ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS 作:naogran
アベル「うぅ・・・ぐぅ・・・あ”ぁ!!!!!」
シン「うおっ!!」
タクト・フェオン・グレア「ッ!!」
アベルが魔力を暴走させ、本来の理性を失った本当の魔人と化した。
シン「・・・お・・・おい・・・!?こいつ・・・意識が・・・!」
するとアベルがシンに高速接近し、魔法をぶつけるが、シンが魔法障壁で防いだ。
シン(魔法の威力が・・・さっきまでの比じゃない!!一体奴に何が起きた!?まるで動物が魔物化した瞬間のような・・・ッ!!)
暴走するアベルを見たシンが驚いた。アベルがある魔人の面影と重なった。
シン(自我を持たない魔人・・・!!嘗て祖父ちゃん達が対峙した相手のような・・・これは・・・恐らくそれに最も近い・・・!!)
アベル「ガアァ!!」
シン「クッ!!」
威力が増した魔法を何度も避ける。
フェオン「アイツ、まるで理性を失ったように暴れてるわ・・・」
グレア「アレが本来の魔人の行動・・・」
タクト(彼奴・・・あの魔人と似ている・・・)
帝都突入数日前。タクトがラドクリフ邸である男の写真を見せて貰った。
タクト『この男が、カイル=マクリーンか?』
リチャード『ああ。カイルは私達の大親友で、とても優秀な男だった。』
タクト『優秀な魔法使いだった男が、何故魔人と化したんだ?』
レイチェル『切っ掛けは、ある出来事から始まりました。』
リチャード『カイルは高等学院卒業後、魔法師団に入団したんだ。だが彼が所属してる部隊は、自堕落な者達ばかりだった。中でもその部隊の隊長は、自分が隊長だって事の権力を使ってカイルをコキ使い続けた。そして、カイルの手柄も自分の物に細工する事が当たり前だった。』
タクト『・・・・・』
リチャード『だがカイルを心配したバルトとベルが、彼を自分達の部隊にスカウトしたんだ。だが彼奴は、あの隊長に自分の実力を認めさせたい思いで居続けた。だがそれが、カイルを絶望に陥れてしまったんだ。』
レイチェル『カイルが魔物の大群の危機を察して本部に帰還しました。だがそれを目撃した1人の村人から、カイルが敵前逃亡したと勘違いしてしまいました。それが誤解だとも知らなかった本部は、彼を謹慎しました。』
タクト『酷い話だな・・・』
リチャード『更に、カイルには婚約者が居た。だがその婚約者が、同じ部隊の仲間に寝取られてしまった。次々と降り注ぐ絶望に耐えられなかった彼は、自らの魔力を暴走させて魔人化し、仲間と婚約者、そして周囲の人間達を虐殺。その後も各地に甚大な被害を齎した。』
タクト『カイルに殺された死者数は?』
リチャード『800人以上と記録された。』
タクト『そうか・・・』
リチャード『そして、私達が駆け付け、当時殿下だったディセウムを救出し、マーリン達と連携しカイルを討伐。事態収束後、私達はカイルが所属していた部隊の隊長を徹底的に追い詰めた。不正や横領、淫らな行為が暴かれ、彼は家庭や周囲から勘当された。』
レイチェル『そして軍内部の不正行為が徹底的に炙り出され、新たな人事評価基準が設けられ、バルト達は、多くの成績が認められ、魔法師団統括部隊になりました。』
タクト『その隊長さんは今は亡くなってるのか?』
リチャード『いや、アールスハイドの地下牢に収容されてる。』
タクト『え?』
リチャード『全てを絶縁されて発狂し、凡ゆる女子供に淫乱を繰り返した。警備局に逮捕され、無期禁固令が下されたんだ。』
タクト『自分が悪いのに、それを認めないとは人間の風上に置けないな・・・』
リチャード『あの時のように、世界を壊されたくない。タクト君、私達の未来を君達に託す。』
タクト『任せろ。そして、オリベイラを必ず救う。』
そして現在。
タクト(今の彼奴には、カイルの怨念に取り憑かれてるみたいだ・・・)
シン(意図的にああなったとは思えない、何が切っ掛けだ・・・!?)
魔人化のメカニズム自体、謎が多い。元は、『意志を持つ魔人』の存在が理に反する存在だった。”意志”。マーリンの話によれば、嘗ての魔人は全てを憎悪し、破壊衝動に駆られるだけの存在だった。つまりそこには、”意志”など伴わなくても良かったとも言える。逆説的に考えれば、意志を持つ魔人達は、魔人化の際、明確な『目的意識』を持っており、それ故に魔人化後も、それを維持する事が出来た。
シン(そうして生まれた意志ある魔人が、再びこうやって自我を失くす理由は!?推測だが・・・恐らく、間違いない。目的を!魔人である自らの存在意義を!全て失ってしまったんだ!!)
アベルの猛攻を避け続けるシン。だがアベルに左肩を掴まれた。
シン(掴まれた!!)
掴まれたまま、地面に叩き付けられた。
シン「くあっ・・・!!」
アベルの左手がシンに迫る瞬間。シンがバイブレーションソードで、自分の左肩を掴んでるアベルの右腕を切断した。だがアベルは怯まなかった。
シン(痛みすら意に介してない・・・息絶えるまでコイツは・・・止まらない・・・!!!)
そして、威力を高めた魔法を放ち、アベルの胴体を両断した。
シン「・・・悪いな、加減してたら、こっちが殺られちまいそうだ。」
アベル「が・・・ぐ・・・あっ・・・!」
残ってる僅かな意思で喘ぐアベル。すると彼は、我を取り戻した。
アベル(あれは誰だ・・・?俺は、こんな場所で何をしている・・・ゼスト隊長は・・・仲間は何処だ・・・?任務を遂行しなければ・・・国の為に・・・国の・・・為?・・・帝国の・・・為?帝国は・・・俺達が滅ぼしたのではなかったのか・・・あの方の力で・・・)
離れていく斥候隊の仲間達、滅ぼされた帝国、現れるオリバー=シュトロームの幻影が彼の脳裏に走った。
(そうだ、これからはあの方が帝国の皇帝となって、この国を導いていくんだ。あの方ならば・・・貧困や差別・・・くだらん思想を全て打ち払い、新たな帝国を築き上げていくれる。俺は、俺達はきっと、魔人となって戦いながらも、心のどこか奥底でそれを望んでいたんじゃないのか?その為に、あの方に付いてここまで来たんじゃないのか?そうだ・・・あれはシン=ウォルフォード、そして彼奴はタクト=クリスティ。俺達の・・・魔人の敵。つまりはシュトローム様の敵だ。)
目の前のシンと、彼の後ろのタクトを見て力を振り絞って左腕を伸ばす。
アベル(奴を倒さねば・・・帝国の未来は・・・ない・・・再びシュトローム様が立ち上がり・・・我々を導いてくれるその時まで・・・俺は戦わなければ・・・過去、犠牲になった仲間や・・・戦死した者達の為にも・・・!!俺は・・・・!!!!)
再びシンと戦おうとするアベルの左手に、誰かが手を添えた。
???『もう充分だよ。アベル。』
アベル(・・・!?)
彼に2人の人物の幻が現れ、アベルを鎮めた。その2人の正体は・・・
ザックの妹『祖国のこと、仲間の事、いつもあなたは何かの責任を負って生きてきたんですね。』
ザック『・・・けどさ、俺達をはじめ、死んでいった連中は、誰1人としてお前を恨んでなんかいやしないんだぜ?』
嘗て戦死した仲間のザックと、彼の妹だった。
ザック『魔人になるには、お前はきっと、心が優し過ぎたんだろうなぁ。もう休んだって良いんだ。お前は充分に戦ったんだからな。一緒に行こう、アベル。』
アベル(・・・・ザ・・・・)
涙を流しながら、アベルが息を引き取った。
シン「・・・・・・」
タクト「終わったみたいだな。」
シン「ああ。やっと終わった。」
アベルを倒し、奥へ進む。
シン「この先が帝城・・・だな。」
帝城への階段の前に着くと。
シシリー「シン君!タクト君!フェオンさん!」
シン「シシリー!」
救援に向かっていたシシリーが合流した。
シシリー「良かった・・・無事だったんですね。」
タクト「リンはどうだ?」
シシリー「容体は安定したので、もう心配ないと思います。今はユーリさんとナージャさんが見てくれています。」
フェオン「良かった・・・」
シシリー「それと、デリックさんの妹さんは生きていました。」
タクト「本当か!?」
シシリー「はい。ロクサーヌさんって言う方で、殺されたと思われていましたが、魔人のフリをして行動していたみたいです。」
グレア「そっかぁ。無事で良かったねデリック。」
シシリー「それでシン君・・・私が移動した後、魔人の魔力が異常に膨れ上がるのを感じたんですが・・・あれは・・・?」
シン「・・・・・」
先程のアベルの暴走をシシリーに事細かく話した。
シシリー「魔人が・・・自我を失くした・・・?シン君、それって・・・まるで・・・」
シン「ああ・・・恐らくは。昔爺ちゃん達が討伐したって言う魔人と同様の状態だ。」
タクト「マーリン様の話だと、俺達が戦っている魔人よりも、嘗ての魔人の方が手に追えない印象が強いらしい。」
シン「実際、自我を失くした魔人と戦ってみて俺も同じ印象を受けた。これまでに戦って来た魔人の全てが、もし同様に自我を持たない魔人だったら・・・俺達でも勝てなかったかも知れない。」
シシリー「・・・・・・」
タクト「残る魔人は、オリベイラとベルゼを含めて後数体・・・」
シシリー「・・・もう起きませんよね・・・?そんな事・・・」
フェオン「だと良いけど・・・」
残る魔人は、ローレンス、ゼスト、ミリア、ベルゼ、オリバー=シュトローム。
そして・・・
フィン「くっ・・・は、はは・・・どうやらそこらの人間とは一味違うみてェだが・・・やはり埋められねェよなぁ。魔人と人間との差は。」
ジェレミー「・・・・」
魔人フィンと戦っているジェレミー、ジークフリード、クリスティーナ。
シルビア「ジークフリード様・・・」
セシリア「クリスティーナ様・・・ジェレミー・・・」
ジークフリード「へっ・・・そうかぁ?その割には何発か攻撃貰ってんじゃねーか。」
クリスティーナ「私情で単独
ジェレミー「もうちょっと鍛錬を積んでたら、俺達に勝ててたかもなぁ・・・」
『ワアァァァ!!!』
フィン「!?」
アールスハイド兵士「倒れた!!獅子の魔物がようやく止まったぞーーーー!!!」
ルーク「はっ・・・はっ・・・けっ・・・やっとかよ・・・しつけー野郎だったぜ・・・」
遂に兵士達が、獅子の魔物の討伐に成功した。
アールスハイド兵士「大丈夫ですか、ルークさん?」
ルーク「ワリ、無理だ。ちっと休ませろ・・・」
だが、喜びも束の間。
アールスハイド兵士「お・・・おい・・・あれ・・・」
無数の災害級が現れたのだ。
ジェレミー「残りカスか!」
フィン「折角だから教えてやるよ。一部の魔物は、俺が実験であちこち弄っててなぁ。異常に筋力が発達した奴、痛みの感覚を失ってる奴・・・部分的に中枢神経を操作して、どれだけ喰っても飢餓状態を保ってる奴なんかも居る。」
ジェレミー「要するに、お前の本当の操り人形って訳か・・・」
ジークフリード「・・・胸糞悪ぃぜ。」
クリスティーナ「命を・・・生物を一体何だと思っているのですか・・・!?」
ジークフリード「それに見てみろよ!魔物の数はここまで減ってんだ!もう数える程だぜ!てめェ自慢の魔物が最後の砦ってトコだ!俺達連合軍は、魔物共なんか負けやしねェんだよ!」
フィン「・・・・くっくっ、おめでたいヤローだ。俺達が用意した魔物がここに居る奴らだけだなんて、誰が言ったよ?」
ジークフリード・クリスティーナ「・・・!?」
フィン「元々この数の魔物を1ヶ所に集めて隠しておくなんて出来るはずもねェ。お前らが今相手してんのは、帝都南側に潜ませていた約半分・・・帝都北側の城壁の外にはもう半分が、今か今かと出番を待ってんだぜ!」
セシリア「そ・・・んな・・・」
フィン「今の時点でお前らの戦力は何割残ってる?『残り半分さぁやるぞ』なんて口に出来るタフな奴がまだどれだけいんだ?あ?精々絶望を噛み締めるが良いぜ。」
ジェレミー「・・・言いたい事はそれだけか?」
フィン「あぁ?」
ジェレミー「俺の信頼出来るアイツらを忘れちゃいねぇだろうな?」
””アウウウウウウウン!!!””
遠くから犬の遠吠えが響き、2つの影が迫り来る災害級達の脳を全て噛み千切った。
フィン「なッ!?」
ローランド「ジェレミー様!」
ラナ「ジェレミー!」
ジェレミー「来たなお前ら?」
それは、ローランドとラナだった。
ローランド「ジェレミー様、あの災害級の脳みそかなり濃厚で美味ですよ。」
ラナ「今まで喰べて来た災害級の中でダントツ美味しいわ。」
ジェレミー「そうか。満足出来て良かったな。」
フィン「チッ。テメェのペットか。」
ラナ「それと、北側の方にはエミリー達と衛士隊、盗賊団が待機しているわ。」
ジェレミー「判断が早い。」
ローランド「ですが、ここにまだ災害級が残っています。」
ジークフリード「・・・残り半分・・・か・・・だったら尚更よォ・・・絶望なんか感じてるヒマねェなぁ!!」
クリスティーナ「折れませんよ・・・私達は。シンを・・・仲間を。最後まで信じていますからね。」
ジェレミー「本気モードで行くぜ!」
自身の両目を赤から青、そして紫色へ変色させた。
ジェレミー「ローランド!ラナ!残りの災害級を全て喰い荒らせ!」
ローランド「はい!」
ラナ「合点!」
サイクス『何だお前。新入りの癖に生意気な野郎だなオイ。』
・・・・うるせェなぁ。
ダンテ『上下の関係や礼儀など押し付ける気はない。だが、真に自らが仕えると決めた者は絶対に裏切るな。』
大袈裟だぜ。結局大事なのは自分で生きる事だろ。
アベル『国に仕える立場だが、だからと言って祖国に魂まで売る必要はない。俺は救われた恩に報いる為・・・隊長の力になる為にここに居るだけだ。』
・・・・・・・・・・
フィン(
カイン『お前は俺らよりほんのちょっっっ・・・とだけ賢いんだからよ。そのすぐ感情で動くクセだけ止めろよ。何時か後悔するぞ?』
過去の記憶を思い出したフィンは。
フィン「・・・はは。最後までこのクセだけは直んなかったなぁ。・・・けど見てみろよ。その結果、アンタ達より俺の方が生き残っちまってるじゃねェか。」
魔物カラスの大群を呼び寄せた。
クリスティーナ「カラス・・・!?」
ジェレミー「今晩は焼き鳥になりそうだな。」
フィン(・・・バカ野郎。でけェ口叩くんなら、俺より先にくたばってんじゃねェよ。)
戦死した仲間達の為に、フィンがカラスの大群を特攻させた。
ジークフリード「下がれ!!!」
魔法弾で特攻する魔物カラスを討伐。
クリスティーナ「っ!!」
華麗な剣捌きで魔物カラスを一刀両断。
ジェレミー「ルルルアアァァ!!!!」
両手の爪で魔物カラスの大群を縦横無尽に斬り裂く。
ローランド・ラナ「アウウウーーン!!!!」
同じく2匹も魔物カラスの大群を喰い荒らす。
兵士「見たか魔人野郎!今更カラス程度その5人には・・・」
兵士「・・・お、おい!」
兵士「え?・・・何だあれ・・・!?」
全滅した魔物カラスだが、フィンの後ろから大群が押し寄せた。その数は、万を超えていた。
兵士「何なんだよあの数・・・」
兵士「や・・・やべェぞあれは・・・」
ジェレミー「おーお。まだまだ賑やかになりそうだな。」
ジークフリード「ああ。だが、こりゃち〜っとばかし・・・急いだ方が良さげだなぁ・・・」
魔物カラスの大群が再び特攻する。
クリスティーナ「ジーク!魔物の方を任せます!」
ジェレミー「ローランド!ラナ!任せたぞ!」
ジークフリード「無茶言いやがって・・・!」
ローランド「お気を付けて!」
ラナ「油断しないでよ!」
セシリア「私達も手伝います!ジークフリード様!」
魔物カラスの大群討伐開始。
フィンに特攻するジェレミーとクリスティーナ。
クリスティーナ(カラスの魔物がこの男の魔力で操作されているなら、魔力の供給を絶ってしまえばあるいは・・・!!)
ジェレミー「くたばれ!!!!」
右手の爪でフィンを斬り裂こうとするが、フィンが右腕で受け止めた。
フィン「惜しかったな。」
ジェレミー「どうかな?」
ジャンプしたジェレミー。
フィン「ッ!?」
バイブレーションソードを握ったクリスティーナが、バイブレーションソードをフィンに振る。だが、フィンが右腕で受け止めた。
クリスティーナ「っ!」
バイブレーションソードが振動した。
フィン「ッ!?」
咄嗟に気付いたフィンが右手を引いた。
フィン「お前・・・それ、ウォルフォードと同じ仕様の剣か!さっきまでは隠してやがったな!」
クリスティーナ(不意打ちで仕留められればベストでしたが、流石にそう甘くはないですね。)
フィン(・・・・来い!!!!)
魔物カラスの大群を操作し、ジェレミーとクリスティーナに特攻させた。
ジェレミー・クリスティーナ「っ!!」
ジークフリード「くっそ・・・!!数が多過ぎる・・・!!」
ラナ「消耗戦になりそうだね・・・!!」
クリスティーナ「くっ・・・!!」
ジェレミー「ルァ!!!」
両手の爪とバイブレーションソードで魔物カラスの大群を蹴散らす。だが・・・
フィン「貰ったぜ。」
ジェレミー「クリス!後ろ!」
クリスティーナ「え!?」
彼女の後ろにフィンが回り、クリスティーナの右腕を蹴り折った。
クリスティーナ「うあっ・・・!!」
ジークフリード「クリス!!!うおぉっ!!」
クリスティーナの後ろに立つフィンに魔法弾を放ったが、既に姿が消えていた。
ジークフリード(・・・!!野郎・・・何処へ行きやがった!?)
後ろから気配をキャッチした。
ジークフリード「後ろかっ!!」
後ろに魔法弾を放ってフィンを攻撃した。
ジークフリード「ッ!?」
だがそれは、2羽の魔物カラスだった。
フィン「残念。」
後ろに回ったフィンが、ジークフリードの背中に魔法弾を叩き込んだ。しかしジークフリードの背中に魔法障壁が張られてした。
フィン(っ!コイツ・・・あの状況で障壁張りやがったのか・・・まぁ防ぎ切れねーけど・・・)
ジェレミー「ッ!!」
真横からジェレミーが特攻する。だがフィンが体を逸らして避けた。
フィン「ガラ空きだ。」
魔法弾をジェレミーの首に直撃させて折った。
ジェレミー「・・・・・ヘヘッ・・・・中々良い攻撃だなぁ・・・・」
”ボキボキ!!”
折れた首の骨を強引に治した。
フィン(折れた首を自分で治すとは。魔喰人は計り知れないな。)
ジェレミー「クリス、ジーク、大丈夫か?」
クリスティーナ「ええ・・・」
ジークフリード「まぁな・・・」
フィン「ふぅ・・・魔喰人は兎も角。人間にしちゃ十分過ぎる程強ェなお前ら。ウォルフォードと無関係って事はねーだろ?どう言う繋がりだ?」
ジークフリード「はぁ・・・はぁ・・・兄貴だよ!」
フィン「は!?兄貴!?嘘吐け!そんな情報聞いた事ねーぞ!?」
ジェレミー(正確には、シンの育ての兄と姉だな。)
クリスティーナ(右腕を折られた・・・!!これでは剣を・・・く・・・やはり魔人と言うべきか・・・)
兵士「・・・・おい・・・!!」
兵士「ああ・・・もう耐えられねぇ・・・クリスティーナ様!!加勢致します!!」
兵士「みすみすお2人が殺されるのを見てはいられない!!」
兵士「ジークフリード様!!我々も共に戦います!!」
ローランド「ジェレミー様!!僕達も!!」
ラナ「私も助太刀するよ!!」
ジークフリード「来んな!!!!!」
加勢しようとする兵士達を止めた。
ジークフリード「辺りに転がってる仲間の死体が目に入んねェのか!!多勢で挑めばどうにかなるって相手じゃねェ・・・!!無駄に命を捨てるようなマネする事は許さねェぞ・・・!!ここで
クリスティーナ「
ジェレミー「俺も忘れて貰っちゃ困るぜ。」
ジークフリード「ダメだ・・・!!クリス、ジェレミー、お前らまで殺られたら、誰が冷静にこの場を指揮すんだよ。撤退の指示と局長への報告・・・!!今からそれがクリス、お前の役割りだ・・・!!」
クリスティーナ「お断りですね。」
ジークフリード「ああ!?」
クリスティーナ「あなた、腕の折られた私と、首を折られたジェレミーはこれ以上戦いに参加しない為に口実を作ってるだけでしょう!あまり舐めないで欲しいですね!」
ジークフリード「んだとコラ・・・こんな時まで・・・」
ジェレミー「お2人さん。痴話喧嘩は後にしてくれ。」
ジークフリード・クリスティーナ「おい!!」
ジェレミー「ジーク。仲間の事も、もっと信頼すべきじゃないのか?命を最優先すべきは、俺とジークとクリスと同意見だ。分かるよな?お前達も。」
兵士達「・・・・・・」
クリスティーナ「セシリア、シルビア、この場の指揮は任せます。」
セシリア・シルビア「・・・・!!」
ジェレミー「ローランド、ラナ。俺の分はいい。お前達で残りの
ローランド・ラナ「・・・・はい!!」
ジークフリード「ったくよぉ。そもそも左腕1本で何が出来んだよ・・・」
クリスティーナ「満身創痍はあなたも同様でしょう。」
ジークフリード「つくづくお前とは反りが合わねェなぁ。」
クリスティーナ「嬉しいですね。全くの同意です。」
ジェレミー「んなら、俺がお前達2人の傷や骨を治してやろうか?そうすればマシだろ?」
手に持ってる薬を2人に見せた。
ジークフリード「嬉しいが、今はそんな気分じゃねェな。」
クリスティーナ「ジェレミー。それは後で戴きます。」
ジェレミー「そっか。」
薬を仕舞う。
ジークフリード「オイ・・・1つだけいいか?」
クリスティーナ「はい?」
ジークフリード「お前の死に様なんて見たら夢見悪ぃ。絶対俺の目の前でくたばらねェって約束しろ。」
ジークフリードにそう言われ、クリスティーナが密かに微笑んだ。
クリスティーナ「その言葉、そっくりそのままお返しします。」
ジークフリード「けっ。」
ジェレミー(良い2人じゃねぇか。)
フィン「どの道死ぬんだよ。お前ら全員な!」
魔物カラスの大群を特攻させた。
ジェレミー「行くぜェッ!!!」
率先して魔物カラスの大群を両手の爪で斬り裂く。
ジークフリード(口に出すのは癪だが、クリスの実力は誰より俺がよく分かってる。絶対に自己鍛錬は怠らねェし、軍の訓練も一度たりともサボったりしねぇ・・・生真面目の代名詞みてェな奴だ。それがハッキリとその実力に裏打ちされてる。全くもって俺とは正反対だよな。だからこそ・・・いざと言う時は、コイツに全てを託す事が・・・)
フィン「今度こそくたばりやがれ!!!!」
魔物カラスの大群の中からフィンが現れ、ジークフリードとクリスティーナの背後に落下する。
ジークフリード・クリスティーナ「!」
しかし、2人が背後のフィンを睨んだ。
フィン「何!?うっ・・・!!」
ジークフリードの魔法弾と、クリスティーナのバイブレーションソードがフィンの体にダメージを与えた。
ジェレミー「後ろがガラ空きだ!」
フィン「がはッ!?」
更にフィンの後ろから、ジェレミーがタックルで突き飛ばした。
ジークフリード「ワンパターンなんだよ!攻撃がよ!!」
クリスティーナ「同じ相手に二度も同じ戦術は通じませんよ!まだまだ甘いですね!」
ジェレミー「俺らの本気とくとご覧あれ!!」
フィン「るっせェんだよ!!!
カラスの大群を突撃させた。
ジークフリード(全部防ぐのはまず不可能・・・だったらいっそ!!)
魔法弾を連射し、カラスの大群を討伐。だが、大群はまだ残っている。
ジェレミー・クリスティーナ「ッ!?」
ジークフリード「・・・・・」
横に立ってるジェレミーとクリスティーナに笑みを見せた直後、カラスの大群の激突を受けてしまった。
フィン「?」
ジークフリードに集中していたフィンの背後の煙から、ジェレミーとクリスティーナが現れた。
ジェレミー・クリスティーナ「ッ!!!!」
フィン「ッ!!」
爪と剣を振るうジェレミーとクリスティーナに気付いたフィンが、魔法障壁で間一髪防いだ。
クリスティーナ(防がれた!?)
フィンがクリスティーナを蹴り落とした。
ジェレミー「まだだッ!!」
左手の爪でフィンを斬り裂こうとするが、フィンがジェレミーの爪を蹴り上げて折った。
ジェレミー「ッ!!」
フィン「落ちろ!!」
右のパンチでジェレミーを落とした。
地面に叩き落とされたジェレミーとクリスティーナに、着地したフィンが迫る。
フィン「手こずらせやがって・・・はあっ・・・はっ・・・(一旦退かねェと・・・思った以上にダメージを受けちまった・・・!!)」
シルビア「お・・・お姉様・・・セシリア姉様・・・!!」
セシリア「・・・・・!」
動かないジェレミーとクリスティーナに、セシリアはどうする事も出来ない。だが。
フィン「・・・!?」
まだ体力が残っているクリスティーナが、バイブレーションソードを左手に持ってフィンに剣先を向ける。
クリスティーナ(力の入らない右腕は・・・左腕に添えるだけでいい・・・!)
フィン(何してんだ彼奴・・・あんな距離から・・・)
ジェレミー(・・・やれクリス!)
クリスティーナには、まだ打つ手があった。バイブレーションソードの柄のスイッチを押し、刀身を射出した。射出された刀身が、フィンの額に突き刺さった。フィンが倒れた。
セシリア「あ・・・あれはシン君達との軍事訓練の時見た・・・」
シルビア「強化バネによる刀身の射出・・・!!」
兵士達「やったぞ・・・!!」
クリスティーナ「・・・・」
ジェレミー「クリス、喜ぶのは早いぞ・・・」
クリスティーナ「え・・・?」
通常の魔人は、人間同様脳を破壊されて生命を落とす。だが、フィンは起き上がった。
フィン「ふぅ・・・ふぅっ・・・驚いたぜ・・・この期に及んでまだこんな切り札隠してやがったか・・・!!」
セシリア(魔人は・・・倒せないの・・・!?)
ジェレミー「彼奴・・・良い石頭を持ってやがったか・・・」
フィン「そんなに死に急ぐならよ・・・きっちりトドメ刺してやるよ。右腕も使えねェ・・・剣も爪ももうねェ・・・!!そのまま這いつくばってそこで待ってろ・・・!!」
クリスティーナ「・・・ふぅ・・・ダメ・・・ですね。ジェレミー・・・」
ジェレミー「・・・ああ・・・こりゃダメだな・・・」
遂に、フィンがジェレミーとクリスティーナの前に近付いた。
フィン(くそ・・・我ながら情けねェ・・・魔喰人は兎も角・・・人間相手に・・・魔力を集める余力すら残ってねェ・・・これじゃカラスも操る事も・・・)
ジェレミー「おい・・・あんまり調子に乗ってると・・・自分が痛い目見るぜ・・・?」
フィン「コケにしやがって・・・安心しろよ。首捻り落とす位の力はまだあるからよ・・・そうだな・・・まずは女、テメェから殺してやる・・・」
シルビア「セ・・・セシリア姉様・・・クリスティーナ様が・・・!!」
セシリア(指示を出さなきゃ・・・!!撤退か・・・それとも犠牲を覚悟で加勢するか・・・!!クリスティーナ様・・・!!私は・・・どうしたら・・・)
フィン「あばよ!」
クリスティーナの首に、フィンの右手が迫る。するとジェレミーがフィンに挑発する。
ジェレミー「おい石頭・・・俺のような魔喰人、甘く見るなよ?」
フィン「あ?」
すると上空から何かが降って来た。そして・・・
フィン「ガッ!?」
首に降って来た何かが刺さった。
フィン(な・・・何が起こったんだ・・・!?まさか・・・!!)
刺さったのは、ジェレミーの折れた爪だった。
ジェレミー「言っただろ・・・?調子に乗ると痛い目見るって・・・」
フィン(野郎・・・!
再びクリスティーナの首に迫る。
クリスティーナ「ふぅ・・・ダメですよ。剣の使い手に不用意に近付いては。」
すると突然、クリスティーナが持つ何かがフィンの胴体を切り裂いた。
ジェレミー「フッ・・・」
それは、バイブレーションソードと同じ機能を持ったバイブレーションナイフだった。
クリスティーナ「遠距離から攻撃されていたら私の負けでした・・・あなたの犯人は、ムキになって直接命を奪う事に固執し・・・私とジェレミーの間合いに入った事ですよ・・・」
ジェレミー「甘く見たお前の負けだな・・・」
胴体を切り裂かれたフィンが、遂に倒れた。
クリスティーナ(シン・・・結局最後は・・・あなたに助けられましたよ・・・)
心の中でシンに感謝し、力尽きたように倒れた。
兵士達「・・・お・・・うおぉぉ!!!!魔人を!!倒したぞーーーーー!!!!」
ジェレミー、ジークフリード、クリスティーナの活躍により、魔人フィン討伐。フィンの討伐と同時に、魔物カラスの大群が落ちた。
セシリア「クリスティーナ様!!大丈夫ですか!?すぐに治癒魔法をお掛けします!!」
クリスティーナ「セシリア・・・私より・・・ジークは・・・」
セシリア「大丈夫です。カラスに襲撃される瞬間、土魔法で地中に身を隠して負傷を最小限に抑えたようです。重傷ですが、命の心配はありません。それにあの魔人が操作していた魔物達も一斉に動きを止めたようです。」
彼が無事だと告げられ、クリスティーナは笑みを見せた。
ローランド「ジェレミー様!!大丈夫ですか!?」
ジェレミー「ああ・・・今回はちょいとばかし無茶したな。」
身体中の関節を自力で治しながら立ち上がる。
ジェレミー「そうだ。クリス。」
仕舞っていた2つの薬をクリスティーナに投げた。クリスティーナがキャッチした。
ジェレミー「お楽しみの薬だ。もう1つはジークの分だ。飲んで傷と骨を治しとけ。」
クリスティーナ「恩に着ます。」
事態が収束した後。
ジェレミー「そろそろかな?」
ラナ「美味しそう!」
止まった魔物カラスの大群を焚き火で焼いてる。
ジークフリード「・・・よォ。そのナイフまだ持ってやがったんだな。」
クリスティーナ「当然じゃないですか。シンがくれた大事なお守りですよ。・・・ジーク。私、約束・・・守りましたよ。」
ジークフリード「あ?約束?何が?」
覚えていないジークフリードにクリスティーナが怒った。
クリスティーナ「たまには人を褒めるとかしたらどうなんです!?」
シルビア「ホ、ホラ!ジーク先輩!こう言う時くらい・・・ね?」
ジークフリード「・・・・・・・・・・・まぁ、お前にしちゃよくやったよ。」
ジェレミー・ローランド・ラナ「ニヤニヤ♪」
ジークフリード「な、何だよお前ら!」
ジェレミー「普段クリスを褒めないお前にしては、上出来な褒め言葉だったぞ?」
ジークフリード「う、五月蝿ェなぁ!・・・それ、あのカラスの肉か?」
ジェレミー「ああ。魔物カラス共の肉だ。コイツを焼き鳥風にしてみた。モグモグ・・・おぉ!コイツぁ美味い!」
セシリア「一見美味しそうに見えるけど・・・それ魔物だよね?」
ジェレミー「正真正銘の魔物だ。お前らは食うなよ?」
セシリア「いや食べないよ・・・」
他の場所でも、兵士達が魔物や災害級を次々と討伐している。
一方ドミニク率いる部隊は、帝都北側区域の災害級の討伐に急行している。
ドミニク「・・・くそぅ・・・何と言う事だ・・・!!その魔人の言葉が正しければ・・・我々が相手していたのと同じ数の魔物がまだ帝都の近くに・・・く・・・予想はしていたが・・・連合軍の兵は現在どれ位残っている!?」
兵士「全体の把握は出来ていませんが・・・各国共に我が国と状況が同じであれば・・・約半数程かと・・・」
ドミニク(・・・・・戦況は絶望的と言う他ないな・・・だが、帝都の近くにはエミリー君達や衛士隊が応戦に向かっていると聞いている・・・だが向こうの戦況は分からない・・・)
兵士「局長!この辺りから帝都北側区域に入ります!!」
ドミニク「うむぅ・・・よもや戦場からここまで離れた場所に魔物を潜ませていたとは・・・丘の上へ出れば、恐らくその姿を確認出来るはずだ!そこにはエミリー君達や衛士隊が応戦しているはずだ!!気を引き締めよ!!」
北側区域に到着した。
ドミニク「・・・な・・・!?」
だがそこで彼らが目にしたのは、全滅した超災害級の大群の死骸が横たわっている光景だった。
ドミニク「これは・・・魔物が・・・全て死んでいる・・・!?」
兵士「もしかしたら・・・」
ドミニク「ん?あれは・・・!!」
超災害級の死骸に囲まれているエミリー達とタカオとマモルを発見した。
ドミニク「君達!!」
エミリー「ドミニク局長!」
タカオ「ご無事で!」
ドミニク「無事か!?」
ヒナ「はい。何とか。」
イザベラ「皆さんもご無事で何よりです。」
ドミニク「他の衛士隊は何処だ?」
マモル「今別の場所の災害級の討伐へ向かっています。」
ドミニク「そ、そうか。」
兵士「し・・・信じられん光景だな・・・」
兵士「おいこれ・・・殆どが超災害級だぞ・・・」
ドミニク「これを、君達が討伐したのか?」
レア「ああ!凄く手強かったぞ!」
アンナ「ドミニク局長。討伐したのは私達だけじゃありません。」
ドミニク「何?どう言う事だ?」
カサンドラ「彼処を見て下さい。」
ドミニク「!!」
遠くから5人の話し声がする方向を見た。
???「やれやれ・・・流石にちいっとばかし疲れたわい。」
???「全くお前は、無茶も程々にしろと言っただろ。」
???「そうだよ。ハッスルし過ぎなんだよアンタは。ジジィになって力のセーブってのを分かっちゃいない。」
???「はは・・・まぁまぁ。取り敢えず粗方片付いたので、良いではないですか。」
???「今回は大目に見てあげましょうよ。」
ドミニク「あ・・・あ・・・あなた達は・・・!!!!」
その5人の人物の正体は・・・賢者マーリン、導師メリダ、大司祭リチャード、天士レイチェル、剣聖ミッシェル。5人の英雄達だった。
マーリン「む?」
メリダ「ようやく来たかい。ヒヨッコ共。」
???「あれ?もう援護が到着したの?」
ドミニク「?」
そしてもう1人。
ベルゼ「遅いよもう。」
魔人のベルゼだった。
一方別の場所では、ルーパー率いる部隊が山羊の災害級と睨み合っている。
兵士(ようやく終わりが見えて来た・・・そう思ったのに・・・)
兵士(まだこれで半分・・・!?)
兵士(体が・・・重たい・・・動かない・・・)
兵士(気力が・・・保たない・・・)
災害級は残り半分。だがルーパーと兵士達は限界を迎えている。
ルーパー(情けねェ・・・周りを引っ張らなきゃいけねェ立場の俺が・・・声すら出せなくなってやがる・・・頭ん中で想像しちまってんだ・・・連合軍が全滅する未来を・・・この精神的な揺さぶりも、魔人共の策略の内だったのか・・・まぁそんな事、今考えても仕方ねーが・・・)
だがその時、山羊の災害級が突進を始めた。
ルーパー(力を振り絞って体動かせ!ここで死んだら、それこそただの無駄死にだぞ!!)
そう頭の中で叫んで動こうとした時、1人の兵士が剣を手放した。
兵士「・・・はは・・・ダメだ・・・もう・・・」
ルーパー「バ・・・!!」
だがその時、山羊の災害級の頭部が切断された。切断した人物が姿を現す。
ミッシェル「根性が足りとらんなぁ。今の若いのは。」
ルーパー「ま・・・まさか・・・”剣聖”ミッシェル様・・・!?」
イザベラ「皆さん、ご無事ですか?」
戦士達も駆け付けた。
ルーパー「君達・・・!いや・・・待て・・・剣聖様と君達だけじゃない・・・あ・・・あれは・・・」
マーリン「残りの魔物はどんなもんじゃ?」
メリダ「ざっと探知して20から30ってトコかね。」
リチャード「まだまだ大所帯になるな。」
レイチェル「油断は禁物ですね。」
そこに、英雄4人も合流した。
兵士「け・・・”賢者”マーリン様!!」
兵士「それに”導師”メリダ様に”大司祭”リチャード様と”天士”レイチェル様までーーーー!?」
ルーパー「・・・な、何でここに・・・」
ドミニク「もう心配いらんぞルーパー。」
ルーパー「っ!ドミニク・・・」
ドミニクも合流した。
数分前。
ミッシェル『おうドミニク。』
ドミニク『ミ・・・ミッシェル様・・・この魔物は・・・まさか・・・』
マーリン『元々はワシらも連合軍の加勢に入るつもりだったんじゃがの。事前にどうにも怪しい魔力の集合を感じ取ってのう。先にそちらに足を運んだら、この数の魔物を彼女達が奮闘しているのを目撃してな。苦戦しているのを見て加勢に入ったんじゃ。どうせ魔人の手先に違いないし・・・まぁ流れで潰しておいたってワケじゃ。』
ドミニク『な・・・流れで・・って、この数を・・・!?それに我々は・・・誰1人としてこんな離れた場所の魔力は察知出来なかったのに・・・』
エミリー『おいベルゼ。そろそろ聞かせて貰おうか。』
ドミニク『?』
エミリー『私達を手助けする理由を。』
ベルゼ『手助けねぇ。私はアイツらに借りを返そうと思ってね。』
イザベラ『借り?どう言う事ですか?』
ベルゼ『コレよ。』
自分の首元を見せた。
ヒナ『それは・・・!』
痣が首元まで侵食していた。
ベルゼ『私にこんな仕打ちをした奴が魔人達の中に居てね。ソイツに借りを返す為にあなた達に協力したって訳。』
カサンドラ『じゃあ、今は私達の味方って事ですか?』
ベルゼ『そう思ってて貰えれば良いよ。じゃあ私、そろそろ行くから。』
レア『何処へ行くんだ?』
ベルゼ『帝城の方。じゃあね。』
彼女は帝城へ向かった。
メリダ『・・・で、連合軍の方は?片付きそうなのかい?』
ドミニク『え・・・あ・・・後1歩と言う所ではありますが・・・苦戦しております。』
マーリン『・・・フム。ではそちらに行くとするかの。』
リチャード『急ごう。』
そして現在。
ルーパー「ご・・・5人でこの規模と同様の魔物をあの子達より多く・・・おま・・・それ・・・つまりあの5人の力は連合軍の総力に匹敵するって事じゃねェか・・・!?」
ドミニク「恐ろしい事にな。」
兵士達は5人の英雄に呆然としている。
メリダ「やれやれ。シケたツラしてるねぇどいつもこいつも。今にも心折れそうな様相でさ。ったく・・・」
深呼吸して、兵士達に叫んだ。
メリダ「アンタ達気合い入れなぁ!!!他で待機してた魔物共は私らが片付けた!!残すはアンタらの目の前に居るそいつらのみだよ!!!」
兵士達「・・・・!!!」
ミッシェル「アルティメット・マジシャンズは・・・後ミランダは、必ずや魔人達を殲滅させる!!彼らがここへ戻って来た時に!!そんな顔で出迎えるつもりか!!」
リチャード「今この瞬間がチャンスだ!!」
レイチェル「あなた達の力を見せる時です!!」
兵士「そ・・・そうだ・・・殿下や御使い様や超古代の戦士様が相手しているのは・・・魔物なんかよりもっと恐ろしい相手・・・」
兵士「我々が不甲斐ない様など見せる訳にはいかない・・・!!」
兵士「ましてや残る魔物がここに居るのみとなれば・・・!!」
ミッシェル「ささ。マーリン殿も何か一言。」
マーリン「ワシゃ別にいいわい。」
リチャード「私も言ったんだ。お前も何か言え。」
マーリン「・・・・・え〜〜〜〜・・・・と。まぁその・・・アレじゃ。そろそろ終わらせるとするかの。力を合わせて。」
この言葉に、兵士達の士気が一瞬で湧き上がった。
リチャード「マーリン、私はそろそろ行かなくては。」
マーリン「分かった。気を付けろよ。」
リチャード「ああ。レイチェル、後は頼む。」
レイチェル「はい。」
ゲートを開いたリチャードが何処かへ転移した。
エドガー「何!?賢者様と導師様、大司祭様に天士様が・・・!?」
ガラン「へっ・・・生ける伝説が現れたとあっちゃ・・・恥さらす訳にゃいかねェなぁ!」
ベーカー「マジかいな!!そら生き残って挨拶行っとかな!!」
タカオ「エミリー殿、背中をお預けします。」
エミリー「頼むぞタカオ。」
マモル「ヒナさん、全力で援護します。」
ヒナ「ありがとうございます。マモルさん。」
レア「よっしゃ!行くぞアンナ!イザベラ!カサンドラ!」
アンナ・イザベラ・カサンドラ「はい!!」
ドミニク「実力や現状がどうと言う以前の話・・・『彼ら』の存在は・・・我々に立ち上がる勇気と気力を与えてくれる。」
ルーパー「ああ。・・・ドミニク・・・確かにおめェの言った通りだ。」
エミリー達戦士と、英雄達が残りの魔物を討伐する。
ルーパー「もう何も心配はねぇ。」
帝都・教会。
マナミア「これで大丈夫ですよ。」
ミランダ「ありがとうございます・・・マナミア様・・・」
負傷したミランダの腕を包帯で巻いてあげた。
ミランダ「申し訳ありません・・・私が調子に乗ったばっかりに・・・」
マナミア「いいえ。あなたは騎士学院の誇りです。もっと胸を張って下さい。」
ミランダ「・・・・・」
マリア「マナミア様。ミランダに甘過ぎなのでは?」
マナミア「マリア。褒める時に褒めるのが人間です。懸命に戦った彼女を労いもしないのはあんまりです。」
マリア「それはそうかも・・・」
マナミア「さて、そろそろ皆さんと合流しましょう。」
すると背後から、何かが接近し始めた。
ミランダ「ん?マリア後ろ!」
マリア「え?うわあっ!?」
足を掴まれ逆さ吊りにされてしまった。
ミランダ・マナミア「マリア!!」
マリア「いいっ!?」
足を掴んだのは、大蛇の魔物の尻尾だった。
ミランダ「大蛇!?」
マナミア「恐らくここに流れて来たんでしょう!マリア!今助けます!」
だがその時、1つの影が現れ、マリアを捕まえた大蛇の首を斬り落とした。
マリア「ぐっ!いたた・・・」
解放されたマリアが地面にお尻を打って痛がる。
ミランダ「マリア!大丈夫!?」
マリア「え、ええ・・・」
マナミア「あ、あなたは!」
マリアを助けた影の人物。それは・・・
アズマ「無事か。マリア。」
マリア「アズマ!?」
衛士隊隊長のアズマだった。
マリア「え!?外で魔物達と戦ってたんじゃ!?」
アズマ「シイナ達が持ち場を引き受けてくれてな。それに俺には、守るべき人を守る義務があるってな。」
マリア「アズマ・・・」
アズマ「マリア。お前は俺の大切な人だ。一緒に戦ってくれるか?」
マリア「・・・ええ!」
マナミア「青春ですね〜。」
ミランダ「私も運命の人が欲しいなぁ・・・」
帝城。
実体のない存在「英雄達が加勢に入ったか。余計な事をしてくれる。」
シュトローム「どうやら・・・戦局はこちらが有利になりそうだ・・・彼らは必ず戦いを終わらせてくれる・・・」
磔にされているシュトロームが実体のない存在に言った。
実体のない存在「そう言っていられるのも、今の内だ。お前には最後の手駒として働いて貰う。」
同じ頃、帝城前では。
フェオン「遂にここまで来たのね。」
タクト「ああ、行くぞ。」
城の門が開いた。
帝城に乗り込み、最後の魔人達と戦うアルティメット・マジシャンズ。魔人ローレンスは譲れない誇りを懸けてシンとアウグストと対峙する。