ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS 作:naogran
今回の魔人は、過去に現れアールスハイドを恐怖のどん底に陥れた魔人と違い、一国だけなく世界中に恐怖を撒き散らした。
ブルースフィア帝国と言う強大で巨大な国を瞬く間に殲滅してしまった魔人達に、世界中の人々は絶望すら感じていた。
次は自分達の国ではないかと。
実際、帝国を討ち滅ぼした魔人達は次の目標としてスイード王国に攻め入った。
スイード王国の人間達は、やはりと言う思いと、何故自分達の国がと言う絶望した気分に陥った。
だが、スイード王国が魔人達に蹂躙されようとしていたその時、世界に希望の光が差した。
超古代の戦士ウルトラマンティガを受け継いだ男タクト=クリスティ。
そして、嘗て魔人を討伐した、賢者マーリン=ウォルフォード。
その孫であるシン=ウォルフォードが仲間を引き連れてスイードに救援に駆け付けたのだ。
瞬く間に魔人達を討伐したタクトとシンは、その日を境に人類の希望となった。
そして、帝国の周辺国、大国であるエルス自由商業連合国、イース神聖国との世界初の連合を組み魔人達に対抗。
魔人領攻略作戦や、魔人との最終決戦を乗り越え、遂に魔人達を討伐した。
所が、世界中に絶望を陥れた元凶は、世界の裏で暗躍していた魔術師ドグラマグマだった。
ドグラマグマは、オリベイラ=フォン=ストラディウスをオリバー=シュトロームへと魔人化させて彼を利用し、世界中を破壊しようと計画していた。
しかし、ウルトラマンティガとアルティメット・マジシャンズの活躍によりドグラマグマは跡形もなく消滅を遂げた。
人々はこの乱戦を『魔人王戦役』と呼び、その戦いに終止符を打ったタクト達アルティメット・マジシャンズは、文字通り救世の英雄となった。
そして、その魔人王戦役から2ヶ月。彼等は、訪れた平和を享受していた。
第54話「封印されし者」
魔人王戦役終戦から2ヶ月後。海を征く1隻の船。その船にエリザベートが乗船していた。
エリザベート「・・・」
???「具合が悪いですか?」
エリザベート「ディランさん・・・」
声を掛けたこの男性は、歴史調査団員のディラン=ニコルソン。
エリザベート「えぇ。少し目眩が。」
ディラン「私も世界中を調査し回りましたが、船に乗っての調査は初めてです。」
エリザベート「そうですか。」
ディラン「すみませんエリザベート様。本当は殿下も参加予定だったのですが、予定が被って・・・」
エリザベート「いえ。気にしないで下さい。」
ディラン「あ、見えましたよ。セレファイスです。」
古代遺跡・セレファイス。それは、ウルトラマンティガにドグラーフが倒された1年後に突如出現した絶島。
セレファイスに上陸。
団員「クワトロ団長。準備が整いました。」
クワトロ「よし。これより遺跡に入る。エリザベート様。」
調査団長のクワトロ。
エリザベート「はい。」
遺跡に入って行く。
遺跡内。魔法兵士がライトを照らす。
エリザベート「嫌な空気を感じますね。」
ディラン「えぇ。」
慎重に遺跡の奥へと進む。
クワトロ「ん?」
遺跡の奥に階段があった。
クワトロ「この奥だ。行くぞ。」
調査団「はい!」
階段を上って奥へ進むと、巨大な壁があった。
クワトロ「間違いない。この壁の奥だ。」
エリザベート「・・・・・」
早速魔法兵士達が、壁を魔法で掘削し始める。
エリザベート「・・・・・?」
そんな中、エリザベートが何かを感じた。
ディラン「エリザベート様?」
調査団員「団長。そろそろ開きます。」
クワトロ「よし。このまま掘削しろ。」
エリザベート「ッ!!ダメ!ここを開けてはいけません!!」
ディラン「エリザベート様?どうかされました?」
外では、落雷が起きていた。
掘削し続け、遂に壁が崩れて道が現れた。
クワトロ「よし、行くぞ!」
遺跡の最深部。そこには、500年前に世界を支配した6つの罪深き女神達の石像があった。
クワトロ「伝説として伝えられた6つの罪深き女神達の石像・・・ここに封印されていたのか・・・」
エリザベート「あれが・・・罪深き・・・女神達・・・」
一方タクトは、真っ白な空間に佇んでいた。
タクト「・・・・ん?ここは・・・?」
???「見付けたわ。」
タクト「!?」
彼の前に、6人の少女が現れた。
???「フフッ♪」
1人の少女が黒い煙を吹かせ、タクトを苦しめた。
タクト「ウアアアアアアア!!!」
黒い煙を受けたタクトが絶叫する。
タクト「ハッ!!」
しかしこれはタクトの夢。彼は無事だった。
フェオン「タクト?」
タクト「フェオン・・・」
フェオン「どうしたの?」
タクト「すまない・・・ちょっと怖い夢見てて・・・」
フェオン「大丈夫?」
タクト「あぁ。」
フェオン「わあああ!」
タクトとフェオンはアールスハイド王国郊外を旅している。
フェオン「気持ち良い風ね〜!ルシア見て?綺麗だよ?」
ルシア朝焼けを見て微笑んだ。
フェオン「ねぇ、アールスハイドに帰るの延期する?」
タクト「おいそりゃないだろ。俺達は来月から世界中に遺ってる力を倒す旅に出るんだし。」
フェオン「冗談♪」
タクト「フェオン!何でそんな冗談なんか言うんだよ!」
フェオン「アハハハ!」
しばらくして、夜明けが来た。
フェオン「また朝が来たね。」
タクト「今日と言う未来。全ての命を育む光だ。」
フェオン「ええ。」
同じ頃セレファイスでは、クワトロ調査団が石像を運び出そうとしていた。
エリザベート「クワトロ団長!私達は聞いていませんわ!」
ディラン「石像を運び出すなんて何を考えているんだ!」
クワトロ「私は上からそう指示されているだけです。」
調査団「団長。」
クワトロ「ん?失礼。」
ディラン「・・・」
懐から、小さな魔道具を出した。
エリザベート「それは?」
ディラン「爆弾です。これでこの島を。」
爆弾を投げようとした時。
クワトロ「何をしている!」
ディラン「見て分からぬか!ここを爆破するんだ!」
クワトロ「その爆弾を放せ!それが爆破すればこの空洞ごと吹き飛ぶぞ!」
エリザベート「構いません!石像は永遠に封印すべきものです!手遅れになる前に!」
だが、魔法兵士達がエリザベートとディランを囲んだ。
クワトロ「それを渡せ。計画は既に動き出しているんだ。もう後戻りは出来ないんだ。」
ディラン「・・・」
爆弾をゆっくりと置いた。
ディラン「お前達も知っているはずだ!人が無闇に神の力を手にすれば、己自身を滅ぼすと!」
クワトロ「確かに神の力は人間には遠い力!だがそれは、充分な準備が整っていなかっただけだ!」
ディラン「屁理屈を・・・!」
エリザベート・ディラン「・・・ッ?」
罪深き女神達が、封印が解かれてしまった。
クワトロ「あなた達王族と調査団員なら、もっと信頼するべきですよ。」
エリザベート「・・・逃げて・・・」
クワトロ「アールスハイド王国の魔法と人間の叡智を。」
エリザベート「逃げて!!!!」
ディラン「逃げろ!!!!」
全員「!?」
フルーフ「ふあぁ〜。やっと動ける〜。」
デスペランサ「アハハ♪ねぇ見て?人間だよ?」
クワトロ「そ、そんな馬鹿な!?」
フージョ「邪魔な人間共ね。消えなさい!!」
ファハラ「消えろ消えろ〜!」
封印が解かれた女神達が、魔法を使って暴れ始めた。
調査団「うわあああああああ!!!」
女神達から逃げるクワトロ調査団。
ハサド「逃げても無駄だ。」
フージョ「あなた達!起きなさい♪」
両手を広げると、地面から2つの巨人の石像が出現した。その石像に闇が注がれると封印が解かれ動き出した。
フージョ「グロース♪グラーキ♪出番だよ♪」
グロース「お?人間共か。」
剛力紳使グロース。
グラーキ「殺し甲斐がありそうだな!」
俊敏神使グラーキ。
グラーキ「逃がさん!」
調査団員「うわあああああああ!!!」
1人の団員を踏み潰した。
グロース「・・・・」
調査団員「あ・・・ああ・・・うわああああーーーー!!」
グロースに摘まれた団員が捨てられた。
エリザベート「・・・・!」
ディラン「エリザベート様!こっち!」
別方向へ逃げる2人。
グロース「フンッ!!」
巨岩を持ち上げたグロースが投げた。
団員2人「うああああああああ!!!」
巨岩が調査団員2人を潰した。
エリザベート「きゃああああ!!」
巨岩が落ちた反動で、エリザベートが飛ばされた。
エリザベート「あ・・・」
飛ばされたエリザベートが倒れて気絶した。
ディラン「エリザベート様!!」
ラージュ「人間共も大した事ないわね。」
フージョ「昔と変わらないみたいだね♪」
空洞の奥の壁が崩れ、そこにあったのは神子ルーチェの石像だった。ルーチェの石像が光となって気絶したエリザベートに憑依して立ち上がった。
ディラン「エリザベート・・・様・・・?」
ルーチェ「いいえディラン。私はルーチェ。今は彼女の身体を借りている。」
ディラン「憑依・・・?」
グロース「フンッ!」
グラーキ「ヤァッ!」
壁を破壊して穴を作った。
ハサド「あなた達、行きなさい。」
その穴から、スライムの姿をした黒く触手が生えた眷属ショゴスの大群が現れて逃げたクワトロとクワトロ調査団の生き残りを襲わせた。クワトロ調査団はショゴスによって壊滅してしまった。
ラージュ「アハハハハハハハ!!」
ルーチェ「っ。」
彼女の両手から発する光が、セレファイス全体に結界を展開した。ショゴスが島の外を出ようとしたが、ルーチェが展開した結界で出られない。
ルーチェ「・・・・」
エリザベートからルーチェが消え、エリザベートの身体が倒れた。
ディラン「エリザベート様・・・!」
女神達が何処かへ姿を消した。
ディラン「・・・・・」
取り残されたエリザベートとディランの運命は。