ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS 作:naogran
ツスト王国から少し離れた森林。
イザベラ「もぉー、解ってるってばぁ。」
フェオン「解ってる解ってるって言って、アンタちっともやらないじゃないの。」
イザベラ「今やろうと思ってたのに、お姉ちゃんがそうやって言ってくるからでしょー。」
不機嫌になりながら食器の片付けに行く。
フェオン「全くもう・・・」
グレア「珍しいね。イザベラがあんなに不機嫌になるなんて。」
フェオン「最近ルシアに甘えてばっかりなのよ。少しは皆の手伝いをしてあげないと。」
するとイザベラが怒りながら戻って来た。
イザベラ「ちょっとお姉ちゃん!?また私のスカート勝手に干したの!?」
フェオン「あぁ、だって洗濯したばかりだし・・・」
イザベラ「何でそう言う事するのぉーーーー!!」
フェオン「だからぁ・・・ちゃんと洗濯して干さないと綺麗にならないでしょ?」
イザベラ「それはそうだけど・・・え?ちょっと待って。ポケットの中の手帳見たの・・・?」
フェオン「ん?見てないわよ?恋のおまじないのメモなんて全然・・・見てな・・・プックク・・・ご、ごめん。」
イザベラ「もぉおおおーーーーーー!!お姉ちゃんはぁああーーーーー!!!」
タクト「なぁに騒いでんだ2人共?姉妹喧嘩なんてはしたないぞ?」
イザベラ「タクトさん!お姉ちゃんが勝手に!」
フェオン「いや、イザベラも悪いのよ!?自分の物は自分で管理しないとダメじゃない!」
イザベラ「だからって勝手にやらないでよ!!」
フェオン「いや私は姉として当然の事をしただけよ!?」
イザベラ「〜〜〜〜〜!お姉ちゃんのバカぁあーーー!!もう大っ嫌い!!」
完全に怒ったイザベラは森の奥へ行ってしまった。
フェオン「イザベラ!待ちなさい!」
タクト「俺が行く。皆はここで待ってろ。」
森へ行ってしまったイザベラをタクトが追う。
レナード「いつも仲良しの2人が喧嘩なんて珍しいね。」
エイダ「でもフェオン。デリカシーがないのはダメだよ?」
フェオン「解ってるわよ・・・でもあの子管理があまりなってないから・・・」
ローラ「でもフェオンさん。お母さんみたいな言動はイザベラの為になってないですよ?」
フェオン「誰がお母さんよ!あ、もうお母さんか。」
ルシア「イザベラ叔母さん・・・」
一方イザベラは、森を抜けた川沿いで座ってはぶてていた。
イザベラ「うぅ〜・・・お姉ちゃんは本当に・・・」
タクト「イザベラ。」
そこにタクトがやって来た。
イザベラ「タクトさん・・・」
はぶてるイザベラの横に座る。
タクト「気にすんなよ。フェオンも悪気があって言った訳じゃないから。」
イザベラ「お姉ちゃんは本当解ってないんです・・・いっつも、あれしなさい、これしなさいって。私、もう子供じゃないのに・・・」
タクト「まあお前も大人だもんな。」
イザベラ「そりゃあ、お姉ちゃんにとって、ずっと私は妹なんだろうけど、もう19歳なんですよ・・・なのにお姉ちゃんは、私の事信用してない・・・」
タクト「・・・イザベラ、今から戻ろうか?フェオンや皆が心配してると思うぞ。」
イザベラ「嫌です。今はお姉ちゃんの顔、見たくないし・・・」
タクト「なぁイザベラ、あんな事言っちゃったお前だけど、本当はフェオンの事嫌いなんかじゃないよな?さっきの喧嘩は、お前の理由なき反抗期だと俺は思う。つまり、お前がまた一段と成長した証だよ。」
イザベラ「理由はあります!お姉ちゃんが・・・口五月蝿いから。」
タクト「フフッ。」
イザベラ「笑わないで下さい!!」
タクト「ごめんごめん。可笑しくて笑ったんじゃなくて、羨ましいな〜って思って笑ったんだ。」
イザベラ「羨ましい?何処がですか!」
タクト「だってよ、俺や皆には、そうやって気持ちをぶつける相手が居ないからだよ。」
イザベラ「え・・・・」
タクト「お前は気付いてないと思うけど、俺達は主観では家族が居ないんだ。エイダはゼオラ、レナードはアルバス、ルシアは俺とフェオンやイザベラが居るけど。けど俺達はフェオンとイザベラと違って親兄弟が居ない。だから自分の気持ちを受け止めてくれる家族が居ないんだ。」
イザベラ「そうでした・・・過去で家族を失った人も居るのに・・・私、何も考えずに。自分には戦士のお姉ちゃんや義兄のタクトさんや姪っ子のルシアちゃんが居て恵まれてる立場なのに、それに甘えてました・・・タクトさん・・・私の我儘な感情に巻き込んでしまって・・・ごめんなさい・・・」
タクト「気にすんなよ。俺、お前とフェオンのやりとり結構好きだし。それに、喧嘩してもちゃんとお互いを想い合ってるの、見れば解るからな。フェオンは妹のお前の事が大切なんだ。姉が妹を想うのは当たり前なんだし。」
イザベラ「・・・・はい。」
タクト「まぁ過保護過ぎる一面は玉に瑕だからな。けど、それも深い愛情の1つとも言える。」
イザベラ「愛情・・・」
立ち上がったタクト。イザベラに笑顔を向ける。
タクト「さっ、俺と一緒に戻ろう。フェオンが心配してるぞ?」
イザベラ「タクトさん・・・」
タクト「無理に仲良くしろだなんて言わない。けどちゃんと対話する事は必要だ。な?」
イザベラ「・・・はぃ。」
立ち上がったイザベラ。すると。
???「良い素材見付けました。」
イザベラ「え?」
タクト「ん?イザベラ、何か聞こえなかった?」
イザベラ「ええ、確かに・・・」
???「あなた達を貰いますよ!」
タクト・イザベラ「ッ!?」
突如、タクトとイザベラが見えない力に掴まれてしまった。
イザベラ「う、ううっ・・・!!」
タクト「何だ、これは・・・!?ッ!!」
咄嗟にタクトがマリッジリングを落とした。そして2人は見えない力によって消えてしまった。
その頃。何も知らないフェオン達は。
レナード「タクト説得してるかな?グレア、ティオ。タクトとイザベラを迎えに行ってくれる?」
グレア「任せて!」
ティオ「行って来るよ!」
2人はタクトとイザベラを迎えに行った。
エイダ「ま、何にせよ、フェオンもそろそろ妹離れして良い年頃よね。」
ミウ「そうね。確かに何時迄も子供扱いされたんじゃ、イザベラさんもたまらないわ。」
ゼオラ「お前もお姉ちゃんなんだから、妹の成長を見届ける義務がある。」
フェオン「そんなの・・・ダメ。」
エイダ「何で!?」
レナード「それが続いたんじゃイザベラが可哀想だよ!」
ゼオラ「落ち着け2人共。どうしてダメなのか教えてくれるか?」
フェオン「・・・私とイザベラには2年の差があるの。って事はさ・・・私にある2年分の両親との思い出がイザベラには2年分・・・欠けてるのよ。」
ジェシー・ローラ・シア「あ・・・」
リナ「そっか・・・イザベラさんはご両親と過ごした事ないんですものね・・・」
フェオン「そう。それってあんまりだと思わない?だから、両親が亡くなった時に誓ったの。私がイザベラに、両親に負けない位沢山・・・愛情を注ごうって。」
ドロレス「でもフェオンとイザベラは、ティエンフを親として甘えてたって聞いてるわよ。」
フェオン「ティエンフ様は皆を本当の娘として面倒見てくれてた親代わりなの。でも本当の両親の記憶が欠けてるのよイザベラは。」
ドロレス「ごめんなさい。野暮だったかしら・・・」
フェオン「ううん。ドロシーが言ってる事は事実に変わりないわ。だから、さっきはショックだったけど、反抗期って言われて、少しホッとした。普通なら親に向く物を私に・・・私にぶつけるって事はよ?あの子が今でも真っ直ぐ育ってる証拠だもんね!アハハハ。」
スズ「な、何と言う深い愛情・・・私、感動で涙が止まりません・・・」
エイダ「うんうん・・・美しい愛情だね・・・!」
イングリット「だが・・・それでフェオンはどうなる?イザベラの感情を受け止めてばかりのフェオンは・・・」
ジリオラ「そうよね。フェオンさんだって誰かに寄り掛かって甘えても良いはずよ?」
フェオン「いや、私は良いんだって。それ言ったら皆だってそうでしょ?親を失って・・・今こうして共に旅してる訳だし・・・」
ルシア「お母さん!私にはお母さんが居るの!」
フェオン「へ・・・え・・・?」
ジェシー「そうですよ!フェオンさんは私達のお母さんみたいなものですから!」
フェオン「ちょっ!?だ〜か〜ら〜嬉しくないっつーの!!私はルシアの母親なだけで皆のお母さんって訳じゃないのよ!?」
ルシア「でもお母さん。皆を優しく見守ってくれてるよ?それって、お姉ちゃん達から信頼されてるって事だよ!」
フェオン「ルシア・・・」
ルシア「お母さんも、お父さんやエイダお姉ちゃんやゼオラお姉ちゃん、レナードお兄ちゃんに甘えて良いんだよ?勿論!私にもね?」
フェオン「ルシアぁ・・・!!」
自分を励ましてくれたルシアを抱き締めた。
フェオン「そうよね!ありがとうルシア!流石私の娘ねー!」
アンナ「今度はルシアちゃん離れが来そうな予感・・・」
ゼオラ「今はそうさせてやれ。」
グレア・ティオ「皆ー!」
そこにグレアとティオが戻って来た。
レア「お!戻って来たか・・・って、タクトとイザベラはどうしたんだ?」
グレア「それが何処にも居ないんだよ!!」
ティオ「周囲を探したけど姿がなくて!!」
全員「え・・・!?」
皆が周辺を捜索する。
フェオン「タクトぉー!イザベラぁー!」
シア「何処に居るんですかー!?」
ダイアナ「居たら返事して下さーい!」
だが懸命に捜索したが、何処にも居なかった。
川沿いで合流した。
ユリア「お2人は見付かりましたの!?」
パドメ「いえ、何処にも居ません・・・」
ルリ「一体何処へ行ったって言うのかしら・・・」
エミリー「まさか、2人で逃避行を起こしたのか!?」
ヒナ「それは有り得ませんよ!タクトさんとイザベラさんにとって!」
フェオン「逃避行・・・!?許せない・・・許せないわ!!!」
怒りが燃え上がったフェオン。
カサンドラ「何か手掛かりがあれば・・・ん?皆さんコレ!」
川沿いに落ちてあったのは、タクトが意図的に落としたマリッジリングだった。
フェオン「マリッジリング・・・まさかタクトがイザベラと本当に逃避行したって言うの!?」
レア「だったら早く2人を見付けてとっちめないとな!」
レナード「いや、2人は逃げてないよ。見てこの足跡。」
草木にある足跡を見る。
レナード「多分タクトとイザベラの足跡だよ。ここからずっと動いてないとすれば、多分何かに攫われたか消されたと思う。」
フェオン「そんな・・・」
レナード「エイダ。ゼオラ。川の水を使って足跡から残留思念を具現化させて。」
ゼオラ「分かったわ。」
エイダ「任せて。」
ゼオラ・エイダ「ーーーーーーーーー。」
詠唱を唱えると、川の水がタクトとイザベラの残留思念を具現化させた。するとタクトとイザベラが見えない何かに掴まれている姿が具現化された。
フェオン「これって・・・!?」
ローラ「何かに・・・掴まれてる・・・」
スズ「あ、消えた・・・!」
ゼオラ・エイダ「・・・・!」
その頃、何者かに攫われたタクトとイザベラは、謎の館で倒れていた。
”ーーーーーーーー”
タクト「うっ・・・ううっ・・・」
謎の音で目覚めたタクトがゆっくりと体を起こす。
タクト「ここは・・・あ!イザベラ!」
隣に仰向けに倒れてるイザベラを揺する。
タクト「イザベラ!しっかりしろ!」
イザベラ「・・・っ・・・タクト・・・さん・・・?」
目が覚めたイザベラがゆっくりと上半身を起こす。
タクト「良かった。怪我はないか?」
イザベラ「はい。ここは何処なんですか?」
タクト「何処かの館の中みたいだな。立てるか?」
イザベラ「はい。」
2人が立ち上がる。
タクト「さて、ここからどうする?館となると、入口から脱出するのが先決だ。」
イザベラ「ですね。」
タクト「まずは入口を探さねえと。」
館1階。エントランス。
タクト「あった入口。」
入口のドアを開けて出ようとするが。
タクト「あ、あれ?出れねえ!?」
イザベラ「タクトさん!窓からも出られません!」
タクト「窓も!?見えない結界が張られてる・・・俺達・・・ここから出られないのか!?」
???『その通りです!あなた達2人はここから出る事は不可能です!』
イザベラ「この声はあの時の・・・!?」
タクト「誰だ!姿を現せ!」
???『五月蝿いな。私達に命令するなよ。』
タクト「違う声?まだ他に居るのか!?」
???『ええ。私達は8人居ます。』
イザベラ「8人!?」
???『俺様達に惑わされてるみたいです!』
???『このまま姿を現さないと2人が可哀想っす。』
タクト「おい!いい加減姿を見せろ!」
???『そんなに慌てなくてもすぐ出るよ。』
すると、8つの光の球が現れた。
タクト「イザベラ下がってろ。」
8つの光の球がそれぞれ人の形になって床に降り立った。
タクト「女の子・・・?」
イーラ「私達は、八つの枢要罪。」
タクト「八つの枢要罪?その8人が俺達をどうしようって言うんだ?」
イザベラ「まさか、私達を拷問するつもりなのでは・・・?」
タクト「もしそうだとしたら、俺だけにしろ。彼女には手を出すな。」
グリード「その子はあなたの仲間?」
タクト「そうだ仲間だ。そして俺の義妹だ。仲間に手を出すって言うのなら、俺が許さねえ。」
エンヴィー「プライド、この男かなりやり手だぞ?」
プライド「ふむふむ。ご安心下さい。私達はあなた達の命は取りませんから。」
イザベラ「それってどう言う事ですか?」
タクト「命を取らないって言うなら、お前達は俺達をどうするつもりだ?」
イーラ「落ち着いて下さい。私達に付いて来れば解ります。」
タクト「・・・イザベラ、どうする?」
イザベラ「何を企んでるか解りませんが、ここは従うしかありません。」
タクト「みたいだな。解った。お前達の言葉に従おう。んで、何処へ連れて行くんだ?」
ヴェニティ「こっちです!」
8人に付いて行くタクトとイザベラ。タクトはイザベラの手に指点字で話す。
タクト『危なそうになったらお前だけ逃げろ。俺の事は心配するな。』
イザベラ(タクトさん・・・)
付いて来られた場所は・・・
タクト・イザベラ「・・・・・」
大浴場だった。タクトの両手にはデッキブラシとバケツ。イザベラの両手には雑巾とバケツ。
タクト「・・・おい、何だこれは?」
プライド「何って大浴場ですよ?」
タクト「そうじゃなくて!何で俺達は掃除道具持たされてるんだって話!」
プライド「お2人はこの大浴場の掃除をさせてあげようかと。」
タクト「お前らまさか・・・掃除させる為にここへ拉致したのか!?」
スロウス「見ろ。壁と床に汚れがびっしりあるだろ?あれは毎日汚染されてるから僕達だけじゃ到底無理だよ。」
イザベラ「どうしてですか?8人居るのに分かれて掃除すればすぐ終わりますのに。」
ヴェニティ「自分達には野暮があるっすよ。」
イザベラ「野暮って?」
プライド「それでは頑張って綺麗にして下さいね!あ、窓を開けて換気しながらですよ?」
そう言うと8人が消えた。
タクト「あ、おい!!・・・ったく、身構えてた俺が恥ずかしいわ。」
イザベラ「どうしますタクトさん?」
タクト「多分大浴場が綺麗になったら俺達を解放してくれるかも知れない。郷に入っては郷に従う。掃除を始めよう。まずは窓を開けて換気しよう。」
一方フェオン達は。
フェオン「タクト・・・イザベラ・・・何処へ攫われたのよぉ・・・」
エイダ「凄く落ち込んでる・・・」
ゼオラ「気持ち分かるわぁ・・・」
レナード「フェオンの気持ち、僕達も解るよ。それでゼオラ、エイダ。2人は何処へ攫われたか解る?」
エイダ「う〜ん・・・サマラの力も借りて残留思念を探ってるんだけど・・・この辺りには居ないみたい。」
ローラ「もしかしたら、もっと遠くへ攫われたとか?」
ゼオラ「その可能性を含めて探ってるんだが・・・ダメだ、私達だけの力じゃ解らない。ヒナ、シア。2人の力、私達に貸してくれないか?」
ヒナ・シア「はい!ーーーーーーー。」
2人はゼオラとエイダとサマラに詠唱で魔法を貸してあげる。
エイダ「お願い・・・何か引っ掛かって・・・!!」
すると、頭の中で一瞬の光が灯った。
エイダ「あ!見付けた!」
フェオン「え?何処!?」
ゼオラ「ここから西に500メートルにある館だ!」
フェオン「そこに2人が!?皆!急いで出発するわよ!」
館・大浴場。
タクト「・・・・・・・」
イザベラ「・・・・・・」
頑張って掃除しているタクトとイザベラだが。
イザベラ「ううぅぅ・・・汚れが全然落ちない・・・」
タクト「・・・・だあもう!デッキブラシと水だけで汚れが落ちる訳ねぇよ!こうなったら!」
異空間収納からロープを取り出し、両橋に能力を付与した。
タクト「イザベラ。こっちの先端を蛇口に付けてくれ。」
イザベラ「え?は、はい。」
能力が付与された先端を蛇口に付けた。
タクト「そのまま蛇口を全開まで捻ってくれ。」
蛇口を全開まで開ける。
イザベラ「これで良いですか?」
タクト「OK。そして持ってるこっちを。」
持ってるロープの端を捻ると、横長い水が勢いよく噴射した。
タクト「よし良い感じだ。」
その水で汚れに当てると、一瞬で綺麗になった。
イザベラ「凄い!汚れがすぐに落ちました!」
タクト「高圧洗浄って言うんだ。噴射した水の圧力で汚れを落とす洗浄方法だ。このまま綺麗にしてやる。」
即席高圧洗浄で大浴場の汚れを余す事なく綺麗にする。
タクト「ん?排水溝結構頑固だな・・・」
30分後。
タクト「ふぅ〜。ようやく終わった。」
イザベラ「凄い!水圧だけでピカピカになりましたよ!」
大浴場は汚れが1個もないピカピカに輝いている。
タクト「これで大浴場の掃除は完了だ。」
ロープを外して異空間収納に仕舞う。
タクト「じゃあ彼奴らを探しに行くか。」
イザベラ「はい。」
”ーーーーーーー”
タクト「ん?」
大浴場から謎の音を聞いた。
イザベラ「どうかしました?」
タクト「さっきの音だ・・・なぁ、何か音聞こえなかった?」
イザベラ「音ですか?いえ、何も。」
タクト「気のせいか。」
そう自分を納得させ大浴場を去った。
館中を回る2人。枢要罪の少女達は一向に姿を現さない。
タクト「おーい!何処に居るんだー!大浴場の掃除終わったぞー!・・・気配は?」
イザベラ「・・・感じないです。」
タクト「彼奴ら・・・掃除してる間に何処かで遊んでるな?」
イザベラ「そうなったら、私達を解放するのは時間の問題ですね。」
タクト「早くここから抜け出して、フェオンと仲直りしないとな。」
イザベラ「あ・・・・・」
タクト「ん?どうした?」
イザベラ「お姉ちゃん・・・急に居なくなって怒ってるか不安で・・・」
タクト「まあ、そこは俺も一緒に謝るから。」
プライド「あ、見付けました!」
そこに枢要罪の8人が姿を現した。
タクト「おい大浴場の掃除終わったぞ。何で出て来なかったんだ?」
エンヴィー「私達さっき大浴場に行ってたぞ。お前達が居なかった。」
タクト「はえ?」
スロウス「待ってたら次の依頼すぐ頼んでたのに。」
ヴェニティ「急に居なくなったから心配したよ。」
タクト「それは悪かった。ってか、来るって聞かれなかったぞ。」
イーラ「ごめんなさい。」
タクト「全く・・・ん?次の依頼?」
グラトニー「言い忘れてたけど、やって欲しい事が1つあるんだよ!」
タクト「何だと!?俺達を解放してくれるんじゃないのか!?」
スロウス「解放なんて一言も言ってない。」
イザベラ「じゃあ私達、ずっとここに閉じ込められて一生お姉ちゃん達に会えないんですか!?」
タクト「やっぱり俺達の命を取るつもりか!!」
グリード「落ち着いて。本当に命を取らないから。」
タクト「・・・それで、やって欲しい事は何だ?」
プライド「それはですね・・・私達を助けて欲しいんです。」
タクト・イザベラ「・・・え?」
同じ頃フェオン達は、タクトとイザベラが囚われてる館へ向かっていた。
フェオン「エイダ、ゼオラ。館には何があるの?」
エイダ「中は解らないけど、館の周りは凄く広い平原になってるね。見えた!」
館がある場所に着いた。ゼオラとエイダの言う通り、館の周りには直径600メートル程の草原が広がっていた。
スズ「き、綺麗だけど凄く不自然な感じがするね。」
ローラ「そうね。何でこんなに草原が広いのかしら?」
草原に足を踏みれようとする。
ゼオラ「あ!ローラダメだ!!」
ローラ「え?きゃあああああ!!」
何かの力に弾かれた。ローラは後ろへ飛ばされ尻餅ついた。
ローラ「いたたたたぁ・・・・・」
シア「ローラさん!大丈夫ですか!?」
ローラ「ええ・・・」
治癒魔法で痛みを消した。
ゼオラ「この中を見えない結界が張られてるみたいだよ。」
エミリー「じゃあ、館へ行くのは不可能なのか?」
エイダ「・・・でも何か違和感ある。」
ヒナ「え?」
エイダ「この結界、何かを封印してるみたい。」
レア「それってタクトとイザベラを封印してるって言うのか!?」
エイダ「いや、2人じゃなくて・・・何か下から異様な気配を感じるんだよ・・・お姉ちゃんは?」
ゼオラ「ああ。私も同じだ。」
全員「え?」
館内。
タクト「助けて欲しい?どう言う事だ?」
スロウス「僕達は20年前、この館に住む貴族達の娘達だった。あの頃は誰もが笑い合って、楽しかった。あの惨劇が来るまでは・・・」
イザベラ「惨劇?」
エンヴィー「数年前。巨大な災害級が館を襲い、私達の両親達が苦しんで死んでしまった。私達はその災害級を魔法で地下へ封印した。だけど、黒い神子と名乗る女に私達は殺された。」
イザベラ「殺された・・・?黒い神子って・・・」
タクト「まさか、闇の神子の事なのか・・・?」
イーラ「私達はその神子に殺害されました。けど神子の力で魂となってしまい、封印した塊を抑える八つの枢要罪となりました。」
タクト「・・・・」
プライド「ですが、塊を封印する魔力が弱まって・・・」
タクト「そうか・・・」
イザベラ「あ、あの・・・さっきの掃除と今の話と何か関係が?」
スロウス「塊が汚れとなって侵食していた。私達が毎日やっても汚れが増した。だから綺麗にして欲しかった。」
イザベラ「じゃあ私達が掃除してる間、皆さんは何をしていたんですか?」
プライド「・・・儀式の間で塊の封印魔法を維持してました。」
イザベラ「そうだったんですか・・・」
タクト「毎日掃除しても汚れが侵食・・・もしかしたら!!」
予感を感じたのか、急いで大浴場へ向かった。
イザベラ「タクトさん!?」
大浴場。
タクト「これは・・・!!」
先程ピカピカにしたはずの大浴場が汚れに侵食されていた。
イザベラ「これって・・・!?」
プライド「また侵食されてます!!」
イザベラ「でも窓を開けて換気してますよ!?」
エンヴィー「本当一体何処から!?」
”ーーーーーーーー”
タクト「ん?さっきの声だ!」
汚染された大浴場の中を進む。
タクト「・・・ここだ!」
目を付けたのは、頑固な汚れに苦戦した排水溝。
タクト「この排水溝から汚染されてる。封印されてる元凶はここから館を・・・」
イーラ「そんな・・・」
グリード「また封印魔法を維持しないと・・・!」
タクト「封印してもすぐ破られる。俺が奴を倒す。」
グリード「え!?」
エンヴィー「何言ってんだよ!人間があんな化け物に勝てるって言うのか!?」
タクト「まずは、ソイツの姿を拝まなきゃな。」
両手にエネルギーを収束して、右手に持って振り上げる。
タクト「ダァッ!!」
収束したエネルギーを排水溝に叩き流した。
エネルギーが排水溝を辿り、災害級を封印してる結界を破壊した。結界が破壊され、塊となった災害級が1つに集まり始めた。
イザベラ「じ、地震です!!」
プライド「あわわわわ!?」
グラトニー「や、館が崩れる!!」
慌てる9人を他所に、タクトがスパークレンスを出して光を解放した。
館の外でも地震が発生している。
フェオン「じ、地震!?」
レナード「何が起こったの!?」
エイダ「・・・何か来る!」
シア「下からです!」
すると結界が割れ、館が爆発した。
ユリア「なあ!?」
レア「館が爆発した!?」
アンナ「タクトさん!!イザベラちゃん!!」
フェオン「そ、そんな・・・・」
次の瞬間、爆発からウルトラマンティガが現れた。
フェオン「ティガ・・・タクト!!」
ティガ「・・・・」
右手には気絶してるイザベラ達9人が握られている。右手をゆっくり下ろして9人を地面に降ろした。
エイダ「あ!見て!イザベラよ!」
カサンドラ「あの8人は一体・・・?」
ティガ「・・・ッ!」
爆炎から姿を現したのは、人工生命体ビザーモ。
ビザーモ「ーーーーーー!!」
フェオン「な、何あれ!?」
アンナ「恐らく怪獣です!ドグラ・マグマの力の一部かと!」
レア「兎に角イザベラ達を助けるぞ!」
急いでイザベラ達の方へ走る。
ティガ「タッ!」
ティガとビザーモが睨み合う。
ティガ「ハッ!タァッ!!」
先手必勝でティガがジャンプし、マルチキックでビザーモを蹴り飛ばした。蹴り飛ばされたビザーモは後ろへ倒れた。
ビザーモ「ーーーーーー!!」
すぐに起き上がったビザーモがティガに向かって歩き始める。
ティガ「タァッ!」
迫って来るビザーモを再びマルチキックでダメージを与える。そして怯んだビザーモの頭部を掴み、そのままジャイアントスイング。
ティガ「タァッ!!」
そのまま遠くへ投げ飛ばした。
ティガ「タァッ!!」
大ジャンプし、ビザーモの前に着地した。ビザーモが右腕でティガに攻撃するが、ティガがそれを避けた。
ティガ「タッ!!」
避けたティガがビザーモの後頭部にマルチチョップで反撃し、ビザーモの腹部にマルチキック。そしてビザーモの腹部の口にマルチパンチ。だが腹部の口がティガのパンチを受け止め、そのままティガに反撃する。
ティガ「ドゥアッ!!」
反撃を受けたティガが、ビザーモの左腕と胴体を掴む。
ティガ「ンンンーーーー!!タァッ!!」
そのまま背負い投げで地面に叩き付けた。
ティガ「タァッ!ハッ!ハッ!タァッ!」
マルチキック、連続マルチパンチ、再度マルチキックのコンボでビザーモを後ろへ蹴り飛ばした。
ティガ「フッ!」
ファイティングポーズを取るティガ。ビザーモはある方向に目を向けた。
ティガ「ッ!?」
ビザーモが向けた方向。それは、イザベラ達9人を連れて避難しているフェオン達だった。ビザーモはフェオン達に向かって歩き始める。
ティガ「タァッ!」
だがティガがビザーモの前に立ち、ビザーモを押してフェオン達を守る。だがビザーモは力を振り絞ってティガを押し返す。ティガも負けじとビザーモを押し返す。
ティガ「ハァッ!ハァッ!ハァッ!タァッ!」
3連続マルチパンチからのウルトラ・ホイッパーで後ろへ投げる。
ビザーモ「ーーーーーーー!!」
するとビザーモが目と腕に電気を集める。
ティガ「ッ!」
集めた電気で放つ電撃がティガに直撃した。
ティガ「ドゥアッ!!」
電撃を受け怯んだティガだが、すぐに立ち上がる。
ティガ「タァッ!!」
ゼペリオン光線をビザーモに向けて放ったが、ビザーモが電気でゼペリオン光線を防いだ。
ティガ「ッ!?タァッ!!」
今度はジャンプし、ビザーモに向かってマルチキック。だがビザーモが電気を張ってマルチキックを防いだ。
ティガ「ドゥアッ!!」
電気で防がれ、後ろへ飛ばされたティガが倒れる。
フェオン「近付く事すら出来ないなんて・・・!」
エイダ「恐らく、魔力を吸収した事で電気をバリアに活用しているのよ。」
イザベラ「・・・っ・・・?」
気を失っていたイザベラが目を覚ました。
フェオン「イザベラ!大丈夫!?」
イザベラ「お・・・お姉ちゃん・・・?」
そしてプライド達枢要罪も目を覚ました。
プライド「・・・あ、あれ?私達は・・・」
エミリー「お前達は誰なんだ?」
エンヴィー「お、お前達こそ誰なんだ?」
カサンドラ「私達はタクトとイザベラの仲間です。」
プライド「あなた達が・・・」
スロウス「な、何だあの巨人!?」
初めて見るウルトラマンティガに枢要罪が驚いている。
レナード「あれはウルトラマンティガ。タクトの持つ光の巨人だよ。」
ビザーモ「ーーーーーーーー!!」
ティガ「ドゥアッ!!」
右腕を受けたティガが膝を付いた。
ティガ「ッ!!」
ビザーモの両腕を掴んで立ち上がる。
ティガ「タァッ!」
マルチキックで反撃したが、ビザーモが電気をティガに流した。
ティガ「ドゥアッ!!」
胸のカラータイマーが点滅を始めた。
ティガ「ーーーーーーーー!!!!」
力を振り絞って立ち上がったティガ。額のティガクリスタルが赤く発光した。マルチタイプからパワータイプへタイプチェンジした。
ティガ「ーーーーーー!!タァッ!!」
ビザーモの両腕を引っ張って破壊した。
ティガ「タァッ!!」
そしてパワーキックで目も破壊した。目と両腕を破壊されたビザーモは電気は使えない。
ビザーモ「ーーーーーーーー!!!」
それでもビザーモは腹部の口に電気を集める。
ティガ「ッ!」
ビザーモの腹部の口から電撃光弾を連射した。
ティガ「ハッ!」
電撃光弾をティガ・ホールド光波で受け止めた。
ティガ「タァッ!!」
ホールド光波を受け止めた電撃光弾と併せてビザーモの腹部の口に撃ち返した。
ビザーモ「ーーーーーーーー!!!」
全ての武器を失ったビザーモが悪足掻きでティガに迫る。
ティガ「フッ!ハアァァァァ!!!」
両腕を左右から上にあげ、胸の前に集めた超高熱のエネルギーを光球にした。
ティガ「タァッ!!」
デラシウム光流が、ビザーモの腹部の口に直撃した。
ビザーモ「ーーーーーーーーー!!!!」
断末魔と共にビザーモは爆発四散した。
エイダ「やった!!」
ローラ「やったわ!!」
プライド「・・・・・!!」
ティガ「タァッ!」
戦いを終えたティガが、空の彼方へ飛び去った。
ビザーモ討伐後。タクトとイザベラが八つの枢要罪と対話する。
プライド「ありがとうございます。あの災害級を倒してくれて。」
タクト「あの怪獣は、俺達の因縁が生み出した力の一部だった。俺達は、その力を倒す為に旅をしているんだ。」
グリード「これでやっと、私達も天に召されるわね。」
すると8人の体が透け始めた。
イザベラ「逝くんですか?」
イーラ「ええ。あなた達は私達の恩人。この御恩は天国でも決して忘れません。」
グラトニー「私達、天国の親達に2人の事をお話するよ!」
タクト「そっか。天国でお前達の冥福を祈ってるぜ。」
プライド「ありがとうございます。それと、勝手にあなた達を攫った事を反省したとあの方達に伝えて下さい。」
イザベラ「・・・はい!」
8人は光となって、天に召された。
タクト・イザベラ「・・・・・」
対話を終えた2人がフェオン達の元へ帰って来た。
エイダ「対話は終わったの?」
タクト「ああ。さてイザベラ、フェオンに話したい事あるんじゃないか?」
イザベラ「そうですね・・・お、お姉ちゃん・・・」
フェオン「ん?何?」
イザベラ「あの・・・その・・・さっきは我儘言ってごめんなさい・・・お姉ちゃんが嫌いなの・・・嘘だから!」
フェオン「ーーーーーー!!イザベラぁーーーーー!!」
号泣するフェオンがイザベラを抱き締めた。
イザベラ「わああっ!?」
フェオン「私の方こそごめんなさああーーーい!!あなたに嫌われちゃったのかなって不安だったのぉーーー!!」
イザベラ「お、お姉ちゃん苦しいよぉ・・・」
ジェシー「あはは。フェオンさん嬉しそう。」
グレア「やっぱり妹離れは治りそうにないかも?」
イングリット「前途多難だな。」
国民の亡骸が放置されている亡国・シャリアブ王国。全ての亡骸を生み出した元凶が王都の中心に鎮座している。王国の仇を打ち砕け。
ファイタス王国の大昔から伝わる伝説の剣。暗黒の魔窟から暗黒の女王が侵略を開始した。その時、時を越えて伝説が再び蘇る。