ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS 作:naogran
ベランダ。
エカテリーナ「ここに居たんですね。」
メリダ「小娘・・・」
エカテリーナ「居た堪れなくなって、会場を離れたんですか?」
メリダ「・・・どう言う意味だい?」
エカテリーナ「先程のアリスさんの質問。先生も師匠も、まだシン君に秘密にしている事がありますよね?」
マーリン「・・・シンには、直接関係のない事じゃからの・・・」
エカテリーナ「関係が・・・ない?本当に、そう思っているんですか?嘗て亡くなった
2人には嘗てたった1人の息子が居た。だがその息子は、ある理由で・・・
エカテリーナ「実を言うと私・・・今日ここへ来たのは、それを確認する意味もあったんですよ。シン君は・・・先生と師匠を本当の祖父母だと慕っている。見れば分かります。なのに・・・お2人にとってはそうではないと仰るんですか?」
メリダ「なっ・・・!」
エカテリーナ「あまり弟子を失望させないで下さいね。師匠。」
挑発されたメリダの表情が険しくなり、アーロンは焦っている。
メリダ「・・・何時か話すさね。」
エカテリーナ「・・・そうですか。」
アーロン「・・・まあまあお2人さん!ちょ、ちょっと落ち着いてや!何をそんな熱なって・・・」
エカテリーナ「・・・ふぅ。すみませんでした師匠。生意気な事を。」
メリダ「・・・ふん。あの小娘が成長したもんだね。挑発紛いに私に意見するなんてさ。・・・確かにアンタの言う通りだ。訊かれなかったから言わなかった。酷い言い訳もあったもんさね。」
エカテリーナ「辛い気持ちは痛い程分かります。けど・・・」
メリダ「・・・家族であるシンに言わないのは違うか・・・」
マーリン「シンの事じゃ。敢えて訊かなかったのかも知れんが・・・ワシ等からしても進んで話したい内容でもなかったからの・・・」
メリダ「図星も良い所さ。何て情けないジジババだ。」
マーリン「成長したのぅ・・・カーチェ。ワシ等も見習わんとの。」
エカテリーナ「先生・・・」
アーロン「・・・俺は?」
メリダ「アンタは昔のまんまだよ。」
マーリン「さあ。暗い話はここまでにして戻るとするかの。今日は孫達のめでたい誕生会じゃ。」
エカテリーナ「今日くらい私もお酒を頂くわ。だって普段は全然呑ませて貰えないんだもの。」
パーティー会場に戻った4人に。
リチャード「どうだ?何か打ち明けれたか?」
エカテリーナ「・・・まぁ、色々と。」
リチャード「なら良い。マーリン、お前達の息子の事なんだが。」
メリダ「何だい?」
食事をしているタクトに。
ニルス「タクト君。」
タクト「ん?」
モニカ「お父様達が呼んでいますわ。」
タクト「リチャード達が?」
モニカ「マナミア。あなたも。」
マナミア「はい。お母様。」
タクト「俺に用?」
ニルス「アザレア、お前も。」
アザレア「えぇ。」
別室に連れて来られたタクトは、ラドクリフ一族と対面する。
タクト「リチャード。俺に話って何だ?」
リチャード「先程アリスが言ってた事なんだが。」
タクト「あぁ。シンを息子ではなく孫として育てた理由か?」
レイチェル「それには、深い訳があるんです。」
タクト「深い訳?」
レイチェル「お2人には嘗て息子さんが居たんです。」
タクト「息子?」
アザレア「そして、私の兄よ。」
リチャード「2人には最愛のたった1人の息子だ。ニルス君。」
ニルス「はい。この子がマーリン様とメリダ様の息子の写真だ。」
懐から2人の息子の写真を出し、それをタクトに見せた。
タクト「・・・面影がシンに似てる。」
リチャード「その子の名前はスレイン。モニカの幼馴染みでアザレアの兄で、エカテリーナの元婚約者だ。」
タクト「元婚約者!?」
アザレア「兄さんはとても明るく、誰にでも優しい子で、引き取られた私を妹のように可愛がってくれたのよ。」
レイチェル「私達はパーティを組んで旅をしていました。」
タクト「エカテリーナ猊下とアーロン大統領と一緒に?」
レイチェル「はい。ですが彼は・・・」
そこからスレインに何があったのかをタクトに全て打ち明けた。
タクト「そんな事が・・・」
モニカ「お2人はとても悔やんでいて離婚を決断し、後にシンさんを保護して孫として育てたんです。」
タクト「そうか・・・お2人にそんな過去が・・・ってか、何で俺だけ教えたんだ?」
リチャード「君は色々な事情を秘密にしてくれると思って、マーリン達と話し合って君にだけ打ち明けたんだ。」
マナミア「このお話はメリダ様が後に語るそうなので、先にタクトさんに教えてあげたんです。」
タクト「そっか。何か気の毒な感じだが、理由が分かって良かった。お2人も苦悩を乗り越えたんだな。ありがとう皆。」
リチャード「あぁ。」
パーティー会場に戻った。
シン「タクト、何処行ってたんだ?」
タクト「ちょっとな。」
シン「・・・・・」
タクト「どうした?」
シン「いやぁ・・・」
シシリー「シン君・・・気にされてるんですか?先程の事・・・」
シン「え?んー・・・そこまで気にはしてないよ。大事な事なら、まあ何時かは話してくれるだろうし。・・・1年前の誕生日を思い出してたんだ。俺・・・去年の誕生日まで本当は王都の学院に通う予定じゃなくてさ・・・その先どうするかなんて具体的に何も決めてなかったんだよ。でも今は・・・改めてここに来られて良かったと思ってる。1年前は自分がこんな光景の中に居る未来なんて想像も付かなかった。まるで夢みたいだよ。本当に・・・王都に来て良かったなぁ・・・」
シシリー「私も。シン君が王都に来てくれて良かったです。」
タクト「俺もだ。こうして新しい仲間に巡り会えて良かったと思うぜ。まぁでも、お前のその常識破りな知識や行動はアレだと思うけど?」
シン「し、失礼な!」
シシリー「うふふふ。」
すると彼の後ろから・・・
エカテリーナ「シンくぅん〜〜〜〜呑んでるぅ〜〜〜〜〜?」
シン(げっ!!教皇様!?)
タクト「エ、エカテリーナ猊下どうかなされて?」
エカテリーナ「わらしねぇ・・・ほんとらったらぁ〜〜〜〜シンくんくらいのこどもがいてもおかしくなったのよぉ〜〜〜〜〜。」
タクト「よ、酔ってる!?」
シン(ベ・・・ベロベロに酔っぱらってる・・・)
エカテリーナ「あのひとがしんじゃってぇ・・・くににもどったら”せーじょ”なんてよばれるようになっちゃってぇ・・・けっきょくこのとしまでどくしんじゃないのよぉ・・・」
シン(な・・・何かネガティブモード入ってるし・・・)
後ろの皆はひそひそしてる。
シン(くそぅ!皆見て見ぬフリしやがって・・・!!)
タクト「エカテリーナ猊下!落ち着いて!」
エカテリーナ「きめた。シンくんあなた・・・わたしのことおかあさんってよびなさい!!」
タクト「ギョッ!?」
シン「お・・・お母さん!?な・・・何言ってんですか一体!?よ・・・呼べる訳ないでしょ!!」
酔ってるエカテリーナがシンにグイグイ寄る。
エカテリーナ「なんれぇ?ししょうのまごなんらからわらしのこどもれいいれしょう〜〜〜〜〜?」
シン「ど・・・どう言う理屈ですかそりゃ!?」
タクト「冷静に!!」
2人の間に入ってエカテリーナとシンから離した。
タクト「エカテリーナ猊下!冷静に!まずは水を飲んで!」
エカテリーナ「なにさぁ〜〜〜タクトくんいけすかないわねぇ〜〜〜〜〜。」
タクト「ど、どの口が言うんだ・・・?」
エカテリーナ「いいじゃないのよぅ・・・わらしらっていちどくらいはぁ〜〜〜〜・・・」
タクト「ダメだ。自暴自棄になった。」
ワインをグラスに注ごうとしたが、エカテリーナがテーブルの上に倒れた。
シン「!!??」
タクト「猊下!?」
マナミア「猊下様!大丈夫ですか!?」
リチャード「エカテリーナ、どうした?」
倒れたエカテリーナを見る。
リチャード「・・・酔い潰れたみたいだな。」
タクト「全く、人騒がせなお人だ・・・」
エカテリーナ「むにゃ・・・さみしいよぉ・・・スレ・・・イ・・・」
シン(・・・?)
タクト(スレイン・・・)
メリダ「日頃の疲れやストレスが溜まっていたんだろう。許してやっとくれ。」
マーリン「今晩はウチで休ませれば良かろう。ワシらで部屋に連れて行くとするかの。・・・そう言えばメリダ。」
メリダ「おっと。忘れる所だったね。2人にだよ。」
渡したのは黒い小箱。
シン「・・・俺達・・・2人・・・に?」
小箱を開けると、2つの指輪が入っていた。
シシリー「わぁっ・・・!」
タクト「結婚指輪!」
シン「爺ちゃん婆ちゃん・・・これって、ひょっとして・・・」
マーリン「シンとシシリーさんの結婚指輪じゃよ。」
メリダ「私らにはこんな事位しかしてやれないからねぇ。」
シン・シシリー「・・・」
メリダ「心待ちにしとるよ。アンタ達の結婚式。」
2人はエカテリーナを部屋へ連れて行った。
シン「・・・爺ちゃん・・・婆ちゃん・・・」
シシリー「ありがとうございます・・・!!お爺様・・・お婆様・・・」
しばらくして合同パーティーがお開きにになり、多くの客達が帰って行った。
ディセウム「タクト君。」
タクト「おう。おーい!アルティメット・マジシャンズ集合!!」
シン「?」
アルティメット・マジシャンズを集合させた。
マリア「どうしたのタクト?」
タクト「今から俺の家で合同パーティーの二次会の始まりだ。皆を招待するぜ。」
アリス「二次会!?タクト君の家で!?楽しみー!」
タクト「よし皆、俺に付いて来い。」
クリスティ邸前。
???「お帰りなさいませ。タクト様。」
タクト「ただいま。」
5人の使用人がお出迎えしてくれた。
フローレンス「アルティメット・マジシャンズの皆様、お招き頂きありがとうございます。」
メイド長のフローレンス。
エスタ「今日はどうぞお楽しみ下さいませ。」
メイドのエスタ。
タクト「早速だけど、料理を用意してくれ。その間に皆を色々案内させる。」
ヨナ・クララベル「畏りました。」
メイドのヨナとクララベル。
ビル「では、早速ご用意いたします!」
コック長のビル。使用人達が料理を用意しに行った。
タクト「皆陛下が手配してくれた使用人達だ。」
アウグスト「お前1人で生活するのかと思ってたぞ。」
タクト「んな訳あるか。さて皆、ちょっとこっち来てくれ。」
家に入らずに横へ移動した。
ユーリ「え?入らないの?」
タクト「まず見せて貰いたいものがあるんだよ。」
それは、クリスティ邸の横にある小さな家だった。
シシリー「これは?」
タクト「アルティメットギルド。俺達アルティメット・マジシャンズ用に建てた集会所だ。」
全員「集会所!?」
タクト「何時もは外や城やウォルフォード邸で会議とかやってるだろ?だからさ、俺達専用の集会所を建てたんだよ。」
アルティメットギルド内。
タクト「内装はシンプルで、暖炉やシャンデリアにソファーに、シンが開発したトイレ。そして俺が密かに開発したゲートの魔道具。漏洩されないように防音や完全防御の魔道具も取り揃えてある。」
ユリウス「素晴らしいで御座るな!」
タクト「会議をする時は皆この場所に集合するようにな。さて、そろそろ家に入るか。」
クリスティ邸内。
タクト「内装はウォルフォード邸と同じ広さで、部屋も沢山ある。」
それぞれ部屋を見て回る。
タクトの部屋。
リビング。
キッチン。
トイレ。
使用人達の部屋。
廊下。
タクト「使用人達の部屋はそれぞれ個室だ。プライバシーを守らないとな。」
シシリー「良いですね。タクト君は色々考えておられるのですね。」
タクト「まあな。お?」
目の前にエスタが待っていた。
エスタ「皆様、お食事が出来ました。」
タクト「ご苦労様。よし、行こうぜ!」
パーティー会場。
アリス「わぁ〜!」
豪華なご馳走がズラリと並んでいる。
アリス「凄い豪華〜!」
マリア「でも流石にこれは多過ぎなんじゃ・・・」
リン「残ったのは私が食べる!」
タクト「あはは。」
シン「じゃあ、二次会を始めようか!」
タクト「あ、待ってくれ皆!」
シン「ん?」
タクト「始める前に、皆に話したい事があるんだ。」
パーティー会場の隅のソファーでは。
シン「それで、話したい事って?」
タクト「あぁ。・・・魔人領攻略の時にシシリーにだけ話した事なんだが。」
マリア「シシリー、何か知ってるの?」
シシリー「え?えっと確か・・・」
タクト「今日は皆に話してやる。・・・実は俺、シンに出会う5ヶ月、ブルースフィア帝国に来た事があるんだ。」
全員「っ!?」
タクト「俺は、その国の残酷さや無慈悲さを多く見続けたんだ。平民達は飢えていて、苦しんで、殺し合って、殺した人間を喰う光景を見続けたんだ。」
アウグスト「・・・・」
タクト「俺は平民達に食糧を与え続けたんだ。けど、それが仇となったんだ。」
マーク「どう言う事ッスか?」
タクト「事の発端は貴族達だ。奴等は懸賞金肉1年分にして、俺を指名手配したんだ。俺は奴等から、『平民達は貴族の糧として生きるのは当たり前』、『平民達に食糧を与えているお前は我々に対する死神』 と罵った。」
アリス「でも何で?貴族達がそんな考えを?」
タクト「彼奴らは、貴族が平民達より優遇される事が当たり前だと言っていた。貴族に反する者は強制処刑も惜しまないと。例え同じ貴族であっても。」
シン「酷いな・・・」
タクト「俺はそこで、レジスタンスに助けられたんだ。」
トール「レジスタンスですか?」
アウグスト「貴族に対抗する組織か。」
タクト「そうだ。ラスティーって言う男が居てな。彼の両親が結成した組織。俺はそのレジスタンスに参加して、貴族や兵士達と戦い続け、帝国を解放しようと励んでいたんだ。けど・・・」
アリス「ん?」
タクト「レジスタンスの中に裏切り者が居たんだ。そいつは貴族達から『情報を提供すれば、食糧を与えてやる』と買収されて、隠れ家を教えてしまったんだ。俺とレジスタンスは貴族達に必死に抵抗したんだ。けど貴族達は俺を無視してレジスタンスに優先して殺した。子供達も躊躇無く。奴等は弱い者達を殺し続けたんだ・・・」
シン「酷過ぎるだろそれ・・・!?」
タクト「生き残ったのは、俺とラスティーだけになってしまった。俺は皇帝ヘラルドと対面したんだ。」
シンに出会う5ヶ月。
タクト『お前が・・・!』
ヘラルド『我が名はヘラルド=フォン=ブルースフィア。この帝国を束ねる皇帝だ。』
タクト『何故こんな真似をするんだ!!』
エミリー『そうだ!!罪の無い人間達を殺して何になるんだ!!』
ヘラルド『何を言う。此奴等は既に罪を犯し続けている。』
タクト『何だと!?』
ヘラルド『此奴等は、この国で生き続けている。それだけだ。』
タクト『まさか・・・それだけが罪なのか・・・!?』
ヘラルド『平民達は常に我々貴族の糧として生きている!!それを何故、赤の他人のお前が否定している?お前はこの国の人間でも貴族でもない。ただの異物に過ぎない!!』
タクト『巫山戯るな!!!』
だが貴族達と兵士達がラスティーに剣先を向けた。
タクト『なっ!!』
ラスティー『皆!!!』
フェオン『ラスティー!!』
ヘラルド『動くとこの此奴達の命は無いぞ。大人しく降伏すれば、命だけは助けてやろう。』
タクト『・・・嫌だと言ったら?』
ヘラルド『こうするのだ。おい!』
他の兵士達が平民達を連れて来た。
タクト『・・・まさか!!』
ヘラルド『殺れ。』
タクト『止めろおおおおおお!!!!!!!』
だが兵士達は聞く耳持たず、平民達を皆殺しにした。
タクト『っ・・・・・!!!!!!』
ヘラルド『さぁどうする?素直に降伏するか?』
ラスティー『タクト!僕に構うな!!早く逃げるんだ!!』
タクト『・・・・!!!』
ヘラルド『フッハッハッハ!!!無様な平民共だ!!ならば今すぐ殺して楽にさせてやろう!!殺れ!!』
タクト『止めろ!!!!!!』
ヘラルド『ん?』
遂に、タクトの怒りが爆発した。
タクト『これ以上・・・ラスティーに手出しするな!!!!!』
ヘラルド『なら、ここで素直に降伏するか?それともここでこの者達と一緒に死ぬか?』
タクト『第3の選択だ!!』
ヘラルド『ん?』
タクト『ラスティーを解放してこの国から逃げる!!』
ヘラルド『フッハッハッハ!!!』
兵士達『ハッハッハッハッハ!!!』
貴族達『ハッハッハッハッハ!!!』
ヘラルド『どうやって逃げると言うのだ?成す術も無い貴様に何が出来る!!』
大笑いするヘラルド達に。
兵士『グアッ!!!』
突然、1人の兵士が殺された。
貴族『な、何だ!?』
それは、タクトのハンドスラッシュが兵士を殺したのだった。
貴族『貴様!!何をした!!』
エミリー『黙れ!!!』
貴族『グハッ!!』
兵士『ギャア!!』
ヘラルド『ッ!?』
フェオン達が兵士と貴族達を殺めた。
レア『タクト!!!』
タクト『あぁ!!!ラスティー!!すぐに助けてやる!!』
懐からスパークレンスを出した。
ヘラルド『何だ?』
スパークレンスを天に掲げて光を解放し、ウルトラマンティガへ変身した。
ヘラルド『貴様!何者だ!?』
ティガ『ティガ・・・ウルトラマンティガだ!!』
そう言ってウルトラフィックスで貴族達と兵士達を拘束し、ラスティーを救った。
ヘラルド『何!?』
ティガ『ラスティー!!早く!!』
解放されたラスティーがティガに駆け寄った。
ラスティー『タクト・・・君は一体・・・!?』
ティガ『話は後だ!ヘラルド!!土産に持って行け!!』
ヘラルド『ぐあああああああああ!!!!!』
マルチ・スペシウム光線がヘラルド達の足元に直撃し、ヘラルドの右目を石ころの破片で貫かれた。
貴族『陛下!!!』
ティガ『タァッ!!』
その隙に、ティガがラスティーと共にティガテレポーテーションして帝国から脱出した。
シン「そうだったんだ・・・」
タクト「それから俺は、ラスティーに食糧と金を与えて別れたんだ。」
アウグスト「そのラスティーは、今はまだ会ってないのか?」
エミリー「あぁ。彼奴は彼奴の人生を送っているだろう。」
アンナ「何時かまた会えますよ。」
タクト「さ!この話はお終い!今日は皆たっぷり盛り上がろう!」
シシリー「はい!」
イザベラ「行きましょう皆さん!」
合同パーティーの二次会が始まった。
二次会が終了し、皆をゲートの魔道具でウォルフォード邸に帰した。
ウォルフォード邸・シンの部屋。
シン「ふーっ、疲れたぁっ!!何だか色々想像以上のパーティーだったなぁ。」
シシリー「酔い潰れてしまった皆さんも協力して部屋にお連れしたし、タクト君の家での二次会も楽しかったですし、取り敢えずこれで終了・・・ですね。」
シン「にしても驚いたなぁ。タクトが1年前に魔人領へ行ってたなんて。」
シシリー「そうですね。私も初めて聞かされた時に驚きました。」
シン「シシリーは?今日はウチに泊まってく?」
シシリー「あ、はい。お父様も既にお部屋で寝てしまったので・・・私・・・も・・・」
言ってる最中にシシリーが言葉を詰まらせた。
シン「俺達の誕生日パーティーなのに、何で俺達疲れてんだろ・・・?」
シシリー(・・・あれ?えーーと・・・この状況・・・あれ?)
今この部屋はシンとシシリーの2人きり。シシリーはこの状況を読み込み中。
シン「どうしたのシシリー?」
シシリー「へっ!?あ、いえ!別に!・・・15年前の今日・・・私が1歳の誕生日をお祝いして貰っている時に、シン君はお爺様に命を救われていたんですね・・・」
シン「ひょっとしたら、その1年前の同じ日に本当に生まれてたかも・・・はは。」
するとシシリーが左手をシンの右手に添えた。
シシリー「シン君のお父様もお母様も、きっと本当はこうやってシン君の手を握ったり・・・抱き締めたりしたかったはずですよね・・・私は・・・幸せ者ですね。愛し合っている両親が居て・・・その両親から愛されて、今日まで育って来れました。そんな当たり前の幸せに・・・今日改めて気付かされた気がします。」
シン「シシリー・・・俺達は子供に悲しい思いをさせないようにしなくちゃな。」
シシリー「フフ。そうですね。」
2人は見詰め合い、キスをした。
シシリー「シン君を助けて下さった15年前のお爺様に・・・感謝を。」
シン「・・・シシリーをこの世に産み落としてくれた・・・16年前のシシリーの御両親に・・・感謝を。」
シシリー(今、こうしてお互いがここに居る事の奇跡を・・・)
2人はベッドの上で抱き締め合ってキスをした。
シン「・・・シシ・・・むぐっ!?」
言おうとしたが、シシリーに口止めされた。素晴らしい合同パーティーの幕が閉じた。
合同パーティーを終えたアルティメット・マジシャンズは、それぞれの場所でそれぞれの日常を過ごす中、タクトの姉妹メイド、ヨナとクララベルに危機が訪れる。