ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS   作:naogran

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不屈の力
オリバー=シュトローム、実体の無い存在 登場



第47話「不屈の力」

アールスハイド王国。王城。

 

エドワード「通信兵からの連絡は・・・うむ・・・うむ・・・分かった。陛下、他国からの現地への増援の確認が・・・」

 

ディセウム(・・・歯痒いものだ。国を治める立場でありながら・・・出来る事は前線で戦う者達の健闘と無事を祈るだけとは・・・)

 

タクト達は戦っているのに、ディセウムは無事を祈る事しか出来ない自分を責めていた。

 

エリザベート「・・・・・」

 

そんな中、エリザベートはそわそわして歩き回ってる。

 

メイ「・・・エリー姉様。少し落ち着くです。」

 

エリザベート「お、お、お、落ち着いてられらすれすわよ!!」

 

メイ「噛み噛みです。」

 

エリザベート「・・・・・」

 

落ち着いても不安いっぱいのエリザベートを見て、メイが後ろから彼女を抱き締めた。

 

メイ「きっと大丈夫。信じるです。お兄様を。シンお兄ちゃん達を。」

 

エリザベート「・・・わ、分かってますわよ。ま・・・負けるはずありませんものね。シンさんやタクトさんやアウグスト様が。メイにそんな事言われたら、まるで私の方が子供みたいじゃありませんか!もう!」

 

メイ「ふふ。何時でも胸を貸すです。あ、でもエリー姉様にそれ以上の胸は不要です。」

 

じゃれているエリザベートとメイを見て、ディセウムの不安は無くなった。

 

ディセウム(信じる・・・か。そうだな。不安や焦燥を抱えて待つより・・・皆で彼らの力を信じる方が今は・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブルースフィア帝国・魔人領。ティガ、シン、フェオン、シシリーがアベルと対面している。

 

アベル「以前に1度・・・賢者マーリン=ウォルフォードに接触した事がある。」

 

シン「っ!!祖父ちゃんに・・・!?」

 

アベル「所作。雰囲気。そして魔力の流れ。確かに似ている。だが、お前は賢者とは明らかに異なる。あまりに人として・・・異質過ぎる。」

 

ティガ(異質・・・転生者だからあり得る異質か。)

 

シン「・・・・魔人に人としてどうかと意見されるとは思わなかったな・・・」

 

シシリー「人と違う部分があったとしても、シン君はシン君です!」

 

フェオン「そうね!シンは私達の大切な仲間だものね!」

 

アベル(問題は、その()()()()()が、我々魔人の存在を脅かす程の影響を持つと言う点だ。)

 

するとアベルが、魔力の流れを揺らいだ。

 

シン「!・・・・」

 

ティガ(コイツ、急に魔力を揺らいだ?・・・まさか!!)

 

5人の背後の塔の上から、2人の魔人がフェオンとシシリーに狙いを定めて魔法弾を放った。

 

グレア「しまった!!」

 

シン「シシリー!!フェオン!!後ろだ!!他にも魔人が・・・」

 

だが、魔法弾はシシリーの魔法障壁とフェオンの大剣で防がれた。

 

シシリー「心配しないで下さいシン君。私、この魔人領に入ってから一瞬も油断なんかしていませんから。」

 

フェオン「タクトも大丈夫よ。ユエリアンで鍛えた私を甘く見ないでよ?」

 

ティガ・シン「・・・」

 

アベル(それでいい。)

 

剣を握ってシンに迫った。シンが魔法障壁でアベルの剣を防いだ。

 

シン「お前・・・!!」

 

ティガ「タァッ!!」

 

ハンドスラッシュを連射した。アベルがハンドスラッシュを避けた。

 

アベル「お前達はそのままクロードとフェオンを狙い続けろ!!ウォルフォードとクリスティとは俺が()る!!」

 

魔人「了〜〜〜解!」

 

2人の魔人がフェオンとシシリーを狙って魔法弾を連射する。

 

フェオン「しつこいわね!!」

 

大剣を振り回し、全ての魔法弾を粉砕してシシリーを守った。

 

シン「お前ら・・・!!」

 

アベルが魔法弾を連射する。

 

ティガ「ハッ!!」

 

ウルトラシールドで魔法弾を防いだ。

 

シシリー「シン君!!タクト君!!私に構わず戦って下さい!!」

 

シン「シシリー・・・」

 

ティガ「グレア!!2人の援護を頼む!!」

 

グレア「任せて!!」

 

2人の前に立ったグレアが、周囲に火炎魔法を放射した。2人の魔人は火炎放射を避けた。

 

ティガ「グレアが2人を守ってる。シン行くぞ!!」

 

シン「ああ!!」

 

ティガとシンがアベルに向かって飛んだ。するとアベルが、左手に魔力を集めた。

 

シン「ッ!!」

 

アベルの魔法弾が2人の横を過ぎた。

 

ティガ「ッ!?まさか!!」

 

魔法弾が、魔人と交戦中のシシリーに迫る。

 

シン「シシリー!!」

 

グレア「危ない!!」

 

結界を展開し、シシリーに迫る魔法弾を防いだ。

 

シシリー「グレアさん!!」

 

ティガ「・・・シン、奴の狙いはシシリーとフェオンだ。」

 

シン「何・・・!?」

 

ティガ「お前、優先的に2人を狙ってる。そうだろ?」

 

アベル「物分かりが早いな。褒めてやろう。お前達に教えてやる。揺るぎない事実をな。戦闘に於けるお前達の最大の弱点は、クロードとフェオンの存在そのものだ。」

 

ティガ(かなり有能な考え方をしているな。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔人領の外では、カートゥーンがバイブレーションソードで災害級を討伐し続けていた。

 

カートゥーン「ふぅ・・・ふぅ・・・ふぅ・・・はぁ・・・」

 

兵士A「カートゥーン長官・・・さ・・・流石だな・・・」

 

兵士B「一体、もう何匹災害級を討伐したんだ・・・」

 

カートゥーン(・・・つまんねぇ。コイツら魔物を何匹片付けた所で、所詮魔人1匹の価値もねぇ。俺がこの戦争で魔物を100匹殺したとしても、最終的に世間で祭り上げられるのは、魔人と戦った()()()()なんだろう。俺もアイツらを追って帝都へ入るか?・・・いやダメだ。指揮官が兵を放っぽって戦場を移動したとなれば、後々その責任を問われかねん。手に入れたこの立場を今失う事だけは、絶対に避けねばならん。)

 

虎の災害級を討伐すると、バイブレーションソードの刃が柄から飛び出した。

 

カートゥーン「・・・チッ、刃だけじゃなく柄もイカレやがった。オイ!誰か柄の替えは・・・ん?」

 

彼はある光景を目にした。

 

 

 

 

ジェレミーがフィンと戦っている光景だった。

 

 

 

 

カートゥーン(何だありゃ・・・何で人間同士で殺し合って・・・いや・・・人じゃねぇな、あの魔力・・・まさか魔人か?それにあの男は、噂に聞く魔喰人か。魔人が何で『壁』のこっち側に居る?ウォルフォード達の目を掻い潜ってこっちに来やがったのか!?コレ・・・ひょっとしてチャンスって奴か?たった1体とは言え、魔喰人を利用して魔人を討伐したとなればその功績は・・・)

 

魔人を討伐すれば脚光を浴びれると考えたカートゥーンが、フィンを討伐しようと企んだ。

 

カートゥーン「剣の柄の替えはねェのか!?さっさと持って来い!!」

 

兵士A「お・・・お待たせしました長官!別の兵が予備を用意しました!ただ・・・申し訳ありませんが、こちらは我が国で予備として用意した物でして・・・”御使い様”・・・ウォルフォード殿が演習に来られた際手渡した物とは異なるのですが・・・」

 

カートゥーン「あ!?どうだっていいだろそんなモン!肝心の付与が施された()の方は俺が持ってんだ!早く寄越せ!」

 

兵士から柄を貰い、刃を取り付けた。

 

カートゥーン(くく。相手が魔人とは言え、俺の力とこの剣があれば・・・ん?)

 

刀身を見たカートゥーンが固まった。『超音波振動』と言う例の付与文字が浮き出ていたからだった。

 

カートゥーン(・・・超・・・音波・・・振動・・・?な・・・何だこの文字?突然刀身に現れやがった・・・ウォルフォードが付与を行う際に・・・『刃』だけでなく、『柄』まで一旦回収したのは一体何故だ?まさか・・・柄にも別の付与が施されていた?刀身の付与文字を消す為に・・・そ・・・それにこの文字・・・これ・・・は・・・そうか・・・!!そう言う・・・事か・・・!!シン・・・そしてタクト・・・!!この文字・・・そんな付与の方法が・・・やはりお前らは・・・!!)

 

全てを理解したカートゥーンがブツブツと呟く。

 

兵士A「ちょ・・・長官?あの・・・」

 

彼はブツブツ言いながら何処かへ行ってしまった。

 

兵士A(な・・・何だよ。魔人と戦うんじゃないのかよ・・・)

 

 

 

 

 

 

一方ジェレミーとフィンは。

 

ジェレミー「結構やるじゃねェかお前。」

 

フィン「ハハッ、光栄だねェ。魔喰人に褒められるなんてな。だが・・・」

 

近くで魔物を戦ってるセシリアとシルビアに目を付けた。

 

フィン「こう言うのはどうだ!!」

 

セシリアとシルビアに向かって魔法弾を放った。

 

ジェレミー「何!?」

 

超高速で走り出した。

 

ジェレミー「セシリア!!シルビア!!」

 

セシリア・シルビア「え!?」

 

フィンの魔法弾が直撃し爆発した。

 

 

 

 

 

 

アールスハイド兵「はっ!はぁ!」

 

馬に乗ったアールスハイド兵が、クリスティーナを探していた。

 

アールスハイド兵「ク・・・クリスティーナ様!!」

 

クリスティーナ「ッ!?どうしました!?」

 

アールスハイド兵から報告を受けたクリスティーナが固まった。

 

 

 

 

 

 

魔法弾を受けたセシリアとシルビアは。

 

セシリア「あっ!!」

 

だが、ジェレミーが背中で魔法弾を受けて2人を守ったのだった。周囲の一部の兵士は先程の爆発で殺られてしまった。

 

シルビア「ジェレミー!?」

 

セシリア「大丈夫!?」

 

ジェレミー「ヘヘッ、コレ位屁でもねェよ・・・」

 

フィン「身を挺して人間を守ったか。何故お前は人間に加担するんだ?」

 

ジェレミー「お前に教える義理はないな・・・」

 

フィン「あっそ。それに、そこの2人は面影があんなァ。お前ら、クロードの姉妹ってトコか?」

 

セシリア・シルビア「!!!」

 

ジェレミー「おい待てよ!2人が欲しいなら俺を殺してからにしとけ!」

 

フィン「んじゃ、そうさせて貰うぜ!」

 

 

 

 

 

 

馬に乗ったクリスティーナが、急いでセシリアとシルビアの元へ。

 

クリスティーナ「セシリア!!シルビア!!」

 

すると、2人が居る場所が大爆発した。

 

 

 

 

 

 

だが、大爆発はフィンが起こしたものじゃなかった。

 

フィン「・・・!?何だァ!?どいつが魔法放ちやがった!?(あの2匹は魔喰人の介抱に夢中で魔法が使えない状態だった・・・魔法を使う余裕は無かったはず!)」

 

???「・・・俺だよ。」

 

そこに現れたジークフリードが、フィンを殴り飛ばした。

 

フィン「がっ・・・!!」

 

ジークフリード「俺の後輩達に随分好き放題やってくれたみたいだなぁ!オイ!!!」

 

フィン「・・・・・何だてめェは!!」

 

だが後ろからクリスティーナが迫り剣を振り下ろしたが、フィンがそれを間一髪避けた。

 

セシリア「ジークフリード様!!」

 

シルビア「クリスティーナ様も・・・!!」

 

 

 

 

アールスハイド兵『今ジェレミー様が魔人と交戦中ですが・・・セシリア様とシルビア様を庇って・・・』

 

 

 

 

ジェレミー「お前ら・・・」

 

ジークフリード「ジェレミー、大丈夫か?」

 

ジェレミー「あ、ああ。」

 

クリスティーナ「身を挺して2人を守ってくれたのですね?感謝します。」

 

ジェレミー「いや、コレ位大した事ねェよ。」

 

クリスティーナ「ジェレミー、まだ戦えますか?」

 

ジェレミー「ああ。コイツを食わずに死ぬ俺じゃねえ。」

 

クリスティーナ「よくも・・・未来ある有能な剣士達を・・・」

 

ジークフリード「ジェレミーだけじゃなく、セシリアとシルビアを殺そうとするなんて良い度胸だなァ!」

 

ジェレミー「お前を地獄を落とす前に食い尽くしてやる!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、魔人領では。

 

リオネル「逃げてんじゃねェぞォ!!ザコ共がァッ!!!!」

 

怒りが頂点に達したリオネルが暴走している。

 

ユリウス「完全にブチ切れてるで御座る。」

 

トール「あの破壊力・・・真面に受けたら粉々ですよ・・・けど・・・(明らかに冷静さを失っているのは、こちらにとって付け入るチャンス!!マーキング!!)」

 

マーキングをリオネルの胸の中心部に定めた。

 

リオネル「アァ!!?」

 

拡散魔法弾を一斉発射した。だがリオネルは避けず佇む。

 

トール(・・・避けない!?)

 

発射された拡散魔法弾を、リオネルが右手の一振りで全て粉砕した。

 

トール(に・・・逃げるでもなく、障壁で防ぐでもなく、魔力を纏わせた拳で・・・払い除けた!?)

 

驚愕してると、リオネルがコチラに向かって飛んで来た。

 

トール(ま・・・まずい!!)

 

防御障壁を展開した。リオネルは防御障壁に何度もパンチを叩き込む。

 

 

 

 

アウグスト(戦闘服付与の防御障壁。確かに直接攻撃を防ぐにはそれしか手はない。だが、それを使い続ける事は身を守ると同時に・・・自ら攻撃の手段を捨てる事を意味する。打開出来る方法があるとすれば・・・)

 

 

 

 

ユリウスのガントレットがリオネルを大爆発させた。

 

 

 

 

アウグスト(おお!?あのガントレット・・・さてはシンの奴が何か付与を・・・)

 

 

 

 

リオネル「ふはッ!」

 

だがリオネルは、あの大爆発を耐えた。

 

トール(ダメージはある・・・が・・・それを意にも介していない・・・打たれ慣れている・・・)

 

 

 

 

アウグスト(流石は”盾”と言った所か。)

 

 

 

 

リオネル「お返しだぜ!!」

 

近くに居たユリウスの腹を左手で殴り、右手の裏拳でユリウスの顔面を殴った。そして、そのままユリウスを地面に叩き付けた。

 

トール「ユリウス!!」

 

リオネル「仕上げ(トドメ)だ!」

 

巨大な柱を持ち上げ、トールに向かってジャンプした。

 

トール「うあぁあっ!!」

 

パニックになったトールが魔法弾を乱射した。だが、柱で叩き付けられ、トールとユリウスが完全に倒れてしまった。

 

リオネル「さーあ。前座は終いだぜ。次はてめェだ。」

 

倒れてしまったトールとユリウスを見て、アウグストは冷静だった。

 

アウグスト「そうかな。私は自らの命をその2人に預けた。そして・・・2人はまだ死んでいない。この意味が分かるか?」

 

リオネル「・・・何だと?」

 

アウグストが言った言葉の意味とは何か。

 

 

 

 

 

 

その頃、帝城では。

 

シュトローム「皆・・・」

 

実体のない存在「アルティメット・マジシャンズ。無駄な足掻きを見せてくれるものだ。」

 

シュトローム「彼らは私達の暴走を止める為に戦っている・・・」

 

実体のない存在「ほう?」

 

シュトローム「私も覚悟を決めた・・・彼らに打たれる事を・・・取り返しのつかない事をしてしまった私を討ってくれる事を・・・」

 

実体のない存在「・・・残念だが、それは無駄だ。」

 

シュトローム「何・・・?」

 

すると、実体のない存在がシュトロームを縛って磔にした。

 

シュトローム「なッ!?何をするつもりだ!!」

 

実体のない存在「貴様が死ぬのは返って不利だ。貴様には私の最後の手駒として働いて貰おう。」

 

シュトローム「・・・!?」

 

 

 

 

 

 

そして、トニーとサイクスの戦いを見ているマーク達。

 

マーク「・・・なあ・・・オリビア・・・ケイティさん・・・アレ・・・目で追えるか?」

 

オリビア「ううん、全く・・・」

 

ケイティ「私も無理・・・目で追えない・・・」

 

 

 

 

両者の剣が鍔迫り合う。

 

サイクス「良〜い腕だ。あっちの坊主共と違って、お前は『剣』の方へ振り切れてる。さては元々魔法の使い手じゃねーな?」

 

トニー「まあねぇ。そう言う君も随分強いけど、それでも魔人にさせられる程シュトロームの実力は上って事なのかな?」

 

サイクス「誤解があるな。()()は別に魔人化させられた訳じゃねェ。自らそうなる事を選んだんだぜ?」

 

トニー「帝国を滅ぼす為かい?」

 

サイクス「ああそうだ。」

 

両者が互いに距離を取る。

 

トニー「目的を果たした今、君達がシュトロームに従う理由は?」

 

サイクス「理由?そんなモンそれぞれだ。義理を重んじて従い続ける奴も居れば、シュトロームのダンナの実力に惚れ込んで付いて来る奴も居る。仲間意識だけで残ってる奴らだって少なくねェしな。俺だって自分(てめェ)のやりてェようにやってるだけだ。」

 

トニー「・・・最後に1つだけ訊きたいな。まぁ、答えてくれるとは思わないけど。シュトロームが頑なにこの地を動かない理由・・・彼の本当の目的は一体・・・何なんだい?」

 

サイクス「・・・・・知ってんだろ。『世界の破滅』だよ。」

 

トニー「うーん。それね、どうも僕からすると、凄ーく()()()()()()()()に聞こえるんだけどなぁ。」

 

サイクス「・・・・・」

 

マーク・オリビア・ケイティ「・・・・・」

 

トニー「考えてもみてよ。人間を滅ぼしたいなら、黙って実行すれば良くない?何でわざわざ一月も前に宣言してこっちに準備させる訳?」

 

サイクス「・・・・くっくっ。性格悪りーなお前。薄々分かって訊いてんだろ?」

 

トニー「・・・・さあねェ。」

 

 

 

 

マーク(トニーさん・・・?一体何の話を・・・)

 

 

 

 

サイクス「もういいだろお喋りは。決着つけようぜ。」

 

握ってる剣に炎を纏わせた。

 

 

 

 

マーク「気を付けてトニーさん!!そいつの剣は魔法効果を・・・!!」

 

 

 

 

魔法剣を防いだトニー。だがサイクスに押されてる。

 

トニー「うわぁっ!こりゃ捌き切れないなぁっ!」

 

だがその時、何かが揺らめき、サイクスの腹が切り裂かれた。

 

マーク「!!?」

 

オリビア「え!!?」

 

ケイティ「何今の!!?」

 

 

 

 

 

 

それは、トニーが父と剣術の稽古に励んでいた頃の事。

 

リリア『トニー君、何でわざわざ()()()()してるんですか?』

 

トニーの母『あんな事・・・って?』

 

あの時リリアが見た違和感。それは・・・

 

リリア『右利きのはずなのに・・・さっきからずっと左手で剣を持って稽古してますよね?』

 

右利きのトニーが剣を左手に持って稽古していたからだった。

 

トニーの母『・・・強さを得る為に・・・必要な事らしいわよ。トニーなりに考えた結果なんでしょうね。』

 

 

 

 

 

 

そして今。サイクスが揺らめく何かに腹を切り裂かれている。

 

サイクス(・・・一体どんな手品使いやがった?・・・奴の剣は確実に俺の剣から離れてはいなかった。・・・魔法?いや違う・・・これは確かに剣による斬撃だ。)

 

トニー(このレベルの相手に二度も奇襲は通じない。一度戦法を見せたのなら、もう出し惜しみは意味ないな。)

 

サイクス(・・・成る程。そう言う事か。左手に・・・もう一刀の剣!!)

 

そう。トニーは二刀流を駆使していたのだ。

 

 

 

 

マーク「に・・・二刀流!?」

 

ケイティ「トニー!何時の間にそんな技術(ワザ)を得たの!?」

 

 

 

 

二刀流で挑むトニー。サイクスが押されてるが。

 

サイクス「チィッ!!」

 

隙を見てトニーの顔面にキックした。

 

トニー「くッ・・・!!」

 

 

 

 

ケイティ「でも、手数のトニーでも、奴は体術が高い。」

 

 

 

 

サイクス「お前、左は付け焼き刃だな。使い慣れちゃいるが、右程剣筋が走ってねェぜ。」

 

トニー(・・・御名答。修行を始めてまだ半年にも満たないよ。)

 

サイクス(・・・とは言え・・・さっきの一閃は流石に効いてるな・・・ここまで深手を負うのは久し振りだ。)

 

 

 

 

オリビア「・・・ねえマーク、ケイティさん。さっきから気になってるんだけど・・・」

 

マーク・ケイティ「ん?」

 

オリビア「フレイドさんの剣・・・ウォルフォード君と同じバイブレーションソードだよね。何で剣を起動して戦わないのかな・・・」

 

ケイティ「・・・そっか。そう言う事ね。マークは分かる?」

 

マーク「ええ。分かった気がします。トニーさんは・・・俺や・・・アイツと同様に剣に魔法を乗せて戦う事を得意としてる。だけど、付与された魔法を起動した上で、別の魔法を乗せようとしても・・・所謂魔法の()()()()になってしまうから併用は不可能なんだ。」

 

オリビア「・・・それってつまり・・・」

 

ケイティ「そう。トニーはバイブレーションソードによる攻撃を使うは毛頭ない。狙ってるのよ。最初から。」

 

 

 

 

トニー(・・・そう。()()こそが本命。二刀流による風魔法の斬撃・・・!!)

 

二刀流に風の魔法が纏った。

 

トニー(これが今の僕に出来る・・・最大にして最強の必殺剣・・・!!)

 

彼は最初から、風魔法を使う為だけに陽動していたのだ。

 

トニー「・・・行くよ。」

 

サイクス「最後の撃ち合いになりそうだなァ。受けて立つぜ。」

 

果たして、勝つのはどっちだ。

 

 

 

 

 

 

同じ頃。アリス・リン・レベッカ組。

 

一手謝れば瞬間、死へ直結する刹那の攻防。幾度重ねたか分からない中で生まれた一瞬の道筋。『肉を切らせて・・・』なんて意識があったかは分からないが・・・その瞬間アリスは、()()を選んだ。

 

アリス「・・・!!」

 

カインによる斬撃で腹を切られたアリスだが、チャンスを狙ってカインの顔に魔法弾をぶつけた。

 

リン「アリス!!」

 

レベッカ「アリス先輩!!」

 

負傷したアリスが倒れ、リンとレベッカが駆け寄る。

 

アリス「痛って〜〜・・・けど、へへ・・・1発・・・」

 

レベッカ「無茶し過ぎですよ!!」

 

カイン(不用意に振り上げた左腕・・・その死角を利用して魔法を撃たれた・・・くそ・・・俺がマヌケだったな・・・)

 

アリス「ゴメ・・・リン・・・レベッカ・・・後先考えずに・・・体動いちゃった・・・いてて・・・」

 

リン「い・・・今治癒魔法を・・・!」

 

アリス「ダ・・・ダメだよリン・・・今がチャンスでしょ・・・治癒はレベッカに任せて・・・攻めなきゃ・・・」

 

リン「ゴ・・・ゴメン・・・!私・・・ペアなのに・・・アリスの・・・わ・・・私が・・・ま・・・守れなかったから・・・」

 

アリス「アイツのダメージ・・・い・・・今ならリン1人で・・・やれる・・・」

 

リン「わ・・・私じゃダメ・・・アリスを・・・先に助けなきゃ・・・」

 

アリス「リン!!!」

 

パニック状態のリンを、アリスが声を挙げた。

 

アリス「らしくない・・・よ・・・何時もの・・・クールなリンは・・・何処・・・行ったの・・・」

 

リン「・・・ッ!?」

 

背後からカインの魔法弾が放たれたが、間一髪避けた。

 

カイン「はっ・・・命懸けてんだろうが・・・はっ・・・はっ・・・敵に背ェ向けてる場合かよ・・・」

 

レベッカ「先輩!今すぐ治癒します!」

 

治癒魔法でアリスを治癒する。

 

アリス「リン・・・もっと・・・自分に自信持って・・・良いんだよ・・・魔法が好きで・・・いっぱい勉強して来たんでしょ・・・誰よりシン君から学んで吸収して来たのは・・・リン・・・あんたなんだからさ・・・!!」

 

リン(・・・・・ウォルフォード・・・・・君・・・・・)

 

 

 

 

魔法が好き。幼い頃から父の傍で魔法を見て、魔道具に触れて、その可能性の広さに魅了され、彼女自身も追求を続けた。シンに会って以来、その想いはより強いものになった。それまで夢物語だったような魔法すらも現実になってしまった。だが・・・『魔法が好き』。それがイコールとして『強さ』や『結果』には繋がらない。魔人達と戦う中でリンは気付いてしまっていた。漠然とした魔法に対する夢や目標は、本当に才能のある仲間達を前にして、少し霞み始めてしまっていたのは事実。だが。

 

 

 

 

リン「もうこれ以上・・・アリスを傷付けさせない。私があなたを倒す。」

 

カイン「はっ・・・はっ・・・大きく出たな・・・だが減らず口じゃねェ・・・言葉に決意が宿ってる・・・(腐れ縁だったかも知れねェが、感謝するぜ。お前らと戦えた事を・・・)」

 

心の中でアリス達に感謝をし、超高速でリンに迫る。リンが構える。

 

リン(集中して狙え。1点だ。・・・・・・・・・・そこだ!!!)

 

魔法弾をカインの右肩に直撃させた。

 

カイン「がっ・・・!!(速ェ!!威力を絞る代わりに、今までにない発射速度で・・・)ッ!?」

 

怯んだカインに、リンが接近した。

 

アリス「っ!!リン・・・!?」

 

レベッカ「リン先輩・・・!?」

 

カイン(接近!?魔法使いが!?一体何を狙って・・・)

 

するとリンが魔力量を増大させた。周囲に衝撃波が走った。

 

 

 

 

シン『何かリンって、暴走魔法少女ってイメージだよな。』

 

あの時のシンの言葉に、深い意味が無かった事は分かっていた。だが、他人より特別秀でた事など無かったリンにとって、それは、尊敬に値する人が与えてくれた唯一の個性のように思え、彼女は少し嬉しかった。

 

リン『・・・その呼び名は気に入った。』

 

 

 

 

カイン「はっ・・・!放せてめェ・・・!!何を・・・!!」

 

離れようとするが、リンが離さない。

 

アリス「・・・・・!!ま・・・まさか・・・!!」

 

レベッカ「爆発する気・・・!?」

 

アリス「ダメだよリン!!そんな魔力量でそんな・・・!!」

 

リンが真剣な眼差しでカインを睨む。カインはその眼差しを見て悟った。

 

カイン(死ぬ気か・・・コイツ・・・!?)

 

リン「・・・私は・・・暴走魔法少女!!!」

 

その名に誇りを持つ事でリンは、前を向いて戦える。

 

 

 

 

 

 

同じ頃。廃教会でダンテと対峙しているマリア、ミランダ、マナミアでは。

 

ダンテ(竜巻が・・・消える・・・!!)

 

マリアが起こした竜巻が消えた。だが、ミランダとマナミアの姿が何処にも無かった。

 

ダンテ「・・・!?」

 

ミランダとマナミアは、ダンテの頭上に居た。

 

マリア(竜巻の消失に合わせて、ジェットブーツとジャンプで相手の頭上へ・・・!!)

 

ダンテ「甘く見るなよ!ウォーレス!ラドクリフ!」

 

だがダンテは既に気付いており、急降下するミランダとマナミアに向けて魔法弾を放った。

 

マリア「魔法・・・!!」

 

マナミア「くっ!!」

 

横の柱に足を付けて、壁ジャンプで魔法弾を避けた。だがミランダがダンテの魔法弾を受けてしまった。

 

マリア・マナミア「ミランダーーーーッ!!!」

 

マナミア(何故です!?攻撃を仕掛ける時に防御障壁を発動しなかったのです!?)

 

マリア(ッ!!バイブレーションソードが発動して・・・)

 

マナミア(・・・剣の付与を発動させるなら必然的に障壁の方は・・・)

 

ダンテ(守りを捨て、あくまで必殺の魔法を執る。覚悟なき者には出来ん真似だ。)

 

ミランダ「・・・・・」

 

魔法弾を受け、傷だらけのミランダが落下する。

 

 

 

 

一介の剣士であるミランダが、何故こんな場所で魔人と相対し戦う事が出来ているのか。それは、シンとタクトが戦う為の武器(ちから)を与えてくれた事、クリスティーナが剣を志す者として彼女を導いた事、ミッシェルが魔人と戦う為の技術(わざ)精神(こころ)を鍛えてくれた事、そして・・・彼女は沢山の人に力を与えられてここに居る。何1つとして無駄に出来ない。したくない。だから敵を倒す為、最善の手を選ぶ事に躊躇いはない。自分の命を守る事は、敵を前にしたら二の次。

 

 

 

 

ミランダ「アンタこそ甘く見るな!!!!!」

 

バイブレーションソードをダンテに叩き付けた。ダンテの右肩が切り裂かれた。

 

ミランダ「半端な攻撃で、私を止める事は出来ないよ・・・!!」

 

ダンテ「はぁ・・・はぁ・・・」

 

ミランダ「はっ・・・はっ・・・」

 

マリア「・・・離れてミランダ・・・!!トドメを刺すわ・・・!!」

 

マナミア「ミランダ、早く後退して下さい。」

 

しかしミランダが、予想もしない行動に出た。

 

ミランダ「っ!」

 

傍に落ちてあったダンテの槍を拾い、それをダンテに投げて返した。

 

ダンテ「・・・」

 

マナミア「え!?」

 

マリア「なっ・・・何してんの!?何でわざわざ敵に武器を・・・!?」

 

ミランダ「ゴメンマリア、マナミア様、今ここで最も確実に勝つ方法は、魔法じゃなく、私が敵を斬る事だ・・・!!」

 

マナミア「ミランダ・・・」

 

ミランダ「マナミア様、これは私と奴の戦いです。手出しは無用です。」

 

マリア・マナミア「・・・・・」

 

ミランダ「いざ・・・!!」

 

マリア「て・・・敵に武器を渡す理由になってないっつーの・・・き・・・騎士道精神・・・って奴?理解不能・・・」

 

マナミア「ですが・・・ミランダの気持ちは分かります。マリア、ここはミランダに任せましょう。」

 

マリア「マナミア様まで・・・」

 

ダンテ「・・・貴殿の考え方・・・振る舞いから察するに・・・貴族の家系ではあるまい・・・」

 

ミランダ「・・・当たり前よ。バリバリの平民だってーの。」

 

ダンテ「(最後の相手が、貴殿のような人間で良かった。)・・・行くぞ。」

 

ミランダ「来い・・・!!」

 

 

 

 

 

 

同じ頃、リオネルにやられたトールとユリウス。

 

 

 

 

 

 

過去の記憶が脳裏に走っていた。

 

兵士『魔物の襲撃だー!!』

 

兵士『衛兵が殺られた!!』

 

兵士『殿下を・・・殿下をお守りしろ!!』

 

山道に突如現れた熊の魔物に襲われていた。

 

アウグスト『・・・熊か。』

 

ユリウス『で・・・殿下!早くここから離れるで御座る!』

 

アウグスト『『無駄だ。野生の獣・・・ましてや魔物相手に逃げ切れはしない。どうせ死ぬなら、戦って共に死ぬ。前を開けろ。』

 

自ら戦って死ぬ覚悟で挑もうとするが、トールとユリウスに止められた。

 

トール『そ・・・そ・・・そうはいきません・・・!!もし、我々の前に殿下が倒れるような事があっては・・・!!』

 

ユリウス『我々・・・殿下の力になるどころか・・・”盾”の役割すら果たせぬ役立たずになってしまうで御座る!!』

 

そうこうしてる間にも、衛兵達が次々と殺られてる。

 

トール『うあぁぁっ!!』

 

魔法で魔物を牽制し、ユリウスが魔物の左腕を掴んで受け止めた。

 

アウグスト『お・・・お前達・・・!!バッ・・・バカ止めろ!!お前達の身一つで魔物の攻撃を防げる訳ないだろう!!死ぬぞ!!!』

 

ユリウス『・・・本望で御座る。』

 

アウグスト『何!?』

 

ユリウス『戦いに於いて・・・!殿下より先に死ぬのならば・・・それは”盾”としての本意に他ならんで御座ろう・・・!!』

 

トール『覚えておいて下さい殿下・・・!!我々の命ある限りは・・・決して殿下が死ぬ事はありません・・・!!それが我々に与えられた・・・ただ1つの使命ですから・・・!!!』

 

アウグストは、トールとユリウスの覚悟に感銘を受けた。

 

兵士『見付けたぞー!!殿下は無事だ!!協力して魔物を討伐しろー!!』

 

そこに応援の兵士達が到着し、無事に魔物を討伐した。

 

 

 

 

 

 

そして今。

 

アウグスト「その風貌・・・お前も嘗て何度も身を挺して仲間を守って来たんだろう。我が身よりも他者を優先して守る・・・そのような事は、本当に強い者にしか出来ない芸当だ。」

 

リオネル「・・・何が言いたい。」

 

アウグスト「・・・いや、先に謝っておこうと思ってな。お前は強いよ。全力を出せる為、挑発するような真似をして悪かった。お前のような立場の人間が居るからこそ、組織が成り立つ事はよく知っている。だからこそ・・・私の”盾”も、見縊らない事だ。。」

 

倒れていたトールとユリウスが立ち上がり、リオネルを睨む。

 

リオネル「・・・成る程な。確かにちっとは・・・やす奴らみてェだ・・・」

 

ユリウス「殿下から離れるで御座る・・・!!」

 

リオネル「・・・安心しろ。先に息の根を止めんのはてめェらだ。しぶてェ奴らだ。覚えたぜ、その(ツラ)。」

 

立ち上がった2人に向かって急接近した。ユリウスが横に走り、トールが魔法弾の照準を合わせる。

 

リオネル「(さっき付けられた印が消えてねェ。恐らくだが、コレを的に見立てた魔法・・・!!やはり下手を打つより魔法を掻っ消した方が早ェ!!)ぬぅん!!!」

 

トールの放つ魔法弾を殴り消した。だがこれは、魔法弾ではなく水魔法だった。

 

リオネル(ッ!!?水・・・!?・・・いや!本命は水をカモフラージュにして、ほぼ同時に発射した・・・氷魔法(コイツ)か!!!)

 

水の次は氷魔法を受けた。

 

リオネル「ぐぅ!!ッ!?」

 

後ろを見ると、ユリウスが立っていた。

 

リオネル(あの野郎・・・何であんな離れた場所に・・・)

 

ユリウス「(一瞬の足止め・・・それで充分で御座る!!トール!!)むぅん!!!!」

 

ガントレットを嵌めた右腕で地面を強く殴り付けた。

 

アウグスト(ッ!!衝撃が・・・地中を伝って・・・)

 

衝撃が地中を伝って、リオネルとその周辺を大爆発させた。

 

リオネル(な・・・何・・・だと・・・!?)

 

ユリウス「済まんがこれで・・・終わりで御座る!!!!」

 

そして遂に・・・

 

 

 

 

 

 

トニー、リン、ミランダ、ユリウスが、斥候隊の中核となる4人の斥候魔人を見事討伐した。

 

 

 

 

 

 

旧帝城の屋上。サイクス、カイン、ダンテ、リオネル。4人の生気が消え、ローレンスが呆然した。

 

ローレンス「・・・・・・・お前・・・・・・ら・・・・・」

 

 

 

 

 

 

4人の斥候魔人討伐後。

 

マーク「す・・・凄いッス!トニーさん・・・!!」

 

オリビア「待ってマーク!その前に治療!」

 

ケイティ「傷薬もあるよ!」

 

 

 

 

 

 

ミランダ「た・・・倒せたぁ・・・何・・・とか・・・」

 

マリア「バカッ!早く創見せなさいよ!」

 

マナミア「立派な戦いでしたよ。ミランダ。」

 

ミランダ「マナミア・・・様・・・」

 

 

 

 

 

 

ユリウス「お・・・お待たせしたで御座る・・・殿下。」

 

アウグスト「・・・ああ。よくやったぞ2人共。お前達の”勝負”。私が確かに見届けた。」

 

トールとユリウスが、リオネルの亡骸を一瞥した。

 

ユリウス「忘れんで御座るよ。・・・我々も、お主の事を。」

 

 

 

 

 

 

 

しかし、アリスとリンとレベッカの方は。

 

レベッカ「リン先輩!!」

 

アリス「リン・・・リン・・・!!返事・・・してよ・・・ねぇ・・・!!」

 

立ちあがろうとするアリスだが、バランス崩してそのまま倒れ、大量出血を起こしてしまった。

 

アリス(・・・あれ・・・体・・・動か・・・血・・・出過ぎた・・・意識・・・ヤバい・・・かも・・・終わり・・・かぁ・・・私達・・・ここで・・・ごめん・・・皆・・・シン君・・・タクト君・・・後は・・・まか・・・せ・・・)

 

しかし、倒れてしまったアリスの元に2人の人物が。

 

ユーリ「・・・・!!ええっ!?アリス!!?ちょっとぉ!!生きてる!?生きてるのぉ!?」

 

それは、ユーリとナージャだった。

 

ナージャ「アリス!しっかり!」

 

アリス「・・・・・・」

 

声を聞いたアリスが、ナージャを見て何かを言っている。

 

ナージャ「ジッとしてて。今治してあげる。ユーリ、アリスを仰向けにして。」

 

ユーリ「う、うん・・・」

 

俯せのアリスを仰向けにし、ナージャがオブシディアンを用いてアリスを治癒する。

 

ナージャ「・・・・・」

 

アリス(違・・・う・・・ナージャ・・・私は・・・いいから・・・リン・・・を・・・)

 

治癒してるナージャの顔が、リンと重なった。

 

アリス「私よりリンを助けて!!あ・・・」

 

急に起き上がったが、すぐ倒れた。

 

ナージャ「え?リン?」

 

ユーリ「っ!!ナージャ!!彼処!!」

 

レベッカ「リン先輩!!しっかりして下さい!」

 

ナージャ「リン!・・・アリスは大丈夫。ユーリ、運んで。」

 

倒れたアリスをユーリが抱え、急いでリンの元へ。

 

ユーリ「う・・・!」

 

レベッカ「ユーリ先輩!ナージャさん!!」

 

ナージャ「レベッカ!リンを見せて!」

 

レベッカ「は、はい!」

 

ナージャ「酷い傷・・・爆発を受けたような・・・まさか自爆を・・・!?」

 

リンの容体を確認するが。

 

ナージャ「え・・・!?息してない・・・!!」

 

ユーリ「そんな・・・!?」

 

レベッカ「・・・・!!」

 

ナージャ「レベッカ!手伝って!」

 

レベッカ「はい!」

 

ナージャ「ユーリも手伝って!」

 

ユーリ「で、でも私の治癒魔法は得意じゃ・・・」

 

ナージャ「それでも良い!急いで!」

 

ユーリ「う、うん!!」

 

アリスをゆっくり降ろして、ナージャとレベッカと共にリンを治癒するが。

 

ユーリ「・・・・ダメだ・・・・」

 

ナージャ「くっ・・・!見た目の怪我だけ治してどうにかなるレベルじゃない・・・今の私達には・・・あの時のように完治出来ない・・・!」

 

レベッカ「目覚める気配がありません・・・!」

 

ユーリ「・・・近くに仲間の気配は・・・ない・・・どうしよう・・・どうしよう・・・!リンが死んじゃう・・・!」

 

ナージャ「ユーリ!弱気になっちゃダメよ!!リンを治癒しないと!!」

 

ユーリ「・・・でも・・・私達だけじゃ・・・!」

 

ナージャ「それでもやるのよ!!」

 

パニックになるユーリを他所に、ナージャが懸命にリンを治癒する。

 

ナージャ「今ここにはタクトとシンが居ない!私達で出来る事を全力で成し遂げるのよ!!」

 

ユーリ「ナージャ・・・・」

 

レベッカ「ユーリ先輩!皆生きて帰るのが私達の任務の1つです!!リン先輩を助けましょう!!」

 

ユーリ「レベッカ・・・・」

 

 

 

 

 

 

同じ頃、ティガ・シン・シシリー・フェオン・グレア組は。

 

魔人「は、はは・・・!か細い容姿に似合わねーえげつない量の魔力と力を秘めてやがる。アベルよぉ、こりゃあ言う程楽じゃねーぞ!」

 

シン(戦闘のセンス。戦いの経験値。戦場での身のこなし。どれを取ってもシシリーとフェオンより魔人(あいて)が上なのは間違いない。)

 

ティガ(だが、今のシシリーとフェオンは、そんな連中と戦うだけの”覚悟”と、それを補って余りある程の魔力量と能力がある!)

 

アベル(・・・だが、魔法を使う隙さえ与えなければどうと言う事はない。)

 

そう考えたアベルが、2本の剣をシシリーとフェオンに向けて投げる。

 

グレア「おっと!」

 

気付いたグレアがバリアを展開しようとするが。

 

アベル「させるか!」

 

グレア「うわあ!?」

 

アベルが放った魔法弾を避けた。

 

シン「性懲りも無くお前は・・・!!」

 

ティガ「待てシン!」

 

シン「え!?」

 

シシリーとフェオンの顔を見る。2人はティガとシンに真剣の眼差しを見せた。

 

シン(そうだ・・・俺が信じなくてどうする!2人の”覚悟”を!シシリーは決して守られる為に魔人領(ここ)に来た訳じゃない。だとしたら、俺とタクトがすべき事は何だ?ちまちまとシシリーとフェオンに対する攻撃に気を配る事か?)

 

ティガ(違う・・・俺達がすべきは・・・

 

ティガ・シン(俺達の迷いを利用して攻撃を仕掛けて来るコイツを、1秒でも早く片付ける事だ!!!!!)

 

斬撃とティガスライサーが、アベルの腹を切り裂いた。

 

シシリー「ッ!!」

 

魔法障壁を展開して、アベルの投げた剣を弾いた。

 

フェオン「ハァッ!!」

 

大剣でアベルのもう1本の剣を切断した。

 

シン(シシリー・・・!!)

 

ティガ「フェオン!!」

 

魔人達「アベル!!!」

 

シシリー・フェオン「ッ!!」

 

動揺している魔人達を見た2人。

 

シシリー・フェオン(隙!!!)

 

魔力を集めるシシリーと、大剣を投げたフェオン。

 

魔人達「はっ・・・!!しまっ・・・!!」

 

気付いた時は、魔人達はフェオンの大剣で両断された。

 

シシリー「はぁああっ!!!!」

 

拡散魔法が、両弾された魔人達に降り注ぎ爆発させた。

 

アベル「・・・・!!」

 

シン「よし・・・!!」

 

シシリー「はぁ・・・はぁ・・・」

 

フェオン「ふぅ・・・ふぅ・・・」

 

シン「シシリー!」

 

ティガ「フェオン!」

 

シシリー「シン君・・・」

 

フェオン「タクト・・・」

 

シシリー「はっ・・・!」

 

シン「!!」

 

ティガ「どうした?」

 

シシリー「シン君!」

 

シン「・・・ああ・・・!!戦闘に集中してて気付けなかったが・・・マズいな・・・!!仲間の魔力が・・・消え掛かってる!これは・・・リンか・・!!」

 

リンの魔力が徐々に消えてる事に気付いたのだ。

 

ティガ「フッ!」

 

透視能力でリンの位置を特定する。

 

ティガ(シン。リンを見付けた。)

 

シン(何処だ!?)

 

ティガ(帝都中央辺り。そこから南東に向かった場所だ。)

 

シン(遠過ぎる・・・!!ゲートに戻るにしても・・・俺達が来たルートからは完全に外れてる・・・!くそッ・・・それでも凛の状態を考えると、俺かシシリー・・・どちらかが一旦戻ってリン達を捜すしか・・・)

 

ティガ(いや、俺のテレポートでリンの場所へ向かえば。)

 

シン(そうか。その手があったか!)

 

シシリー「シン君・・・!!」

 

シン「!?」

 

シシリー「私が行きます・・・!!」

 

ティガ・シン「!」

 

 

 

 

 

 

マーク「マズいッスよ!リンさんが・・・!!皆で向かった方が良いんじゃ・・・」

 

トニー「ああ・・・だけど、僕らの治癒魔法で助けられるのかな・・・」

 

ケイティ「ナージャなら・・・でもあの子の治癒魔法だけでは・・・」

 

マーク「オリビア!リンさん達の近くにゲート繋げないか!?」

 

オリビア「・・・・・・」

 

一瞬戸惑ったオリビアが意を決した。

 

オリビア「マーク!フレイドさん!ケイティさん!私、ちょっと行って来る!」

 

マーク「オリビア!?」

 

ケイティ「ちょっ!?」

 

1人でリンの元へ向かった。

 

 

 

 

 

 

オリビア(シシリーさんの魔力が帝都中央辺りに移動してる・・・!!多分リンさんを捜しに・・・計算しろ私・・・!!一刻の猶予もない・・・!間違いは許されない・・・!!シシリーさん達が通ったルート上と私が移動したルートが重なり、尚且つ、リンさんの元へ向かうのに最も適したポイントは・・・!!)

 

 

 

 

 

 

帝都中央辺り。そこにシシリーとオリビアがゲートで鉢合わせた。

 

シシリー「オリビアさん!?」

 

オリビア(正解(ビンゴ)!!)

 

 

 

 

 

 

同じ頃、ナージャとユーリが治癒魔法でリンを治癒している。だが、リンが目覚める気配がない。

 

ナージャ「クッ・・・・!!!」

 

ユーリ「魔力を送り続けて・・・ギリギリ生命力を維持するのも・・・限界・・・よぅ・・・!わ・・・私の方が先に・・・ぃ・・・逝っちゃうってぇ・・・!」

 

ナージャ「ユーリ!諦めちゃダメよ・・・!!」

 

ユーリ「も・・・もう・・・ダメ・・・ぇ・・・」

 

目眩がして倒れそうになった。

 

ナージャ「ユーリ!!」

 

だが、倒れそうになったユーリを誰かが支えた。

 

???「身を挺して仲間を治癒する。素晴らしいわ。」

 

ナージャ「え・・・?」

 

ユーリを支えたのは、ロクサーヌだった。

 

オリビア「ユーリさん!!大丈夫ですか!?」

 

するとそこに、シシリーとオリビアがゲートから現れた。

 

ユーリ「オリビア・・・シシリー・・よ・・・良かっ・・・たぁ・・・」

 

オリビア「あ、あなたは?」

 

ロクサーヌ「話は後よ。彼女を治すのが先決だよ。」

 

ナージャ「そ、そうね。シシリー、お願い。」

 

シシリー「はい!」

 

急いでシシリーに代わり、リンを治す。

 

 

 

 

そして、リンの呼吸が安定し魔力が戻った。

 

シシリー「ふぅっ。取り敢えずこれで心配ないと思います。」

 

ロクサーヌ「・・・うん。心臓と脈が正常に動いてる。呼吸も安定しているわ。」

 

ユーリ「良かったぁぁ〜〜〜〜!」

 

ナージャ「ふぅ・・・・」

 

ロクサーヌ「それにしても、流石噂通りのアルティメット・マジシャンズね。」

 

ユーリ「あなたは・・・」

 

???「ロクサーヌ!」

 

そこにデリックが駆け付けた。

 

ロクサーヌ「あ!お兄ちゃん!」

 

ナージャ「デリック!え?お兄ちゃん?」

 

シシリー「お兄ちゃんって事は、まさか・・・!?」

 

ロクサーヌ「そっ!私はロクサーヌ!デリックの妹でーす!」

 

 

 

 

その後アリスも治癒をした。

 

ナージャ「殺された妹さんが、魔人のフリをして生きていたなんてね。」

 

デリック「言っただろ?妹は明るい上にイタズラ好きだって。」

 

ロクサーヌ「魔人のフリの為にカラコン付けてたから。」

 

デリック「それで、アリスとリンは大丈夫か?」

 

シシリー「はい。直に目を覚ますと思いますけど、念の為もう少しだけここで様子を見ます。」

 

ユーリ「シシリー1人には出来ないから、私もここに残るよぉ。」

 

ロクサーヌ「だったら私にも手伝わせて。あなた達の役に立ちたいから。」

 

ナージャ「私も2人が心配だから一緒に看病するわ。」

 

オリビア「私は取り敢えずマーク達に合流して、無事を伝えてきます。」

 

シシリー「あ、オリビアさん。ユーリさん。ナージャさんも。リンさん達を助けられたのは、3人のお陰です。本当に・・・ありがとうございます。」

 

ユーリ「水臭いなぁ。シシリーったらぁ。」

 

オリビア「仲間を助けるのは当然の事ですよ。」

 

ロクサーヌ「うんうん。友情って良いわね〜。」

 

デリック「そうだな。ん?そうだオリビア。レオナはどうした?」

 

オリビア「あ、レオナさんは別行動しています。他の魔人を討伐しに行ってます。」

 

デリック「分かった。ロクサーヌ。俺はレオナの所へ行く。ここを頼むぞ。」

 

ロクサーヌ「任せて!」

 

オリビア「シシリーさん。じゃあまた後で。」

 

ゲートを展開し、マーク達と合流しに行った。

 

デリック「またな。」

 

ジャンプしてレオナの元へ向かった。

 

ユーリ「気を付けてねぇ。」

 

シシリー(シン君・・・すぐ戻ります。それまで、どうか無事で・・・)

 

 

 

 

 

 

そしてティガとシン、そしてフェオンとグレアは、アベルと交戦中。

 

ティガ「・・・・・」

 

光に包まれたティガが、タクトの姿に戻った。

 

フェオン「タクト?どうしたの?」

 

タクト「悪い。ちょっと力を温存したい。しばらく変身を解いとく。」

 

グレア「ずっとティガで戦ってたもんね。」

 

タクト「シン、頼んだぞ。」

 

シン「分かった。・・・戦う相手に・・・こんな事訊くのは野暮かも知れないが、まだ()るか?俺と1対1で。」

 

シンとアベルの戦い。

 

アベル「・・・愚問だ。退く気など毛頭ない。元よりここが、我々の死地と心得ている。」

 

タクト(死地・・・か。)

 

シン「確信したよ。やはり少なくとも・・・シュトロームを除くお前達魔人に世界を滅ぼす気なんかない。(いや・・・おそらくはあいつ自身さえも・・・)目的を失ったシュトロームと違い、お前達には元々世界侵攻や人類の支配が計画にあったはずだ。その為に障害となる俺達の抹殺を狙っていた訳だしな。だけど今は違う。」

 

アベル「・・・・・・」

 

シン「何かがあったんだな。お前達魔人の目的そのものが覆ってしまうような事が。」

 

アベル「・・・・・・!!」

 

”ドクンッ!!”

 

 

 

 

 

 

 

”帝国を滅ぼした時点で、魔人としての役割は終わったはずだ。”

 

アベル『違う。命を与えられた恩義を返す事・・・それが新たな使命だ。』

 

”既に仲間の殆どは死んだ。やえる事など何もない。”

 

アベル『最後の1人になろうとも、シュトローム様や・・・ゼスト隊長の為に戦うまでだ。』

 

”そんな行為に何の意味もない。何故なら・・・”

 

”ドクンッ!!”

 

”魔人の行く先にはもう・・・未来などないのだから!”

 

”ドクンッ!!”

 

 

 

 

 

 

”ドクンッ!!”

 

心臓の鼓動が大きく鳴り、アベルの魔力が増幅した。

 

シン「・・・・!!」

 

フェオン「な、何なのこの魔力・・・!?」

 

グレア「凄い力・・・!!」

 

タクト「ッ・・・!!」

 

シン(やっぱり可笑しいな・・・この男の魔力。安定しない・・・常に揺らぎのようなものがある。何だ・・・!?気のせい・・・じゃないな・・・魔力が・・・膨らみ始めている・・・!?)

 

魔人には最早、存在理由にはない・・・

 

『To Be Continued・・・』




キャスト

タクト=クリスティ:萩谷慧悟

シン=ウォルフォード:小林裕介
アウグスト=フォン=アールスハイド:小松昌平
シシリー=フォン=クロード:本泉莉奈
マリア=フォン=メッシーナ:若井友希
アリス=コーナー:久保田未夢
トール=フォン=フレーゲル:志田有紗
リン=ヒューズ:山口愛
トニー=フレイド:小林千晃
ユリウス=フォン=リッテンハイム:河本啓佑
マーク=ビーン:葉山翔太
オリビア=ストーン:佐藤沙耶
ケイティ=グレイス:山崎はるか
ジェレミー:前野智昭
マナミア=ラドクリフ:関根瞳
レベッカ=ホーク:有村蓮

フェオン:内山夕実

デリック:千葉翔也
ロクサーヌ:矢野妃菜喜

ジークフリード=マルケス:金子誠
クリスティーナ=ヘイデン:古賀葵

ディセウム=フォン=アールスハイド:星野充昭
エリザベート=フォン=コーラル
メイ=フォン=アールスハイド:雛乃木まや
セシリア=フォン=クロード:佐藤利奈
シルビア=フォン=クロード:小澤亜李
エドワード=フィッシャー:梶裕貴

ヒイロ=カートゥーン:櫻井トオル

ローレンス:杉山紀彰
アベル:古川慎
カイン:井上雄貴
サイクス:興津和幸
リオネル:内匠靖明
ダンテ:柳田淳一
フィン:市来光弘

実体のない存在:宮内敦士

オリバー=シュトローム:森川智之





次回予告

魔人の存在に理由はない。魔力を増幅し暴走するアベルにシンは勝てるのか。そして、斥候魔人との完全決着が迫り来る。

次回ウルトラマンティガ

魔人の存在

お楽しみに
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