ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS 作:naogran
その宝石は大昔、とある農夫が川から発見した。
農夫「これは・・・!」
宝石は脆い黒色で美しかった。
農夫「凄い・・・!こんな宝石見た事無いぞ!」
しかしその数日後。隣国からの襲撃を受けた。
農夫「誰も・・・誰もこの宝石は渡さんぞ!!」
兵隊長「なら貴様の腕を切り落としてまで頂く!」
農夫は、宝石を握ってる右腕を切り落とされ、兵隊長に宝石を強奪され命を絶った。
兵隊長は、強奪した宝石を国王に献上。国王は大層喜ばれた。だが兵隊長は親族のミスが原因で投獄され、後に処刑された。そして宝石を受け取った国王も謀反に遭い処刑された。この時、所有者3人が死亡している。
それから宝石は持ち主を転々とし、その持ち主達は宝石を所有した後死亡している。
宝石はオークションに出品され、貴族で宝石コレクターのシェイロン=フォン=エルピスの手に渡った。
シェイロン「なんと美しい宝石なんだ。黒色で、微かに青くなっている。」
しかし後に彼は病で倒れこの世を去った。宝石の所有権は彼の孫であるカナード=フォン=エルピスに渡った。
カナード「祖父から譲り受けた美しい宝石だ。この宝石をエルピス・サファイアと名付けよう!」
希望を意味するエルピス・サファイアがこの世に誕生した。
しかしカナードの相続から僅か9年後、名家だったエルピス家は破産。相続していたエルピス・サファイアも宝石商に売却された。
それからもエルピス・サファイアは持ち主を転々とし、次々と持ち主を不幸や絶望の呪いを発動し続けた。
そしてエルピス・サファイアは、最終的にフェラント王国の博物館に寄贈された。
そして今。フェラント王国博物館。
タクト「って言うのは、エルピス・サファイアの呪いの伝説と言われている。」
ジェシー「へぇ〜。でも見た限りだと呪いを持ってるとは思えないね。」
展示されてるエルピス・サファイアを見に来たタクト達。タクト達の他に、エルピス・サファイアをこの目で拝もうと多くの人々が殺到している。
ミウ「綺麗な物にはトゲがあるって言うし、不思議な事は無いんじゃない?」
ゴーテル「そうよね〜。希望と言っておきながら持ち主を絶望に落とすなんて穏やかじゃないわね。」
ガルーダ「でもさ、僕達でも惹かれるあの色、素敵じゃないかな?」
レナード「自分が青いから波長が合ったのかな?」
イザベラ「あの、持ち主を転々としてたって言いましたよね?どんな人に渡ったんですか?」
タクト「ある王国の国王。宝石商や探検家。そして宗教の教祖など色々渡ったらしい。」
ロゼッタ「でも何で、あんな美しい宝石が呪いを持ってるのかしら?もしかしたら、あのサファイアに何か含まれてるんじゃないかしら?」
タクト「脆い黒色なのは、サファイアの中にホウ素が含まれてるらしい。それにあのサファイア、透視で見たが何故か黒い塊が埋め込まれてるようなんだ。」
フェオン「黒い塊?石ころでも入ってるんじゃないかしら?」
タクト「石・・・かも知れん。」
博物館を出た一行。
シア「とっても綺麗なサファイアでしたね!」
ローラ「そうね。シアに似合いそうだったわね。」
シア「そ、そんな・・・・」
スズ「うんうん。可愛いシアに似合うと思うよ?」
ユリア「私でも似合いそうですが、シアさんの方が似合いそうでしたわね。」
シア「皆さん褒め過ぎですよぉ・・・」
タクト「・・・・・・・」
リナ「どうしたんですか?タクトさん。まだエルピス・サファイアの事が忘れられないんですか?確かに美し過ぎて忘れられませんよね〜。」
タクト「サファイアなのに何でホウ素が・・・」
リナ「ホウ素?」
タクト「普通サファイアに含まれてる成分は、酸化アルミニウムと微量の不純物で青色に輝くんだ。なのにホウ素はダイヤモンドやダンビュライトやトルマリンに含まれてるんだ。」
リナ「へぇ〜。」
タクト「サファイアなのに何でホウ素が・・・もしかして本当はブルーダイヤモンドだったんじゃ・・・」
イングリット「ふむ。名付けたエルピスがサファイアと勘違いしたかも知れない。」
タクト「いや、多分俺の考え過ぎかも知れん。展示期間は今週いっぱいまでだし、明日も見に行くか。」
翌日も博物館に訪れてエルピス・サファイアを見る。
ドロレス「2回目も見るけど、本当に綺麗ね。」
カサンドラ「はい。惹かれてしまいそうです。」
グレア「あれ?タクトは?」
ティオ「タクトなら館長さんに会いに行ってるよ。」
ダイアナ「館長さんに?一体何の話をしてるんだろう?」
ロゼッタ「・・・ん?」
エルピス・サファイアが微かに光り始めている。
そんなタクトは館長のクリストファーに会ってエルピス・サファイアについて話をしている。
クリストファー「実はあのサファイア、何故ホウ素が含まれているのか、今の技術でも解明出来ていないんです。」
タクト「やはりな。でもあれって本当はブルーダイヤモンドじゃないのか?ブルーダイヤモンドならホウ素が含まれてるんだけどなぁ・・・あ。あのサファイアに黒い塊が入ってるんだが。」
クリストファー「黒い塊?全然気付きませんでした。」
タクト「俺の仲間が石ころが入ってるんじゃないかって言ってるんだが。」
クリストファー「石ころ・・・今日の営業を終えたら、研究者の皆さんに調べさせます。それまではエルピス・サファイアと他の展示物をご堪能下さい。」
タクト「ああ。ありがとう。」
???「キャアアーーーー!!」
タクト・クリストファー「っ!?」
突然の悲鳴が博物館に響き渡った。
タクト「何だ!?」
元の場所へ戻った。
タクト「どうした皆!?」
ドロレス「タクト!あれ!」
タクト「ッ!?」
展示されているエルピス・サファイアが宙に浮いている光景が目に映った。
タクト「エルピス・サファイアが浮いた!?」
ロゼッタ「タクト!あのサファイアに入ってる塊、暗黒石の破片よ!」
タクト「暗黒石!?ヘザーが作り出した宝石だったのか・・・!?」
浮遊するエルピス・サファイアが外へ飛び出した。
外に飛び出したエルピス・サファイアが無数の人物を生み出した。
アラン「あれって・・・」
ロゼッタ「・・・やっぱり。エルピス・サファイアの呪いで亡くなった怨霊達ね。」
怨霊達が周囲の人々に襲い始めた。人々は怨霊達から逃げ惑う。
フェオン「ゆ・・・幽・・・れ・・・い・・・」
怨霊達を見たフェオンが気絶した。
イザベラ「お、お姉ちゃんしっかりして!」
ルシア「お母さん!大丈夫!?お母さん!」
ミウ「やぁっ!!」
ジェシー「はぁっ!!」
ミウの鎌とジェシーのパンチが怨霊達に直撃した。だが怨霊達は一瞬で復活した。
ジェシー「復活した!」
ミウ「やはり怨霊。物理は効かないわね。」
パドメ「だったらここは魔法で行きます!ヒナ先輩!ナタリー先輩!」
ナタリー「ええ!すぐ浄化してあげるわ!」
ヒナ「行きましょう!」
怨霊達「ウアアアアアーーーーー!!!!」
3人の神子が浄化魔法で怨霊達を浄化させた。
ナタリー「やったの!?」
パドメ「・・・いえ!」
浄化魔法を受けたにも関わらず、怨霊達が一瞬で復活した。
ヒナ「また復活しました!?」
ジリオラ「ねぇ、もしかしたらあのサファイアが影響しているんじゃないかしら?」
アラン「成る程。根っこを破壊すれば。タクト!」
タクト「分かった!」
空に浮遊するエルピス・サファイアにタクトがハンドスラッシュを撃った。ハンドスラッシュを受けたエルピス・サファイアが粉々に砕かれた。
タクト「よし。」
アラン「やった!」
だが、粉々になったエルピス・サファイアが再び結合し、怨霊達を吸収して脆い黒色の光を纏って巨大化。
タクト「何だ!?」
巨大化したエルピス・サファイアが怪獣の姿となった。その姿は、タクトが元の世界で見たデシモニアと酷似している。
フェオン「な、何アレ!?」
気絶から復活したフェオンが怪獣化したエルピス・サファイアを見て驚いた。
ゼオラ「エルピス・サファイアが怪獣の姿に・・・!?」
エルピス・サファイアが上の突起物から光弾を連射した。
フェオン「危ない!!」
光弾を即座に避けたフェオン達。
エイダ「希望の癖に禍々しいのよ!!」
エルピス・サファイアは光弾を地上に撃ち続ける。人々はパニックになって逃げ惑う。
タクト「ッ!」
アラン「ウルトラマントリガーーーーッ!」
2つの神器の光を開放した。
エルピス・サファイアの前にウルトラマンティガ、そして後ろにウルトラマントリガーが着地した。
ティガ「タッ!」
トリガー「ダッ!」
レア「よし!2人が来てくれた!」
フェオン「皆!援護するよ!」
戦士達「はい!」
ティガとトリガーがエルピス・サファイアを囲んでる。
ティガ「ッ!」
エルピス・サファイアが標的にティガに定めて突進しながら光弾を連射する。
ティガ「ッ!」
横に転がって光弾を避ける。エルピス・サファイアは光弾を避けるティガに連射し続ける。
トリガー「ダァッ!」
後ろに立ってるトリガーのトリガースライサーがエルピス・サファイアの突起物の付け根に命中した。しかし直撃したが無傷。エルピス・サファイアがトリガーに狙いを定めた。
フェオン・エミリー「ハアアァーーーーッ!!」
そこにフェオンとエミリーが高速斬撃でエルピス・サファイアを切り刻んだ。
レア「これでも喰らえ!!」
アンナ「はぁっ!!」
レアの投げた旋刃盤とアンナのクロスボウの矢が合体し、エルピス・サファイアの胴体に命中した。
ローラ・ユリア「やああぁぁーーーーーッ!!」
柳葉刃とハンマーがエルピス・サファイアの胴体を攻撃した。だがエルピス・サファイアが胴体を発光させてローラとユリアを吹き飛ばした。
ローラ・ユリア「きゃあああーーーーッ!!」
スズ「あ、危ない!!」
地上に立ってるスズが盾を巨大化させて、吹き飛ばされたローラとユリアを受け止めた。
スズ「大丈夫!?」
ユリア「た、助かりましたわ・・・!」
ローラ「ありがとうスズ!」
エルピス・サファイアが高速回転しながら光弾を連射する。
ティガ「ドゥアッ!」
トリガー「ウワアッ!!」
光弾がティガとトリガーに直撃した。
迫り来るエルピス・サファイア。
ティガ「タァッ!」
トリガー「ダァッ!」
ダブルハンドスラッシュがエルピス・サファイアに直撃し爆発した。しかしエルピス・サファイアが浮遊し始めた。胴体に固い装甲板のような物で覆われている。
ティガ・トリガー「ッ!?」
フェオン「弱点を守ってるみたいね・・・!」
イングリット「ならば私が行く!はああぁぁぁーーーーーッ!!」
ヌンチャクを縦横無尽に振り回して装甲板を破壊しようとしたが、装甲板には傷すら付かない。
イングリット「効いてない!?」
エルピス・サファイアがイングリットに光弾を連射する。
イングリット「ッ!」
間一髪光弾を避けた。
トリガー「ハァ!」
トリガーがマルチタイプからパワータイプにタイプチェンジした。
ティガ「タァッ!」
トリガー「ダァッ!」
マルチキックとパワーキックの同時攻撃を繰り出したが、エルピス・サファイアが避けた。
ティガ「ッ!」
トリガー「ッ!」
ティガとトリガーにエルピス・サファイアが空中突進。2人は突進を避けた。その時、エルピス・サファイアが何かに縛られた。
ティガ・トリガー「ッ!?」
それは、イザベラが出す蔦だった。蔦はゼオラとエイダ、更に神子達の魔力で供給されて威力が増している。
イザベラ「タクトさん!アランさん!今です!」
ティガ「フッ!」
両腕を前に突き出し交差させ、大きく横にゆっくり広げてエネルギーを集める。
トリガー「ハッ!」
両腕を左右から上にあげ、胸の前に集めた超高熱のエネルギーを光球にした。
ティガ「タァッ!!」
トリガー「ダァッ!!」
ゼペリオン光線とデラシウム光流が、エルピス・サファイアに直撃して爆発した。
ティガ「タァッ!」
トリガー「ダァッ!」
2人のウルトラマンが空の彼方へ飛んで行った。
戦いが終わり、エルピス・サファイアはこの世から完全消滅した。
クリストファー「あの宝石はやはり、歴史から消しておくべきでしたね。」
ヒナ「はい。持ち主を不幸に陥れる希望は、私達には必要ありませんから。」
タクト「あの宝石、誰から寄贈されたんだ?」
クリストファー「はい。黒い巫女服を着た女性から寄贈されたんです。」
タクト「やっぱり。」
アラン・ロゼッタ「ヘザー。」
クリストファー「皆さんのお陰で助かりました。本当にありがとうございます。今後も我が博物館をご贔屓に。」
タクト「ああ。」
4本足の女性リナエルは嘗てサーカスでその名を轟かせていた。病に苦しむ彼女に再会と人身研究の話が持ち掛けられ・・・