ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS 作:naogran
フィオーレイノを出たタクト達は、次の国へ向かっていた。
タクト「よーしよし。ルシア、おねんねの時間だよ〜。」
ルシア「はぁ〜い・・・おやすみ・・・」
寝る時間になり、ルシアがタクトの腕の中で眠った。
フェオン「ルシア眠った?」
タクト「気持ち良さそうに寝てるよ。」
イザベラ「あの、タクトさん。私にルシアちゃんを抱かせて下さい。」
タクト「気を付けろよ。」
眠ってるルシアをイザベラにゆっくりと渡す。
イザベラ「あはは。可愛い〜。」
フェオン「イザベラももう姪っ子にデレデレね。」
エイダ「イザベラもルシアの家族だからね。」
ゼオラ「エイダも私の大切な家族だからな。」
エイダ「えへへ〜。ありがとうお姉ちゃん。」
ゼオラに撫でられて笑うエイダ。
レア「なぁ、次の国は何だ?」
グレア「えっと・・・フェラント王国だね。もうすぐ王都が見えるはずだよ。」
レナード「あ、王都が見えたよ。」
前に王都が見えた。
フェラント王国王都に到着。
ローラ「賑やかな国ね。アールスハイド王国と変わらないわね。」
ロゼッタ「・・・・・」
アラン「どお?ロゼッタ。」
ロゼッタ「微かに感じるわ。ヘザーが生み出した力。」
タクト「なら全て倒すまで滞在しよう。まずはホテルにチェックインしよう。」
フェラント王国のホテルにチェックイン。
チェックイン後、それぞれ観光する。
ゼオラ「自然や緑が豊かな国だな。」
アンナ「国の皆さんも楽しそうですね。」
シア「あら?レア先輩とリナちゃんは何処ですか?」
ティオ「あの2人なら真っ先にグルメ探しに行ったよ。カサンドラとガルーダと一緒に。」
タクト「相変わらずだなぁ〜あの2人。」
ロゼッタ「そんな呑気に観光なんかして大丈夫かしら?」
アラン「ロゼッタ。息抜きするのも戦いの一環だよ。」
エミリー「そうだ。休まず戦い続けても強くなる訳じゃない。休む事も大事だ。」
ヒナ「だからロゼッタさんも、一緒に遊びましょう。」
ロゼッタ「・・・そうね。」
エイダ「所でタクトは何処に?」
フェオン「タクトなら王都にある図書館で歴史書を読んでる頃よ。」
エイダ「あはは。相変わらずだね。」
そんなタクトは今、大図書館のフェラント王国の歴史書を読んでる。
タクト「・・・・・・・ん?」
その歴史書にある記述と写真を見付けた。
タクト「エインズ・チェア・・・」
一方レアとリナとカサンドラは食べ歩きをしている。
レア「うっほー!この肉美味いなぁー!」
リナ「このトウモロコシも美味いですよレアさん!」
カサンドラ「魚の焼き加減も絶妙で美味しいです!」
レア「よっしゃー!次の食い物探しへ行くぞー!」
リナ・カサンドラ「オーー!」
ガルーダ「ん?ねぇ皆。あれ見て。」
レア・リナ・カサンドラ「ん?」
丘の上に佇む教会を見付けた。
皆と合流しに行くタクトは道中。5人組の男女の話を耳にした。
女性A「ねぇ知ってる?あの廃教会の椅子。」
女性B「ええ。呪いの椅子エインズ・チェアの事でしょ?」
タクト「エインズ・チェア?」
男性A「あの椅子、大昔殺人鬼の男が愛用していたって噂らしいぜ?」
男性B「知ってる知ってる。座った者は数日以内に呪い殺されるってな。」
男性C「元々博物館に飾られていたんだけど、呪いが増して、丘の上の廃教会に閉じ込められているって言うらしいぜ?」
タクト「・・・・・・・」
丘の上の教会。
レア「何だここ?教会か?」
リナ「結構廃れてますね。廃墟でしょうか?」
カサンドラ「入口は閉ざされていて入れないみたいです。」
レア「中が気になるなぁ。覗いてみようぜ!」
窓から中を覗いてみる。
レア「う〜ん・・・暗くて見えないなぁ・・・」
リナ「カサンドラさん。見えますか?」
カサンドラ「・・・見えますね。暗くても見えます。」
リナ「流石猫の亜人。猫の特性も持ってますね。」
カサンドラ「・・・ん?真ん中に肘掛け椅子が置いてありますね。」
ガルーダ「椅子?」
カサンドラ「アンティーク物の椅子が置いてあります。」
リナ「何で椅子が?座席とか祭壇は無いんですか?」
カサンドラ「全部撤去されていて、椅子だけが残っています。」
ガルーダ「・・・・何か中からすっごい邪な気配を感じるよ。」
レア「どんな感じなんだ?」
ガルーダ「あの椅子に人一倍執着しているような感じだね。」
フェオン「ちょっとアンタ達ー!そこで何やってんのー!」
そこにフェオン達が3人を見付けてやって来た。
レア「おいフェオン!この教会に椅子があるぞ!」
フェオン「椅子?座席の事?」
リナ「違います!正真正銘の椅子だけがポツンとあるんですよ!」
フェオン「何それ?」
教会の中を覗く。
フェオン「本当だわ。椅子だけがあるわね。」
ゼオラ「・・・・・」
エイダ「お姉ちゃん、あの椅子・・・」
ゼオラ「ああ、異様な力を感じるな・・・エイダは?」
エイダ「私とサマラも同じだよ・・・」
タクト「あ。いたいた。おーい!お待たせー!」
そこにタクトがやって来た。
レア「おおタクト!丁度良かった!お前に話したい事があるんだ!」
タクト「ん?」
廃教会の椅子の事を話した。
タクト「廃教会の椅子?」
レナード「うん。丘の上にある教会の真ん中に置かれてるアンティークな椅子があったんだよ。そしたら、ゼオラとエイダ、サマラが異様な力を感じたって言ってた。」
レア「レア達が見付けたんだぞ!」
タクト「どんな椅子だったんだ?」
カサンドラ「窓から見えますか?」
タクト「ああ。」
窓から中を透視能力で覗いてみる。真ん中に置かれてる椅子が見えた。
タクト「・・・・・あれがエインズ・チェア。」
全員「?」
ユリア「何ですの?そのエインズ・チェアって・・・」
タクト「フェラント王国の歴史書と巷の噂で聞いた。100年前、ジェームズ=エインズと言う男が非常に愛用していた椅子だ。」
ゴーテル「ジェームズ=エインズ?どんな男なの?」
タクト「エインズは100年程前、偽金作りで金儲けしていた。彼は村一番の美女と結婚し、義父から樫の木で出来た椅子をプレゼントされたんだ。」
リナ「それがエインズ・チェアなんですか?」
タクト「うん。エインズはその椅子を一目で気に入って執着するように愛用する事になった。当時のフェラント王国は、肘掛け椅子に座った者は権力者の象徴と意味されていた。彼はその椅子に得意そうな顔で毎日座り続けた。それから彼の性格は豹変した。恰も自分が最高権力者であると錯覚するようになり振る舞うようになったんだ。周囲の人々に暴言を吐き、日に日に乱暴になっていった。やがて自分の妻に暴力を振るうようになり、働くのを辞めて酒に溺れる毎日を送るようになったんだ。」
ミウ「皮肉な人ね。権力を持ってるのは義父の方なのに何故彼処まで落魄れたのかしら・・・」
タクト「確かにな。そして彼はある事を境に地獄へ落ちていった。」
ジェシー「え?何?何があったの?」
タクト「ある日エインズが外出から帰宅すると、義父がお気に入りの椅子に座っていたんだ。娘の結婚を思っていなかった義父は、娘を連れ戻そうとしたんだろう。だが当然エインズはそれを断固拒否。そしてエインズは激昂して、お気に入りの椅子に座った義父を殺害。」
シア「殺害・・・・・!?」
タクト「元々その椅子は義父の物だった。だがエインズにそんな理屈は通用しなかった。この時の彼は完全に理性を失っていたんだ。」
スズ「ひえぇぇ・・・完全にヤバい人じゃんその男・・・そ、それからどうなっちゃったの?」
タクト「エインズは妻に殺害現場を目撃され憲兵団に逮捕された。逮捕された彼は、村の権力者を殺害した事で絞首刑にされた。だが絞首刑が執行される前に彼は叫んだ。」
『これは俺の椅子だ!誰にも座らせないぞ!もし座ってみろ。殺してやる・・・呪い殺してやる!!!』
タクト「その言葉を最後に絞首刑で命を絶った。」
フェオン「村の権力者を殺しておいて、椅子に座った人を呪うなんてどんだけ理性を失ったの・・・?もう完全に怪物そのものじゃん・・・」
タクト「ああ。自分が権力を持っていると錯覚した故の人生だっただろうな。そしてエインズの死後、彼の椅子は妻によって近くの酒場に寄贈した。しかし誰もその椅子に座ろうとしなかった。何時しか巷の間で呪いの椅子と噂されるようになった。」
アラン「じゃあそれから誰も座らなかったんだね。」
タクト「いやアラン。それは違う。」
アラン「え?」
タクト「彼の死後50年が経ったある日。3人の魔物ハンターがエインズ・チェアに座ってしまったんだ。」
ロゼッタ「え!?どうして!?」
タクト「その当時はエインズ・チェアの呪いの噂が薄れていたんだ。3人のハンターがその椅子に座った翌日。魔物の討伐に出掛けた時、5体の魔物に襲われ全員が命を落とした。」
全員「え!?」
タクト「それから、呪いを信じない者達が次々と座ってしまったんだ。ある男は馬車に轢かれ、ある男は野良犬に喉を食い千切られ、そしてある男は自宅のバスタブに後頭部をぶつけて死んだ。死んだ人数を合わせると・・・65人程と言われている。」
イザベラ「ろ、65人・・・!?」
タクト「その殆どがエインズの椅子に座って数日以内に亡くなったと。それからその酒場は廃業。エインズ・チェアは近くの博物館に寄贈された。もう誰も座らせないように高い位置に飾られていたんだ。」
ダイアナ「65人も亡くなったなんて・・・凄く呪われた椅子だったんですね・・・」
ジリオラ「でも博物館に寄贈されたその椅子が、どうしてこの廃教会に置かれているのかしら?もしかして、呪いが増したとか?」
タクト「ジリオラの言う通り。エインズ・チェアは博物館に寄贈され、座らせないように高い位置に飾られてから呪いが日に日に増したんだ。ただし犠牲者は出なかった。1人は倦怠感や感冒などの高熱。もう1人は骨折など不幸に見舞われるようになった。博物館のオーナーはそれを危惧し、神父達に依頼し、この廃教会に閉じ込めてくれと言った。もう100年も経ってるのに、腐食すら無いなんてあの椅子はまるで生きてるかのようだ。・・・ん?」
教会の入口を見た。
タクト「・・・度胸試しの証拠か。」
パドメ「度胸試し?」
タクト「見ろ。南京錠に傷があるだろ?これは呪いがどんな物かを確かめる為の肝試しを兼ねた度胸試しだろう。」
エミリー「じゃあまさか、座った者が現れたのか!?」
タクト「いやそれはない。中を覗いてみたら床一面埃まみれ。そして足跡すらなかった。恐らく、扉を開けた時点で断念したんだろう。」
ヒナ「それ程強い力が充満しているって訳ですね。このまま何も起こらなきゃ良いですけど・・・」
その夜。廃教会に閉じ込められているエインズ・チェアから禍々しい魔力が溢れ始めた。その魔力は、廃教会の隙間から飛び出し、フェラント王都中を飲み込んだ。
翌朝。王都に異変が。
タクト「これは・・・・・」
王都の空が赤色に染められていた。
アラン「一体何が起こったの・・・?」
タクト「ゼオラ、エイダ、何か分かるか?」
ゼオラ「わ、私には・・・・」
エイダ「わ、分からない・・・」
ヒナ「タクトさん・・・私達も・・・苦しい・・・です・・・」
エミリー「ヒナ!しっかりしろ!ヒナ!」
ローラ「シア!大丈夫!?」
シア「ローラ・・・先輩・・・」
ナタリー「私も・・・無理・・・かも・・・」
レア「おいナタリー!しっかりしろ!」
アンナ「ナタリーさん!」
ミウ「しっかりしてパドメ!私が付いてるから!」
パドメ「ミウ・・・様・・・」
ダイアナ「ジリオラ・・・・」
ジリオラ「大丈夫よダイアナ。私が守ってあげる。」
タクト「・・・魔力を持った者だけが苦しんでいる。ロゼッタは?」
ロゼッタ「私は大丈夫だけど・・・立ってるだけで精一杯よ・・・」
タクト「精霊達は大丈夫みたいだな。グレア。発生源は解明出来るか?」
グレア「えっと・・・・・あ!分かった!あの廃教会だよ!」
廃教会へ行ってみる。
タクト「ウッ!」
廃教会から溢れる禍々しい魔力がタクト達を襲う。
アラン「これは・・・多分エインズ・チェアから出ていると思う・・・」
イングリット「ならあの椅子を壊せば魔力が止まるはず。破壊しよう。」
タクト「待てイングリット!無闇に壊せば何が起こるか分からない。ここは俺が行く。」
廃教会の扉を開けると、禍々しい魔力が廃教会内から飛び出した。
タクト「ッ・・・!!」
廃教会内。
タクト「あれか・・・!」
エインズ・チェアからその魔力が膨大に溢れ出ている。
ドロレス「ねぇ・・・!どうするの・・・!?」
タクト「あの椅子に座って、エインズを止める。」
ドロレス「止める!?あ!ちょっと!」
彼はエインズ・チェアに近付き、そのまま椅子に座った。
タクト「ゼオラ!睡眠魔法を!」
ゼオラ「あ、ああ・・・!!」
魔力に負けず力を振り絞って、タクトに睡眠魔法を浴びせた。
タクト「・・・・・・zzzzz」
睡眠魔法でタクトはエインズ・チェアの上で眠った。すると魔力がタクトを呑み込んだ。
フェオン・アラン「タクト!!」
夢の中。
タクト「・・・・・」
???「よくも俺の椅子に座ってくれたな。」
タクト「?」
???「お前も命知らずのようだな。」
そこに1人の男が現れた。
タクト「アンタがジェームズ=エインズか。」
エインズ「当然。」
タクト「アンタの椅子に座った事は謝罪する。だがアンタに聞きたい。何故あの椅子に呪いを付与したんだ?」
エインズ「当たり前だ。あの椅子は俺の物だ。俺の物をどうしようと俺の自由だ。」
タクト「だがあの椅子は元々義父の物だろ?なのにアンタは義父を殺して絞首刑で命を絶った。」
エインズ「いや、あれは義父が俺にくれた物だ。だから完全に俺の物そのものだ!どんな理由があろうとも、あの椅子は絶対に座らせない!なのに、俺の椅子に座ったバカな野郎共を呪い殺してやった。」
タクト「お前、余程未練があるようだな。」
エインズ「それから俺の椅子は博物館の高い位置に飾られた。俺はそれが許せなかった・・・だから博物館に来た人間共に呪いを与えてやった。だが誰も死ななかった・・・・そして最終的に汚れまみれの汚い教会に閉じ込められた・・・・・もう俺の怒りは頂点に達した!!!人間共を根絶やしにしてやる!!!!」
タクト「・・・・・」
エインズ「まず手始めに・・・俺の椅子に座ったお前から始末してやる!!!!ウオオオオオオオーーーーーー!!!!!」
魔力を纏って巨大化し、タクトを見下ろす。
タクト「なら俺は、お前の未練を終わらせる。」
スパークレンスの光を開放し、ウルトラマンティガに変身した。
現れたティガにエインズが驚く。
エインズ「な、何だお前は!?」
ティガ「タッ!」
マルチキックとマルチチョップの連続攻撃でエインズにダメージを与えた。
エインズ「野郎ォッ!!」
ティガの腕を掴んで後ろに投げた。
エインズ「ハッハッハッハ!!」
ティガ「タァ!」
すぐに立ち上がったティガ。エインズの背中に回り込み、連続マルチチョップを叩き込む。
エインズ「鬱陶しい!!!」
力で離されたティガが地面に倒れた。
エインズ「今度は俺の番だ!!」
ティガ「ウッ・・・!!」
倒れたティガを持ち上げて首を締め上げる。
エインズ「ウオオオオオ!!」
ティガ「ドゥアッ!」
エインズに地面に叩き落とされたティガ。
ティガ「・・・タァッ!」
ハンドスラッシュを連射した。
エインズ「グオオオオオ!!」
左胸にハンドスラッシュが命中した。
現実世界では、禍々しい呪いが弱くなり始めた。
フェオン「魔力が弱まってる!」
ヒナ「あ・・・気分が楽になった気が!」
ゼオラ「皆!タクトを助けるぞ!あの椅子に浄化魔法を!」
神子とドロレス、そしてぜオラとエイダとサマラと精霊達が浄化魔法を放ち、エインズ・チェアの魔力を浄化させる。
夢の世界。
エインズ「ウアアアアア!!な・・・何だこの魔法は・・・!!止めろ・・・!!俺は消えたくない・・・!!消えたくない!!!」
ティガ「フッ!」
両腕を前に突き出し交差させてエネルギーを集める。
ティガ「タァッ!!」
カラータイマーを中心にして、全身からから眩い光のエネルギーを放つタイマーフラッシュスペシャルをエインズに与える。
エインズ「グウアアアアアアァァァァァァーーーーーーーー!!!!」
タイマーフラッシュスペシャルの光で、エインズは夢の世界から完全消滅した。
現実世界。
タクト「・・・・・ん?」
目を開けると、フェオンがこちらを見てる。
フェオン「気が付いた!良かったぁ・・・」
起きたタクトは、エインズ・チェアから立ち上がった。
タクト「エインズは消滅した。もうこの椅子から呪いは消えた。」
ロゼッタ「成功したのね。」
タクト「ああ。皆、具合はどうだ?」
ナタリー「うん!嘘みたいに回復したよ!」
シア「タクトさんのお陰です!ありがとうございます!」
リナ「それで、あの椅子はどうします?」
タクト「呪いが消えて普通の椅子になったからな。交渉してまた博物館に飾れるか聞いてみる。」
その日。呪いと未練が消滅したエインズ・チェアは、再び王都の博物館に展示された。今度は高い位置ではなく、普通に展示するようになり、来客から座り心地が良いと評判になった。
日山詩月
大西綺華
白石兼斗
長岡龍歩
フェラント王国に存在した名門貴族シュヴァルト家。その伯爵夫人の遺体が未だ見付かっていない。城で起こる謎の怪奇現象から遺体を発見出来るのか。