ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS 作:naogran
第30話「過去の魔人」
アールスハイド王国・王都。
国民A「聞いたかい?先日の魔人襲来の緊急事態宣言が出された時、王国に迫る魔人を討伐したのはティガ様達と・・・何と賢者様と導師様と大司祭様と天士様だったって!」
国民B「知ってるさ!結局その場に居た兵隊さん達、1人の犠牲も出なかったってね!」
国民A「いやぁ、流石だなぁ!」
国民C「アルティメット・マジシャンズも魔人領での活躍は相変わらず凄かったみたいよ!」
国民D「もう王国には戻られたのかしら?」
国民C「あ、ホラ!あっちでも魔人領討伐記念セールやってる!」
国民D「後でウォルフォード商会にも行かなくちゃ!」
アールスハイド王城。
ディセウム「よくぞ戻った!世界を救った英雄達よ!」
アルティメット・マジシャンズが拍手で迎えられた。
シン「あれー・・・?てっきり俺達の失敗が問題視されて怒られるのかと・・・」
マリア「何かそう言う雰囲気でもないわね。」
アリス「皆に責められるのかと思ってたよ〜〜・・・」
ディセウム「アウグスト、シン=ウォルフォード、タクト=クリスティ。他の者もよくやった。拠点に潜伏していた魔人達を殲滅した事・・・比類なき功績である。」
称えられる彼等だが、アウグストが頭を下げた。
アウグスト「ありがたきお言葉ですが・・・我々は最後に詰めを誤りました。その結果、皆を危険に晒してしまう所でした・・・とても褒められたものでは御座いません。」
ディセウム「気にするでない。取り逃がした魔人達をタクト=クリスティ達、そして賢者殿と導師殿と大司祭殿と天士殿が討伐した事で、結果的に庶民は沸き立っておる。誰もお前達を責めたりはせん。」
他の官僚や貴族達もディセウムの言葉に頷いた。
シン・アウグスト「・・・・」
アリス「んーーー・・・コレって結果オーライって奴?」
マリア「・・・ま、それで良しとは言えないけどね。」
トール「この失敗から色々と学ばないとダメですね。」
シン(・・・そうだ。失敗は事実として受け止めなきゃ。)
ディセウム「今回の褒美なのだが、もう前回以上の勲章もないのでな。どうしたものか・・・」
アウグスト「陛下、我々は今回、軍事行動の一環として従軍したまでです。褒美を出されるなら、皆平等に。我等だけ特別扱いをされないよう願います。」
彼の言葉に、ディセウムが笑みを浮かべた。
ディセウム「そうか・・・分かった。軍が戻り次第従軍した全ての兵に報奨金と休暇を与えよう。お前達は皆、世界を救った英雄なのだからな。お、そうだ。タクト君。」
タクト「ん?」
ディセウム「君達に渡したい物があるのだが。」
タクト「渡したい物?」
ディセウム「タクト君。君は魔人領攻略作戦時に迅速な判断と、200以上の魔人と魔物の大群を彼等と共に討伐した功績として進呈しよう。」
2人に渡したのは、金色のバッジだった。
タクト「バッジ?金龍の紋章が刻まれてる。」
ディセウム「それは君の為に製作したアールスハイドバッジだ。超古代の戦士を受け継いだである君が受け取って欲しい。」
ジャケットの左胸にバッジを付けた。
タクト「おぉ、オシャレだな。」
アリス「良いなぁタクト君だけぇ〜。」
マリア「まぁでも仕方無いわよね〜。」
部屋に入ると。
メイ「シンお兄ちゃん!!おかえりなさいです〜〜〜〜〜!!!」
シン「げふぅっ!!」
入って来たシンにメイがロケットジャンプして激突。
シン「メイちゃん・・・し・・・身体強化は基本戦闘で使うものであって・・・・」
メイ「ん?全力でお出迎えしちゃダメです?」
ナージャ「メイ、身体強化は日常で使うものじゃないのよ?」
メイ「ナージャお姉ちゃん!分かったです!」
エリザベート「御無事で何よりですわ。アウグスト様。」
アウグスト「ああ。心配を掛けたな。」
タクト「2人共、街の様子は?」
エリザベート「街の様子を耳にしましたけど、マーリン様達の御活躍の件も含め大騒ぎらしいですわよ。」
メイ「アルティメット・マジシャンズの事も今まで以上に話題になってるみたいです!」
アリス「ま・・・また街を歩けなくなりそう・・・」
ユーリ「大変なのはオリビアよねぇ。公に所在が明らかになってるから、店に人が殺到しそう。」
オリビア「!!」
アリス「頑張れ〜!看板娘!」
ユーリ「人気者は辛いわねぇ。」
オリビア(他人事だと思ってぇ・・・)
ケイティ「どうしたの?元気無いねぇ?元気が無いなら、私がもふもふして元気パワーあげちゃう!!」
オリビア「ヒャッ!!」
ケイティ「もふもふもふもふ〜〜〜〜♡」
オリビア「ケ、ケイティさぁ〜〜ん!!」
ジェレミー「こりゃあ、外に出たら一瞬で子供達に囲まれちまうな。」
ローランド「またもふもふされてしまいそう・・・」
エリザベート「・・・・」
アウグスト「どうかしたのか、エリー?」
エリザベート「え?あ・・・いえ・・・今はまだ作戦の最中ですけど・・・何れ終結の宣言がされれば結婚式を執り行うでしょう?そうすると・・・私だけ浮いてしまいますわ・・・」
アウグスト「浮く?何故だ?」
エリザベート「だって2組の新郎新婦の内・・・私だけアルティメット・マジシャンズではないじゃありませんか・・・」
アウグスト「何だ、そんな事か。」
エリザベート「そんな事ではありませんわ!皆様は世界の英雄・・・!!私だけが凡人だと世間の目には映ってしまいますわ!!」
シン(そんな事気にしてたのか・・・)
タクト(エリザベート・・・)
シシリー(エリーさん・・・何時も殿下の傍に居るから余計に・・・)
不安を抱えるエリザベートに、シシリーが優しく励ます。
シシリー「気にし過ぎですよエリーさん。エリーさんは、誰もが羨む王子様のお嫁さんになる公爵家のお姫様ではないですか。それだけで十分特別ですよ。」
エリザベート「・・・そ・・・そうかしら?」
するとシシリーがエリザベートの両手を優しく握った。
シシリー「そうですよ。だから堂々と一緒にお式を挙げましょう。」
エリザベート「シシリーさん・・・そう・・・ですわね・・・ええ・・・分かりましたわ。」
元気が戻ったエリザベートを見て、アウグストが少しホッとした。
アウグスト「やれやれ。エリーの奴、まさかそんな懸念を抱えていたとはな・・・」
シン「将来の王妃だぜ?普通ならそんな事微塵も気にしないよな。」
タクト「特殊過ぎなんだよ。俺達が。」
シン「ははは・・・でも、世界の英雄・・・か。この国に来た当初はこんな事になるなんて夢にも思わなかったよ。」
アウグスト「お前は元々が英雄の孫だからな。功績を挙げればすぐに英雄視されるに決まっている。」
シン「功績は兎も角・・・王都に来た時の目的はほぼ達成出来たよな。友達も出来たし、彼女も出来たし、それに・・・大分常識も身に付いたしな。」
全員「・・・え??」
シン「ッ!?」
マリア「シン・・・アンタまさかアレで常識が身に付いたとか思ってるんじゃないでしょうね?」
シン「え?え?」
タクト「おい、オーグを見ろ。」
シン「え・・・?」
アウグスト「通信機のような非常識な魔道具を作り出し、更には世界の軍事力の均衡を崩し、おまけに魔石の謎まで解明し、世界全体の経済バランスにも影響を及ぼし兼ねない事態を引き起こしたお前の、何処が常識を知ったと言うのだ!!冗談も程々にしろ!!!!」
怒りが爆発したアウグストの雷がシンに落ちた。
トール「無いですよね?国の経済を壊すような発明・・・まさか、もう無いですよね?」
シン「・・・・・・・・な・・・無いよ。」
トール「あるんだ・・・」
リオ「さっきの間は何だったの?」
タクト「シン、これ以上やらかしたら非常識ならぬ異常識になっちまうぞ。」
シン「それは嫌だ・・・」
アウグスト「兎も角、シンの常識に関しては最初から期待はしていない。ひたすら自重しろ。」
シン(ひっでぇ言われよう・・・)
アウグスト「さあ、落ち着いた所でマーリン殿達に報告に行こう。」
ウォルフォード邸。タクト達がゲートで来た。
マーリン「お、帰って来たか。」
リチャード「待っていたぞ。」
アザレア「おかえりなさい。」
シン「あ!アザレア叔母さん!」
アザレア「久し振りねシン。」
タクト「おや、ラドクリフ一家もお揃いか。」
マナミア「皆さん、お帰りなさい。」
アリス「あ!マナミア!そっちも無事だったんだね!」
マナミア「はい。」
シン「え?誰?」
マナミア「あなたがシン=ウォルフォードさんですね?お爺様とお婆様から話を伺っております。私はマナミア=ラドクリフです。騎士養成士官学院に通っています。以後、お見知り置きを。」
シン「あ、はい。シン=ウォルフォードです。騎士学院って事は・・・ミランダの?」
マナミア「はい。こう見えてミランダの先輩なんです。後輩が色々お世話になっております。マリア、ミランダと仲良くしていますか?」
マリア「はい。もうすっかり仲良しです。」
マナミア「そうですか。マリア、話す時は普通で構いませんのに。」
マリア「いえ・・・どうもそれが抜け切れなくて・・・」
マナミア「もう、しょうがないですね。」
ニルス「君がシン君だね?私はニルス=ラドクリフ。宮廷魔法師団に所属している。」
モニカ「妻のモニカ=ラドクリフです。近衛騎士団に入っております。」
シン「え?じゃあ、クリスねーちゃんとジークにーちゃんと一緒に仕事を?」
ニルス「勿論。」
モニカ「はい。」
”コンコン”
エスタ『エスタです。宜しいですか?』
タクト「エスタか!入ってくれ!」
ドアを開けたエスタがリビングに入って来た。
エスタ「皆さん、いらっしゃいませ。タクト様、お客様が来ております。」
タクト「お客様?」
エスタ「どうぞ。」
入って来たのは、アリアだった。
タクト「アリアさん!来てたんだね!」
アリア「はい。リチャード様が是非にと。」
マリア「タクト、この人は?」
タクト「この方は。」
リチャード「私が紹介しよう。この方はアリアさん。我がラドクリフ教の信者で、今は訳あって我が家で過ごさせて貰っている。」
タクト「俺は攻略作戦前に知り合い済みだ。」
シン「へぇ〜。」
タクト「オーグ、皆に報告を。」
アウグスト「そうだったな。」
4人に今回の報告を告げた。
マーリン「そうか・・・まあ、ある意味ここからが本当の世界連合の結束力の見せ所かのう。」
メリダ「残った魔人は・・・シュトロームは、本当にもう攻めて来ないのかい?」
タクト・アリア・リチャード「・・・・・」
シン「砦に居た魔人がそう言ってたよ。シュトロームの目的は帝国を滅ぼす事。世界侵攻に関しては前向きじゃなかったって。勿論、シュトローム側に付いてる魔人が全て同じ意志を持っているかは分からないけど・・・」
タクト(帝国の魔人達はシュトローム・・・いや、オリベイラを主として忠誠を誓っている反面、別の目的を心に秘めている。言ってみれば、極めて危ない関係にも思える。この先何も起こらない保証なんて、何1つ無い。)
アウグスト「確証がある訳ではありませんが・・・しかし、スイード襲撃に始まる騒動にシュトロームは関わっていなかった。それも事実です。」
メリダ「それは・・・まあ・・・そうなんだろうけどねえ・・・」
シン(・・・?どうも婆ちゃんの歯切れが悪いな・・・)
メリダ『もしかしたら、帝国を滅ぼしたい程強く何かを恨んだ事が・・・』
あの時の言葉を思い出し、メリダに問うてみる。
シン「婆ちゃんが気になっているのはひょっとして・・・過去の魔人とシュトロームに・・・何か共通する事実があるって事?」
その言葉に4人が黙り込んだ。だが。
マーリン「・・・もう話しても良いのかも知れんの・・・」
リチャード「何時までも隠すのは疲れるだろうな・・・」
レイチェル「そろそろ打ち明ける事にしませんか・・・?」
メリダ「そうだね・・・そろそろこの子達にも知っておいた方が良いのかも知れないね。」
シン「・・・聞かせてくれる?過去に爺ちゃん達が討伐した・・・魔人の事。」
マーリン「・・・うむ・・・」
マリア「ホ、ホントに聞かせて頂けるんですか!?4人の伝説の英雄譚!!」
アリス「やったぁ!!」
ユーリ「本でしか知らなかった物語を直接聞けるなんて感激〜〜〜〜!!!」
急に女子達が興奮し始めた。
メリダ「お、落ち着きな!あんな小っ恥ずかしい話なんざする訳ないだろう!!話すのは過去の魔人の事だけだよ!」
アリス「・・・・」
ユーリ「そ・・・そうなんですかぁ・・・」
レイチェル「今回は我慢して下さいね。」
メリダ「私等が倒した魔人はねぇ・・・物語にある通り、人も街も・・・見境なく破壊して暴れ回った。恐らく、周りの全てを憎んで・・・滅ぼす事が目的だったんだろう。」
シン(全てを・・・)
リチャード「シュトロームもどうやら、尋常じゃない『憎しみ』を帝国に対して抱いてたみたいだな。その結果・・・帝国は貴族から一般市民に至るまで皆虐殺されてしまった。」
メリダ「そんな事を仕出かしたシュトロームが・・・帝国に向けたその憎しみを、今度は世界に向ける可能性が無いと言い切れるのかい?」
タクト「・・・・」
シン「憎しみに溢れる魔人・・・かぁ。」
アリス「何て言うか・・・物語で読んだ魔人とは、少し印象が違うような・・・」
トール「自分もです。もっとこう・・・魔物や魔獣に近いものを想像していました。」
リチャード「物語と実際の話とは少し異なる箇所があるからな。」
マーリン「奴は憎しみに心を奪われていた。これは雑多いに倒さなければいけないと・・・心の底からそう思ったもんじゃ・・・」
『此奴は真に魔人だ・・・!人類の敵になる存在だ・・・!!』
『此奴はここで仕留めなきゃいけない!!』
シン(同じだ・・・俺がシュトロームと対した時の危機感と・・・)
アウグスト「シュトロームも恐らく同様でしょう。奴の目的は『帝国の支配』ではなく『帝国を滅ぼす』事だった。何があったにせよ、相当に強い恨みや憎しみを持っていた事は想像出来ます。」
アリア「・・・・」
マーリン「ワシらが過去に
4人は、皆に過去に討伐した魔人の男を話した。
夕方。外に出たアルティメット・マジシャンズが黙り込んでいた。
アリス「・・・いや、何てゆーか・・・非道い話だよねぇ!そりゃ魔人になっても無理ないって言うかぁ!?」
元気付けようとしたが、誰も無反応。
トニー「・・・ま、1つ言えるとしたら、4人が言ってた魔人の切っ掛け・・・『膨大な魔力の持ち主への過度なストレスが原因になる』って言う裏付けは・・・ちゃんと過去にあったって事だよねぇ。」
タクト・シン・マリア(過去の魔人・・・)
マーリン『シュトロームがどう言う経緯で魔人になったのかは分からん。じゃが・・・今後何も起こらんと言うのは、飽く迄希望的観測に過ぎんと思うぞ。』
メリダ『せめて・・・警戒だけは緩めないでおいで欲しいねぇ。』
リチャード『彼が今後何を仕掛けて来るか分からない。』
レイチェル『皆さん、今後もシュトロームの動きに目を向けて下さい。』
アウグスト「連合による帝国領包囲に関しては充分注意を払うよう全軍に通達しておこう。全てを詳細に伝える事は出来んが・・・」
シン「・・・あぁ。その方が良いだろうな。」
タクト「膨大な魔力・・・エリザベートとメイちゃんとケイティを除くここに居る俺達は、充分膨大と呼べる魔力量を常に秘めているよな。お前等、ストレスを溜めず常に平常心を保てよ。」
シン「皆・・・くれぐれもストレスは溜め込むなよ?」
全員「・・・・・」
シン「・・・ゴメン。冗談。」
マリア「冗談に聞こえるかぁっ!!」
トール「誰がこんなデカい魔力持たしたと思ってるんですか!!」
アリス「ってか自分が一番注意してよねシン君!!!」
マリアに蹴られ、トールに叱られ、アリスにビンタされた。
アウグスト「タクトに比べて、お前は案外キレやすいからな。クロードの事となると特に。今まで何度それで問題になり掛けたか・・・」
シシリー「・・・い・・・嫌ですよ・・・私・・・シ・・・シン君が・・・ま・・・」
シン「だ、だ、大丈夫だってシシリー!!俺も皆も絶対そんな事になったりしないから・・・!!」
マリア「泣〜かした泣〜かした!」
ケイティ「泣かしちゃいましたね若旦那〜!」
シン「黙れ!!」
タクト「シンは兎も角、世間にはシシリーと結婚する事を妬む輩が居るかも知れないな。」
マリア「まぁそうよねぇ。」
アリス「昔からモテそうだもんねぇシシリー。」
マリア「モテるなんてもんじゃないわよ。中等学院の時なんて学院中の男共が狙ってたわよ。」
シン「そ・・・そんなの・・・!?」
マリア「そうよ。告白だって一体何度されてた事か!」
シシリー「もうマリア!何でそんな事まで言っちゃうの!?」
シン(俺が知らない事のシシリー・・・か・・・な・・・何か少し複雑な気分になるな・・・)
シシリー「・・・あ、あの!勿論誰とも付き合ってませんよ!?わ、私にとっては何もかもシン君が初めてですから!!」
少々落ち込んでるシンに、シシリーが元気付ける。
シン「わ・・・分かってるよシシリー。変な心配なんかしてないよ。寧ろ、そんなにモテモテだった女の子を彼女に出来て凄え優越感を感じてる。」
シシリー「え?あぅ・・・そ・・・そうですか・・・シン君は中等学院に行ってなくて良かったです。」
シン「え?何で?」
シシリー「だって・・・そしたら私なんかより、もっとモテたはずです・・・きっと・・・色んな女の子に言い寄られて・・・わ・・・私なんか・・・気にも止められずに・・・」
シン「そんなにモテはしないだろ?」
シシリー「モテますよ!!だってこんなに格好良いのに!!」
シン「てい!」
シシリー「わぷっ!?」
急にシンに抱き締められた。
シン「恥ずかしいから、そう言う事言うな。」
シシリー「う〜〜〜・・・格好良いのに・・・」
シン「まーだ言うなら、もっとお仕置きを・・・」
2人のイチャイチャを皆がずっと見ている。
アウグスト「続けるなら気にせずやれ。この空気に耐えられるならの話だが。」
マリア「・・・ったくもう、真面目な話してたかと思ったら、結局何時ものコレよ。」
ナージャ「・・・・・」
オリビア「ナージャさん?」
ナージャ「・・・・・」
あの時の災害級を見て頭痛をした事をまだ抱えている。
ナージャ「・・・皆。」
全員「?」
ナージャ「私、魔人領へ行く途中に災害級を見て頭痛がしたって話してたわよね?」
アウグスト「あぁ。」
ナージャ「私・・・あの災害級達の事を知っているのかも知れない・・・」
シン「え!?」
ナージャ「でも私の憶測だけどね・・・でももしあの時と同じ災害級が出たら、きっと何か思い出すかも知れない・・・」
リオ「それ、また災害級が出てくれないかって思ってるの?」
ナージャ「違うわよ・・・そう言う意味じゃないのよ・・・」
アウグスト「ナージャ、お前は過去の記憶を失っていると言ってたな?」
ナージャ「えぇ・・・」
アウグスト「記憶を取り戻して、自分の過去を知りたいのが本望か?」
ナージャ「うん・・・だから、私の記憶を取り戻す為に力を貸してくれる?」
マリア「当たり前でしょ?」
アリス「そうだよ!ナージャは私達の仲間なんだから!」
ユーリ「魔道具の威力の増幅も助かるわぁ。」
タクト「ナージャ、お前の記憶を取り戻したいのは俺達も同じだ。」
デイジー「その為なら私達も全力で協力するわよ。」
シシリー「ナージャさん、頑張りましょうね!」
ジェレミー「お前に縋る不埒な輩共は俺達が喰ってやるからよ。」
グレア「だから元気出して!仲間である私達を信じて!」
ナージャ「・・・うん、ありがとう。」
アウグスト「まあどの道、シュトローム自身の意志や過去など本人か、余程奴に親しい者に直接訊かねば分かるはずもない。」
タクト(皆にシュトロームの過去を話すのは、遠くなりそうだ。)
アウグスト「やれる事は、各自何か起きた時に即時対応出来るよう気構えておく位だな。今日はこれで解散しよう。明日は久々の学院だ。遅刻するなよ。」
全員「はーーい!」
アウグスト「あぁ、シン、クロード、さっきの続けても良いぞ。」
シン「おい!」
翌日・高等魔法学院Sクラス。
アルフレッド「取り敢えずは皆ご苦労だったな。まだ作戦自体は継続中だが、自分達の任務を良く熟したとと思うぞ。名ばかりの担任だが、お前達を生徒に持てて誇りに思うぞ。」
シン「名ばかりだなんて・・・そんな事ないって先生。先生の助言が、皆実戦でも活かされたみたいだしさ。」
アルフレッド「しかし・・・お前達を受け持ってもう半年以上になるのか。」
マリア「もうすぐ冬・・・年末まであっと言う間ね。」
アウグスト「!」
そんな中アウグストが何かを思い出した。
アウグスト「そう言えば・・・そろそろじゃなかったか?」
シン「何が?」
アウグスト「
シン「・・・!ああ・・・言われてみりゃそうか。魔人領攻略作戦の事で頭いっぱいになってて忘れてたよ。他の皆は?もう誕生日終わったの?(そう言えば俺、皆の事どころか、シシリーの誕生日すら・・・どうしよ、もう過ぎちゃってたら・・・)」
シシリー「私も年末です。マリアとも誕生日がすぐ近くなんですよ。」
シン(ホッ・・・良かった。まだこれからで・・・)
タクト「他の皆の誕生日は?」
アリス「私は終わったよ!春先に!」
リン「私も春生まれ。」
シン「お前等歳上だったのかよ!?」
タクト「先輩!?」
トール「自分達ももう終わってますね。」
トニー「僕は年明けだよ。」
ユーリ「私もぉ。」
オリビア「私も年明けですね。マークはウォルフォード君達と同じ年末です。」
マーク「そうッス!」
シン「もう過ぎちゃってる人も多いんだな。誕生日とか全然祝ってなかったけど・・・良かったのか?」
アウグスト「それは仕方ないな。魔人騒動や戦争のせいで派手な祝い事や催しは基本皆自粛していたからな。」
シシリー「タクト君のお誕生日は何日なんですか?」
タクト「俺?俺も年末だ。24日。シンの誕生日は?」
シン「えっと・・・一応年末の20日だよ。」
シシリー「え!?20日!?」
マリア「それシシリーと同じ誕生日よ!!」
シン「えぇ!?マジで!?」
マリア「凄い偶然ね・・・」
シン「・・・ただまあ・・・俺のは本当の誕生日じゃなくて、爺ちゃんに拾われたのがその日だったってだけだけどね・・・」
シシリー「あ・・・」
マリア「そっか・・・」
タクト「そう言えばそうだった・・・」
シシリー「で、でも!その日にお爺様に命を救われるだなんてやっぱり凄いです!!運命です!!」
シン「・・・!シシリー・・・」
アウグスト「・・・これは決まりだな。」
マリア「どうしたんですか殿下?」
タクト「今年のシンの誕生日会は、シン、タクト、クロード、メッシーナの4人合同で大々的に行おうではないか!!」
マリア「4人合同!!たのしそう!!殿下!それ良いです!!」
シシリー「是非やりましょう!!」
タクト「これは楽しくなりそうだ!!」
シン「え!?いや・・・だから皆自粛してんじゃないのかよ!?婚約披露パーティーと言い、何で俺の時だけ盛大にやるんだ!?」
アウグスト「お前とタクトは一般人と違い、魔人討伐の英雄だろう?お前の吉事を盛大に祝うのは、世界の不安を払拭する事にも繋がるんだ。」
シン「・・・はあ・・・そーゆーモンか・・・」
タクト「確かに。そうした方が最適かもな。」
アウグスト「と言う訳で、シンの婚約披露以来久々のパーティーだ!!派手にやるぞ!!」
全員「おおー!!」
タクト「ん?待てよ?そう言やマークも同じ年末だって言ってなかったか?どうせなら一緒にやろうぜ?」
マーク「ギクゥッ!?いや!!いいッス!!自分は身内だけでこぢんまりとやるんで気にしないで下さい!!」
タクト「ん?そう言うモンなのか?」
合同パーティーの参加を拒否するマークに、トニーが。
トニー「成る程!やっぱりマークは、誕生日イベントの期間中くらい
マーク・オリビア「!?」
シン「あー、そーゆー事かぁ。」
マリア「やらしいわねぇマーク。」
マーク「いやっ!違っ!!そ、そ、そうじゃなくて!!」
オリビア「マークのばかぁ・・・」
あたふたするマークと、顔を赤くして恥ずかしがるオリビア。
マーク「ウォルフォード君達と合同の主催だと!その・・・とんでもない人達が絶対来るじゃないッスか!!そんな緊張感、正直とても耐え切れないッスよ!!前だて剣聖様とか陛下とか・・・いや、下手したらもっと凄い人が来ても可笑しくないッス!!」
シン「あはは!ないない!誰だよ国王より上って・・・」
タクト(猊下じゃね?)
アウグスト「兎も角!それに向けて準備を進めよう!」
シン「何で何時になくやる気出してんだよオーグ・・・」
タクト「こりゃあ、賑やかになりそうだな。」
4人の合同パーティーの準備が今、始まる。
八木侑紀
市川蒼
松田修平
年末に開催されるタクト達の合同パーティーの準備の為、トールの故郷・フレーゲルの街へ向かった。だがそこで、色々なハプニングが迫り来る。