ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS 作:naogran
アールスハイド王国。王城。
エドワード「通信兵からの連絡は・・・うむ・・・うむ・・・分かった。陛下、他国からの現地への増援の確認が・・・」
ディセウム(・・・歯痒いものだ。国を治める立場でありながら・・・出来る事は前線で戦う者達の健闘と無事を祈るだけとは・・・)
タクト達は戦っているのに、ディセウムは無事を祈る事しか出来ない自分を責めていた。
エリザベート「・・・・・」
そんな中、エリザベートはそわそわして歩き回ってる。
メイ「・・・エリー姉様。少し落ち着くです。」
エリザベート「お、お、お、落ち着いてられらすれすわよ!!」
メイ「噛み噛みです。」
エリザベート「・・・・・」
落ち着いても不安いっぱいのエリザベートを見て、メイが後ろから彼女を抱き締めた。
メイ「きっと大丈夫。信じるです。お兄様を。シンお兄ちゃん達を。」
エリザベート「・・・わ、分かってますわよ。ま・・・負けるはずありませんものね。シンさんやタクトさんやアウグスト様が。メイにそんな事言われたら、まるで私の方が子供みたいじゃありませんか!もう!」
メイ「ふふ。何時でも胸を貸すです。あ、でもエリー姉様にそれ以上の胸は不要です。」
じゃれているエリザベートとメイを見て、ディセウムの不安は無くなった。
ディセウム(信じる・・・か。そうだな。不安や焦燥を抱えて待つより・・・皆で彼らの力を信じる方が今は・・・)
ブルースフィア帝国・魔人領。ティガ、シン、フェオン、シシリーがアベルと対面している。
アベル「以前に1度・・・賢者マーリン=ウォルフォードに接触した事がある。」
シン「っ!!祖父ちゃんに・・・!?」
アベル「所作。雰囲気。そして魔力の流れ。確かに似ている。だが、お前は賢者とは明らかに異なる。あまりに人として・・・異質過ぎる。」
ティガ(異質・・・転生者だからあり得る異質か。)
シン「・・・・魔人に人としてどうかと意見されるとは思わなかったな・・・」
シシリー「人と違う部分があったとしても、シン君はシン君です!」
フェオン「そうね!シンは私達の大切な仲間だものね!」
アベル(問題は、その
するとアベルが、魔力の流れを揺らいだ。
シン「!・・・・」
ティガ(コイツ、急に魔力を揺らいだ?・・・まさか!!)
5人の背後の塔の上から、2人の魔人がフェオンとシシリーに狙いを定めて魔法弾を放った。
グレア「しまった!!」
シン「シシリー!!フェオン!!後ろだ!!他にも魔人が・・・」
だが、魔法弾はシシリーの魔法障壁とフェオンの大剣で防がれた。
シシリー「心配しないで下さいシン君。私、この魔人領に入ってから一瞬も油断なんかしていませんから。」
フェオン「タクトも大丈夫よ。ユエリアンで鍛えた私を甘く見ないでよ?」
ティガ・シン「・・・」
アベル(それでいい。)
剣を握ってシンに迫った。シンが魔法障壁でアベルの剣を防いだ。
シン「お前・・・!!」
ティガ「タァッ!!」
ハンドスラッシュを連射した。アベルがハンドスラッシュを避けた。
アベル「お前達はそのままクロードとフェオンを狙い続けろ!!ウォルフォードとクリスティとは俺が
魔人「了〜〜〜解!」
2人の魔人がフェオンとシシリーを狙って魔法弾を連射する。
フェオン「しつこいわね!!」
大剣を振り回し、全ての魔法弾を粉砕してシシリーを守った。
シン「お前ら・・・!!」
アベルが魔法弾を連射する。
ティガ「ハッ!!」
ウルトラシールドで魔法弾を防いだ。
シシリー「シン君!!タクト君!!私に構わず戦って下さい!!」
シン「シシリー・・・」
ティガ「グレア!!2人の援護を頼む!!」
グレア「任せて!!」
2人の前に立ったグレアが、周囲に火炎魔法を放射した。2人の魔人は火炎放射を避けた。
ティガ「グレアが2人を守ってる。シン行くぞ!!」
シン「ああ!!」
ティガとシンがアベルに向かって飛んだ。するとアベルが、左手に魔力を集めた。
シン「ッ!!」
アベルの魔法弾が2人の横を過ぎた。
ティガ「ッ!?まさか!!」
魔法弾が、魔人と交戦中のシシリーに迫る。
シン「シシリー!!」
グレア「危ない!!」
結界を展開し、シシリーに迫る魔法弾を防いだ。
シシリー「グレアさん!!」
ティガ「・・・シン、奴の狙いはシシリーとフェオンだ。」
シン「何・・・!?」
ティガ「お前、優先的に2人を狙ってる。そうだろ?」
アベル「物分かりが早いな。褒めてやろう。お前達に教えてやる。揺るぎない事実をな。戦闘に於けるお前達の最大の弱点は、クロードとフェオンの存在そのものだ。」
ティガ(かなり有能な考え方をしているな。)
魔人領の外では、カートゥーンがバイブレーションソードで災害級を討伐し続けていた。
カートゥーン「ふぅ・・・ふぅ・・・ふぅ・・・はぁ・・・」
兵士A「カートゥーン長官・・・さ・・・流石だな・・・」
兵士B「一体、もう何匹災害級を討伐したんだ・・・」
カートゥーン(・・・つまんねぇ。コイツら魔物を何匹片付けた所で、所詮魔人1匹の価値もねぇ。俺がこの戦争で魔物を100匹殺したとしても、最終的に世間で祭り上げられるのは、魔人と戦った
虎の災害級を討伐すると、バイブレーションソードの刃が柄から飛び出した。
カートゥーン「・・・チッ、刃だけじゃなく柄もイカレやがった。オイ!誰か柄の替えは・・・ん?」
彼はある光景を目にした。
ジェレミーがフィンと戦っている光景だった。
カートゥーン(何だありゃ・・・何で人間同士で殺し合って・・・いや・・・人じゃねぇな、あの魔力・・・まさか魔人か?それにあの男は、噂に聞く魔喰人か。魔人が何で『壁』のこっち側に居る?ウォルフォード達の目を掻い潜ってこっちに来やがったのか!?コレ・・・ひょっとしてチャンスって奴か?たった1体とは言え、魔喰人を利用して魔人を討伐したとなればその功績は・・・)
魔人を討伐すれば脚光を浴びれると考えたカートゥーンが、フィンを討伐しようと企んだ。
カートゥーン「剣の柄の替えはねェのか!?さっさと持って来い!!」
兵士A「お・・・お待たせしました長官!別の兵が予備を用意しました!ただ・・・申し訳ありませんが、こちらは我が国で予備として用意した物でして・・・”御使い様”・・・ウォルフォード殿が演習に来られた際手渡した物とは異なるのですが・・・」
カートゥーン「あ!?どうだっていいだろそんなモン!肝心の付与が施された
兵士から柄を貰い、刃を取り付けた。
カートゥーン(くく。相手が魔人とは言え、俺の力とこの剣があれば・・・ん?)
刀身を見たカートゥーンが固まった。『超音波振動』と言う例の付与文字が浮き出ていたからだった。
カートゥーン(・・・超・・・音波・・・振動・・・?な・・・何だこの文字?突然刀身に現れやがった・・・ウォルフォードが付与を行う際に・・・『刃』だけでなく、『柄』まで一旦回収したのは一体何故だ?まさか・・・柄にも別の付与が施されていた?刀身の付与文字を消す為に・・・そ・・・それにこの文字・・・これ・・・は・・・そうか・・・!!そう言う・・・事か・・・!!シン・・・そしてタクト・・・!!この文字・・・そんな付与の方法が・・・やはりお前らは・・・!!)
全てを理解したカートゥーンがブツブツと呟く。
兵士A「ちょ・・・長官?あの・・・」
彼はブツブツ言いながら何処かへ行ってしまった。
兵士A(な・・・何だよ。魔人と戦うんじゃないのかよ・・・)
一方ジェレミーとフィンは。
ジェレミー「結構やるじゃねェかお前。」
フィン「ハハッ、光栄だねェ。魔喰人に褒められるなんてな。だが・・・」
近くで魔物を戦ってるセシリアとシルビアに目を付けた。
フィン「こう言うのはどうだ!!」
セシリアとシルビアに向かって魔法弾を放った。
ジェレミー「何!?」
超高速で走り出した。
ジェレミー「セシリア!!シルビア!!」
セシリア・シルビア「え!?」
フィンの魔法弾が直撃し爆発した。
アールスハイド兵「はっ!はぁ!」
馬に乗ったアールスハイド兵が、クリスティーナを探していた。
アールスハイド兵「ク・・・クリスティーナ様!!」
クリスティーナ「ッ!?どうしました!?」
アールスハイド兵から報告を受けたクリスティーナが固まった。
魔法弾を受けたセシリアとシルビアは。
セシリア「あっ!!」
だが、ジェレミーが背中で魔法弾を受けて2人を守ったのだった。周囲の一部の兵士は先程の爆発で殺られてしまった。
シルビア「ジェレミー!?」
セシリア「大丈夫!?」
ジェレミー「ヘヘッ、コレ位屁でもねェよ・・・」
フィン「身を挺して人間を守ったか。何故お前は人間に加担するんだ?」
ジェレミー「お前に教える義理はないな・・・」
フィン「あっそ。それに、そこの2人は面影があんなァ。お前ら、クロードの姉妹ってトコか?」
セシリア・シルビア「!!!」
ジェレミー「おい待てよ!2人が欲しいなら俺を殺してからにしとけ!」
フィン「んじゃ、そうさせて貰うぜ!」
馬に乗ったクリスティーナが、急いでセシリアとシルビアの元へ。
クリスティーナ「セシリア!!シルビア!!」
すると、2人が居る場所が大爆発した。
だが、大爆発はフィンが起こしたものじゃなかった。
フィン「・・・!?何だァ!?どいつが魔法放ちやがった!?(あの2匹は魔喰人の介抱に夢中で魔法が使えない状態だった・・・魔法を使う余裕は無かったはず!)」
???「・・・俺だよ。」
そこに現れたジークフリードが、フィンを殴り飛ばした。
フィン「がっ・・・!!」
ジークフリード「俺の後輩達に随分好き放題やってくれたみたいだなぁ!オイ!!!」
フィン「・・・・・何だてめェは!!」
だが後ろからクリスティーナが迫り剣を振り下ろしたが、フィンがそれを間一髪避けた。
セシリア「ジークフリード様!!」
シルビア「クリスティーナ様も・・・!!」
アールスハイド兵『今ジェレミー様が魔人と交戦中ですが・・・セシリア様とシルビア様を庇って・・・』
ジェレミー「お前ら・・・」
ジークフリード「ジェレミー、大丈夫か?」
ジェレミー「あ、ああ。」
クリスティーナ「身を挺して2人を守ってくれたのですね?感謝します。」
ジェレミー「いや、コレ位大した事ねェよ。」
クリスティーナ「ジェレミー、まだ戦えますか?」
ジェレミー「ああ。コイツを食わずに死ぬ俺じゃねえ。」
クリスティーナ「よくも・・・未来ある有能な剣士達を・・・」
ジークフリード「ジェレミーだけじゃなく、セシリアとシルビアを殺そうとするなんて良い度胸だなァ!」
ジェレミー「お前を地獄を落とす前に食い尽くしてやる!!」
同じ頃、魔人領では。
リオネル「逃げてんじゃねェぞォ!!ザコ共がァッ!!!!」
怒りが頂点に達したリオネルが暴走している。
ユリウス「完全にブチ切れてるで御座る。」
トール「あの破壊力・・・真面に受けたら粉々ですよ・・・けど・・・(明らかに冷静さを失っているのは、こちらにとって付け入るチャンス!!マーキング!!)」
マーキングをリオネルの胸の中心部に定めた。
リオネル「アァ!!?」
拡散魔法弾を一斉発射した。だがリオネルは避けず佇む。
トール(・・・避けない!?)
発射された拡散魔法弾を、リオネルが右手の一振りで全て粉砕した。
トール(に・・・逃げるでもなく、障壁で防ぐでもなく、魔力を纏わせた拳で・・・払い除けた!?)
驚愕してると、リオネルがコチラに向かって飛んで来た。
トール(ま・・・まずい!!)
防御障壁を展開した。リオネルは防御障壁に何度もパンチを叩き込む。
アウグスト(戦闘服付与の防御障壁。確かに直接攻撃を防ぐにはそれしか手はない。だが、それを使い続ける事は身を守ると同時に・・・自ら攻撃の手段を捨てる事を意味する。打開出来る方法があるとすれば・・・)
ユリウスのガントレットがリオネルを大爆発させた。
アウグスト(おお!?あのガントレット・・・さてはシンの奴が何か付与を・・・)
リオネル「ふはッ!」
だがリオネルは、あの大爆発を耐えた。
トール(ダメージはある・・・が・・・それを意にも介していない・・・打たれ慣れている・・・)
アウグスト(流石は”盾”と言った所か。)
リオネル「お返しだぜ!!」
近くに居たユリウスの腹を左手で殴り、右手の裏拳でユリウスの顔面を殴った。そして、そのままユリウスを地面に叩き付けた。
トール「ユリウス!!」
リオネル「
巨大な柱を持ち上げ、トールに向かってジャンプした。
トール「うあぁあっ!!」
パニックになったトールが魔法弾を乱射した。だが、柱で叩き付けられ、トールとユリウスが完全に倒れてしまった。
リオネル「さーあ。前座は終いだぜ。次はてめェだ。」
倒れてしまったトールとユリウスを見て、アウグストは冷静だった。
アウグスト「そうかな。私は自らの命をその2人に預けた。そして・・・2人はまだ死んでいない。この意味が分かるか?」
リオネル「・・・何だと?」
アウグストが言った言葉の意味とは何か。
その頃、帝城では。
シュトローム「皆・・・」
実体のない存在「アルティメット・マジシャンズ。無駄な足掻きを見せてくれるものだ。」
シュトローム「彼らは私達の暴走を止める為に戦っている・・・」
実体のない存在「ほう?」
シュトローム「私も覚悟を決めた・・・彼らに打たれる事を・・・取り返しのつかない事をしてしまった私を討ってくれる事を・・・」
実体のない存在「・・・残念だが、それは無駄だ。」
シュトローム「何・・・?」
すると、実体のない存在がシュトロームを縛って磔にした。
シュトローム「なッ!?何をするつもりだ!!」
実体のない存在「貴様が死ぬのは返って不利だ。貴様には私の最後の手駒として働いて貰おう。」
シュトローム「・・・!?」
そして、トニーとサイクスの戦いを見ているマーク達。
マーク「・・・なあ・・・オリビア・・・ケイティさん・・・アレ・・・目で追えるか?」
オリビア「ううん、全く・・・」
ケイティ「私も無理・・・目で追えない・・・」
両者の剣が鍔迫り合う。
サイクス「良〜い腕だ。あっちの坊主共と違って、お前は『剣』の方へ振り切れてる。さては元々魔法の使い手じゃねーな?」
トニー「まあねぇ。そう言う君も随分強いけど、それでも魔人にさせられる程シュトロームの実力は上って事なのかな?」
サイクス「誤解があるな。
トニー「帝国を滅ぼす為かい?」
サイクス「ああそうだ。」
両者が互いに距離を取る。
トニー「目的を果たした今、君達がシュトロームに従う理由は?」
サイクス「理由?そんなモンそれぞれだ。義理を重んじて従い続ける奴も居れば、シュトロームのダンナの実力に惚れ込んで付いて来る奴も居る。仲間意識だけで残ってる奴らだって少なくねェしな。俺だって
トニー「・・・最後に1つだけ訊きたいな。まぁ、答えてくれるとは思わないけど。シュトロームが頑なにこの地を動かない理由・・・彼の本当の目的は一体・・・何なんだい?」
サイクス「・・・・・知ってんだろ。『世界の破滅』だよ。」
トニー「うーん。それね、どうも僕からすると、凄ーく
サイクス「・・・・・」
マーク・オリビア・ケイティ「・・・・・」
トニー「考えてもみてよ。人間を滅ぼしたいなら、黙って実行すれば良くない?何でわざわざ一月も前に宣言してこっちに準備させる訳?」
サイクス「・・・・くっくっ。性格悪りーなお前。薄々分かって訊いてんだろ?」
トニー「・・・・さあねェ。」
マーク(トニーさん・・・?一体何の話を・・・)
サイクス「もういいだろお喋りは。決着つけようぜ。」
握ってる剣に炎を纏わせた。
マーク「気を付けてトニーさん!!そいつの剣は魔法効果を・・・!!」
魔法剣を防いだトニー。だがサイクスに押されてる。
トニー「うわぁっ!こりゃ捌き切れないなぁっ!」
だがその時、何かが揺らめき、サイクスの腹が切り裂かれた。
マーク「!!?」
オリビア「え!!?」
ケイティ「何今の!!?」
それは、トニーが父と剣術の稽古に励んでいた頃の事。
リリア『トニー君、何でわざわざ
トニーの母『あんな事・・・って?』
あの時リリアが見た違和感。それは・・・
リリア『右利きのはずなのに・・・さっきからずっと左手で剣を持って稽古してますよね?』
右利きのトニーが剣を左手に持って稽古していたからだった。
トニーの母『・・・強さを得る為に・・・必要な事らしいわよ。トニーなりに考えた結果なんでしょうね。』
そして今。サイクスが揺らめく何かに腹を切り裂かれている。
サイクス(・・・一体どんな手品使いやがった?・・・奴の剣は確実に俺の剣から離れてはいなかった。・・・魔法?いや違う・・・これは確かに剣による斬撃だ。)
トニー(このレベルの相手に二度も奇襲は通じない。一度戦法を見せたのなら、もう出し惜しみは意味ないな。)
サイクス(・・・成る程。そう言う事か。左手に・・・もう一刀の剣!!)
そう。トニーは二刀流を駆使していたのだ。
マーク「に・・・二刀流!?」
ケイティ「トニー!何時の間にそんな
二刀流で挑むトニー。サイクスが押されてるが。
サイクス「チィッ!!」
隙を見てトニーの顔面にキックした。
トニー「くッ・・・!!」
ケイティ「でも、手数のトニーでも、奴は体術が高い。」
サイクス「お前、左は付け焼き刃だな。使い慣れちゃいるが、右程剣筋が走ってねェぜ。」
トニー(・・・御名答。修行を始めてまだ半年にも満たないよ。)
サイクス(・・・とは言え・・・さっきの一閃は流石に効いてるな・・・ここまで深手を負うのは久し振りだ。)
オリビア「・・・ねえマーク、ケイティさん。さっきから気になってるんだけど・・・」
マーク・ケイティ「ん?」
オリビア「フレイドさんの剣・・・ウォルフォード君と同じバイブレーションソードだよね。何で剣を起動して戦わないのかな・・・」
ケイティ「・・・そっか。そう言う事ね。マークは分かる?」
マーク「ええ。分かった気がします。トニーさんは・・・俺や・・・アイツと同様に剣に魔法を乗せて戦う事を得意としてる。だけど、付与された魔法を起動した上で、別の魔法を乗せようとしても・・・所謂魔法の
オリビア「・・・それってつまり・・・」
ケイティ「そう。トニーはバイブレーションソードによる攻撃を使うは毛頭ない。狙ってるのよ。最初から。」
トニー(・・・そう。
二刀流に風の魔法が纏った。
トニー(これが今の僕に出来る・・・最大にして最強の必殺剣・・・!!)
彼は最初から、風魔法を使う為だけに陽動していたのだ。
トニー「・・・行くよ。」
サイクス「最後の撃ち合いになりそうだなァ。受けて立つぜ。」
果たして、勝つのはどっちだ。
同じ頃。アリス・リン・レベッカ組。
一手謝れば瞬間、死へ直結する刹那の攻防。幾度重ねたか分からない中で生まれた一瞬の道筋。『肉を切らせて・・・』なんて意識があったかは分からないが・・・その瞬間アリスは、
アリス「・・・!!」
カインによる斬撃で腹を切られたアリスだが、チャンスを狙ってカインの顔に魔法弾をぶつけた。
リン「アリス!!」
レベッカ「アリス先輩!!」
負傷したアリスが倒れ、リンとレベッカが駆け寄る。
アリス「痛って〜〜・・・けど、へへ・・・1発・・・」
レベッカ「無茶し過ぎですよ!!」
カイン(不用意に振り上げた左腕・・・その死角を利用して魔法を撃たれた・・・くそ・・・俺がマヌケだったな・・・)
アリス「ゴメ・・・リン・・・レベッカ・・・後先考えずに・・・体動いちゃった・・・いてて・・・」
リン「い・・・今治癒魔法を・・・!」
アリス「ダ・・・ダメだよリン・・・今がチャンスでしょ・・・治癒はレベッカに任せて・・・攻めなきゃ・・・」
リン「ゴ・・・ゴメン・・・!私・・・ペアなのに・・・アリスの・・・わ・・・私が・・・ま・・・守れなかったから・・・」
アリス「アイツのダメージ・・・い・・・今ならリン1人で・・・やれる・・・」
リン「わ・・・私じゃダメ・・・アリスを・・・先に助けなきゃ・・・」
アリス「リン!!!」
パニック状態のリンを、アリスが声を挙げた。
アリス「らしくない・・・よ・・・何時もの・・・クールなリンは・・・何処・・・行ったの・・・」
リン「・・・ッ!?」
背後からカインの魔法弾が放たれたが、間一髪避けた。
カイン「はっ・・・命懸けてんだろうが・・・はっ・・・はっ・・・敵に背ェ向けてる場合かよ・・・」
レベッカ「先輩!今すぐ治癒します!」
治癒魔法でアリスを治癒する。
アリス「リン・・・もっと・・・自分に自信持って・・・良いんだよ・・・魔法が好きで・・・いっぱい勉強して来たんでしょ・・・誰よりシン君から学んで吸収して来たのは・・・リン・・・あんたなんだからさ・・・!!」
リン(・・・・・ウォルフォード・・・・・君・・・・・)
魔法が好き。幼い頃から父の傍で魔法を見て、魔道具に触れて、その可能性の広さに魅了され、彼女自身も追求を続けた。シンに会って以来、その想いはより強いものになった。それまで夢物語だったような魔法すらも現実になってしまった。だが・・・『魔法が好き』。それがイコールとして『強さ』や『結果』には繋がらない。魔人達と戦う中でリンは気付いてしまっていた。漠然とした魔法に対する夢や目標は、本当に才能のある仲間達を前にして、少し霞み始めてしまっていたのは事実。だが。
リン「もうこれ以上・・・アリスを傷付けさせない。私があなたを倒す。」
カイン「はっ・・・はっ・・・大きく出たな・・・だが減らず口じゃねェ・・・言葉に決意が宿ってる・・・(腐れ縁だったかも知れねェが、感謝するぜ。お前らと戦えた事を・・・)」
心の中でアリス達に感謝をし、超高速でリンに迫る。リンが構える。
リン(集中して狙え。1点だ。・・・・・・・・・・そこだ!!!)
魔法弾をカインの右肩に直撃させた。
カイン「がっ・・・!!(速ェ!!威力を絞る代わりに、今までにない発射速度で・・・)ッ!?」
怯んだカインに、リンが接近した。
アリス「っ!!リン・・・!?」
レベッカ「リン先輩・・・!?」
カイン(接近!?魔法使いが!?一体何を狙って・・・)
するとリンが魔力量を増大させた。周囲に衝撃波が走った。
シン『何かリンって、暴走魔法少女ってイメージだよな。』
あの時のシンの言葉に、深い意味が無かった事は分かっていた。だが、他人より特別秀でた事など無かったリンにとって、それは、尊敬に値する人が与えてくれた唯一の個性のように思え、彼女は少し嬉しかった。
リン『・・・その呼び名は気に入った。』
カイン「はっ・・・!放せてめェ・・・!!何を・・・!!」
離れようとするが、リンが離さない。
アリス「・・・・・!!ま・・・まさか・・・!!」
レベッカ「爆発する気・・・!?」
アリス「ダメだよリン!!そんな魔力量でそんな・・・!!」
リンが真剣な眼差しでカインを睨む。カインはその眼差しを見て悟った。
カイン(死ぬ気か・・・コイツ・・・!?)
リン「・・・私は・・・暴走魔法少女!!!」
その名に誇りを持つ事でリンは、前を向いて戦える。
同じ頃。廃教会でダンテと対峙しているマリア、ミランダ、マナミアでは。
ダンテ(竜巻が・・・消える・・・!!)
マリアが起こした竜巻が消えた。だが、ミランダとマナミアの姿が何処にも無かった。
ダンテ「・・・!?」
ミランダとマナミアは、ダンテの頭上に居た。
マリア(竜巻の消失に合わせて、ジェットブーツとジャンプで相手の頭上へ・・・!!)
ダンテ「甘く見るなよ!ウォーレス!ラドクリフ!」
だがダンテは既に気付いており、急降下するミランダとマナミアに向けて魔法弾を放った。
マリア「魔法・・・!!」
マナミア「くっ!!」
横の柱に足を付けて、壁ジャンプで魔法弾を避けた。だがミランダがダンテの魔法弾を受けてしまった。
マリア・マナミア「ミランダーーーーッ!!!」
マナミア(何故です!?攻撃を仕掛ける時に防御障壁を発動しなかったのです!?)
マリア(ッ!!バイブレーションソードが発動して・・・)
マナミア(・・・剣の付与を発動させるなら必然的に障壁の方は・・・)
ダンテ(守りを捨て、あくまで必殺の魔法を執る。覚悟なき者には出来ん真似だ。)
ミランダ「・・・・・」
魔法弾を受け、傷だらけのミランダが落下する。
一介の剣士であるミランダが、何故こんな場所で魔人と相対し戦う事が出来ているのか。それは、シンとタクトが戦う為の
ミランダ「アンタこそ甘く見るな!!!!!」
バイブレーションソードをダンテに叩き付けた。ダンテの右肩が切り裂かれた。
ミランダ「半端な攻撃で、私を止める事は出来ないよ・・・!!」
ダンテ「はぁ・・・はぁ・・・」
ミランダ「はっ・・・はっ・・・」
マリア「・・・離れてミランダ・・・!!トドメを刺すわ・・・!!」
マナミア「ミランダ、早く後退して下さい。」
しかしミランダが、予想もしない行動に出た。
ミランダ「っ!」
傍に落ちてあったダンテの槍を拾い、それをダンテに投げて返した。
ダンテ「・・・」
マナミア「え!?」
マリア「なっ・・・何してんの!?何でわざわざ敵に武器を・・・!?」
ミランダ「ゴメンマリア、マナミア様、今ここで最も確実に勝つ方法は、魔法じゃなく、私が敵を斬る事だ・・・!!」
マナミア「ミランダ・・・」
ミランダ「マナミア様、これは私と奴の戦いです。手出しは無用です。」
マリア・マナミア「・・・・・」
ミランダ「いざ・・・!!」
マリア「て・・・敵に武器を渡す理由になってないっつーの・・・き・・・騎士道精神・・・って奴?理解不能・・・」
マナミア「ですが・・・ミランダの気持ちは分かります。マリア、ここはミランダに任せましょう。」
マリア「マナミア様まで・・・」
ダンテ「・・・貴殿の考え方・・・振る舞いから察するに・・・貴族の家系ではあるまい・・・」
ミランダ「・・・当たり前よ。バリバリの平民だってーの。」
ダンテ「(最後の相手が、貴殿のような人間で良かった。)・・・行くぞ。」
ミランダ「来い・・・!!」
同じ頃、リオネルにやられたトールとユリウス。
過去の記憶が脳裏に走っていた。
兵士『魔物の襲撃だー!!』
兵士『衛兵が殺られた!!』
兵士『殿下を・・・殿下をお守りしろ!!』
山道に突如現れた熊の魔物に襲われていた。
アウグスト『・・・熊か。』
ユリウス『で・・・殿下!早くここから離れるで御座る!』
アウグスト『『無駄だ。野生の獣・・・ましてや魔物相手に逃げ切れはしない。どうせ死ぬなら、戦って共に死ぬ。前を開けろ。』
自ら戦って死ぬ覚悟で挑もうとするが、トールとユリウスに止められた。
トール『そ・・・そ・・・そうはいきません・・・!!もし、我々の前に殿下が倒れるような事があっては・・・!!』
ユリウス『我々・・・殿下の力になるどころか・・・”盾”の役割すら果たせぬ役立たずになってしまうで御座る!!』
そうこうしてる間にも、衛兵達が次々と殺られてる。
トール『うあぁぁっ!!』
魔法で魔物を牽制し、ユリウスが魔物の左腕を掴んで受け止めた。
アウグスト『お・・・お前達・・・!!バッ・・・バカ止めろ!!お前達の身一つで魔物の攻撃を防げる訳ないだろう!!死ぬぞ!!!』
ユリウス『・・・本望で御座る。』
アウグスト『何!?』
ユリウス『戦いに於いて・・・!殿下より先に死ぬのならば・・・それは”盾”としての本意に他ならんで御座ろう・・・!!』
トール『覚えておいて下さい殿下・・・!!我々の命ある限りは・・・決して殿下が死ぬ事はありません・・・!!それが我々に与えられた・・・ただ1つの使命ですから・・・!!!』
アウグストは、トールとユリウスの覚悟に感銘を受けた。
兵士『見付けたぞー!!殿下は無事だ!!協力して魔物を討伐しろー!!』
そこに応援の兵士達が到着し、無事に魔物を討伐した。
そして今。
アウグスト「その風貌・・・お前も嘗て何度も身を挺して仲間を守って来たんだろう。我が身よりも他者を優先して守る・・・そのような事は、本当に強い者にしか出来ない芸当だ。」
リオネル「・・・何が言いたい。」
アウグスト「・・・いや、先に謝っておこうと思ってな。お前は強いよ。全力を出せる為、挑発するような真似をして悪かった。お前のような立場の人間が居るからこそ、組織が成り立つ事はよく知っている。だからこそ・・・私の”盾”も、見縊らない事だ。。」
倒れていたトールとユリウスが立ち上がり、リオネルを睨む。
リオネル「・・・成る程な。確かにちっとは・・・やす奴らみてェだ・・・」
ユリウス「殿下から離れるで御座る・・・!!」
リオネル「・・・安心しろ。先に息の根を止めんのはてめェらだ。しぶてェ奴らだ。覚えたぜ、その
立ち上がった2人に向かって急接近した。ユリウスが横に走り、トールが魔法弾の照準を合わせる。
リオネル「(さっき付けられた印が消えてねェ。恐らくだが、コレを的に見立てた魔法・・・!!やはり下手を打つより魔法を掻っ消した方が早ェ!!)ぬぅん!!!」
トールの放つ魔法弾を殴り消した。だがこれは、魔法弾ではなく水魔法だった。
リオネル(ッ!!?水・・・!?・・・いや!本命は水をカモフラージュにして、ほぼ同時に発射した・・・
水の次は氷魔法を受けた。
リオネル「ぐぅ!!ッ!?」
後ろを見ると、ユリウスが立っていた。
リオネル(あの野郎・・・何であんな離れた場所に・・・)
ユリウス「(一瞬の足止め・・・それで充分で御座る!!トール!!)むぅん!!!!」
ガントレットを嵌めた右腕で地面を強く殴り付けた。
アウグスト(ッ!!衝撃が・・・地中を伝って・・・)
衝撃が地中を伝って、リオネルとその周辺を大爆発させた。
リオネル(な・・・何・・・だと・・・!?)
ユリウス「済まんがこれで・・・終わりで御座る!!!!」
そして遂に・・・
トニー、リン、ミランダ、ユリウスが、斥候隊の中核となる4人の斥候魔人を見事討伐した。
旧帝城の屋上。サイクス、カイン、ダンテ、リオネル。4人の生気が消え、ローレンスが呆然した。
ローレンス「・・・・・・・お前・・・・・・ら・・・・・」
4人の斥候魔人討伐後。
マーク「す・・・凄いッス!トニーさん・・・!!」
オリビア「待ってマーク!その前に治療!」
ケイティ「傷薬もあるよ!」
ミランダ「た・・・倒せたぁ・・・何・・・とか・・・」
マリア「バカッ!早く創見せなさいよ!」
マナミア「立派な戦いでしたよ。ミランダ。」
ミランダ「マナミア・・・様・・・」
ユリウス「お・・・お待たせしたで御座る・・・殿下。」
アウグスト「・・・ああ。よくやったぞ2人共。お前達の”勝負”。私が確かに見届けた。」
トールとユリウスが、リオネルの亡骸を一瞥した。
ユリウス「忘れんで御座るよ。・・・我々も、お主の事を。」
しかし、アリスとリンとレベッカの方は。
レベッカ「リン先輩!!」
アリス「リン・・・リン・・・!!返事・・・してよ・・・ねぇ・・・!!」
立ちあがろうとするアリスだが、バランス崩してそのまま倒れ、大量出血を起こしてしまった。
アリス(・・・あれ・・・体・・・動か・・・血・・・出過ぎた・・・意識・・・ヤバい・・・かも・・・終わり・・・かぁ・・・私達・・・ここで・・・ごめん・・・皆・・・シン君・・・タクト君・・・後は・・・まか・・・せ・・・)
しかし、倒れてしまったアリスの元に2人の人物が。
ユーリ「・・・・!!ええっ!?アリス!!?ちょっとぉ!!生きてる!?生きてるのぉ!?」
それは、ユーリとナージャだった。
ナージャ「アリス!しっかり!」
アリス「・・・・・・」
声を聞いたアリスが、ナージャを見て何かを言っている。
ナージャ「ジッとしてて。今治してあげる。ユーリ、アリスを仰向けにして。」
ユーリ「う、うん・・・」
俯せのアリスを仰向けにし、ナージャがオブシディアンを用いてアリスを治癒する。
ナージャ「・・・・・」
アリス(違・・・う・・・ナージャ・・・私は・・・いいから・・・リン・・・を・・・)
治癒してるナージャの顔が、リンと重なった。
アリス「私よりリンを助けて!!あ・・・」
急に起き上がったが、すぐ倒れた。
ナージャ「え?リン?」
ユーリ「っ!!ナージャ!!彼処!!」
レベッカ「リン先輩!!しっかりして下さい!」
ナージャ「リン!・・・アリスは大丈夫。ユーリ、運んで。」
倒れたアリスをユーリが抱え、急いでリンの元へ。
ユーリ「う・・・!」
レベッカ「ユーリ先輩!ナージャさん!!」
ナージャ「レベッカ!リンを見せて!」
レベッカ「は、はい!」
ナージャ「酷い傷・・・爆発を受けたような・・・まさか自爆を・・・!?」
リンの容体を確認するが。
ナージャ「え・・・!?息してない・・・!!」
ユーリ「そんな・・・!?」
レベッカ「・・・・!!」
ナージャ「レベッカ!手伝って!」
レベッカ「はい!」
ナージャ「ユーリも手伝って!」
ユーリ「で、でも私の治癒魔法は得意じゃ・・・」
ナージャ「それでも良い!急いで!」
ユーリ「う、うん!!」
アリスをゆっくり降ろして、ナージャとレベッカと共にリンを治癒するが。
ユーリ「・・・・ダメだ・・・・」
ナージャ「くっ・・・!見た目の怪我だけ治してどうにかなるレベルじゃない・・・今の私達には・・・あの時のように完治出来ない・・・!」
レベッカ「目覚める気配がありません・・・!」
ユーリ「・・・近くに仲間の気配は・・・ない・・・どうしよう・・・どうしよう・・・!リンが死んじゃう・・・!」
ナージャ「ユーリ!弱気になっちゃダメよ!!リンを治癒しないと!!」
ユーリ「・・・でも・・・私達だけじゃ・・・!」
ナージャ「それでもやるのよ!!」
パニックになるユーリを他所に、ナージャが懸命にリンを治癒する。
ナージャ「今ここにはタクトとシンが居ない!私達で出来る事を全力で成し遂げるのよ!!」
ユーリ「ナージャ・・・・」
レベッカ「ユーリ先輩!皆生きて帰るのが私達の任務の1つです!!リン先輩を助けましょう!!」
ユーリ「レベッカ・・・・」
同じ頃、ティガ・シン・シシリー・フェオン・グレア組は。
魔人「は、はは・・・!か細い容姿に似合わねーえげつない量の魔力と力を秘めてやがる。アベルよぉ、こりゃあ言う程楽じゃねーぞ!」
シン(戦闘のセンス。戦いの経験値。戦場での身のこなし。どれを取ってもシシリーとフェオンより
ティガ(だが、今のシシリーとフェオンは、そんな連中と戦うだけの”覚悟”と、それを補って余りある程の魔力量と能力がある!)
アベル(・・・だが、魔法を使う隙さえ与えなければどうと言う事はない。)
そう考えたアベルが、2本の剣をシシリーとフェオンに向けて投げる。
グレア「おっと!」
気付いたグレアがバリアを展開しようとするが。
アベル「させるか!」
グレア「うわあ!?」
アベルが放った魔法弾を避けた。
シン「性懲りも無くお前は・・・!!」
ティガ「待てシン!」
シン「え!?」
シシリーとフェオンの顔を見る。2人はティガとシンに真剣の眼差しを見せた。
シン(そうだ・・・俺が信じなくてどうする!2人の”覚悟”を!シシリーは決して守られる為に
ティガ(違う・・・俺達がすべきは・・・
ティガ・シン(俺達の迷いを利用して攻撃を仕掛けて来るコイツを、1秒でも早く片付ける事だ!!!!!)
斬撃とティガスライサーが、アベルの腹を切り裂いた。
シシリー「ッ!!」
魔法障壁を展開して、アベルの投げた剣を弾いた。
フェオン「ハァッ!!」
大剣でアベルのもう1本の剣を切断した。
シン(シシリー・・・!!)
ティガ「フェオン!!」
魔人達「アベル!!!」
シシリー・フェオン「ッ!!」
動揺している魔人達を見た2人。
シシリー・フェオン(隙!!!)
魔力を集めるシシリーと、大剣を投げたフェオン。
魔人達「はっ・・・!!しまっ・・・!!」
気付いた時は、魔人達はフェオンの大剣で両断された。
シシリー「はぁああっ!!!!」
拡散魔法が、両弾された魔人達に降り注ぎ爆発させた。
アベル「・・・・!!」
シン「よし・・・!!」
シシリー「はぁ・・・はぁ・・・」
フェオン「ふぅ・・・ふぅ・・・」
シン「シシリー!」
ティガ「フェオン!」
シシリー「シン君・・・」
フェオン「タクト・・・」
シシリー「はっ・・・!」
シン「!!」
ティガ「どうした?」
シシリー「シン君!」
シン「・・・ああ・・・!!戦闘に集中してて気付けなかったが・・・マズいな・・・!!仲間の魔力が・・・消え掛かってる!これは・・・リンか・・!!」
リンの魔力が徐々に消えてる事に気付いたのだ。
ティガ「フッ!」
透視能力でリンの位置を特定する。
ティガ(シン。リンを見付けた。)
シン(何処だ!?)
ティガ(帝都中央辺り。そこから南東に向かった場所だ。)
シン(遠過ぎる・・・!!ゲートに戻るにしても・・・俺達が来たルートからは完全に外れてる・・・!くそッ・・・それでも凛の状態を考えると、俺かシシリー・・・どちらかが一旦戻ってリン達を捜すしか・・・)
ティガ(いや、俺のテレポートでリンの場所へ向かえば。)
シン(そうか。その手があったか!)
シシリー「シン君・・・!!」
シン「!?」
シシリー「私が行きます・・・!!」
ティガ・シン「!」
マーク「マズいッスよ!リンさんが・・・!!皆で向かった方が良いんじゃ・・・」
トニー「ああ・・・だけど、僕らの治癒魔法で助けられるのかな・・・」
ケイティ「ナージャなら・・・でもあの子の治癒魔法だけでは・・・」
マーク「オリビア!リンさん達の近くにゲート繋げないか!?」
オリビア「・・・・・・」
一瞬戸惑ったオリビアが意を決した。
オリビア「マーク!フレイドさん!ケイティさん!私、ちょっと行って来る!」
マーク「オリビア!?」
ケイティ「ちょっ!?」
1人でリンの元へ向かった。
オリビア(シシリーさんの魔力が帝都中央辺りに移動してる・・・!!多分リンさんを捜しに・・・計算しろ私・・・!!一刻の猶予もない・・・!間違いは許されない・・・!!シシリーさん達が通ったルート上と私が移動したルートが重なり、尚且つ、リンさんの元へ向かうのに最も適したポイントは・・・!!)
帝都中央辺り。そこにシシリーとオリビアがゲートで鉢合わせた。
シシリー「オリビアさん!?」
オリビア(
同じ頃、ナージャとユーリが治癒魔法でリンを治癒している。だが、リンが目覚める気配がない。
ナージャ「クッ・・・・!!!」
ユーリ「魔力を送り続けて・・・ギリギリ生命力を維持するのも・・・限界・・・よぅ・・・!わ・・・私の方が先に・・・ぃ・・・逝っちゃうってぇ・・・!」
ナージャ「ユーリ!諦めちゃダメよ・・・!!」
ユーリ「も・・・もう・・・ダメ・・・ぇ・・・」
目眩がして倒れそうになった。
ナージャ「ユーリ!!」
だが、倒れそうになったユーリを誰かが支えた。
???「身を挺して仲間を治癒する。素晴らしいわ。」
ナージャ「え・・・?」
ユーリを支えたのは、ロクサーヌだった。
オリビア「ユーリさん!!大丈夫ですか!?」
するとそこに、シシリーとオリビアがゲートから現れた。
ユーリ「オリビア・・・シシリー・・よ・・・良かっ・・・たぁ・・・」
オリビア「あ、あなたは?」
ロクサーヌ「話は後よ。彼女を治すのが先決だよ。」
ナージャ「そ、そうね。シシリー、お願い。」
シシリー「はい!」
急いでシシリーに代わり、リンを治す。
そして、リンの呼吸が安定し魔力が戻った。
シシリー「ふぅっ。取り敢えずこれで心配ないと思います。」
ロクサーヌ「・・・うん。心臓と脈が正常に動いてる。呼吸も安定しているわ。」
ユーリ「良かったぁぁ〜〜〜〜!」
ナージャ「ふぅ・・・・」
ロクサーヌ「それにしても、流石噂通りのアルティメット・マジシャンズね。」
ユーリ「あなたは・・・」
???「ロクサーヌ!」
そこにデリックが駆け付けた。
ロクサーヌ「あ!お兄ちゃん!」
ナージャ「デリック!え?お兄ちゃん?」
シシリー「お兄ちゃんって事は、まさか・・・!?」
ロクサーヌ「そっ!私はロクサーヌ!デリックの妹でーす!」
その後アリスも治癒をした。
ナージャ「殺された妹さんが、魔人のフリをして生きていたなんてね。」
デリック「言っただろ?妹は明るい上にイタズラ好きだって。」
ロクサーヌ「魔人のフリの為にカラコン付けてたから。」
デリック「それで、アリスとリンは大丈夫か?」
シシリー「はい。直に目を覚ますと思いますけど、念の為もう少しだけここで様子を見ます。」
ユーリ「シシリー1人には出来ないから、私もここに残るよぉ。」
ロクサーヌ「だったら私にも手伝わせて。あなた達の役に立ちたいから。」
ナージャ「私も2人が心配だから一緒に看病するわ。」
オリビア「私は取り敢えずマーク達に合流して、無事を伝えてきます。」
シシリー「あ、オリビアさん。ユーリさん。ナージャさんも。リンさん達を助けられたのは、3人のお陰です。本当に・・・ありがとうございます。」
ユーリ「水臭いなぁ。シシリーったらぁ。」
オリビア「仲間を助けるのは当然の事ですよ。」
ロクサーヌ「うんうん。友情って良いわね〜。」
デリック「そうだな。ん?そうだオリビア。レオナはどうした?」
オリビア「あ、レオナさんは別行動しています。他の魔人を討伐しに行ってます。」
デリック「分かった。ロクサーヌ。俺はレオナの所へ行く。ここを頼むぞ。」
ロクサーヌ「任せて!」
オリビア「シシリーさん。じゃあまた後で。」
ゲートを展開し、マーク達と合流しに行った。
デリック「またな。」
ジャンプしてレオナの元へ向かった。
ユーリ「気を付けてねぇ。」
シシリー(シン君・・・すぐ戻ります。それまで、どうか無事で・・・)
そしてティガとシン、そしてフェオンとグレアは、アベルと交戦中。
ティガ「・・・・・」
光に包まれたティガが、タクトの姿に戻った。
フェオン「タクト?どうしたの?」
タクト「悪い。ちょっと力を温存したい。しばらく変身を解いとく。」
グレア「ずっとティガで戦ってたもんね。」
タクト「シン、頼んだぞ。」
シン「分かった。・・・戦う相手に・・・こんな事訊くのは野暮かも知れないが、まだ
シンとアベルの戦い。
アベル「・・・愚問だ。退く気など毛頭ない。元よりここが、我々の死地と心得ている。」
タクト(死地・・・か。)
シン「確信したよ。やはり少なくとも・・・シュトロームを除くお前達魔人に世界を滅ぼす気なんかない。(いや・・・おそらくはあいつ自身さえも・・・)目的を失ったシュトロームと違い、お前達には元々世界侵攻や人類の支配が計画にあったはずだ。その為に障害となる俺達の抹殺を狙っていた訳だしな。だけど今は違う。」
アベル「・・・・・・」
シン「何かがあったんだな。お前達魔人の目的そのものが覆ってしまうような事が。」
アベル「・・・・・・!!」
”ドクンッ!!”
”帝国を滅ぼした時点で、魔人としての役割は終わったはずだ。”
アベル『違う。命を与えられた恩義を返す事・・・それが新たな使命だ。』
”既に仲間の殆どは死んだ。やえる事など何もない。”
アベル『最後の1人になろうとも、シュトローム様や・・・ゼスト隊長の為に戦うまでだ。』
”そんな行為に何の意味もない。何故なら・・・”
”ドクンッ!!”
”魔人の行く先にはもう・・・未来などないのだから!”
”ドクンッ!!”
”ドクンッ!!”
心臓の鼓動が大きく鳴り、アベルの魔力が増幅した。
シン「・・・・!!」
フェオン「な、何なのこの魔力・・・!?」
グレア「凄い力・・・!!」
タクト「ッ・・・!!」
シン(やっぱり可笑しいな・・・この男の魔力。安定しない・・・常に揺らぎのようなものがある。何だ・・・!?気のせい・・・じゃないな・・・魔力が・・・膨らみ始めている・・・!?)
魔人には最早、存在理由にはない・・・
魔人の存在に理由はない。魔力を増幅し暴走するアベルにシンは勝てるのか。そして、斥候魔人との完全決着が迫り来る。