ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS 作:naogran
アルティメット・マジシャンズより先に到着した元盗賊団は、災害級と死闘を繰り広げていた。
マチ「ハァッ!!」
ヨーコ「ダァッ!!」
アキ「ヤァッ!!」
連携攻撃で災害級の首を次々と斬首した。しかし、災害級は益々増えるばかり。そして3人は災害級に囲まれてしまった。
マチ「かなり数が多過ぎるんだけど・・・!!」
ヨーコ「これはちょっと危ないんじゃない・・・?」
アキ「私達を喰べようとしてるね・・・」
しかしそこに、ジェレミーと2匹の狼犬が現れ災害級達を喰い荒らし始めた。
マチ「ジェレミー!!」
ジェレミー「ようお前等。待たせたな。」
ヨーコ「ローランドも!」
ローランド「皆さん、大丈夫ですか?」
アキ「ん?ねぇ、あの子は?」
黒色の狼犬を初めて見た。
ローランド「彼女はラナです。僕と同じジェレミー様の飼い犬です。」
ラナ「初めまして。皆。」
アキ「わ!喋った!」
それは、アルティメット・マジシャンズの休日の期間。ジェレミーとローランドが魔物の肉を食べていると、茂みの中から黒色の狼犬が出て来た。それがジェレミーとローランドの生き別れたラナである。
ジェレミー「にしても、これだけの数を用意したもんだな。」
アキ「斬っても斬っても増える一方だよ・・・」
ジェレミー「だが、そろそろ来るぜ。」
ミカ「え?」
突如、巨大な落雷が発生した。落雷が辺り一面の災害級を討伐した。
マチ「うわっ!この落雷・・・まさか!」
ジェレミー「あぁ。雷神様のお出ましだ。」
それは、アウグストが発生した雷魔法によるものだった。
アリス「い〜〜く〜〜ぞっと!!!」
レベッカ「えいっ!!」
更にアリスとリンとレベッカが上空から落ち、下の災害級を爆破した。
トニー「ふっ!!」
そしてトニーが災害級の首を斬り裂いた。
タクト、シンを除いたアルティメット・マジシャンズが駆け付けてくれた。
マチ「オーグ!!皆!!」
グレア「皆!待たせたね!」
一方アウグストは、殺されたアールスハイド兵の亡骸に怒りが爆発した。
アウグスト「よくも・・・我が国の民を・・・!!聞け!!勇敢なる兵士達よ!!よくぞここまで耐えてくれた!!ここからは私達に任せろ!!」
兵士達「オオオオオオ!!!!」
サヨ「殿下の声がしました!」
ミカ「主役の登場ね!」
ケイ「これで形勢逆転!」
ユイ「私達もまだまだ行くよ!」
アウグスト「殲滅するぞ!!1匹残らずだ!!」
蔓延る災害級を殲滅し続ける。
リオ「オルァテメェ等!!俺達に殺られろ!!」
既に豹変済みのリオが災害級を次々と駆逐して行く。
デイジー「消えなさい!!」
ケイティ「それそれそれそれーーー!!」
デイジーとケイティが剣とナイフを縦横無尽に振りながら災害級を殲滅して行く。
マナミア「ハアアアァァァァ!!!」
華麗な剣捌きで、災害級を討伐し続ける。
アウグスト「クロード!負傷兵が多数居る!治療を任せるぞ!」
シシリー「はい!」
アウグスト「頼む。これ以上誰も死なせないでくれ・・・!!」
シシリー「・・・はい!!」
ケイティ「シシリー!私も行くよ!」
シシリー「お願いします!ケイティさん!」
負傷兵の手当てへ向かうシシリーとケイティ。
サヨ「殿下!」
アウグスト「お前達!大丈夫か?」
ミカ「何とかね。」
ユイ「あれ?アズマ達は?」
アウグスト「私達が先に着いたが、まだ遅れそうだ。」
ケイ「分かった。」
ルーパー「殿下ぁ!!」
アウグスト「ルーパー!!大丈夫か!?」
傷だらけのルーパーが駆け込んだ。
レベッカ「ルーパー叔父様!!」
ルーパー「レベッカか!」
アウグスト「重傷じゃないか!早く救護所へ向かえ!」
ルーパー「冗談止して下さいよ・・・後でドミニクに笑われちまう・・・」
アウグスト「仕方無いな・・・私が治療する。」
レベッカ「叔父様大丈夫?」
ルーパー「あぁ・・・姪っ子に無様な姿を見せちまったな・・・」
アウグスト「その間に話を聞かせてくれ。魔物共が現れたのは、我が国の駐留軍の所のみか?」
ルーパー「今の所そうです。恐らく各国軍の救援が此方に向かっていると思います。」
アウグスト「そうか・・・今アズマ達が遅れて来てる。彼等が来てくれれば、最早戦局は揺らぐまい。」
ルーパー「ただ・・・どうも
アウグスト「・・・よし、私に出来る治療はこんな所だ。クロード程じゃなくて悪いが。」
ルーパー「とんでもねぇです・・・助かりました。」
アウグスト「ルーパー。お前は負傷者を救護所まで運んでくれ。」
ルーパー「はっ!了解です!!」
ミカ「サヨ、ルーパー団長と一緒に救護所へ行ってくれる?」
サヨ「は、はい!」
ミカ「殿下。私も全力を出して戦うよ。」
アウグスト「あぁ。だが油断はするなよ。」
一方ベルゼは、アールスハイド駐留軍へ向かっている。
ベルゼ「・・・」
彼女はあの時を思い返す。
ベルゼ『私はね、あなたとあなたの仲間達が来るのをずっと待ってただけよ。彼奴らはただ、私の別荘を勝手に陣取ってるだけ。』
ティガ『何?』
ベルゼ『それに、私はただある目的の為にあなた達を待ってたのよ。それはね、私の予知を外してくれる事。』
ティガ『お前の予知だと?』
ベルゼ『そうよ。』
マリア『アンタ、自分の予知を外してくれるとか、何が言いたいの?』
ベルゼ『ん〜・・・それはまた今度教えてあげるよ。無事に会えたらだけどね。それと、あなた達に良い事教えてあげるよ。あのオリバー=シュトロームに関係する者がアールスハイドに居るのよね。』
そんな事を思っている。
ベルゼ「何て軽々しく言っちゃったけど・・・まぁ、後はどうにかなりそうな感じ。さてと、戦いが楽しみだなぁ〜♪」
一方アズマ達衛士隊は、乗馬で駐留地へ向かっている。
アズマ「急げ!この丘を越えればアールスハイドの駐留地だ!」
シイナ「全滅されてなければ良いのですが・・・」
ナナセ「殿下達が先に行ったから、全滅は回避だと思うよ。」
カオル「皆、気を引き締めて戦うよ。」
タカオ「勿論です!」
マモル「ここで死んだら、総監達へ顔向け出来ませんからね!」
セイラ「急ぎましょう!」
アズマ「ん?皆、止まれ!」
全員を停止させた。その理由は・・・
前方に魔人ミリアが立っていたからだ。
アズマ「誰だお前は?」
シイナ「魔人・・・彼奴等の仲間ね。」
アールスハイド駐留軍・臨時の救護所。
シシリー「重傷の人から此方へ連れて来て下さい!」
重傷者を優先にシシリーが治療を行い。
ケイティ「結構傷が出来てるね。」
軽傷者達をケイティが傷薬を塗ってる。
兵士A「聖女様・・・以前にも増して魔法が洗礼されたように思える。」
魔法師団員「それはそうだろう。御使い様の下で治癒について学んでいるようだし、国の治療院でも魔法を実践されていたからな。」
兵士A「しかし、怪我人のこの数・・・」
魔法師団員「あぁ・・・」
兵士B「テメェ!俺が先だぞ!」
兵士C「何言ってやがる!重傷者が先だって言われてんだろうが!」
兵士B「だったら俺の方が!」
兵士D「オイ!お前等ちょっと落ち着け!」
シシリー「あ・・・あの・・・順番に・・・」
ケイティ「もう喧嘩は止めてよ!」
”ドゴ!!!!”
言い争いをしてる兵士達に謎の音が。
セシリア「アンタ達・・・私達の可愛い妹と大事なお仲間を困らせたら・・・タダじゃおかないわよ?」
そこにシシリーの姉のセシリアとシルビアが来た。さっきの音はセシリアの魔法が天井を突き破った音だった。さっきの音で全員が黙り込んだ。
セシリア「ホラ!動ける人は怪我人を運んで!味方同士で争ってる場合じゃないでしょ!」
シルビア「それでもまだ自分だけ最優先して欲しい方が居れば、私がこの場で重傷の患者にして差し上げても宜しいですよ?」
彼女のドスの効いた声で兵士達がゾッとした。
シシリー「お姉様・・・!!無事で良かった・・・!!」
ケイティ「はいはい軽傷者達は1列に並んで!傷薬はたっぷりあるからねー!」
他の兵士達が並んで治療を待っていると。
兵士E「おい!ちょっと通してくれ!一刻を争う重傷者だ!!早く聖女様に診せてやってくれ!!」
運ばれた重傷者は、腹部の皮膚が抉られ、内臓が出ていた。
兵士A「こ・・・これは・・・!」
ケイティ「皮膚が抉られてる・・・!」
シルビア「・・・!セシリア姉様・・・!」
ケイティ「これは・・・一筋縄じゃいかないみたいだね・・・」
セシリア「えぇ・・・シシリー・・・治療が無理でも・・・誰も責めたりしないわ。こ・・・これは幾らあなたでも・・・」
シシリー「・・・お姉様。心配は無用です。大丈夫です私。シン君とタクト君に色々と鍛えて貰いましたから。」
シルビア「・・・」
セシリア「シシリー・・・」
シシリー(・・・最も危険なのは避けた腹部・・・その他の臓器に損傷はない・・・まずは腸を除菌しながら修復・・・)
治癒魔法を発動し、重傷者を治療する。
シシリー(それが済んだら、腹腔内に腸を収め、腹部の裂傷を塞ぐ・・・!)
シルビア「う・・・」
数ヶ月前。森の中で。
シシリー『・・・す・・・すみませんシン君・・・タクト君・・・ちょっと・・・う・・・えっ・・・!!ごほごほ・・・』
重傷を負ったウサギの手術中にシシリーが気分を悪くした。
シン『大丈夫?』
タクト『やっぱり生物の臓器を見るのは慣れないか。少し休んだらどうだ?あんまり無理すると・・・』
シシリー『いえ・・・!いいんです。お願いしたのは私ですから・・・!』
シン(治癒魔法の技術向上・・・それにはどうしたって医学的な知識の習得が必要になる。他ならぬ俺自身もこうやって森に入り、実際目と手で触れて知識を得て来た。キツいだろうとは思うけど・・・)
シシリー『・・・続き・・・お願いします!シン君!タクト君!』
シン『・・・よし!じゃあ再開しよう!』
タクト『次は内臓損傷の治療から行くぞ。傷口の縫合まで・・・』
治癒魔法には、2つの特性がある。1つは医学知識を基にした肉体の再生法。もう1つは、イメージが魔法を発動するこの世界に於いて最も重要な要素。相手を癒したいと思う慈愛の精神から効果を得る治療法である。持って生まれた優しさに加え、守るべき者達が出来た事による精神力の向上と、治療院での経験やシンとタクトに施された数多の医学知識によって、高次元とも呼べるレベルでの2つの要素を、シシリーは本人すら気付かぬ内に獲得していた。
そして・・・重傷者の腹部の皮膚が元通りになった。
セシリア「凄い・・・!」
ケイティ「やったねシシリー!!あなたは最高だよ!!」
シシリー「終わりました!次の方を連れて来て下さい!!」
魔法師団員「治癒魔法の効力は人を想う力によって左右される・・・シシリー様の”人を救う”と言う精神は・・・私達とは既に別格のものなのですね・・・」
セシリア(・・・驚いたわ・・・シシリー・・・あなたは何時の間にか・・・この世界の誰より”聖女”と呼ばれる相応しい人間になっていたのね・・・)
治療を続けてから数分。
兵士F(シシリー様のお陰で少しずつ中が落ち着いて来たな・・・)
だがそこに、狼の災害級4頭が現れた。
兵士F「っ!!さ・・・災害級の魔物!!ま・・・魔物だー!!動ける人間は表へ出て応戦してくれーーー!!」
セシリア「っ!!行くわよシルビア!!」
シルビア「はい!!」
ケイティ「こんな時に災害級なんて・・・空気読んでよね!!」
シシリー(治療途中で離れる訳にはいかない・・・それにまだ負傷した人達も沢山残って・・・)
2頭の災害級が兵士達に襲い掛かるその時。何者かが2頭の災害級に魔力弾を撃ち込んだ。
兵士達「!?」
マーク「ギリギリセーフッスね!!」
オリビア「こっちの警護に来といて正解だったね!」
レベッカ「シシリー先輩!大丈夫ですか!?」
シシリー「マークさん!!オリビアさん!!レベッカさん!!」
???「ハァッ!!」
今度は緑色の蔦が残り2頭の災害級を捕縛した。
???「ハアアァァァァァ!!!」
そこにある2人の人物が武器を振り下ろして、捕縛された2頭の災害級の首を斬首した。
フェオン「こっちにも及んでるとはね。」
エミリー「奴等も懲りないもんだな。」
シシリー「フェオンさん!エミリーさん!」
イザベラ「シシリーさん、大丈夫ですか?」
ヒナ「助けに来ましたよ!」
シシリー「イザベラさん!ヒナさん!」
レア「魔物も結構来ているな。」
アンナ「うん。」
シシリー「レアさん!アンナさん!」
フェオン「タクトから連絡が来てね。急いで駆け付けてくれって。」
シシリー「ありがとうございます!」
エミリー「ヒナ、シシリーと一緒に治療を頼む。」
ヒナ「分かりました!」
レア「アンナも一緒に治療をしてやってくれ。」
アンナ「分かった!」
マーク「自分等このままここの警護に当たるんで!」
レベッカ「私も頑張ります!」
オリビア「シシリーさんとケイティさんとヒナさんとアンナさんは安心して治療を続けて下さい!」
ケイティ「はいはーい!アンナ、この傷薬で負傷者達の手当てをお願い。」
アンナ「分かりました!」
同じ頃、アウグスト達は。
ユリウス「この一帯は片付いたで御座るな・・・」
トール「超災害級の魔物が居なかったのは救いでしたね。」
ユーリ「何気にリニューアルしてたのねぇ。私達の戦闘服。」
マリア「前の戦いで私や殿下の服ボロボロにされちゃったからね。『どうせだから』ってシンが新調してくれたのよ。アンタは着方間違ってるけど。」
アウグスト「・・・妙だな。」
トニー「・・・どうかしましたか?殿下。」
リオ「何かあるのか?」
アウグスト「他国の駐留軍や衛士隊が此方へ向かっていると言う話だったが、これだけ時間が経っても現れないのは何故だ?」
リオ「そう言えば・・・アズマ達が来る気配がないな。」
トニー「・・・嫌な予感がしますね。」
すると、禍々しい気配が城壁から流れた。
グレア「城壁の上・・・皆、何か居るよ。視える?」
トニー「いや、姿まで視えないけど・・・魔物じゃないね。」
その城壁の上で、何かが光り始めた。
ジェレミー「っ!!お前等避けろ!!来るぞ!!」
全員が離れた瞬間、巨大な魔力弾が地面に激突して巨大な穴が。
デイジー「何なのこれ!?」
アウグスト(城壁にあった気配が・・・)
マナミア「殿下!!後ろ!!」
アウグスト「!?」
彼の真後ろにリオネルが現れ、アウグストに両手を振り下ろそうとした。
アズマ「させるか!!!」
真横からアズマが現れ、アウグストを突き飛ばしてリオネルの攻撃を防御したが、下へ突き落とされる。
アウグスト「アズマ!!」
ユリウス「アズマ殿!!!」
アズマ「クッ!!」
地面激突寸前で着地した。
アウグスト(着地前にまた攻撃が来る!魔法で迎撃を・・・!!)
だが、魔人のフィンがアウグストの背中を掴んだ。
フィン「おやおやァ?少しばかり油断してたんじゃないのかい?王太子サマよォ。」
掴まれたアウグストに、ローレンスが魔力を集めた。
ローレンス「くたばりな!!」
両手を突き出して無数の魔力弾を連射した。
アウグスト「!?」
そしてフィンが魔力弾の着弾地点にアウグストを蹴り飛ばし、魔力弾が着弾して大爆発を起こした。煙が晴れると、着弾地点にアウグストは居なかった。その理由は・・・
リオネル「!?」
フィン「・・・!」
ローレンス「・・・」
間一髪ジェレミーがアウグストを抱えて着弾地点から離れたのだった。
ジェレミー「おいオーグ、怪我はないか?」
アウグスト「ジェレミー・・・すまない。」
ローランド「ジェレミー様!」
ラナ「大丈夫ですか!?」
ジェレミー「何の。」
アウグスト「・・・アズマ。」
アズマ「すまないオーグ・・・遅れてしまった。」
彼の後ろに衛士隊がやって来た。
アウグスト「ん?お前達、その傷・・・」
シイナ「ちょっと梃子摺ってしまいまして・・・」
マモル「お話は後でお願いします。」
ローレンス「やっぱりそう簡単にはいかねーか。」
フィン「まあ想定内でしょ。アイサツって事で良いんじゃないスか?」
斥候魔人「おいおい。先走って行くんじゃねェよ。俺等も
ローレンス「安心しろ。こっからが本番だ。」
マリア「大丈夫ですか殿下?」
アウグスト「ああ。2人のお陰で助かった。それよりも問題は奴等だ。今、旧帝都内に残っているのはシュトロームの信奉者のみ。魔物だけでなく、魔人共まで動き出したと言う事は・・・シュトロームが何らかの行動指針を得たと言う可能性がある。」
トニー「クルトの時は様子見って感じの戦い方だったけど、今のは明らかに全力で潰しに来てたよねぇ。」
2つが睨み合う光景を、ベルゼが物陰から覗いていた。
ベルゼ「ありゃりゃ、彼奴等に先越されちゃったかぁ。ちょっとここは様子見しとこっかな?ん?」
彼女は、ナージャを見て何かを感じた。
ベルゼ「あれ?あの子ってもしかしたら・・・」
アウグスト「よければ教えて貰いたい。離反した魔人達を利用して、スイードやクルトを襲撃させたのはお前達か?」
ローレンス「ああそうだ。俺が操った。」
アウグスト「旧帝都内に居るシュトロームの信奉者以外に魔人はもう居ない・・・と言う認識で良いのか?」
ローレンス「・・・さあねェ。残ってんのが”シュトローム様の信奉者”・・・ってトコだけは否定しないぜ。」
アウグスト「(・・・含みのある言い方だな。やはりここで此奴等を倒しただけでは終わりそうにないか・・・)最後の確認だ。『魔人側には不戦の協定を結ぶつもりはない』・・・と言う事で良いか?」
ローレンス「そんなつもりはない。端からな。」
トール「・・・!!くそっ・・・!」
トニー「折角連合軍がここまで追い詰めたのに・・・」
ローレンス「話は終わりだ。時間も限られてるんでね。」
横でリオネルが岩石を持ち上げている。
ユリウス「!!」
トール「彼奴はクルトの時の・・・!!」
リオネル「ん?あん?どっかで会ったか?覚えがねェな。」
ローレンス「いいよ別に。目の前で死んでく人間の顔なんて覚えても無意味だ。昔からそうだろ?」
リオネル「そりゃそうだ!!!ぬぅん!!!」
岩石を力強くアルティメット・マジシャンズに向けて投げた。
アウグスト「物理防御で防ごうとするな!!此奴等相手には通用しない!!」
飛んで来る岩石を全員が避けた。だが・・・
トール「!!」
真横にフィンが迫り、トールに強い蹴りを入れた。
マリア「トール!!」
だがマリアとユーリの真後ろにローレンスが現れ、拡散魔力弾を連射。マリアとユーリが防御障壁で防いだ。
マリア(戦闘服付与の防御障壁なら恐らく攻撃は防げる・・・!ただ・・・)
斥候魔人「ひゃっはっ!!」
他の斥候魔人の猛攻が止まらない。
マリア(防御魔法を解いて攻撃に転じるスキを与えてくれない・・・!恐らくその為にこの人数が送り込まれている・・・!!この人数・・・?可笑しい・・・この場に半数しか居ない私達に対して・・・)
物陰から覗いてるベルゼが。
ベルゼ「状況を甘く見てるように感じるね。皆が居るのは敵地で、常に最悪を想定するのが常識なんだけどなぁ〜。」
アールスハイド駐留軍に、複数の影が迫っていた。
戦闘地域の方で、突如風が巻き起こった。
ローレンス「何だ?」
フィン「何だこれ!?」
その風が、斥候隊を吹き飛ばした。
アウグスト「これは・・・!!」
レオン「噂に聞く斥候魔人は彼奴等の事か。」
ソフィー「予想以上の気迫を持っているのね。」
マリア「レオン!ソフィー!」
カサンドラ「私達も居ますよ!」
ティオ「皆大丈夫!?」
ジュリアン「カサンドラ!ティオ!」
ローレンス「まだ邪魔者が居やがったのかよ!」
レオン「邪魔者で悪かったな。」
アズマ「この戦い、俺達も加勢するぞ。」
ナージャの魔法で回復したアズマ達も参戦する。
カオル「今回は本気で行くぞ!!」
ローレンス「!?」
魔人達がナージャを見た。
ナージャ「・・・何?」
ローレンス「お前、何故ここに居るんだ?」
ナージャ「何?どう言う意味よそれ?」
ローレンス「お前は俺達に居るべき存在だろうが。」
マリア「え?」
ナージャ「何なの?何で私がそんな事しなきゃいけないのよ。」
ローレンス「・・・もしやお前、記憶がないのか?」
ナージャ「だったら何よ?」
ローレンス「ならば俺達が力付くでお前の記憶を蘇らせてやるよ!!」
拡散魔力弾を連射したが、ジェレミーが両手の爪で全て消滅させた。
ジェレミー「ナージャ、彼奴等に見覚えあるか?」
ナージャ「ある訳ないでしょ?彼奴等なんて初対面よ。」
ローレンス「魔喰人。お前は俺達にとって厄介な存在だ。」
ジェレミー「そりゃどうも。お前達を倒した褒美でお前達を喰わせてくれよ。」
ローレンス「良いだろう。俺達を倒した後でな!」
アウグスト「出撃して来ている魔人はまだ他にも居る・・・!クロードの所にはビーンとストーンとホークを向かわせたが・・・魔人の人数次第では不安が残るな。後、向こう付近で戦闘中なのは・・・」
マリア「アリスと・・・リンです。」
アウグスト「・・・不安が残るな。」
トニー「殿下!せめて僕だけでも今から向こうに・・・!!」
するとトニーの頭上から何かが迫って来た。
アズマ「トニー!!」
だがアズマがトニーに迫る何かに飛び込んだ。
アズマ「くっ!!」
トニー「アズマ!?」
それは、カラスの大群だった。
アズマ「カラスの魔物か!」
トール「アズマ殿!!」
するとアズマの足に何かが噛み付いた。それは狼の魔物だった。
アズマ「ちくしょう!!」
ローランド「アズマさん!!」
シイナ・ナナセ「隊長!!」
だがローランドが飛び込み、アズマの足に噛み付く狼の頸を悔い千切った。シイナとナナセがカラスの魔物を斬り続ける。
ローランド「此奴等まさか・・・!」
アズマ「トニーを庇った俺に集中して襲って来やがる・・・!」
フィン「はは。まあ精々仲良くやってくれよ。シュトローム様の研究を手伝う傍ら、
この魔物達は、フィンが操ってる魔物達だった。
ジェレミー「へぇ。面白い
フィン「所で、こっちも1つ訊きたいんだが、俺が苦労して育てた”超大型の魔物”共をあっさり始末してくれたのはお前等か?」
ナージャ「・・・!?」
ローレンス「此奴等全員の所に送り込んだんだから全員そうだろ。つーかアレ作ったのはシュトローム様だろうが。オメーじゃねえ。」
フィン「指示受けて魔力操作しながら世話したのは俺ッスよ。冗談じゃねェ・・・!!どれだけ時間掛けて作り上げたと思ってんだ。傑作をよ・・・楽に死ねると思うなよお前等・・・!!」
ユーリ「愛情と言うよりは、自分のオモチャを壊されて逆恨みしてるだけに見えるわねぇ。」
マリア「イカれた連中だわ・・・」
アウグスト「・・・我ながら情けないな。こんな状況でも『シンやタクトが居れば』などと期待してしまう。」
トール「心配なさらずとも、自分達全員同じ気持ちです。」
アウグスト「まあ、彼奴は今頃・・・」
彼はローレンスの不敵な笑みを見た。
ルーパー『ここまでは魔人共の目論見通りって気がしてならねェ・・・』
アウグスト(シンがここに居ないのは、偶然の結果か?ひょっとしたらそれすら・・・)
この状況を理解したアウグストが。
アウグスト「まさか・・・!教皇猊下を刺したのは・・・お前達魔人の刺客か・・・!!我々とシンとタクトを引き離す為に・・・!!」
ローレンス「現状、俺達魔人とマトモに戦えるのはお前等だけだ。当然全員が始末するべき対象ではあるが、戦場にウォルフォードとクリスティが居ると居ないとでは戦況が天地程も変わって来る。ウォルフォードとの関係上、教皇がもし倒れれば奴自身に救援の声が掛かる可能性は高い。そして読み通り奴は今イースに足止めされてる。そしてクリスティをどう引き離すか考えていたが・・・案の定奴はウォルフォードと共にイースに足止めされている。これは俺達にとって好都合だった。」
トール「何・・・て事を・・・!」
ユリウス「教皇猊下をエサに使うとは・・・!」
斥候魔人B「万が一にもウォルフォードとクリスティを差し置いて、他の人間が救援に向かうとも思えんしな。」
斥候魔人A「はは。実に良く出来た作戦だろ?更に理想を言えば、人間達の
魔人共の発言に全員の怒りが爆発した。
アウグスト「もういい・・・!!充分だ!お前達魔人は、ここで私達が確実に葬ってやる・・・!!!」
???「ねぇ、その遊び私にも交ぜてよ。」
そこにベルゼが来た。
マリア「彼奴・・・!!」
リオ「ベルゼ!!」
ベルゼ「ハロー皆。久し振りだね。」
アウグスト「お前・・・その格好・・・!!」
ベルゼ「気付いた?私はね、この魔人達に所属しているスパイだったのよ。そして今はこの部隊に合流したって訳。」
ローレンス「遅いぞベルゼ。今まで何処行ってたんだ。」
ベルゼ「んー・・・彼処で皆の戦いを見物してたの。」
ローレンス「まぁ良いや。お前も奴等を始末してくれ。」
ベルゼ「勿論勿論。やっとこれを使う日が来たね。」
彼女は、赤いスパークレンスを取り出した。
トール「あれは!」
マリア「タクトが使ってるティガの魔道具・・・!?」
ベルゼ「私はティガにはなれない。でも、私に相応しい力を手に入れた。」
赤いスパークレンスの光を解放した。すると赤色の電撃が発生したベルゼの身体中に刺激して彼女の血液を解放した。解放された血液が彼女自身を纏い、黒と赤のゴシックドレスで赤いマントを羽織り、左目にトリカブトの眼帯が着けられた。赤色の模様には血液が循環している。
ベルゼ「フフッ♪」
デイジー「ベルゼ・・・その姿は・・・!」
ベルゼ「私は混血の戦士・ブラッディーベルゼ。人間の理性、魔物の凶暴、災害級の暴走、魔人の魔法の血液を一緒くたにした姿。」
カーテシーで挨拶した。
アウグスト(奴から溢れるオーラが凄まじい・・・!)
ベルゼ「さぁ、私の予知を外してみなさい!」
一方救護所付近では。
アリス「ふー。ようやく魔物は片付いたけど・・・何か私達だけ離れちゃったね。」
リン「なるべく急いで戻った方が良い。魔力の動きからして殿下達の方で何か起きてる。」
アリス「あ!ちょっと待って!アレ、救護所だよ!シシリー達も気になるし、ちょっと見て来るよ。」
リン「・・・仕方無い私も行く。」
救護所にやって来た。
アリス「おーい!」
オリビア「あ!アリスさん達だよ。」
レベッカ「アリス先輩!リン先輩!」
フェオン「2人共、お疲れ様。」
リン「フェオン達も来てる。」
イザベラ「今怪我人の手当てをしています。」
アリス「ヒナは?」
エミリー「ヒナはシシリーと一緒に重傷者を癒している。」
アリス「そっか。この様子だと、怪我人は大体治療出来たみたいだね。」
リン「とは言え、動けない人が殆ど。ここは戦場から遠避けた方が良い。」
ルーパー「怪我人より死人の数の方が多いのは悔やみ切れねェトコだな。」
サヨ「かなり酷い状況ですよ。」
そこにルーパーとサヨが怪我人を連れてやって来た。
レベッカ「あ!ルーパー叔父様!」
アリス「サヨも!」
ルーパー「こっちはいいからよ。君等も早い所殿下達の方へ向かってやってくれ。悲しい話だが、やはり戦場に於いては軍は大した役に立てん。その他の雑務は任せてくれて大丈夫だ。」
アリス「そうだね。じゃあ私等は・・・」
ケイティ「ヤッホーお2人共!」
アリス「ケイティ!」
ケイティ「こっちもそろそろ終わりそうだから、オーグ達の所へ戻った方がいいかも。」
アリス「OK。」
するとそこに数人の人物が。
マーク「ん?アンタ等どうかしたッスか?怪我なら中に入って・・・」
ケイティ「ん?マーク!そいつナイフ持ってる!!」
マーク「え!?」
その人物を見ると、ナイフが握られていた。
マーク「ッ!!」
間一髪マークが後ろに下がった。
ヨシュア「まだ生きてたのか。裏切り者の小娘。」
その人物達は、ヨシュア達魔人だった。
ケイティ「生憎だけど、私は裏切りを背負ったまま死ぬまで生きたいもんでね。」
ヨシュア「威勢は良いな。遠慮はいらないぞドルン。好きにやれ。」
ドルン「ウオオオオオ!!!」
ケイティ「ッ!!」
突進して来るドルンにケイティが剣を構えた。だがしかし、何かが急接近してドルンの突進を防いだ。
ケイティ「ッ・・・!!」
マーク「あ、あれは・・・!!」
ヨシュア・ドルン「ッ!?」
デリック「裏切り者ならここにも居るぞ。」
その正体は、デリックだった。
マーク・オリビア「デリックさん!!」
アリス・リン・ケイティ「デリック!!」
ヨシュア「チッ。死に損ない裏切り者が来やがったか。」
デリック「俺はしぶとい輩だからな。」
レベッカ「え?誰?」
フェオン「デリック。彼は魔人だけど、私達の味方よ。」
デリック「俺の仲間達を殺す前に、俺を殺したらどうだ?ヨシュア。ドルン。」
ドルン「良いだろう。後悔するんじゃねぇぞ!!」
2人の魔人にデリックが戦う。
アリス「デリックって、何でここが分かったんだろう?」
リン「そりゃあ魔人だからでしょ。」
レベッカ「人間に味方する魔人って居るんですね。」
ケイティ「・・・」
シシリー「ケイティさん?」
ケイティ「悪いけど、私も行くよ。」
シシリー「え?」
ケイティ「だって、私も帝国の裏切り者だし。他の皆はあの傷薬で負傷者達の手当てをお願い。」
両手の剣を抜き、高速で魔人達に向かう。
セシリア「アンタ達下がって!怪我人は早くここから退避させるのよ!(災害級相手に苦戦してる私達が居ても・・・魔人相手じゃ足手纏いにしかならない・・・!!)」
そして、デリックはヨシュアとドルンの激しい戦いを繰り広げていた。
デリック「彼奴等に不意打ちを仕掛けようとするとは、やる事が卑怯だな。」
ヨシュア「卑怯?妙な事を言うな。これは戦争だろ?魔人と人間の。そこに正義や美学を振り翳す価値はない。」
デリック「だろうな。お前らしい考えだ。」
ヨシュア「お前、俺と話してる場合か?」
デリック「何?」
ドルン「フンッ!!」
デリック「ッ!!しまっ・・・!!」
後ろからドルンに後頭部を掴まれ、そのまま地面に強く叩き付けられた。ドルンが持ち上げると、デリックの頭から血が流れた。
ドルン「見上げたモンだなデリック。流石のお前を叩き付けても簡単に死にはしないか。だが次はキッチリ頭蓋を砕く。今度こそ死ね。」
デリック「・・・それだけか・・・?」
ドルン「・・・あ?」
デリック「言いたい事はそれだけか!!」
ケイティ「デリックーーーーーー!!!」
ドルン「ッ!?」
上空からケイティが現れ、剣を振り下ろしてデリックを掴んでるドルンの右腕を切断した。
ドルン「グアアアアア!!!」
デリック「俺がただ単に突っ込んだと思ってたのか?」
そう言いながらドルンの右腕を焼却した。
ケイティ「流石だね。私が来る事を予想して。」
デリック「何となくな。ケイティ。裏切り者同士、奴等を叩くぞ。」
ケイティ「合点承知!」
グータッチして左右から2人の魔人の魔法が迫る。
ケイティ「よっと!」
デリック「ッ!」
2人は軽々と躱す。だがヨシュアの氷魔法がデリックに迫るが、デリックがキックで粉砕した。
デリック「クソッ!隙すらねぇな・・・!」
ヨシュア「色々と面倒な連携をしているようだが、行動する間さえ与えなければ丸裸も同然。」
ドルン「この・・・クソガキ共がアアアーーーー!!!!」
デリック・ケイティ「ハァッ!!」
後ろから迫るドルンの左の剛拳を左右に避けた。
ケイティ「ねぇデリック・・・これちょっとヤバそうじゃない?」
デリック「・・・彼奴等から怒りと力が溢れ出てる・・・一筋縄じゃいかねぇみたいだ・・・」
ケイティ「だね・・・でも私達が喰い止めなきゃ、被害が更に拡大すると思うよ。」
そして、戦闘地域では。
マリア「はあっ!!」
タクトとシンを除いたアルティメット・マジシャンズが斥候魔人達との戦いが続いていた。
ベルゼ「がら空きだよ!!」
だがブラッディーベルゼが右手に血液を集め、それを光線のように放った。
ユーリ「マリア!!」
前に出たユーリが魔法障壁を展開してマリアを守った。
マリア(今までは・・・攻撃を当てさえすればどうにか敵を倒す事が出来た・・・!だけど此奴等は・・・間隙を縫って魔法を放てたとしても・・・実力で魔法そのものを防がれてしまう・・・!)
アウグスト(つまり奴等に決定的なダメージを与えるには、より高威力な魔法を放つ為に魔力を溜め込む事が必要になる・・・!しかし当然ながら此奴等が、そんな間など与えてくれるはずがない!)
ジュリアン「ベルゼ!!君の相手は僕達だ!」
ジネヴラ「実力であなたを止める!」
ベルゼ「良いわよ。私の予知を外してみなさい!!」
ジュリアン「ベルゼ!!」
グレア「皆行くよ!!」
ブラッディーベルゼをジュリアン、ジネヴラ、レオン、ソフィー、グレアが戦う。
ユリウス(トール!『溜め』をほぼ必要としない身体強化なら、奴等に一撃をくれてやれるかも知れんで御座る!フォローを頼むで御座る!)
トール(物理防御力の高そうな大男は避けた方が良い。狙うとしたら単体で攻めて来る黒髪・・・!)
黒髪の魔人に攻撃を仕掛ける。しかしフィンのカラスの大群がそれを妨害した。
トール「うっ・・・!?くそっ・・・!」
そこにリオネルがユリウスに迫る。
ユリウス「ッ!!」
カオル「ユリウス!!」
だが横からカオルが飛び出し、ユリウスをタックルで突き飛ばしてリオネルのパンチを受けた。
タカオ・マモル・セイラ「カオル様!!!」
アズマ「カオル!!!」
ユリウス「カオル殿!!!!」
魔人の獰猛は止まらない。しかしそこにティガとシンが駆け付け、形勢逆転。だが、予想を覆す事態が。