を振り翳す。

 

魔人A「チャンスだ!!このまま細切れにしてやる!!」

 

1人の魔人が兵士達を襲う。

 

魔人E「ハァッ!!!」

 

拳を振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

魔人A「がはっ・・・!?」

 

 

 

 

 

 

魔人達「っ!?」

 

サイード「っ!?」

 

兵士B「・・・!?」

 

魔人E「あの魔人達は俺の獲物だ。人間は手出しするな。」

 

何と、拳を魔人の腹部に貫通させた。

 

魔人A「テ・・・テメェ・・・!!気が狂ったか・・・!!」

 

魔人E「狂ってるのは、テメェらの方だ。」

 

彼は、魔人の脊髄を掴んで、そのまま打っこ抜いて殺した。

 

魔人B「テ、テメェ!!!」

 

激怒した魔人が、彼に襲うが。

 

魔人E「フンッ!!」

 

右手の人差し指と中指で魔人の両目を潰した。

 

魔人B「がああああああああああ!!!!!」

 

魔人E「人間共にも手を出すな。」

 

そのまま親指を魔人の口に突っ込み、3つの指で魔人の顔面を握り締める。

 

魔人B「ああああ!!あああああああああああ!!!!!!」

 

握り締められた魔人の顔の骨がバラバラになった。

 

魔人C「テメェ!!同じ魔人の俺達を裏切る気か!!」

 

魔人E「当然、仇を討つ為と、償いをする為だ。」

 

フードを脱いで顔を見せる。

 

サイード「やはりお前だったか・・・デリック!」

 

その魔人は、デリックと名乗る。

 

サイード「離反したお前が、何故ここに?」

 

デリック「俺は離反したお前達を離反した魔人だ。何をしようがお前らには関係無い。だからお前達をあの世へ逝かせてやる!!」

 

 

 

 

 

 

砦・屋上。

 

ヒース「オーイオイオイ・・・見ろよマジかアレ・・・2カ国3ヶ国の規模じゃねェぞ・・・」

 

ラドリー「・・・恐らくほぼ全軍だ。」

 

ヒース「なーにが『こっち方面の人間達を対処する』だよ・・・丸々砦に集まって来てんじゃねェか、くそっ・・・」

 

ラドリー「・・・最初からこれがゼストの狙いか。」

 

アメリア「どゆ事?」

 

ラドリー「人間達はシュトローム一派が帝都に身を潜めている事は知らない。侵攻途中で魔人達の気配があれば、当然そこが拠点の可能性も考える。」

 

ヒース「なァ〜〜〜〜〜るほど。その為に平民魔人共(チンピラ)をここへ寄越した訳か・・・」

 

アメリア「?」

 

ヒース「元々の俺達6人だけなら、ここが拠点だとは思わねェだろ。精々戦力の一部で対処しようとしたはずだ。所がそこに数十の魔人が加わってみろ。途端に”見せ掛けの拠点”の出来上がりだ。当然、俺らは人間達を対処するしか無い。少なからず連合軍の戦力は削れ、シュトローム一派(奴等)は苦も無くそれを眺めて居られるって寸法さ。」

 

ラドリー「俺達がここでくたばろうが、連合軍を全滅させようが、シュトローム一派(奴ら)にはプラスしにしかならない訳だ。」

 

アメリア「・・・あのオヤジ・・・」

 

ヒース「さて・・・で、どうする?俺らにはまだ()()()()()()()がある訳だが。人間達の動きを見る限り、砦に来るのは少数精鋭・・・恐らくはアルティマだけだろう。」

 

ラドリー「奴らを倒せば、その後はどうとでもなる。」

 

アメリア「決まりね。私、先に下行って来るよ。」

 

ラドリー「!」

 

ヒース「おっと、言った側からか。メインゲストの御到着だ。」

 

 

 

 

 

 

アルティメット・マジシャンズが砦に迫る。

 

アウグスト「砦周囲に連合軍が配備されているとは言え、魔人達はこの場で殲滅する事が大前提だ!各々肝に命じろ!クロード!ストーン!カールトン!砦の出入口を探して魔人達の逃亡を阻止しろ!!」

 

シシリー・ユーリ・オリビア「はい!!」

 

ティガ「ナージャとローランドとデイジーとグレアもシシリー達と一緒に奴らの逃亡を阻止しろ!」

 

ナージャ「分かった!」

 

ローランド「お任せを!!」

 

デイジー「分かったわ!」

 

グレア「気を付けてね!」

 

ユーリ「ナージャ、あんまり無理しないでね?」

 

ナージャ「分かってるわ。」

 

ローランド「行きましょう!」

 

7人が砦の出入口を探しに向かう。

 

シン(流石、ナイス判断だぜオーグ、タクト。あの3人は「攻め」より「守り」で力を発揮するタイプだ。おまけにナージャとグレアの魔力共有や、デイジーの剣術、ローランドの魔物の力で逃した魔人を倒す戦法だ。)

 

アウグスト「残りの13名は散開して魔人達を討伐!!」

 

ティガ「リオはアリス!ジェレミーはトニー!ケイティはトールと同行だ!」

 

リオ「うん!」

 

ジェレミー「任せろ!」

 

ケイティ「オッケーよ!」

 

ティガ「攻略作戦!行くぞ!!」

 

全員「了解!!」

 

シン「オーグ!俺は正面扉から攻め込むからな!」

 

ティガ「俺も行く!オーグ!その間に他の奴らを頼むぜ!」

 

アウグスト「ああ!気を付けろよ!!」

 

ティガ(シュトロームは何処だ?見付け出して説得してやる!)

 

 

 

 

 

 

砦の遠くでは。

 

ガラン「頼むぜェ・・・お前ら・・・!!」

 

 

 

 

 

 

リオ・アリス組。

 

アリス「っ!!リオ君!!見付けたよ!」

 

リオ「了解!!」

 

正面に魔人達を発見。

 

魔人F「っ!?何だオイ・・・ガキが紛れ込んでんぞ!」

 

魔人G「オイオイお嬢ちゃん、()()()()すんなら場所間違えてんぜェ。ここは魔人の・・・」

 

だが1人の魔人が2人を見て怯え始めた。

 

魔人H「ちょ、ちょ・・・ちょっと待て・・・そいつらは確か・・・!!」

 

アリス「前と同じ事言うなぁ!!!!!」

 

リオ「誰がガキだゴルァ!!」

 

ママゴトと言われ激怒したアリスとリオが魔人の顔面に強烈キックを浴びせた。

 

魔人G「げべら!!」

 

魔人F「な・・・何だこのガキャあ!?」

 

魔人H「ちょっと待てェーーーーー!!そいつら・・・アレだぞ!!!」

 

魔人F「・・・ま・・・まさかてめェら・・・!?」

 

アリス・リオ「アルティメット・マジシャンズ・・・!!!!」

 

 

 

 

 

 

ジェレミー・トニー組。

 

魔人I「き・・・き・・・来たぞォーーーーーーー!!!!奴等だぁ!!!!」

 

3人が魔人達を発見した。

 

ジェレミー「テメェら美味そうだな。少し食わせろよ。」

 

魔人J「ビビッてんじゃねェぞテメェ等!!たかが人間2人に何が出来るってんだ!!!俺ら魔人の恐ろしさを見せてやれ!!!」

 

ジェレミー「だったら、こっちは魔喰人の力を見せてやるよ!!」

 

両手の爪を伸ばした。

 

ジェレミー「さぁ、来やがれ!!」

 

魔人I「魔喰人・・・あの噂の・・・!?」

 

魔人J「き・・・聞いてねえぞ!!そんな奴と一緒だなんて・・・あれ!?」

 

言ってる最中に、両手の爪とバイブレーションソードで一刀両断された。

 

ジェレミー「何だよ、雑魚で面白くねえなぁ。」

 

殺した魔人達の肉を喰う。

 

トニー「まぁ、腕は成長してないみたいだねぇ。君らはあんまり。それじゃ結果は変わらないよ。」

 

ジェレミー「でも味の結果は上々だな。」

 

するとトニーに何がが迫って来る。

 

ジェレミー「ッ!!」

 

迫り来る炎に包まれた何かに気付いたジェレミーがそれを掴んだ。

 

トニー「ジェレミー!?」

 

ジェレミー「トニー、危なかったな。」

 

彼が掴んだのは、1本の矢だった。

 

トニー「矢・・・!?」

 

ジェレミー「飛び道具にも魔法にも警戒してたつもりだが、僅かな気配すら感じなかったぜ。」

 

握ってる矢を握って折った。

 

ジェレミー「トニー、気を付けた方が良いぞ。」

 

トニー「そうみたいだね。どうやら居るねぇ、()()()なのが・・・!」

 

ジェレミー「行くぞ。」

 

トニー「うん。」

 

 

 

 

遠くにラドリーが潜んでいた。

 

 

 

 

 

 

ケイティ・トール組。

 

魔人達「うがああぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

ケイティ「よいしょー!!」

 

魔人達「ぎゃああぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

爆裂魔法と回転斬りで魔人達を討伐していた。

 

ケイティ「やるじゃんトール!」

 

トール「いえ、ケイティ殿も中々で。よし、次行きましょう!」

 

ケイティ「よぉし!でもその前に・・・」

 

急にトールの方へ急接近する。

 

トール「ケイティ殿!?」

 

”ガキンッ!!”

 

彼女は、トールの後ろから彼を斬ろうとした離反魔人の剣を防いだのだ。

 

ケイティ「もう、不意打ちなんて卑怯だよ?ぷんぷん!」

 

トール「倒し切れなかった・・・!?」

 

ケイティ「いや、始めから近くに潜んでたみたいだよ?」

 

トール「え?」

 

離反魔人A「素人だなぁ。小娘みたいにトドメ刺すまで獲物から目ェ離すものじゃないぜ?更に言うなら。」

 

ガク「ッ!!」

 

今度はトールの横から迫るマッチョな離反魔人の腕を剣で防いだ。

 

ケイティ「トール、目に見えない場所の殺気にも配る事だね。そうでしょあなた?」

 

離反魔人B「小娘、中々分かってんじゃねぇか。狩り場においてはな。」

 

トール「両者共に接近戦闘の使い手・・・!!ケイティ殿・・・!」

 

ケイティ「分かってる。トール、無理しないように、ね!」

 

彼女は両手に剣を握り締めて離反魔人2人に接近する。

 

離反魔人A(っ!?この小娘・・・まさか・・・!?)

 

彼はケイティを見て何かを感じた。

 

 

 

 

 

 

正面扉から侵入したティガとシンは。

 

ティガ「ッ。」

 

入ると、兵士達の亡骸があった。

 

シン「っ!!ラルフさん!!」

 

その中にラルフ=ポートマンの亡骸があった。

 

ティガ「・・・・」

 

シン「どうだ?」

 

ティガ「駄目だ・・・手遅れだ。」

 

シン「まさか本当に行動に移すなんて・・・」

 

ティガ「あぁ、余程俺達を憎んでたんだろう。(誤解を解く前に死ぬなんて憐れだ・・・この戦いが終わったらリチャードに言わねえと・・・)」

 

周囲にはバラバラ死体までもあり、シンは怒りを覚える。

 

ティガ「っ!シン!」

 

シン「どうした?」

 

ティガ「あれを見ろ。」

 

シン「ん?・・・っ!」

 

隅にあったのは、魔人達の亡骸だった。

 

シン「魔人・・・!?」

 

魔人達の亡骸を調べる。

 

シン「ラルフさんが率いる兵士達に殺られたのか?」

 

ティガ「いや、それにしては違和感がある。」

 

シン「え?」

 

ティガ「見ろ。この魔人の腹部に穴が空いてる。おまけに脊髄まで抜かれてる。」

 

シン「本当だ・・・」

 

ティガ「それに此奴は、眼球が刳り抜かれ、顔の骨がバラバラになってる。」

 

シン「此奴らもしかして、ジェレミーが?」

 

ティガ「いや、ジェレミーはトニーと同行してる。それに彼奴は殺した魔人を喰う。このまま放置するなんて可笑しい。」

 

シン「確かに・・・」

 

ティガ(もしかして・・・誰かが殺ったのか?)

 

シン「ッ!」

 

ティガ「ッ!」

 

2人は後ろから放たれる気配を感じ取った。

 

シン「誰だ?」

 

ティガ「居るなら出て来い。」

 

奥から魔人達がゾロゾロとやって来た。

 

魔人E「へ・・・へへ・・・」

 

魔人C「久し振りだなぁ・・・つっても、そっちは俺らの顔なんか覚えちゃいねぇか。」

 

ティガ「・・・」

 

魔人C「・・・安心しろよ。闘う気ははねぇ・・・今更お前らに勝てるなんて思っちゃいねぇさ。」

 

シン「・・・・」

 

ティガ「おい、ここに居るのはお前らだけか?オリバー=シュトロームや配下の連中は何処に居る?」

 

魔人D「シュトローム・・・?へっへっ・・・誰だっけそれ?」

 

魔人E「居たなぁ、そんな腰抜け。」

 

シン「・・・!?(何言ってんだ此奴ら・・・!?シュトロームの指示で砦に居た訳じゃないのか・・・!?)」

 

テレパシーでシンと会話する。

 

ティガ(シン。恐らく奴らは、誰かに隠蔽するように言われてるかも知れない。)

 

シン(じゃあ、此奴らは知らないフリをしてるって言うのか・・・?)

 

ティガ(かも知れない。)

 

シン「お前ら一体・・・」

 

近付こうとしたが。

 

魔人C「おおっと!それ以上こっちへ来るんじゃねぇ!言ったろ?闘う気はねぇんだ。お前らだって無抵抗の相手を殺すのは嫌だろ?」

 

ティガ「まぁそうだな。俺も無抵抗な奴を殺すのは性に合わん。」

 

魔人C「そうだろ?だからよ・・・へへ。」

 

目を上に小さくチラッと見る。

 

魔人C「もう少しだけそこに居てくれや。」

 

ティガ「まぁ良いだろう。色々話でもしようか。」

 

2人の背後からサイードが剣を振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”ガキンッ!!”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だがサイードの剣を、ティガのハンドスラッシュで弾いた。

 

ティガ「此奴を駆逐した後にな。」

 

サイード「ちっ・・・!!」

 

シン「彼奴等、視線がずっと俺達の背後向いてんだ。奇襲するってバレバレだよ。」

 

ティガ「少しは頭でも使え。」

 

サイード「(くそっ!役に立たねぇ奴等だぜ・・・)気を悪くすんなよ。職業柄、正々堂々()るのはガラじゃなぇんだよ。元ハンターなんでな。」

 

シン(元ハンターの魔人・・・!!戦闘技術に長けている分、平民魔人より格上・・・!)

 

魔人C「背中ガラ空きだぜコラァーーーーーーーー!!!!!!」

 

背後からシンに剣を振り下ろそうとしたが、シンの指向性爆発魔法で消し炭にされた。

 

サイード(背後から襲うなら黙ってやんのが基本だ!バカ!)

 

魔人達「てめぇーーーーー!!!!!」

 

大勢の魔人達が襲って来る。

 

ティガ「タァッ!!」

 

ティガスライサーで魔人達の頭部を斬り裂いた。

 

シン「勘違いしてるようだから言っとくぞ。無抵抗の人間の命を散々奪って来たお前らを討伐するのに、今更微塵の迷いもねぇよ!!」

 

彼は怒りを燃やし、魔人達に指向性爆発魔法を何度も放ち続ける。

 

魔人E「な・・・何だよこの強さ・・・!!」

 

ティガ「ハァッ!!」

 

シン「ハァッ!!」

 

サイード「ッ!?」

 

ゼペリオン光線とシンの指向性爆発魔法の同時攻撃が魔人達に炸裂して、砦の壁に大穴を開けた。

 

 

 

 

”ドゴオォォン!!”

 

 

 

 

魔人達は一瞬で討伐され、ここに残ったのはサイードだけになった。

 

サイード(こりゃあ驚いた・・・想像以上の大物だなぁ、此奴らは・・・)

 

ティガ「ッ?」

 

するとティガが何かを感じた。

 

ティガ「(この気配・・・)シン、ここ任せて良いか?」

 

シン「分かった。」

 

ティガが先へ行った。

 

サイード(1人居なくなったか。ちょっとマシになったかもな。)

 

 

 

 

 

 

同じ頃、アウグストの方は魔人達を既に何体か討伐して先へ向かう。

 

アウグスト(然程の広さはない砦に数十の魔人・・・制圧に時間は掛かるまい。警戒すべきはクルトで戦った魔人達だが・・・今の時点の様子や気配から見ても、恐らく奴らはここには居ない。しかし万に一つの可能性でも、ここにシュトロームが居るのなら・・・)

 

”キラッ”

 

アウグスト「!!!!」

 

暗闇に光った何かに気付き、襲って来る何かを魔力障壁で防いだ。襲って来たのは無数のナイフだった。

 

アウグスト(投擲!?一体何処から・・・?いや・・・まずそれよりも・・・自身で張った物理障壁を抜かれた・・・!)

 

戦闘服が先程のナイフの投擲で破れてしまっていた。

 

アウグスト(戦闘服の障壁と併用しなければ無傷では済まん・・・!)

 

先へ急ぐと、前方に光が。

 

アウグスト(敵は前方・・・!!)

 

このまま全速力で前へ進む。だが。

 

???「分かってて敢えて前進か。勇気ある判断だねェ。」

 

アウグスト「ッ!?」

 

今度は真後ろから無数のナイフが迫る。

 

アウグスト(前後から同時射撃!?障壁の発動が間に合わん!!)

 

前後からナイフが迫り来る。

 

”ガキンッ!!”

 

アウグスト「・・・!?」

 

だが、アウグストは無傷だった。

 

???「無茶すんじゃねぇよ。」

 

アウグスト「っ!?」

 

彼を助けたのは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正面扉で魔人達を殺したデリックだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アウグスト「魔人・・・!?」

 

目の前に立つデリックを見たアウグストが構える。

 

デリック「勘違いすんな。俺はお前と戦う気はない。」

 

アウグスト「何?どう言う事だ?」

 

デリック「そんな事より、奴が来るぞ。」

 

現れたのはヒースだった。

 

デリック「ヒース・・・」

 

アウグスト「お前が手品師か。」

 

ヒース「はは。気になるなら()()を見せてやっても良いぜ。別に分かってどうこう出来るモンじゃねぇし。」

 

デリック「おいヒース!エミールは何処だ!」

 

ヒース「彼奴なら何処かへ行ったぜ。まぁ居場所が分かっても裏切り者のお前に教える気はねぇし。」

 

アウグスト(裏切り者・・・?彼が・・・?)

 

ヒース「初めまして。アルティマの魔法師殿。そして裏切りのデリック。ハンターの根城へようこそ。」

 

 

 

 

 

 

同じ頃マリアの方は。

 

マリア「待ちなさいよォ〜〜〜〜〜!!!!」

 

魔人F「冗談じゃねえ!!お前らなんか相手してられるか!!」

 

魔人G「クソがっ!!何であの化け物共がここに来てやがんだ!!」

 

マリア「化け物って、アンタらねェ〜〜〜〜・・・・」

 

全速力で逃げる魔人達を追っていた。すると魔人達の前に2人の影が現れた。

 

魔人達「ッ!?」

 

???「化け物って、私達まで含まれてるのかしら?」

 

???「それは聞き捨てならないわね。」

 

その影の正体は、イルゼとテッサだった。

 

マリア「誰?」

 

魔人F「おい女!!そこ退け!!」

 

魔人G「退かねえと・・・え?」

 

怒鳴ってる最中に2人の魔法で粉砕された。

 

イルゼ「そんな程度?」

 

テッサ「片腹痛いわね。」

 

イルゼ「あ。あなたね?マリア=フォン=メッシーナって子は。師匠から聞いてるよ。」

 

マリア「師匠?えっと・・・あなた達は?」

 

テッサ「話すのは後よ。まずは彼奴らを片付けてから。」

 

魔人H「く、来るんじゃねぇ!!!!」

 

そこに、魔人のアメリアが現れ、彼女の一振りが残った魔人達を引き裂いた。

 

アメリア「邪魔よ。()()は私の獲物だっての。」

 

イルゼ「テッサお姉ちゃん、彼奴・・・」

 

テッサ「一振りで魔人達を・・・」

 

マリア(魔人が一瞬でバラバラに・・・!!魔法!?いや・・・でも、魔力の反応は今・・・)

 

考えてる最中にアメリアが腕を振り上げた。

 

イルゼ「ッ!!危ない!!」

 

マリア「え?」

 

咄嗟にイルゼがマリアを押し、自分の長い髪が切られた。

 

マリア「え・・・!?」

 

更に足元が崩れ始めた。

 

イルゼ「ッ!!」

 

マリア(何かで斬られた!?しかも周囲の建物ごと・・・!?)

 

3人は下に落ちて着地した。

 

イルゼ「今のは・・・」

 

アメリア「よく躱したね。何百って言う魔物を狩って来たけど、初見で避けられたのは初めてだよ。」

 

テッサ「それはどうもね。」

 

マリア「魔法じゃないわね・・・アンタのそれ。糸・・・いや・・・何かもっと強度のある・・・」

 

アメリア「凄いね。そこまで気付いたの?じゃあヒントをあげようか。()()・・・魔道具よ。」

 

マリア・テッサ・イルゼ(それ?)

 

糸が急接近して来たが、マリアは風を起こして飛び、テッサとイルゼは大ジャンプで間一髪避けたが、服が少々破れた。

 

マリア「参ったわねぇ。国宝級防具が台無しだわ。」

 

テッサ「不意打ちを仕掛けるとは中々ね。」

 

イルゼ「もう、服が破れちゃったじゃない。」

 

アメリア(・・・!?あの一瞬で・・・自分の周囲に風とジャンプで無理矢理回避を・・・アルティマ・・・やっぱり只者じゃない・・・!!)

 

テッサ「ねぇ。あなたの魔道具って、もしかして鋼線かしら?目には見えない方の。」

 

アメリア「ご名答。”不可視”の付与がされた特別製の鋼線。それが私のハンター時代からの武器よ。」

 

マリア「元ハンターの魔人かぁ。道理で他の連中と戦術がまるで違うと思ったわ。怖いわねぇ。(あの切れ味・・・恐らく鋼線自体も魔力でコーティングしてる・・・!不可視の魔道具・・・!厄介だわ・・・!理屈上は戦闘服に付与された『光学迷彩』と同様に魔力完治で看破出来るはずだけど、鋼線が纏う魔力が僅か過ぎてとても目で追えない・・・!!)」

 

アメリア「安心しなよ。気付く間もなく、アンタ達の首を刎ねてあげるから。」

 

イルゼ「望む所よ。」

 

テッサ「あなた、無茶はしないでよね?」

 

マリア「分かってますよ。」

 

 

 

 

 

 

その頃ジェレミーとトニーは。

 

トニー「あの後は追撃が来る事もなく、すぐに気配が消えた。」

 

ジェレミー「恐らく狙撃専門の魔人だろう。殺気や気配を頼って矢を避け続けるのは無理がありそうだ。」

 

トニー「けど、何時何処から攻撃されるか分からない相手に、常に障壁を張り続ける訳にも・・・」

 

”ドゴォ!!”

 

目の前の壁から爆発が起きた。壁からリンが出て来た。

 

リン「トニー!ジェレミー!」

 

ジェレミー「リンか!」

 

トニー「リン!気を付け・・・」

 

”チリ・・・”

 

トニー「ッ!!」

 

高台から気配を感じた。その気配はラドリーだった。ラドリーは3人に向けて矢を放った。だがその矢はジェレミーとトニーではなく。

 

ジェレミー「狙いはリンか!!」

 

トニー「離れろリン!!矢だ!!」

 

リン「ッ!!」

 

彼の声で矢に気付いたリンが矢を避けた。

 

トニー「ほっ・・・」

 

だが、矢に異変が起こった。

 

ジェレミー「ッ!!リン!!」

 

リン「きゃあ!!」

 

それに気付いたジェレミーがリンを押し、矢から溢れ出た電撃を喰らった。

 

ジェレミー「グウゥゥ・・・!!!!!」

 

電撃が収まり、ジェレミーは膝を付いた。

 

リン「ジェレミー!?」

 

トニー「どうしたジェレミー!?あの矢に何が・・・!?」

 

ジェレミー「おい!来るぞ!」

 

 

 

 

ラドリー「逃すと思うか?その隙を。」

 

再び矢を放った。

 

 

 

 

ジェレミー「させるか!!!」

 

前に出たジェレミーが両手の爪で矢を防ぐ。

 

ジェレミー「くっ!!」

 

トニー「ジェレミー!!」

 

ジェレミー「かなり強力だな・・・!!俺を押してやがる・・・!!」

 

だが両手の爪に異変が。

 

ジェレミー「ッ!?」

 

するとそこにマークが駆け付け、ジェレミーを押してる矢を斬り落とした。

 

マーク「大丈夫ッスか3人共!?」

 

トニー「マーク!!」

 

ジェレミー「マーク!剣を捨てろ!」

 

マーク「え?」

 

突然剣が炎に包まれていく。

 

マーク「うおっ!?な・・・何スか!?剣が・・・!!くっ・・・ダメだ!」

 

捨てられた剣が燃え尽きた。

 

トニー「恐らく矢に付与された追加効果だ。」

 

ジェレミー「けど矢に当たれば致命傷。当たらずとも付随する魔法効果で動きを止められる二段構えも付与してあるな。」

 

燃えていく両手の爪を引っこ抜いて、新しい爪を伸ばした。

 

トニー「・・・やはりもう居ない。とことんヒット&アウェイに徹する気か。」

 

ジェレミー「こりゃあ、一筋縄では行けなそうだな。」

 

 

 

 

力押しだけの平民魔人や、純粋の戦闘技術で正面から攻めて来るクルトの魔人達とは違い、確実に獲物を仕留める事に特化した戦闘集団。それが元ハンターの魔人達。

 

 

 

 

その頃アウグストとデリックは。

 

ヒース「どうだい?魔法のスペシャリストのアンタならよく知ってる魔法だろ?俺には魔法の才能なんて大してありゃしねーからさ。使えるのはこれ位なんだよ。」

 

自分の周囲に無数の異空間収納を出現させた。

 

アウグスト(これは・・・異空間収納魔法・・・!?)

 

異空間収納から無数のナイフを出した。

 

ヒース「ふっ!!」

 

ナイフを異空間収納に全て投げた。すると異空間収納が2人を囲んだ。

 

アウグスト(何!?)

 

デリック「クッ!!」

 

先程ヒースが投げたナイフがその異空間収納から飛び出した。

 

アウグスト「ぐっ・・・!?」

 

デリック「クソッ!!」

 

魔力障壁で防ぐアウグストと、高速回転でナイフを弾くデリック。

 

アウグスト(放り込んだ異空間とつながる発射口をほぼ同時に開き、自在に多角攻撃を可能にしている訳か・・・!!)

 

デリック「・・・ヒース。やっぱりそのやり方は流石だな。」

 

ヒース「それはどうも。けど、身に付けた魔道具の防御障壁と高速回転で辛うじてダメージは防げるようだが、何時まで持つかねぇ?何しろこっちは手数だけは自信があるんでね。」

 

アウグストが着ている戦闘服を調べる。

 

ヒース(どう言う原理(カラクリ)か知らねぇが、魔道具に付与された障壁は物理・魔法共にハンパねェ。・・・だが、それに対し、コイツら自信は魔法防御の性能こそ驚嘆に値するものの、物理防御のそれは然程の物じゃねぇ。物理戦闘の経験が少ない魔法使いの特徴が露骨に現れてる。分は確実にこっちにあるぜ。)

 

 

 

 

他の所でも、彼等は元ハンターの魔人達と戦ってる。だがケイティとトールの所は。

 

ケイティ「ねぇどうしたの!もっと私を圧倒してみてよ!」

 

煽りながら圧倒してるケイティに、ハンター魔人達は。

 

ハンター魔人A(この娘・・・!!やはり彼奴の・・・!!)

 

ハンター魔人B(まだ生き残ってやがったのか・・・!!)

 

一体ケイティは何者なのか。

 

 

 

 

場所は戻ってアウグストとデリックの方。

 

デリック「お前、あのヒースは強力だ。どうする?」

 

アウグスト「・・・先に礼を言おう。」

 

デリック「え?」

 

ヒース「あん?」

 

アウグスト「久々に傷を負ったお陰で改めて腹を括れた。ここからは全力でお相手する。」

 

両手に電気が帯電した。

 

アウグスト「ああ・・・その前に一つだけ言っておくが、我々の名はアルティメット・マジシャンズだ。勝手に略すな。」

 

ヒース「・・・そりゃ失礼。」

 

 

 

 

 

 

数年前。

 

アメリア『街道付近に出没していた大型の魔物数匹。討伐完了したわ。ハンター協会には報告済みよ。』

 

まだ人間だった頃のアメリアが、貴族の男に魔物討伐の報告をしていた。

 

貴族『そうか。御苦労。君らと専属の契約を結んだのは正解だったようだねェ。しかし、君のような美人がハンターをやってるなんて・・・珍しいねェ。ハンターだけやらせておくには勿体無い。』

 

チラチラとアメリアの胸を見る。

 

アメリア『・・・失礼するわ。』

 

貴族『ああ・・・ちょっと待て。序でにもう1つだけ頼まれてくれないかねェ。他所の貴族連中から回って来た()()()()にそろそろ飽きてきててねェ。序でに処分しといてくれないか?無論、協会には通せない仕事だからこの場で金は払うよ。』

 

ハンターA『・・・そんなのは俺達ハンターの仕事じゃ・・・』

 

ハンターB(オイ!下手な事言うな。)

 

貴族『地下室の突き当たりの部屋に幾つか転がってる。競売に出すなり動物のエサにするなり好きにしてくれ。』

 

 

 

 

地下室へ向かう。

 

ハンターA『胸糞悪い。アメリア、お前は見るな。先帰ってろ。』

 

アメリア『良いよ。汚れ仕事には慣れてる。』

 

地下室の扉を開けるとそこには・・・貴族達に弄ばれた美女達が転がっていた。そしてアメリアの目にある人物が写った。

 

 

 

 

 

 

現在・魔人領。

 

アメリア「アンタ達、アールスハイドの学院生だけで組織された部隊なんだって?凄いわねぇ。知識も教養もあって、才能にも恵まれて、まるで別世界のお話だわ。」

 

マリア「アンタも定刻に恨みを持って魔人になったってクチなの?ハンターって立場を得られていたなら・・・ある程度の生活は保証されてたんじゃない訳?」

 

アメリア「帝国のハンター協会は完全に国営だからね。全ての情報は国に握られて徹底して管理されてる。元平民がハンターになったからって待遇が変わるはずない。それでも僅かな収入は得られる。身を守る技術も身に付く。そんな程度よハンターを始めた理由は。ただ・・・そこが本当に救いようのない国だと悟ったのは、ハンターになった後の話だったけどね。アンタ達、名前訊いても良い?」

 

テッサ「私はテッサ。」

 

イルゼ「イルゼよ。」

 

アメリア「そう。じゃあアンタ・・・名前訊いても良い?」

 

マリア「っ?・・・マリア=フォン=メッシーナよ。」

 

アメリア「っ!!あはっ!あははははっ!ははははっ!!」

 

突然アメリアが笑い始めた。

 

イルゼ「何が可笑しいの!」

 

アメリア「やっぱりねぇ・・・口振りからひょっとして・・・とは思ってたのよ。他国の貴族の娘かぁ。・・・嬉しいわ。」

 

マリア「?」

 

アメリア「アンタを殺す為の明確な理由が出来た。」

 

すると3人の周囲に風が巻き起こった。

 

マリア「はっ!!」

 

テッサ「なっ!?」

 

イルゼ「ちょっ!?」

 

マリア(マズい・・・!!何時の間にか周囲を・・・!?)

 

アメリア「喋ってる間も戦闘中よ。覚えといてね。」

 

マリア(相手のモーションだけじゃ鋼線の動きが予測出来ない・・・!動きを読めない限り・・・攻撃に転じられない・・・!!)

 

アメリア「その2人共々輪切りにしてあげる!!」

 

風が3人を輪切りにしてしまった。

 

 

 

 

 

 

その頃ケイティ・トール組。トールが離反魔人に向けて強烈な魔法を飛ばした。ケイティはもう1人の離反魔人と対峙中。

 

離反魔人A「スゲー魔法だな。感心するぜ。帝国でもそこまでの使い手は見た事ねぇぞ。(違う。これじゃ間合いを詰めさせない為の単なる威嚇射撃だ。)」

 

ケイティ「あっ!!」

 

もう1人の離反魔人が標的をトールに変えた。

 

トール(動きに撹乱されて、狙いが定まっていない!シン殿やタクト殿程の魔力量が無い自分には広範囲を攻める魔法は使えない!一点集中で片方を仕留めようとすれば・・・当然、もう片方に間合いを詰められてしまう!)

 

彼の後ろに離反魔人が迫った。しかし。トールの戦闘服の防御力が防いだ。

 

離反魔人B「魔人の攻撃を防ぐ障壁は大したモンだが、それじゃ防戦一方になるばかりだな。」

 

ケイティ「魔人にそれを教えられるとはね・・・」

 

離反魔人A「俺らは5年間2人でハンターやって死線を潜って来てんだ。コンビネーションにミスは出ねェぜ!さぁ〜〜〜、何処まで持つか見せてくれよ!!」

 

2人がトールを囲んだ。

 

トール(くそっ!!)

 

ケイティ「ちょっと〜〜〜〜〜!!!!」

 

そこにケイティが割り込んだ。

 

ケイティ「ちょっと君君!私を置いていくなんて酷過ぎるよぉ!」

 

離反魔人B「フンッ!俺達平民の裏切り者の娘が口を挟むな!」

 

トール(平民の・・・裏切り者の娘・・・?)

 

ケイティ「でも私と遊んでくれないと駄目だよ?」

 

離反魔人A「そうかい。だったら先にテメェから始末してやる!!」

 

2人の離反魔人がケイティに急接近する。しかし。

 

 

 

 

 

 

何者かが現れ、1人の離反魔人の顔面に強烈パンチして殴り飛ばした。

 

 

 

 

 

 

離反魔人A「がはぁっ!!!」

 

ユリウス「そこまでで御座る!!」

 

トール「・・・・!!」

 

ケイティ「ユリウス!!」

 

その正体は、ユリウスだった。

 

ユリウス「我が相棒トールと、我が友のケイティ殿にこれ以上手は出させんで御座る!!」

 

トール「ユリウス・・・!!助かりましたよ!」

 

ケイティ「もしかして、私達がピンチだって事に気付いたの?」

 

ユリウス「いや、道に迷って偶々発見しただけで御座る。」

 

トール「・・・」

 

ケイティ「ありゃま。」

 

離反魔人B「巫山戯るなよ!接近タイプの戦力が増えた所で何か変わると思ってんのか?」

 

ケイティ・トール・ユリウス「・・・・・」

 

離反魔人B「・・・!?な・・・何だよ?」

 

トール「何か変わるって・・・いや、大違いでしょ?」

 

離反魔人A「くそ・・・油断したぜ・・・ナメんな人間のガキ共が!!!」

 

猛ダッシュで3人に急接近するが、トールが足元に魔法弾を飛ばした。

 

離反魔人A「笑わせる!!仲間が来た所で狙いは定まってねェぜ!!」

 

だが周囲に煙幕が蔓延した。

 

離反魔人B(いや・・・狙いは別だ!煙幕か・・・!!)

 

ユリウス「魔法で足を止めて接近で仕留める!基本中の基本で御座る!!」

 

飛び出したユリウスが特大パンチで離反魔人を殴り飛ばした。

 

離反魔人B「がはっ!」

 

ケイティ「これで終わりだよ!!」

 

離反魔人B(何!?)

 

飛ばされる方向にケイティが立っていた。

 

ケイティ「そりゃあ!!」

 

離反魔人B「がっ・・・!!」

 

彼女が振るう剣が離反魔人の胴体を両断した。

 

トール「狩り場における心得は大変参考になりましたけど、元ハンターのあなた方は少し獣を相手にするのに慣れ過ぎていたみたいですね。シュトローム配下の魔人であれば、恐らくこんな単純な手に引っ掛からないでしょう。」

 

離反魔人A「っ!!黙れガキがーーー!!!!!」

 

ケイティ「そうはさせないよ!!!」

 

前に出たケイティが離反魔人を高く蹴り上げた。

 

離反魔人A(う・・・嘘だろ・・・!?)

 

ケイティ「これで終わりだよ!!」

 

ジャンプして剣を振り、離反魔人を一刀両断した。

 

離反魔人A(バカな・・・!!)

 

一刀両断された離反魔人が落ちた。

 

ケイティ「終わったよ!」

 

ユリウス「お疲れで御座る!」

 

トール「・・・5年間コンビを組んでたって言いましたっけ?共に居た年月が全てだとは思いませんけど。僕らこれでも物心付いた時から10年以上の付き合いですよ。腐れ縁ですけど。」

 

ケイティ「やっぱり小さい頃から一緒に居るとコンビネーションの経験が違うね。」

 

トール「ケイティ殿。先程彼が言っていた平民の裏切り者の娘とは?」

 

ケイティ「う〜ん・・・それはこの戦いが終わったら話すよ。次行くよ?」

 

トール「分かりました。それは兎も角ユリウス・・・こんな程度の場所で迷わないで下さいよ?」

 

ユリウス「はは!次からはもっと早く駆け付けるで御座る!」

 

トール「何で迷う前提なんですか?」

 

ケイティ「だったら今度は私達が駆け付けるで御座るよ?」

 

ユリウス「おぉ!ケイティ殿頼もしいで御座る!」

 

トール「ケイティ殿も何ユリウスの真似してるんですか・・・」

 

ケイティ「何か面白くて。」

 

 

 

 

 

 

同じ頃アウグストとデリックの方は。

 

”ドゴオオオン!!!!”

 

巨大な落雷が、ヒースの真横に落ちた。

 

ヒース「うっはぁ〜〜〜すっげェなあ・・・!こんな魔法初めて見たぜ・・・」

 

デリック(とてつもない魔力・・・!これが彼奴の魔法か?)

 

アウグスト「威力重視すると狙いがブレる傾向があるな。うむ、改善しよう。次は当てるぞ。

 

ヒース(・・・こりゃアレだな・・・うん。想定外って奴だ。どうやら寝ている虎を起こしちまったかな?・・・ただ・・・攻撃魔法発動時はそっちに魔力を変換する必要があるせいで、魔道具によるガードが出来ていない。逆に言えば此奴らは普段の戦闘時、攻めと守りで瞬時に魔力を使い分けるなんてとんでもねー事をしてる訳だ。しかし当然そこが『穴』になる・・・!!無敵に見える此奴らの弱点・・・!魔法使用時に無防備な状態を狙い撃つ・・・!!)

 

するとアウグストがヒースに向けて巨大な稲妻を飛ばした。

 

ヒース「うおっとォ!!」

 

避けてから魔法弾6発飛ばす。アウグストが魔力障壁で防ぎ、デリックが両手で弾いた。

 

デリック「クッ!!」

 

アウグスト(障壁では貫かれる以上仕方無いが、いちいち戦闘服のガードを発動させねばならんのが煩わしいな。)

 

ヒースが再びナイフを投げた。

 

アウグスト(避けられる攻撃は単純に避けた方が・・・)

 

デリック「っ!おい気を付けろ!!」

 

アウグスト「?」

 

彼が投げたナイフが異空間収納へ放り込まれた。

 

アウグスト「何!?」

 

後ろに異空間収納が現れ、そこからナイフが飛んで来た。

 

アウグスト(ちゃちゃなフェイントを・・・!!)

 

後ろのナイフを防御してると、ヒースの姿が消えていた。

 

アウグスト(消え・・・)

 

デリック「来るぞ!」

 

アウグスト「何!?」

 

上に異空間収納が現れ、無数のナイフが飛び出した。2人は猛ダッシュで避ける。

 

デリック「ちくしょう・・・!!」

 

アウグスト(くそ!一帯を破壊したのが裏目に出た!姿を隠して攻撃されては発射のタイミングが全く掴めん・・・!!)

 

 

 

 

外ではヒースが先回りしてる。

 

ヒース(魔力感知で俺の位置は把握出来るだろうが・・・目視されなきゃまあ問題ねぇ。)

 

 

 

 

砦内。

 

アウグスト「(下手に魔法を放てば、奴に攻撃のチャンスを与えてしまう。・・・仕方無い。覚悟を決めるか。)おいお前、デリックって言ったな?」

 

デリック「あ、あぁ。」

 

アウグスト「少し離れてろ。」

 

デリック「え?」

 

言われた通り少し離れる。そこにヒースが来た。アウグストは無防備のまま立ってる。

 

ヒース(何のつもりだあの野郎・・・足を止めた上に・・・デリックを離れさせて、障壁も魔道具のガードも使ってねェ・・・!?・・・まあ良いさ。お望みとあらばくれてやるよ。回避不可能な刃の雨を!!)

 

無数の刃を握った。

 

アウグスト(来た!!)

 

周囲に無数の異空間収納が出現した。

 

デリック「なっ!!おい!!逃げろ!!」

 

ヒース(喰らいやがれ!!!!)

 

アウグスト「ッ!!!」

 

無数のナイフがアウグストに直撃して大爆発を起こした。

 

デリック「なっ・・・!?」

 

『To Be Continued・・・』




キャスト

タクト=クリスティ:萩谷慧悟

シン=ウォルフォード:小林裕介
シシリー=フォン=クロード:本泉莉奈
アウグスト=フォン=アールスハイド:小松昌平
マリア=フォン=メッシーナ:若井友希
アリス=コーナー:久保田未夢
トール=フォン=フレーゲル:志田有彩
リン=ヒューズ:山口愛
ユーリ=カールトン:長妻樹里
トニー=フレイド:小林千晃
ユリウス=フォン=リッテンハイム:河本啓佑
マーク=ビーン:葉山翔太
オリビア=ストーン:佐藤沙耶

リオ:土岐隼一
ナージャ=オブシディアン:斉藤朱夏
ケイティ=グレイス:山崎はるか
デイジー:寿美奈子
グレア:高橋李依
ジェレミー:前野智昭
ローランド:山本和臣

ガラン:竹内良太

テッサ:奥野香耶
イルゼ:楠田亜衣奈

ラドリー:小林竜之
ヒース:山本祥太
アメリア:佳村はるか
サイード:村田大志
エミール:高梨謙吾

デリック:千葉翔也

兵士:大泊貴揮
   安田陸矢

騎士:松田修平
   狩野翔
   石谷春貴

副官:野瀬育二

魔人:佐久間元輝
   田所陽向
   橘龍丸

ラルフ=ポートマン:小上裕通





次回予告

突如現れた離反魔人の力に圧倒されるアルティメット・マジシャンズ。果たして、彼らに勝てる術はあるのか。

次回ウルトラマンティガ

魔人領攻略中編=反撃の魔法師団=

お楽しみに
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