ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS 作:naogran
学院から遠くの建物の上、オリバー=シュトロームが学院のSクラスを傍観していた。
シュトローム「まあ、実験は成功したと言う事で良しとしますか。」
学院・Sクラス教室。シンが落ち込み、タクトは無表情で外を見る。
アウグスト「どうした?いきなり英雄に祭り上げられて気疲れしたか?」
シン「それもあるけど・・・」
タクト「気になる事があってな。」
シン「あんなに簡単に魔人化するものなのか?」
アウグスト「確かに・・・」
アリス「え?え?ど、どう言う事?」
トール「嘗て魔人化したのは、皇位の魔法使いで、超高度な魔法の行使に失敗し、魔人化したと伝えられています。」
アウグスト「リッツバーグは、高等魔法学院に入学したばかり。例え魔力の制御に失敗しても、暴走するだけだ。それで魔人化するなんてな・・・」
マリア「けど実際に魔人になってたし・・・」
シン「人為的・・・って事は考えられないかな?」
リン「まさか!?誰かが魔人を作った!?」
シン「俺は爺ちゃんから、『魔人は完全に理性を無くし、吠える事しか出来なかった。』って聞いてる。」
タクト「それに比べてカートは、魔人化したにも関わらず、言葉を発していた。」
シン「それも、実際戦ってみたら案外弱くて・・・」
全員(魔人が弱いって・・・)
タクト「だが復活した時は、あの時と比べて若干強くなっていた・・・」
アウグスト「本当なのか?」
シン「それらを踏まえて考えると・・・カートは人体実験に利用されたんじゃないかと思っている。」
全員「っ!?」
タクト「俺もそう思ってる。アールスハイドに来る前は旅をしていた。そこで人体実験などの噂が流れていたんだ。」
アウグスト「そう言えば、昨日現れたあれはティガか?」
タクト「オーグ、知ってるのか?」
アウグスト「父上から聞いた事があってな。遠い国に存在する超古代の戦士の石像が蘇ったと。まさかタクトだとは。」
マリア「私も聞いた事があるわその話・・・え?タクト!?」
タクト「オーグ、やっぱり気付いてたか。」
アウグスト「父上からお前の事を聞かされてな。」
マリア「昨日のあれってタクトだったの!?」
タクト「まぁな。」
アリス「ねぇねぇ、あのティガってどんな力があるの?」
タクト「あぁ。俺はティガの体に宿っている力で戦えるんだ。それと、ティガが色を変えたのを見ただろ?赤と紫が基本となるマルチタイプ。赤色が剛力のパワータイプ。紫色が俊敏のスカイタイプ。それとこれだ。」
机の上にスパークレンスを置いた。
アリス「これがティガになれる魔道具?」
タクト「スパークレンス。ティガに変身出来るアイテム。まぁ神器と言った方が良いかもな。」
学院の外で、シュトロームがずっと見ている。
その後皆を連れて、ウォルフォード邸に帰ると。
イザベラ「あ、おかえりなさい。」
タクト「ただいま皆。」
シン「あれ?ディスおじさん?」
ディセウム「やあシン君達、丁度良い所に帰って来たか。」
タクト「陛下?」
シン「何でまたうちに?」
フェオン「ちょっとね。話もせずにお邪魔して来てね。」
ディセウム「事が事だけにな。私自らシン君とタクト君とマーリン殿とメリダ師に話をしておきたかった。」
メリダ「・・・・」
ディセウム「だがその前に、おい、例の通知を。」
官僚「はっ!!シン=ウォルフォード殿!!タクト=クリスティ殿!!貴殿達は魔人の出現と言う国難に際し、自らの危険を顧みずこれを討伐するに至りました!!就きましては、アールスハイド王国よりその行為に対し、感謝の意を表し、勲一頭の勲章を授与する事になりました!!」
シン「く・・・勲章!?」
タクト「俺達が!?」
シン「それって勲章くれるって事!?」
レア「凄いなタクト!!」
グレア「勲章だなんて良いな〜!」
エミリー「いや、私達も以前に他国から貰ってるからな。」
この話にマーリンとメリダが割って入った。
マーリン「ディセウム、タクト君に勲章を授与するのは結構だが、以前にお主は言ったな?シンを政治利用するつもりはないと。なのにこの扱いは何じゃ?」
メリダ「私も聞きたいねえ。これはどう言う事だい?」
一触即発の空気になってしまった。
ディセウム「そう言われると思ったからこそ、私が来たのです。今回数十年振りに魔人が出現しました。過去に1度魔人が現れた時、王国は滅亡の危機に瀕しました。その脅威をこの国の人間は決して忘れません。その脅威がまた現れた。この事は既に多くの国民の耳に入っております。そしてそれが直ぐ様討伐された事も。この国にとって、魔人の出現と討伐は隠しておけない事柄なのです。」
マーリン「そんな事は分かっておる!!勲章の授与とはどう言う事かと聞いておるんじゃ!!!」
ディセウム「マーリン殿とメリダ師、お2人の魔人討伐の際に授与した勲章を、同じ功績を残したシン君とタクト君に授与しない訳にはいかないのです。」
マーリン「・・・・・」
シン(そりゃやった事は爺さん達と同じだけど・・・同じ功績かって言われるとなぁ・・・)
メリダ「それはそうだろうけど・・・」
ディセウム「勿論それを利用しようと言う輩が居るでしょうが、それは私が全力を持って阻止します。何なら授与式で宣言しても良い。ですから何卒お許し願えませんか?私の為ではなく、国民の為に。お願い致します!!」
マーリン「はぁ・・・分かったディセウム、その言葉を信じよう。もしその言葉を間違えれば我々はこの国を出る。それで良いな?」
ディセウム「分かりました。それで結構です。肝に銘じます。」
マーリン「それと、一国の王が簡単に頭を下げるでない。」
シン「ほっ・・・」
メリダ「それにしても次から次へと、よくもまあトラブルを起こすもんだよ。」
シン「俺のせいじゃないし!」
メリダ「良ければ詳しく話を聞かせてくれるかい?」
あの時の事を話した。
ディセウム「人為的に魔人化させられた!?それは確かなのかい!?」
タクト「あくまで推測だ。」
ヒナ「フェオンさん、人為的に魔人化だなんてあるんでしょうか?」
フェオン「いや、私も初耳よ。」
ディセウム「むぅ・・・」
ドミニク『私には、これが人為的に行われている印象を受けます。』
ディセウム「シン君、タクト君、アウグスト、トール、ユリウス、シシリー、マリア、君達に命ずる。この事は箝口令を敷く!決して口外してはならない!分かったね?それとフェオン君達も。この事は口外しないように。」
エミリー「分かりました。」
アンナ「はい!」
シン「Sクラスのクラスメイトと担任の先生には話したよ?」
ディセウム「それはこちらで対処しよう。至急、各人に使者を派遣通達を。」
官僚「はっ!!」
ディセウム「では私は、これで失礼させてもらうよ。」
夕方。
タクト「オーグ、カートの家族はどうなんだ?」
アウグスト「カートの父親の処遇はまだ決まっていないそうだ。内容だけ見ればカート自身の暴走だが、責任を負わない訳にはいかないだろうな。財務局を辞任するのは・・・間違いないだろう。」
シン「そうか・・・」
全員「・・・・・」
アウグスト「話は変わるがシン、それにタクト。どちらにしろクロード達とは通学を続けた方が良さそうだな。」
シン「え?」
タクト「つまりそれは・・・」
アウグスト「あぁ。箝口令が敷かれたのは飽く迄カートの件。お前達が功労者である事は世間では周知の事実だ。言い方は悪いが、露払いでもいなければ、真面に街も歩けないぞ。」
シン「マジか・・・」
タクト「参ったなぁ・・・」
マリア「そりゃそうよねぇ。」
シシリー「魔人と魔物を倒したんですから!」
アウグスト「しかもそれが英雄の孫と戦士となれば尚更だ。近付いて来る者は際限ないだろう。」
シン「ま・・・また面倒な事に・・・」
タクト「はぁ・・・」
アウグスト「くっくっ。覚悟を決めろよ?新英雄殿方。」
翌日、4人と登校中に。
「ほらほら見て!シン様とタクト様よ!」
「あれが魔人を討伐した新しい英雄!」
「はぁ・・・格好良いなぁ・・・」
「一緒に居るのは誰なのかしら?」
「やっぱり、シン様とタクト様程の方になると、既に決まった人が居るのよ。」
「羨ましいわぁ・・・」
アウグストの言葉が的中した。歩くだけで国民達から注目されるばかりだった。
タクト「おいおい、完全に注目の的だな・・・」
シン「もう思いっきり広まってるじゃん・・・」
マリア「何言ってんのよ。シンとタクトが魔人を倒した事は隠しておけないって陛下が仰っていたじゃない。」
タクト「まぁな・・・」
シシリー「けど、それ以上の詳細については他言無用って事でしたね。」
タクト「まぁそうだな、人体実験とか公表したらパニックになる恐れがあるし。」
「一緒に居るのは誰なのかしら・・・?」
「やっぱり、シン様やタクト様程の方となると、既に決まった方がおるのよ!」
「じゃあ、もしかして婚約者!?」
シシリー「・・・!」
婚約者と言われたシシリーが赤面した。マリアは笑いながら少々赤くなってる。
シン「シシリー、何かごめん・・・」
シシリー「いえ、気にしないで下さい。」
シン「でも・・・」
シシリー「シン君と一緒に居るのは私の意思なんです!私の意思を無視しないで下さい!」
シン「あっ!それを言うか・・・」
シシリー「フフ、言いますよ?」
マリア「何この除け者感・・・」
タクト「仲の良いな。」
マリア「私外れて良い?」
シン「何言ってんだ!」
シシリー「そうよ。除け者になんてしてないよ。」
マリア(此奴ら・・・!)
タクト「お前らマリアを思ってんだ?」
高等魔法学院。
「あ!ねえあれ・・・!」
勿論生徒達からの注目の的でもある。
Sクラスに到着。
タクト「やっと着いた・・・」
シン「ん?」
アリス「昨日、うちに国の使いの人が来たんだけど・・・」
リン「私の家にも来た。」
トニー「僕の所もだねぇ。」
アリス「街の様子見てたんだけどね、皆浮かれてたよ?新しい英雄が生まれたって。」
トニー「それは僕も見たね。でも昨日の話を聞いてしまうとねぇ・・・」
リン「素直に喜べない。」
ユーリ「私も家族に訊かれたわぁ。話せる範囲で話したら皆凄く興奮しちゃった。」
タクト「え?何?お前達も注目され中?」
アリス「うん。昨日国の使いの人が来てさ。」
アルフレッド「ほら皆、席着けー。」
シン(ほっ・・・この教室だけは何時も通りだな・・・)
ホームルームが始まった。
アルフレッド「昨日の騒ぎで、学院中が浮ついてる。ウォルフォードとクリスティはなるべく1人になるな。出来れば女性陣の誰かと一緒に居ろ。男だけで居ると女に囲まれるぞ。」
アウグスト「よく知りもしない女に囲まれてみろ。面倒臭いぞ。」
タクト(俺に言っても・・・)
シン「(矢鱈実感籠もってるな・・・)困ったな・・・」
アウグスト「諦めろ。今度叙勲を受けると更に騒ぎが大きくなるぞ。」
タクト・シン(まだそんなのもあった・・・!!)
研究会説明後(魔人騒動の為1日延期)。
「ウォルフォード君!!クリスティ君!!是非!!是非とも我が『攻撃魔法研究会』へ!!」
「何言ってんのよ!!メリダ様から直々に付与魔法を教えて貰ってるのよ!?彼は『生活向上研究会』が相応しいわ!!」
「いいや!!彼らの身体強化魔法は『肉体言語研究会』でこそ生かされるものだ!!」
「英雄様のお孫さんは『英雄研究会』に入るに決まってるでしょ!?」
2人だけで外に出てしまった結果、多くの研究会の勧誘を受けてしまってる。
Sクラスに戻った。
シン「ぜー・・・はー・・・マジで出歩けない・・・」
タクト「どうしろってんだよ・・・」
トール「今度は我々『究極魔法研究会』に入りたいって1年が殺到してますけど・・・」
廊下から生徒達が押し寄せ中。
アルフレッド「参ったなぁ、全員入れる訳にもいかんしな。『異空間収納』の魔法が使える事を最低基準とするか。」
『異空間収納』とは。
魔法で作り出した異空間に道具・武器等を出し入れする魔法。
Sクラスのメンバーは全員使用可能。
因みに授業等で使用する道具もここに収納されており、彼等は手ブラで登下校出来る訳である。
アルフレッド「黙れ!審査するから全員並べ!」
アウグスト「やっぱり騒ぎになったな・・・」
シン「実感した・・・」
タクト「俺も・・・」
アウグスト「まあ、これが落ち着けば取り敢えず叙勲まで騒ぎにはならないだろう。明日からは通常の授業のみになるしな。後は、お前達が気を付ければ良い。」
タクト「だと良いけどな。」
アールスハイド王国・王城。
ドミニク「何ですと!?魔人が人為的に発生させられた可能性があると言う事ですか!?」
ディセウム「ウム。直接魔人と魔物と戦ったシン君とタクト君の感想だからな。それまでの経緯を考えると、強ち間違いではない様に思える。」
ドミニク「ではもしや、最近急増した魔物も・・・!?」
ディセウム「ウム。」
デニス「これは、大変な事態になるやも知れませんな・・・」
警備局長のデニス=ウィラー。
ディセウム「そうはさせてなるものか!ドミニク!!デニス!!軍務局と警備局は連携して今回の件を徹底的に調査せよ!!何1つ見落とすなよ!!」
デニス・ドミニク「御意!!」
ドミニク「カート=フォン=リッツバーグの周辺を捜査すれば何か出るだろう!!」
デニス「絶対にその悪事を暴いてやる!!」
放課後の研究室棟・究極魔法研究会。
シン「今更だけどさぁ、俺達の『究極魔法研究会』って何を研究すんの?」
アウグスト「ノリで決まった感じだからな。何をするかまでは知らん。」
シン「ノリかよ!」
タクト「リンはどうだ?お前発案者だろ?」
リン「私もノリで言った。後悔はしてない!」
タクト「お前もか!」
リン「ウォルフォード君なら色んな魔法を極めそう。私も、それに協力したいし極めたい。」
シン「んじゃ、皆で魔法を極めましょうって事で良いのか?」
アウグスト「それで良い。」
タクト「じゃあ俺副代表な。」
するとそこに。
???「失礼します!!」
2人の男女の生徒が入って来た。
???「お疲れ様っス!!」
???「お、お疲れ様です。」
シン「君らがAクラスから研究会に入る事になった2人だね。どうぞ中へ。」
究極魔法研究会が始まった。
シン「えーと・・・何時の間にかこの『究極魔法研究会』の会長になってた・・・シン=ウォルフォードです。宜しくね。」
タクト「同じく究極魔法研究会の副会長のタクト=クリスティだ。」
Aクラスの2人はぽかんとした。
???「き・・・究極魔法研究会?」
???「そんな名前だったの?」
シン(知らずに入ったのかよ!!)
タクト「じ、じゃあ2人共自己紹介してくれるか?」
マーク「自分はマーク=ビーンです!!家は鍛冶屋をやってます!!『ビーン工房』って御存知ないっスか!?」
トニー「へぇ!『ビーン工房』と言えば有名な所じゃないか!」
シン「知ってるのか?トニー。」
トニー「ウチは騎士の家系だって言ったろ?僕はあの男女比に耐えられずに魔法学院に来たけど、ビーン工房の武器は切れ味も良いし、憧れだったんだよねぇ。」
タクト「ほうほう。」
マーク「入り用の物があれば言って下さい!サービスするっス!」
トニー「それは嬉しいねぇ!」
シン(トニーって、ただのチャラ男じゃなかったんだ・・・!)
タクト「次は君。」
オリビア「あ、はい!えと・・・オリビア=ストーンです。マークとは幼馴染みです。家は『石窯亭』って言う食堂をしてまして、店の手伝いの為に魔法を覚えました。」
アリス「石窯亭!?超有名店じゃん!!彼処の石窯グラタンが最高なんだよねぇ!」
マリア「学院の合格祝いを『石窯亭』にしてたんだけど、凄く美味しかったんだから!」
トニー「それは羨ましいね、僕の家は予約が取れなかったんだよ。」
オリビア「あ、あの良かったら皆で来て下さい。お持て成しします。」
アリス「本当に!?やったねシン君!タクト君!これは凄い人材だよ!」
シン「失礼な誉め方すんな!」
タクト「グラタン食いたいだけだろ!」
シン「マークは鍛冶屋の息子って事だけど、何か作れたりするの?」
マーク「あぁ・・・多少は・・・でも1番下っ端なので、最近ようやくナイフを作れたくらいッス。」
シン「そっかぁ、何か作れるなら俺の武器の新調しようと思ってるんだけど、頼めない?」
マーク「ええ!?イヤイヤ!ウォルフォード君の剣って魔人を倒した剣ッスよね!?それに代わる剣なんてそうそうないッスよ!?」
シン「・・・っ!じゃあ俺の剣ちょっと見てくれる?」
異空間収納からカートを斬った剣を取り出した。
マーク「・・・っ!!普通の・・・鉄製の剣じゃないっスか・・・!!しかも薄くて耐久性もあまり・・・本当にこれで魔人を斬ったんスか・・・!?」
アウグスト「見せてくれ。」
剣をアウグストに見せる。
アウグスト「確かにこれは・・・」
シン「剣は普通だけど魔法付与してあるんだ。魔力を通してみろよ。」
魔力を通すと、超音波振動が発動した。
アウグスト「っ!これは・・・刃が微細に振動している・・・!?」
タクト「んじゃこれ切ってみ?」
異空間収納から丸太を投げた。
マリア「何で丸太が収納されてんの!?」
剣を振ると、いとも簡単に丸太が綺麗に斬れた。
アウグスト「な・・・何だこれは・・・!?全く力を加えずに・・・」
シン「バイブレーションソード。刃に超高速な振動を加えるとそう言う風に物が斬れる様になるんだ。」
マーク「薄い刃・・・そう言う条件だけで良いなら自分でも打てます!後はウォルフォード君と相談しながらになるっスけど・・・」
シン「助かるよ!今までは人伝に頼んでたから細かい調整とか出来なくてさぁ。」
トニー「こんな物まで作っていたんだねぇ・・・」
ユーリ「凄いわよねぇ。私も付与魔法得意なつもりだったけど、これ見ちゃうと自身無くしちゃうなぁ・・・」
シン「ユーリだってその内出来る様になるよ。何なら、婆ちゃんに付与魔法を教えてくれるように頼んどこうか?」
ユーリ「ええ!?メリダ様にぃ!?やぁん!超嬉しい!」
嬉しくなってシンの手を握った。シンはユーリの豊富な胸にドキッとした。
シシリー「むぅ・・・」
マリア(おやおや。)
タクト(相変わらずスゲェ胸・・・)
ユーリ「私の家、ホテル経営してるの〜。お泊まりしたい時は何時でも言ってねぇ。お礼にサービスするからぁ。」
シン(ホ・・・ホテル!?・・・で、サービス・・・!?)
シシリー・マリア「ぷぷ・・・!」
タクト「ラブホ・・・?」
シン「・・・それにしても叙勲が終わったら益々気軽に外を出歩けなくなりそうだ・・・」
タクト「じゃあ姿を消して歩くか?」
トール「・・・姿を消すって何ですか?」
シン「いやこうやって。」
突然シンが消えた。
全員「っ!?」
シンが消えた事で全員が驚いた。
シシリー「え!?シン君、何処ですか!?」
マリア「嘘!?急に消えた・・・!?」
シン「いや、そんなに驚かなくても・・・」
一瞬でシンが出て来た。
マリア「な・・・何今の!?どうやったの!?」
シン「俺のは光学迷彩の魔法を使ったんだよ。人間の目って光が反射したものを見てるだろ?だから俺の周囲に魔法で干渉して光を歪めてやると、俺の周りの風景に反射した光が、俺を迂回して前に居る人間に見える。結果、俺が消えた様に見えるって訳。」
説明したが、タクト以外全員理解出来てない。
シン「(あ・・・これ・・・誰も分かってねぇ・・・)ここは『究極魔法研究会』なんだから、これくらい驚いてどうする?」
全員「いきなり究極過ぎる!!」
マリア「これはあれね・・・シンが究極の魔法を開発していくの生温かく見守る会になりそう・・・」
リン「そんな事ない。私は少しでもウォルフォード君から学び取る。」
シシリー「陛下が仰っていたシン君が魔法の固定観念を壊してくれるって・・・こう言う事ですね。」
ユリウス「ちょっと壊し過ぎな気がするで御座る・・・」
シン(感想はそれぞれだけど・・・ま、初めての研究会の活動としてはこんな感じで良いか。)
タクト「シン。あの2人を見ろ。」
シン「ん?」
マーク「む・・・無詠唱っスか・・・!?」
オリビア「流石Sクラスね・・・」
シン(ああ!付いて来れてない!!)
究極魔法研究会は、新たな一歩を踏み出した。
リッツバーグ邸。警備局捜査官のオルト=リッカーマンが、カートの父親ラッセル=フォン=リッツバーグ伯爵に尋ねる。
オルト「息子さんの事、心中お察ししますリッツバーグ伯爵。奥様は?」
ラッセル「心労から寝込んでいる。私も寝込めるものなら寝込みたいが、そうもいくまい。事情徴収だろう?始めてくれ。」
オルト「失礼を承知しでお尋ねしますが、息子さんは昔から横柄な性格だったのですか?」
ラッセル「バカを言うな!多少気位は高かったが、『民は守るもの』と言う意識は持っていたはずだ!あの様な態度、先日が初めてだった。」
オルト「(中等学院時代の評判とは一致する・・・が、そこまで唐突に考えが一変するものか?まるで別人・・・高等魔法学院に入ってからの言動はまるで・・・っ!)帝国貴族。」
ラッセル「何?」
オルト「いえ、失礼。最近の息子さんに対し私が受けた印象です。」
ラッセル「確かに帝国貴族にとって国民は搾取の対象・・・貴族でない者は人間ではないと言い張る様な輩だからな・・・」
オルト「(そう・・・まるでカートの変化は帝国貴族の洗脳を受けたかの様な・・・)息子さんが、帝国の者と接触した事は?」
ラッセル「カートが通っていた中等学院の教師が元帝国の人間だったな。カートはその教師の研究会に参加していたはずだ。受験の為、一時家庭教師に来て貰った事がもあった。」
オルト「・・・・」
ラッセル「そう言えば、妻に聞いたが・・・カートが死んだ日にも、その教師がカートを尋ねて来ていたらしいが・・・」
オルト「っ!伯爵、その教師の名は?」
ラッセル「オリバー=シュトロームだ。」
馬車内。
カルロス「カートが魔人化した日に訪れていた中等学院の教師か・・・」
オルト「調べてみる価値はありそうだな。」
オルトとカルロスは、その教師が居る中等学院へ赴いた。
校長「シュトローム先生ですか?今なら多分自室に居られるかと。」
中等学院・シュトロームの部屋。
オルト「シュトローム先生、失礼します。」
そこにオリバー=シュトロームが居た。
オルト「警備局捜査官のオルト=リッカーマンです。」
カルロス「同じく、カルロス=ベイルです。」
シュトローム「初めまして。オリバー=シュトロームです。」
オルト「お忙しい所、すみません。」
シュトローム「いえ良いですよ。紅茶でも?」
オルト「いや、お構いなく。」
紅茶を淹れるシュトロームを見て、オルトが違和感を覚えた。
オルト「感知系の魔法ですか?」
シュトローム「ん?」
オルト「いえ、両目を眼帯で覆っているのに、動きに迷いがないので、視覚の代わりとなる魔法を使われているのかと。」
シュトローム「まぁ、そんな所です。」
オルト「不躾な質問ですが、その目は?」
シュトローム「恥ずかしい話ですよ。私は帝国貴族の家に生まれたのですが・・・」
オルト「っ!?」
シュトローム「ですが、実家の跡目争いに敗れましてね。私を亡き者にしようとする親族から命辛辛逃げ出したのですよ。この目もその時の襲撃によって。」
オルト「そうでしたか。失礼な事を聞いてしまってすみません。」
シュトローム「いえ、よく聞かれる事ですから。所で、今日はどう言った御用件で?まさか私の目の事を聞きに来られた訳ではないでしょう?」
オルト「えぇ、シュトローム先生はこの学院の研究会で優秀な魔法使いを育成されているようですね。」
シュトローム「それが、何か?」
オルト「多くの生徒を研究会に誘い、随分熱を入れておられると聞きましたが。」
シュトローム「私は元帝国貴族ですからね。この国では風当たりは結構強いんですよ。私を学院内で認めさせるには目に見える功績が必要だったんです。」
オルト「成る程、それで。」
シュトローム「私の生徒の中には高等魔法学院に合格した子も居たんです。」
オルト「そうなると、先生達にとっても・・・今回の事は残念でしたね。」
シュトローム「そうですね。カートがまさか・・・こんな事になるとは・・・」
何かの違和感をオルトが察した。
オルト「シュトローム先生。」
シュトローム「何でしょう?」
オルト「実は今魔人化した彼の遺体を、各所の専門家が検分している最中なんです。出来れば先生方にも是非意見を聞かせて頂きたい。」
シュトローム「教え子の遺体を検分するのは気が進みませんね・・・」
オルト「どうかそこをお願いします。」
シュトローム「分かりました。伺いましょう。有益な話が聞ける事を期待していますよ。」
高等魔法学院・食堂。
タクト「今日の研究会は無事終了。」
シン「・・・・」
シシリー「シン君、考え事ですか?」
シン「え?あ、あぁごめん。改良する剣の事を考えててさ。なあマーク、今から君の家行っても良いか?」
マーク「え?ウチッスか?」
シン「さっき言った武器の新調の事で色々聞きたいんだけど・・・」
マーク「ああ、良いッスよ!」
トニー「僕も行って良いかい?」
シン「トニー。騎士になるのは嫌でも、やっぱりビーン工房は気になるのか?」
トニー「騎士養成士官学院が嫌なのであって、騎士や剣士が嫌いな訳じゃないよ。やっぱり剣を見るとワクワクするからねぇ。でも、Sクラスから落ちると騎士養成士官学院に強制連行だからね僕は。あまりそう言ってられないけどね。」
シン「意外と苦労してんだな・・・」
マーク「それでウォルフォード君は、どう言う剣を考えてるんスか?」
シン「薄い刃ってのが大前提だけど、それじゃ折れ易くてさか、替えを沢山用意するのもお金掛かるし・・・」
トニー「賢者様の孫でもお金に困るのかい?」
シン「そうはいかないんだよ。小遣いしか貰ってないからね。」
トール「え!?そうなのですか!?」
シン「婆ちゃんが、常識的な金銭感覚を身に付けさせる為にそうしろって爺ちゃんに・・・」
ユリウス「流石は導師様!節制と鎧は身に付けておいて損はないで御座る!」
シン「それはそうだけど・・・」
マーク「持ち手まで一体型の剣を大量に鋳型で作るのはどうッスか?柄の加工も幅けるし、コストも抑えられるッスよ。」
シン「それは俺も考えたけど、柄まで一体型だと振動がね・・・」
タクト「そうなっちまったら手まで振動し・・・ブッ!!」
トニー・マーク「ブッ!」
振動するシンを想像して吹いた。
シン「想像して笑うなよ!!」
タクト「シンがシン動・・・!」
シン「上手い事言うな!!」
トニー「じゃあ、刃だけ簡単に交換出来るようにすれば良いんじゃないのかい?」
タクト・シン・マーク「それだ!!!」
シン「出来ればワンタッチで交換したいんだけど・・・」
マーク「それはそれで開発にコスト掛かるッスね・・・」
トニー「普通刃の柄はブレない様しっかり付いてるけど・・・振動する事が前提だからねぇ。外れなければ装着も簡単で良いんじゃないのかい?」
タクト・シン・マーク「それだ!!!」
シン「いやぁ、トニーが居てくれて助かったな!!」
タクト「冴えてる〜!」
マーク「早く工房行きましょう!!試してみたいアイデアが止まんないッス!!」
マリア「ねぇねぇシン、タクト。」
シン「ん?」
タクト「何だ?」
マリア「シン達が工房行ってる間、私達はオリビアの店に居ても良い?」
シン「ん?」
マリア「もっと色々聞きたいんだよね!新しいメニューの事とか、新しいメニューの事とか!」
タクト「メニュー目当て!」
オリビア「お手柔らかにお願いします・・・」
シン「良いよ。工房に居ても女の子はつまらないだろうし。」
タクト「工房は五月蝿いからな。」
同じ頃練兵場では、シュトロームがオルトに連れてかれた。
シュトローム「ここは?」
オルト「警備隊の詰所の中にある練兵場です。ここで検分をしようと思いまして。」
シュトローム「こんな所で?」
オルト「ええ。」
”パチッ”
指を鳴らすと、大勢の騎士達が現れ、シュトロームを取り囲んだ。
シュトローム「遺体の検分をすると言う雰囲気ではないようですね。」
オルト「しますよ。あなたの検分をね。」
シュトローム「私の?何故?」
ルーパー「ようオルトォ!お前ん所の隊員に呼び出し食らったけどよ、これは一体何なんだ?」
魔法師団団長のルーパー=オルグランと騎士団総長のドミニクが顔を出した。
オルト「今から説明しますよ、ルーパー様。」
シュトローム「私は何故この様な仕打ちを受けているのでしょうかオルトさん?やはり元帝国貴族にはこの様な扱いが相応しいと?」
オルト「そんな理由ではありませんよシュトローム先生。シュトローム先生、あなたの証言は見事でしたが、1つだけミスを犯しましたね。ドミニク局長、魔人化したのは誰でしょうか?」
ドミニク「カート=フォン=リッツバーグだろ?」
オルト「そうです。ここに居る皆は当然知っている。しかしここに居る人間以外は知らないはずなんですよ。”魔人化したのはカート”だと言う事実は。」
シュトローム「ほう?」
オルト「ウォルフォード君とクリスティ君から話を聞いた陛下は、直ぐ様箝口令を敷かれました。魔人化した人間の名を口外してはならぬと。今回の魔人及び魔物出現には幾つか不可能な点があり、そのせいでカートの家族が不当な扱いを受けぬ様に。あなた達に会う前にリッツバーグ邸に伺いましたが、物静かなものでしたよ。魔人に対し脅威を感じる国民性から言って・・・魔人化したのがカートだと知れれば人が殺到するでしょう。箝口令が機能している証拠です。『高等魔法学院に魔人が出現し、偶々居合わせた英雄の孫シン=ウォルフォードと、超古代の戦士タクト=クリスティがそれを討伐した。』王都に広まっているのはその話だけです。知っているのは、軍部と警備隊の一部・魔法学院の関係者だけ。さて、ではあなた達は、何処でカートの件を知っていたのですか?」
シュトローム「クク・・・ハハ・・・アハハハハハハ!!!!」
黙秘していたシュトロームが突然嗤い始めた。
シュトローム「まさか箝口令が敷かれているとは思わなかったですねぇ。そうですか。騒がれているのはウォルフォード君とクリスティ君だけですか。」
するとシュトロームから魔力が増幅した。
ルーパー「舐めてんじゃねえぞ!!!」
魔法をシュトロームに向けて放った。しかしシュトロームが障壁を張って防いだ。
ルーパー「チッ!!これを防ぐか・・・テメェ何モンだ!?」
シュトローム「答える義務はないですね!」
魔法を放った。
ドミニク「離れろルーパー!!」
2人はすぐに魔法を避けて、地面に飛び降りた。
シュトローム「さて・・・」
浮遊したシュトローム。
「う・・・浮いている・・・!?」
「そんな魔法見た事も・・・」
ルーパー「絶対に逃がすな!!奴らを逃せば、また犠牲者が出るぞ!!!」
周囲の魔法騎士と騎士達が一斉射撃を開始し、シュトロームに全弾命中した。
シュトローム「さて、ここでの実験は全て終わりました。そろそろ失礼させて頂くとしますね。」
しかし障壁で全弾防いだのだった。
オルト「実験だと・・・!?カートを実験に使ったと言うのか!!未来ある少年の命を!!お前達の身勝手な目的の為に!!」
シュトローム「そうですね。まあ、私達に目を付けられた時点で、彼には運が無かったんですよ。」
激怒したオルトが剣を抜いて走り出す。
オルト「彼の家族がどれだけ傷付き、苦しんでいるのか分からないのか!!!!」
ドミニク「オルト!止せ!!!」
シュトローム「正義感は鬱陶しいですね・・・」
剣を避け、シュトロームが魔法でオルトを消そうとした。
ドミニク「オルト!!!」
しかしドミニクがオルトを助け、魔法が練兵場の壁に向かう。
数分前、タクト達が外に出てビーン工房へ向かう。
マリア「え!?マークと付き合ってるの!?」
オリビア「マークとは幼馴染みで、その自然と・・・」
シシリー「そこ、詳しくお願いします!」
オリビア「詳しくですか!?」
”ドガーーーン!!”
タクト「っ!?」
シュトロームが放った魔法によって壁が破壊された。
シン「な、何だぁ!?」
タクト「壁が・・・!?」
急いで壊された壁の奥を見ると。
シュトローム「おや。」
シン「何の騒ぎだこりゃ・・・!?(大勢で1人を取り囲んで・・・それに、この巨大な魔力は・・・)」
タクト「両目に眼帯・・・オーグ、まさかあれって前に言っていた中等学院の・・・」
アウグスト「間違いない、オリバー=シュトロームだ!!」
シュトローム「これこれは、アウグスト殿下に英雄シン=ウォルフォード君にタクト=クリスティ君ではないですか。」
シン(俺達の事を知ってる・・・!?いや・・・そもそも彼奴には目が見えていないのに何で・・・!?)
タクト(もしや彼奴は・・・)
ドミニク「お逃げ下さい殿下!!奴らは魔人騒動の首謀者です!!!」
アウグスト「・・・っ!?」
シン(って事は・・・此奴らが・・・!!)
タクト(・・・!!)
2人の怒りが爆発した。
シン「お前がカートに何かしたって事か!?カートの今までの不自然な行動も、魔人化したのも・・・!!」
タクト「全てお前の仕業か!!」
シュトローム「そうですよ。いやぁ面白い程思い通りに踊ってくれましたねぇ。とは言え、魔人化したにも拘らず、彼処まで弱かったのは計算外でしたけどねぇ。」
タクト・シン「っ!!!!!!」
シン「此奴が全ての元凶か!!」
シュトローム「おや、あなた達も私が許せませんか?」
シン「ああ許せねーよ!!」
異空間収納から剣を握り、左手に魔法を集める。
タクト「首謀者の前で黙ってる俺達じゃねえ!!」
懐からスパークレンスを出した。
タクト「未来ある若者を魔人化にさせた罪は重いぞ!!」
スパークレンスを掲げて光らせ、ウルトラマンティガへ変身した。
ティガ「ハァッ!!」
ウルトラフィックスでシュトロームの動きを封じた。
シュトローム「っ!!」
しかしシュトロームが魔力を増大させてそれを無効化した。
シュトローム「もう少し魔力が薄かったら抜けてましたね・・・っ!?奴らが消え!?」
2人の姿が消えたと思いきや、真後ろにシンが回り込んで来た。
シュトローム「っ!!」
剣を振ったシンだが、シュトロームが間一髪避けた。
シン「タクト!!」
ティガ「ハァッ!!」
胸のプロテクターから発するエネルギーを光の刃に変えたティガスライサーを飛ばしたがシュトロームが避けた。
シュトローム「その力、光の刃ですね」
シン「さあね!」
ティガ「どうかな!」
シュトローム「やはり君達は、危険ですね!」
左手から黒い電撃を放つ。
ティガ「タァッ!!」
ウルトラシールドで電撃を防いだ。
シン「これならどうだ!!」
地面を強く踏むと。
シュトローム「っ!!」
地面から棘が生成され、シュトロームに迫る。
ティガ「ハァッ!」
再びウルトラフィックスを放ち、シュトロームの動きを封じた。
シュトローム「っ!?」
ティガ「タァッ!!」
シン「ハァッ!!」
シュトローム「ちっ!!」
ティガのマルチ・スペシウム光線とシンの疾風の魔法が同時にシュトロームに命中して爆発した。
だが、シュトロームは無傷だった。
シン「なっ・・・」
ティガ「ウルトラフィックスを無効化したか。」
シン「宙に浮かぶとか反則だと思うんですけど?(浮遊魔法・・・?そんなの流石に俺でも使えねーぞ・・・)」
シュトローム「今のは焦りましたよ。流石は英雄の孫と超古代の戦士。魔人を討伐するだけの事はある。」
ティガ「ーーーーーーハァッ!!」
紫色のスカイタイプへタイプチェンジした。
シン「そりゃどうもっ!!!」
ジェットブーツの噴射で飛び。
ティガ「タァッ!」
飛翔する。
シュトローム「何!?」
シン「一瞬なら、俺でも飛べるんだよ!!」
ティガ「俺は自由に飛べる!!」
ハンドスラッシュを連射する。
シュトローム「ぐあっ!!」
シン「タクト!もう一丁!」
ティガ「あぁ!」
両腕を胸の前で交差させ、瞬時に左右に伸ばしてから上にあげてエネルギーを集める。
ティガ「タァ!!」
右腕を突き出してランバルト光弾を放ち、シンも風の魔法を放つ。
シュトローム「ぐっ・・・!!」
眼帯にヒビが入り・・・
シュトローム「調子に・・・乗るなああああああ!!!!」
怒りが頂点に達し、周囲に強力の魔力を放射した。
ルーパー「うおっ!!」
ティガとシンが着地した。シュトロームの眼帯が取れた。すると全員が驚いた。その理由は・・・
シュトロームの両目が赤いと言う事に。
シン「赤い目・・・!?」
ティガ「魔人・・・!!」
ドミニク「そんな・・・まさか・・・!!」
ルーパー「嘘だろ・・・!!」
シュトローム「やってくれましたねぇ。ウォルフォード君、クリスティ君。」
シン「完全に理性を保ったままの・・・魔人!?」
ティガ「・・・」
シュトローム「出来れば、正体を隠したまま去りたかったんですけどねぇ・・・」
ドミニク「そんな事がありえるのか・・・!?理性を失った魔人でさえ国を滅ぼし掛けたんだぞ・・・!」
オルト「それが・・・意識を保ったまま・・・!?」
「ひ・・・!」
「マ・・・マジかよ・・・!」
シン「理性があるって事は、好き勝手暴れ回るって訳じゃなさそうだな。」
ティガ「カートよりはマシって言う証拠だな。」
シュトローム「無秩序に力を使えば討伐に来るでしょう?そんな面倒で愚かな事はしませんよ。」
シン「っ!?人間に害を与える気はないって事か?」
ティガ「だが彼奴はカートを・・・」
シュトローム「何を期待しているのですか?君は!!この身体になってから、私にとって人間なんて心底どうでもいい存在ですよ!!利用しようが!騙そうが!殺そうが!!この身体になってから何とも思わくなったんですよ!!」
シン(狂ってる!カートと違って此奴は真に魔人だ・・・!人類の敵になる存在だ・・・!!此奴はここで仕留めなければいけない!!)
ティガ(奴の考えがサイコパスなら、ここで討つ!)
シン「タクト!」
ティガ「あぁ!!」
ハンドスラッシュとシンの光弾が軌道を変え、シュトロームの上の天井に穴を開けた。
シュトローム「フフ、あらぬ方向に魔法を放ってどうしました?恐怖で手元が狂いましたか?これだから人間は。」
2人は何もせずにそのままで立ってる。
シュトローム「何時まで何のつもりですか!?」
ティガ・シン「っ!!」
シュトロームが急接近する。
シシリー「シン君!!危ない!!」
マリア「タクト!!逃げて!!」
ティガ・シン(っ!!間に合った!!)
シンがジャンプし、シュトロームに接近する。
ティガ「ーーーーーハァッ!!」
スカイタイプから再びマルチタイプに戻った。
シュトローム「またそれですか!!」
魔法でシンを殺そうとしたが、シンがジェットブーツで後ろに下がった。
シュトローム(何!?)
シン「そこでじっとしてろ!!俺の魔法は既に完成してるんだよ!!」
ティガ「行くぞ!」
飛翔して外へ飛び出し、シュトロームの真上に浮いた。
ティガ「ハッ!」
両腕を前に突き出し交差させ、大きく横に広げてエネルギーを集める。
シュトローム「何だ?」
天井の穴の奥の外では、魔力と集中した。
シュトローム「っ!?上か!!そうか・・・先程の魔法・・・わざと天井に・・・!!」
ティガ「タァッ!!」
ゼペリオン光線と、無数の熱線魔法がシュトロームに全て命中した。熱線魔法が竜巻に乗り、シュトロームに一点集中した。
シュトローム「グゥ・・・アァ・・・アアッ!!!」
2つの必殺技を受けたシュトロームが大爆発を起こした。
ルーパー「おぁあ!」
シン(っ!?今のが・・・)
爆煙が少しづつ晴れる。
アウグスト「奴は!?やったか!?」
シン「それを言うなよ!!」
魔力探査でシュトロームを探すが。
シン(魔力探査にも引っ掛からない・・・倒したのか!?)
ティガ(だが、この違和感は何だ・・・!?)
「お・・・おお・・・魔人を・・・それも理性を保ったままの魔人・・・討伐してしまうなんて・・・!」
「うおお!!やったぞーーーーー!!!」
「流石賢者様の御孫さんと超古代の戦士だ!!」
ティガ「・・・・」
光となってタクトに戻った。
シシリー「シン君!!」
マリア「タクト!平気なの!?」
タクト「大丈夫だ、問題無い。」
シン「ああ、俺は大丈・・・夫・・・って、え!?」
シシリー「ほ・・・本当ですか!?け・・・怪我とかは・・・?」
ぺたぺたとシンの身体を触って傷を確かめる。
シン(ん?な・・・何かシシリーがやたらと・・・)
シシリー「し・・・心配させないでくださ・・・ごにょごにょ。」
アウグスト「?」
横を見ると、ドミニクとルーパーが膝を付いていた。
ドミニク「ご無沙汰しておりますアウグスト殿下。一体何故このような所に?」
アウグスト「何、学校帰りに友人と街を歩いていただけだ。」
ドミニク「危のう御座います。お立場をお考え下さい。」
ルーパー「固ぇ事言うなよドミニク。護衛に加えて彼らまで付いてたんだぜ。見たろ?魔人を討伐しちまう程だぞ。」
シン「討伐・・・ですか・・・」
タクト「ちょっと褒められてもなぁ・・・」
ルーパー「何だぁ?浮かない顔してよ。魔人とは言え、人を手に掛けるのは気が滅入るか?胸を張りな。君達のお陰で魔人と相対しながら生き延びる事が出来た。改めて礼を言うぜ、ウォルフォード君。クリスティ君。」
笑顔で2人に感謝した。
ルーパー「にしても、噂通りスゲェ強ぇな!」
オルト「新英雄と言われるだけありますね。」
ドミニク「ウォルフォード君の剣の腕も一流だ。ミッシェル様に聞いていた通りだな。」
タクト「ミッシェル=コーリング?」
シン「ミッシェルおじさんを知ってるんですか?」
ドミニク「ああ、自己紹介が遅れたな。私はドミニク=ガストール。ミッシェル様の後任の騎士団総長でね。将来が楽しみな少年が居るとよく聞いていたんだよ。」
シン「そうだったんですか・・・(若作りだったんだ・・・ミッシェルおじさん・・・)」
ルーパー「俺はルーパー=オルグラン。魔法師団の団長だ。俺もジークフリードに聞いていたがな。常識外れな魔法を使う子だと。」
シン(ジークフリード?誰だその格好良い名前の人は?)
魔法師団長のルーパーは、ジークフリードの上司にあたる。
ルーパー「それにしても、最後のあれは一体何をしてたんだ?」
シン「何って、太陽光を収束して熱線にしたものを撃ち込んだだけですよ。天井壊してすいません。」
ルーパー「太陽光?それで何であんな威力になる?」
シン「太陽の光って1種類だけじゃないんですよ。色んな種類の光の内、熱を感じる光を集めるイメージをしたんです。」
ルーパー「・・・・スマン、俺にはよく理解出来ん。」
ドミニク「・・・同じく。心配するなオルグラン。ここに居る皆が理解出来ていない。」
ルーパー「聞けば賢者殿にも理解出来なかった魔法があると言う話だからな。」
アウグスト「此奴の頭の中は可笑しいんだ!」
きっぱりと断言した。
シン「それは流石に非道くね!?」
タクト「それにしても、さっきの違和感は何だったんだ?」
シン(そう、撃ち込んだ魔法を超高熱の熱線、そしてタクトが撃ち込んだ光線・・・これを喰らってシュトロームが無事で居られる訳がない。ただ・・・熱光線で今まであんな爆発・・・起きたか・・・?何か違和感が・・・)
オルト「・・・それにしても、これで2体目の魔人討伐ですが、勲一等でも割に合わない位ですね。」
アウグスト「まあ、これで今度の叙勲式にも箔が付くと言うものだ。益々騒ぎにはなるだろうが・・・」
シン「いい加減諦めついたわ・・・」
タクト「もう止めてくれ・・・」
2人の活躍で、シュトロームの撃墜に成功した。
別の場所では。
シュトローム「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
まだ彼は生きていた。
シュトローム「クク・・・やはり厄介な存在ですねぇ・・・シン=ウォルフォード君にタクト=クリスティ君・・・」
あの時シュトロームは、咄嗟の判断で自ら爆発魔法を発動させて爆風で逃げたのだった。しかしこれは、浴び続ければ身体が消滅すると言う危険がある。
シュトローム「よもやここまでの深手を負わされるとは・・・まぁ、お陰で良いデータが取れましたよ。私の計画を指を咥えて見ているがいいでしょう・・・」
すぐにアールスハイド王国から姿を消した。
シュトローム「フフフ・・・アハハハハハ!!!!!」
彼の陰謀は、まだ始まったばかりだった。
水谷麻鈴
八木侑紀
オリバー=シュトロームが姿を消してから数日後、タクトとシンが王国の叙勲式に出席された。そして帝国に新たな動きが。