ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS 作:naogran
クワンロンへ向かう飛行艇内。
新米兵士「感激やぁーーーー!!ホンマもんのシン=ウォルフォードさんとタクト=クリスティさんやでぇ!?自分クレオ言います!握手頼んます!!」
エルスの新米兵士クレオがタクトとシンに握手した。
シン「ど・・・ども。」
タクト(エルスの兵士は元気満々やなぁ。)
先輩兵士「任務中や言うとんねん新人!!エエ加減にせぇホンマ!!」
クレオを落ち着かせた。
先輩兵士「すんまへん魔王はん!タクトはん!」
タクト「いやいや。元気な兵士さんで何よりだ。」
シシリー「何処に行ってもシン君とタクト君は人気ですね。」
フェオン「流石英雄様ね。」
イザベラ「人気者は大変ですね。」
アウグスト「・・・しかし凄いな。何処まで行っても見渡す限りの砂漠地帯。」
外を見ると見渡す限りの砂漠が広がっていた。
エミリー「私達の知らない世界がまだあったなんて驚きだ。」
アウグスト「ああ。これがもし人類の引き起こした破壊の結果だとしたら・・・」
トニー「あれ?意外ですね殿下。そう言う話信じる方なんだ。」
アウグスト「飽く迄仮定と推測の話だが、もしそうなら嘗てはここにも人が暮らしていたと言う事か。そして何らかの理由で平気が使用され、大地ごと滅んでしまった・・・ 永遠に終わりがないのかと思えてくるな。」
ユリウス「この規模の破壊・・・シン殿の魔法やタクト殿のティガの力どうこうじゃないで御座る。流石に信じ難いで御座るな・・・」
トール「でももしそれが事実なら、面白い事が分かりますね。」
ヒナ「はい。今や世界は西と東に分かれていますが・・・嘗ては全てがつながったつの世界だった可能性がありますね。」
アウグスト「ふむ。ヒナの言葉に説得力があるな。」
マリア「へえぇ!シャオリンさん達の国にも異空間収納魔法があるんだぁ!」
シャオリン「魔法・・・かどうかは分かりませんが。様々な物を空間に収める技術は存在します。」
マリア「でもそりゃそうよねぇ。そうでもなければ、こんな砂漠を越えるなんてまず無理だものねぇ。」
アンナ「シャオリンさんは異空間に何を入れたんですか?」
シャオリン「テントに食料に水・・・薬や衣類など。詰め込める限り詰め込んで出発しました。」
アリス「見たい!それ!」
レア「興味ある!レアにも見せてくれ!」
シャオリン「え?別に構いませんが・・・リーファン。アレを。」
リーファンから3枚の呪符を貰った。
シャオリン「収納魔術の呪符です。収納する物によりますが、最小で3枚を使用します。」
3枚の呪符を床に配置する。
シャオリン「出し入れする物の大きさに合わせて呪符を配置し、術を発動させてやると・・・呪符の間に別空間へつながる扉が出現します。」
配置した呪符の中心から光が発生し、そこから小瓶が出て来た。
シャオリン「コレが出来なければ、私達が国を出る事もなかったでしょう。」
マリア「へぇ〜面白いなぁ!やっぱりこっちとは色々と違うんだぁ!」
アンナ「概念は一緒でもやり方に相違があるんですね!」
リン(1枚欲しい・・・)
アリス「リーファンさん、他にはどんな呪符があるの?」
リーファン「・・・・・・・」
何故かリーファンは無反応。
マリア「あれ?」
レア「聞こえてないのか?おーい!リーファン!」
アンナ「シャオリンさん。リーファンさん眠ってるんですか?」
シャオリン「いえ、あれは照れてるんですよ。慣れない国の女性達に取り囲まれて。」
リーファン「うっ!・・・て、照れてなどおりませぬ!」
シャオリン「じゃあこっち来て話に入ったら?」
リーファン「私は飽く迄お嬢様の護衛。遊びに来ている訳ではありませぬ。」
アリス「はぇ・・・」
シャオリン「ああ言う男です。悪い人間ではないので仲良くしてやって下さい。」
ナージャ「ねぇカサンドラ。本当に何も思い出せないの?シャオリンの言ったゲルダって名前。」
カサンドラ「・・・それは分かりません。ですがクワンロンで私の真実がある事は確かです。私の生い立ちを知るのが私の旅の目的ですから。」
ナージャ「・・・そう。」
一方ウサマは別室で爆睡中。
しばらく進んで行く内に、空が暗くなった。
タクト「そろそろ夜になりそうだな。」
操縦士「ウォルフォード殿。クリスティ殿。今の所コンパスに従って進めてはいるのですが、万が一と言う事もあるのでやはり夜間は飛行を控えるべきかと。」
シン「そうですね。慣れない空の旅で皆疲れもあるだろうし。一度着地しましょう。」
飛行艇を砂漠に着陸させ野営する事にする。
操縦士『館内の皆様。これより明朝まで当艦はこの場で待機致します。砂漠の中なので決して当艦から離れ過ぎぬ様お願いします。』
アリス「もし外で迷子になったら絶対生きて帰れないじゃん・・・!!」
迷子になった自分を想像してゾーッとなった。
シン「いやお前はゲートで家に帰れるだろ。」
イザベラ「カサンドラさんは大丈夫ですよね?」
カサンドラ「ですね。夜間でも見えます。」
シシリー「・・・・・」
そんな中、シシリーがある事を気にし始めた。
シシリー「シン君。シルバーが心配なので一度家へ様子見に行きたいんですが・・・」
シン「そう言えばそうだな。俺も一緒に行くよ。」
タクト「シン。俺も一緒に良いか?ルシアの様子見に行きたいんだ。」
フェオン「私も良いかしら?」
シン「そうだな。シルバーの後ちょっと寄るか。」
ナージャ「シン。私も良いかしら?」
シン「ナージャ?メアリーが心配?」
ナージャ「メアリーもそうだけど、シルバーの顔が見たいから。一応あの子も私の甥っ子だし。」
シン「あー・・・そうだったな。じゃあ行こうか。」
シャオリン「え?え?戻る?今から?またエルスへ引き返すのですか?」
シン「あー・・・そうか。えーっと・・・じゃなくて。ゲートって言う魔法がありまして。」
夜のウォルフォード邸では大問題が起こった。
シルベスタ「ふぎゃああああああ!!!!ぱぁぱぁまぁまぁーーーーー!!!!」
親が居ないシルベスタが大号泣してしまっている。
マーリン「これこれ・・・」
メリダ「泣き止んどくれよシルバー・・・」
大号泣のシルベスタに英雄2人も参ってしまっている。
マーリン「ど・・・ど・・・どうしたもんかのぅ・・・」
困惑していると、ゲートが出現しシン達が戻って来た。
シン「あらぁ・・・」
タクト「あれまシルバー。元気に泣いてるな。」
マリーカ「あ!シン様!若奥様!皆様も!」
シン「ちょっと一時的に帰って来た。凄い有り様だな・・・」
ナージャ「シルバー凄い泣いてるわね。」
シルベスタ「・・・・まんまぁ!!!!!」
母親のシシリーを見て、ダッシュでシシリーの胸に飛び込んだ。
シシリー「よしよし。ごめんなさいねシルバー。もう大丈夫ですよ。」
メリダ「やれやれ助かったよ・・・いつもだったらアンタ達が帰って来る時間なのに、今日は戻らないもんだから。」
マーリン「ワシらじゃ見向きもされんわい。」
シン「・・・どうしたもんかね。もう平気か?シルバー。寂しかったんだな。」
シルベスタ「ぱぁぱ・・・」
チラッとシンを見たが、拗ねて顔を背けた。
シン「なーに拗ねてんだよ。ホレ。」
シシリーからシルベスタを抱き上げた。
シルベスタ「・・・や!!や!!」
ポカポカとシンを叩く。
シン「お?」
シシリー「こーら。パパを叩いちゃダメでしょ?」
シルベスタ「うーーーー・・・・」
シン(よっぽど1人にされたのが嫌だったんだな・・・)
タクト「もう反抗期に入ったか?」
メリダ「アンタ達悪いんだけど・・・シルバーも一緒に連れて行ってやれないかい?大事な任務中なのは承知してるけど・・・この先ずっとこんな調子じゃ・・・アンタ達がいないとご飯も食べやしないんだよこの子。」
シン「やれやれ・・・まあ飛行艇での移動の最中だけなら何とか。」
タクト(けど国交樹立と交易の為の使節団だぞ俺達今。常識的に考えてどうなんだコレ?)
メリダ「会談なり何なり参加する時はこっちに戻してくれれば良いからさ。」
シシリー「どうしましょうシン君・・・」
シン「役人の人達に迷惑は掛けられないし。最悪俺達のメンバーに協力して貰うしか・・・一度相談してみるか。」
ナージャ「シルバー。」
シルベスタ「ぅ?」
ナージャ「うふふ。」
シルベスタ「きゃははは!」
ナージャの顔を見たシルベスタが笑った。
シン「ナージャを見て笑った。」
シシリー「ナージャさんの甥っ子さんですものね。」
次に訪れたのはクリスティ邸。
ルシア「あ!お父さんお母さん!」
タクト「ルシア。留守番させちゃってごめんな。」
ルシア「ううん。エスタお姉ちゃん、ヨナお姉ちゃんとクララベルお姉ちゃんに遊んで貰ってるから大丈夫だよ!」
フェオン「ごめんなさい皆。ルシアの相手になって貰って。」
エスタ「いえ。お気になさらず。」
ヨナ「私達、ルシアお嬢様と遊べて楽しいです。」
クララベル「はい!」
シン「やっぱ翻訳があると便利なんだな。」
タクト「シルバー用に作ってやろうか?」
シン「いや、それは大丈夫。」
タクト「そうか。」
フェオン「ルシア。私達が居なくて寂しくない?」
ルシア「う〜ん・・・ちょっとは寂しいかな?」
フェオン「だったら一緒に来ない?」
ルシア「え?」
タクト「飛行艇で皆と遊ぶのも楽しいぞ。どうだ?」
ルシア「え?アリスお姉ちゃん達と遊べるの?」
フェオン「ええ。でも、ちゃんと皆の言う事を聞く事。それを約束出来るなら来ても良いわよ。」
ルシア「うん!皆と遊びたい!お空も見たい!」
最後に訪れたのは、ストラディウス邸。
ナージャ「兄さん。」
オリベイラ「アナスタシアか。一旦帰って来たのかい?」
ナージャ「うん。メアリーの顔が見たくて。」
オリベイラ「そうか。アリア!」
隣の部屋からアリアがメアリーを抱いて入って来た。
アリア「あらアナスタシア。」
ナージャ「アリアお義姉さん。メアリーの顔を見たくて来ちゃって。」
アリア「そう。メアリー。」
メアリーはナージャの顔を見ると笑った。
ナージャ「可愛い・・・」
笑ってるメアリーを優しく抱いた。
シシリー「うふふ。ナージャさん嬉しそうですね。」
シン「そうだな。」
オリベイラ「あ・・・」
シルベスタ「?」
こちらを見てるオリベイラに、シルベスタは不思議そうに首を傾げている。
タクト「オリベイラ?」
オリベイラ「ああ、すまない。シルバー元気そうで何よりだよ。」
シン「俺達、オリベイラを助けて本当に良かったと改めて思うよ。」
シシリー「ですね。」
オリベイラ「クワンロンには着いたのかい?」
ナージャ「ううん。砂漠の真ん中で野営しているわ。多分明日には着くと思う。」
オリベイラ「そうか。私達もクワンロンはどんな国か分からないから、気を付けるんだぞ。」
ナージャ「ありがとう兄さん。メアリーまたね。」
メアリーをアリアに返して、ゲートを通って飛行艇に戻って行った。
用事を終えてシルベスタを連れて戻って来て、皆に相談した。
アリス「シルバーとルシアの相手!?全然オッケーだよ!!飛行中にやる事ないし丁度良いじゃん!」
シン「本当か?マジ助かる。」
タクト「悪いな。ルシアの分まで。」
アウグスト「メリダ殿の頼みであればエルス側もまず断るまい。一応話は通しておく。」
シルベスタ「おーちゃ!」
アウグスト「ああ。しばらく宜しく頼むぞシルバー。」
ルシア「皆、宜しくね。」
アリス「宜しくルシア!」
こうして赤ん坊2人は、アルティメット・マジシャンズの面々と遊ぶ。
しばらく遊んでいると。
兵士「あのー。アルティメット・マジシャンズの皆さん。風呂の準備出来たみたいなんで良かったら。」
マリア「え!嬉しいありがとう!」
アリス「あ、そうだ!シルバー君!ルシアちゃん!お姉ちゃん達と一緒に入ろうよ!」
シルベスタ「あぅ?」
ルシア「ん?」
1階の浴室。シルベスタとルシアがアルティメット・マジシャンズの女性陣とフェオンと一緒に風呂に入る。
シシリー「こらシルバー。そんなに暴れないの。」
シルベスタ「や!」
フェオン「ルシア気持ち良い?熱くない?」
ルシア「ううん!気持ち良いよ!」
はしゃぐシルベスタに対して、ルシアはフェオン膝に座ってゆったりしてる。
シャオリン「すみません。ご一緒させて頂いて・・・」
リン「全然オッケー。」
レベッカ「お気になさらず。」
マリア「つっかまえた!」
はしゃぐシルベスタを捕まえ、体を洗ってあげる。
マリア「今日はお姉ちゃんが体洗っちゃうぞ〜〜〜!」
シルベスタ「きゃははははは!」
シャオリン「あの子は・・・シン殿とシシリー殿のお子さんなのですか?」
ユーリ「え?あー・・・えっと・・・一応養子って事になるのかなぁ?事情があって両親が居なくなっちゃって・・・あの2人が代わりに親になったのよぉ。」
シャオリン「そう・・・なのですか。それで、あの子は?赤ん坊なのに喋ってますけど。」
ユーリ「あの子はルシアちゃんねぇ。クリスティ君とフェオンさんの娘さん。喋ってるのは、彼が作った翻訳魔道具のお陰だから私達にも気持ちが分かるのよぉ。」
シャオリン「そうなのですか。」
シシリー「お風呂出たら寝る準備しますからねシルバー。」
シルベスタ「や!や!」
フェオン「あはは。シルバーはもう反抗期に入ったのね。」
ルシア「お母さん。お風呂上がったら寝たい。」
フェオン「ええ。」
一方タクトとシンは、飛行艇の外に出ていた。
シン「あ。」
外に出ると、リーファンが仁王立ちしていた。
タクト「リーファンか。入り口開いてたから見付けちゃった。」
リーファン「シン殿。タクト殿。いや、慣れぬ場所で落ち着かなくてな。少し降りさせて貰った。・・・元気な子達だな。」
シン「全くです。騒がしくてすみません。」
タクト「なぁ、リーファンは家族は居ないのか?」
リーファン「・・・俺はミン家に・・・シャオリンお嬢様に拾われた身だ。あの方が主君だ。その想いに報いる為だけに人生を捧げると決めている。」
シン「・・・」
タクト「そうか、すまん・・・」
リーファン「いや、気にするな。(この場には我々のみ・・・シャオリンお嬢様はああ仰られていたが・・・)」
彼は2人に訊こうとした事を訊いてみる。
リーファン「シン殿。タクト殿。1つ・・・確認したいのだが。付与に使われた文字・・・あれは貴殿達が独自に考えたと言う話だが、嘘だな?」
シン「・・・!!?」
タクト(どう言う事だ!?この男日本語を知ってるのか!?俺のは日本語を篆書体にして付与してるが・・・まさかクワンロンに日本語が・・・だが呪符の文字は全然・・・)
シン「・・・そう思う根拠を・・・教えて貰えますか?」
リーファン「根拠か?・・・・・俺の一存ではこれ以上話せんな。湯浴みを終えてからもう一度話そう。宜しいか?」
シン「・・・分かりました・・・」
リーファン「後出来れば、貴殿達の仲間にも立ち会って貰いたい。」
タクト・シン「!?」
リーファン「色々と危険を孕む重要な内容を伝えねばならん。」
シン(上手く言い逃れて誤魔化されても困るしな・・・どうも何か疑われてる雰囲気が・・・)
タクト(参ったなこりゃ・・・)
シルベスタとルシアを寝室に寝かせた後、アルティメット・マジシャンズ達は艦内会議室に呼ばれた。
シャオリン「我々の勝手で集まって頂いて申し訳ありません。」
レア「気にしないでくれ。」
アリス「何?何?何の話?」
シャオリン「シン殿とタクト殿にどうしても確認しなければならない事がありまして。(時期尚早だと言ったのに。)」
リーファン(すみません。しかし、救世主ならば問題ありませんが、破壊者を国に連れ帰る訳にはいきません。)
シャオリン「・・・単刀直入に言いましょう。シン殿とタクト殿が付与に使用している『オリジナル』だと言う文字。我々は嘗て目にした事があるんです。」
全員「え!?」
マーク「あれって確かウォルフォード君が考え出した文字だったんじゃ・・・!?」
シン「そ・・・そのはずなんだけど・・・」
アリス「だったら何でぇ?」
フェオン「それにタクトのもって、どう言う事!?」
タクト「いや俺も何が何だか・・・」
シン(何で?は俺らのセリフだ。そんな事ありえるのか?)
タクト(確かにこの世界が地球じゃない事は確か・・・だが幾ら生態系が地球と酷似しているからって、文字まで全く同じ物が存在するなんて・・・)
シン(いや待てタクト。可能性があるとしたら・・・そうだ、俺は過去に自分のもの以外の日本語を一度だけ目にした事があるんじゃないか?)
タクト(それって、お前がこの世界に転生する前の事か?)
シン(恐らく・・・)
2人が心の中で驚いている中、シャオリンは話を続ける。
シャオリン「あの文字は我々の国で言う『古語』と呼ばれるもので、残念ながら意味までは解読されていません。」
マリア「解読されていない?ニュアンスとかも全く予想すら付かないって事?」
シャオリン「その通りです。」
アウグスト「つまり文明の進化によって、徐々に変化して行ったものではない。全く未知の文明で使用されていたと言う事か。」
タクト・シン「・・・・・・・・」
トニー「御伽話が現実味を帯びてきたねぇ。ひょっとして本当に『前文明』が存在するのかなぁ?」
シャオリン「クワンロンには古い遺跡が点在していますが。その中であの文字の存在が確認されています。」
シン(タクトこれは・・・可能性どころの話じゃない。もうほぼ間違いない。)
タクト(ああ。この世界には嘗て、俺達の知らない転生者。前文明を作り上げた”転生者”が存在していた。それも世界を崩壊させる程の知識と力を持った人間が。)
シン(ああ。それに市民証の生みの親、コーノ=マッシータの存在からしても、転生者は世界の東西問わず何人も存在したんだろう。)
タクト(その中で悪意を包み隠そうとせず、世界の覇権を掌握しようとする人間が居たとしたら、そしてその人間同士が激突して戦争が起きたら。)
シン(滅びる訳だ。文明の1つや2つ他愛もなく・・・!)
タクト(まるで俺の元の世界の超古代文明のように・・・)
シャオリン「1つ見て頂きたい物があります。」
そう言うと数枚の呪符をテーブルに起き、そこからある物を取り出した。
タクト(なっ!?シン、あれって・・・!?)
シン(まさか・・・!?)
シャオリンが取り出した物を見て2人が驚いた。彼女が取り出した物、それは・・・
拳銃のような物だった。
アンナ「それって魔道具なんですか?」
シャオリン「いえ。これは遺跡から出土した特別な武器です。旅の自衛の為に用意した物ですが、祖国では主に竜の討伐にも用いられます。実際に効力をお見せしましょう。」
一行はシャオリンとリーファンに連れられて外へ出た。
シャオリン「離れていて下さい。」
皆を離れさせた後、シャオリンが銃を構える。銃口に魔力が集束していく。
シン(魔道具である事に違いはない。)
タクト(装填しているのが魔力だとしたら、当然発射されるのは・・・)
銃口から巨大な光線が放たれ、前の壁を破壊した。
マリア「わっ!」
発射した時の風圧が周囲に広がった。
アリス「はぇ〜〜〜!威力以上に発射速度が相当のものだね。」
アウグスト「戦闘に使用された場合、中々の脅威かもな。」
タクト(やはり魔法銃だ。)
シャオリン「個人で使用出来るものはこの程度ですが、恐らくこれを超える武器がまだ遺跡に眠っていると考えています。そしてそれらの武器の中には、恐らくお2人の使っている文字が付与されているもの。勿論この武器も同様です。」
シシリー「眠っている武器の中にはそれこそ大地を捌くに変えてしまう程の物がある。と言う事ですか。」
シャオリン「可能性はあります。」
全員「・・・・・・」
アウグスト「結論、お2人が聞きたいのはこう言う事だろう。シンとタクトはその『兵器』とやらを作成する事が可能なのか。そしてそのつもりがあるのかどうか。」
シャオリンは頷く。
シン(兵器か・・・もし時間も手間も倫理観も全て無視して良いと言うのなら。)
タクト(そんな兵器作れるかも知れんが、俺達がそれを実行してくれると思ったら大間違い・・・)
シン「作れます。」
タクト「なっ!?」
シンの言葉にタクトと、シャオリンとリーファンが驚いた。
シャオリン「で、では将来的にそんな物を・・・作るつもりは・・・」
シン「それは・・・」
タクト「おいシン!軽々しく快諾してんじゃねえよ!」
アウグスト「そうだ!私達にも言わせろ!」
全員「シンは絶対にそんな事はしない!!」
この場に居るアルティメット・マジシャンズとユエリアンの戦士達がシンが武器を作る事はないと断言した。
マーク「黙って聞いてりゃ酷いっス!!ウォルフォード君がんな事するワケないでしょ!!」
アリス「そーだよ!!世界平和の為、最前線をつっ走って来たのがシン君なんだよ!!」
ユーリ「発明は山の様にしてきたけど、その殆どが人の為を想ってのものよねぇ。」
シシリー「シャオリンさん。リーファンさん。この先シン君やタクト君と共にいれば、必ず理解る時が来ます。シン君とタクト君は決して他人を傷付けたりしません。」
フェオン「私達も保証するわ。2人は人の為に想い、人の為に戦っているんだもの。」
シャオリン「・・・・・!!」
彼らの言葉でシャオリンは我に返り、皆に頭を下げて謝罪する。
シャオリン「も、申し訳ありませんでした!!シン殿、タクト殿、そして皆様のお気持ちも考えず!で、ですがどうしても1つだけ!どうしてお2人は前文明の文字を!?」
シン「正直言って、俺にも分かりません。」
タクト「俺も分からない。」
シン「俺達の場合、文明とか関係なく、何故か頭に浮かんできただけなので・・・」
嘘を吐いた。リーファンの言う通りだった。皆を騙している。だが真実を打ち明ける勇気がない。これだけ信頼してくれている皆に嫌われたくない一心で。これで良いのかと、シンは心の底でそう想っている。
航行2日目。飛行艇がクワンロンへ再び出発。船内では会議や遊びなどで賑やか。
一方、エルス自由商業連合国では不穏な動きが起きていた。
ベルゼ「フンフーン♪エルス自由商業連合国かぁ。2年振りに来るなぁ〜。」
街歩く人々の中に、嘗てタクト達と対峙したベルゼ=クラスティールの姿があった。
ベルゼ「ここで遊んだらアールスハイドに行こっか。皆元気してるかな〜?ん?」
するとベルゼが何かの気配を感じた。
ベルゼ「何?このきな臭い気配。大統領府からだわ。」
エルス大統領府・大統領執務室。
秘書官「アーロン大統領。数日前にお約束をした商人の方がお目見えですが。」
アーロン「またかいな。連日連日たまらんなこりゃ。市民証は?」
秘書官「お預かりして確認中です。」
アーロン「結果待つのもメンドーやな。通したってくれ。」
商人の男を招き入れた。
???「失礼致します。」
その商人は、フードを被って目を覆ったマスクを着けている。
???「お目に掛かれて光栄です大統領。商人のベイラと申します。」
アーロン「商人言うても色々あるさかい。とやかく言う気はないが、そのカッコで交渉するんか?」
ベイラ「失礼は承知の上ですが、何分人様に見せるような風貌をしておりませぬ故。どうかお許し下さい。」
アーロン「まあエエわ。えーと、出身は?何処だったかいな?」
ベイラ「ダーム共和国です。」
アーロン「・・・どうなんやそっちは?商売とか形になっとるんかいな。」
ベイラ「私個人としては、
アーロン「現状のダームでか。そりゃ奇特なこっちゃ。んで、用件はやっぱりあれか?」
ベイラ「数日前エルス及びクルト上空で目撃された飛行する船。その詳細を是非我々にもお教え頂きたい。」
アーロン「ありゃアールスハイドの所有物や。ウチは製造を請け負っただけやで。」
ベイラ「ほう。アールスハイドと言えばアルティメット・マジシャンズ。発注元は彼らと言う事ですか。」
アーロン「そこが少し複雑でな。発注した国はエルスなんやが、所有権はあちらさんが持っとる。」
ベイラ「兼ねてより噂されている東方の国の調査船と言った所ですか。興味深いですね。で、その船は今どちらに?情報料なら幾らでも用意しますよ。」
そんな交渉に乗る程アーロンは柔な人間ではない。
アーロン「アンタが聞きたいのは飛行艇の事か?それともまた別の事かな?」
ベイラ「・・・どう言う意味です?」
アーロン「ここ数日で何人もの商人が同じ問い合わせして来とってな。二言目には必ず皆同じ事聞きよるんや。『あれはどうやって飛んでいるのか』とな。」
ベイラ「・・・・・」
アーロン「まるで船は飛んで当然の様な口振りなんが気になってな。」
険しくベイラを睨むアーロン。すると。
”コンコン”
秘書官「大統領。」
執務室に秘書官が入って、アーロンの耳元に報告する。
秘書官「偽造の市民証です。名前・出身全てデタラメです。」
その報告にアーロンは頷いた。
アーロン「ベイラさんと言ったか。悪いが話はここまでや。市民証の偽造及び他者への貸借は重犯罪やで。」
ベイラ「・・・・・」
もう隠し切れないと悟ったベイラが降参した。
ベイラ「市民証の内容解析技術も備えているとは、流石は大国エルス。えーと、で?私をどうします?警備隊にでも突き出しますか?」
彼から禍々しい魔力が溢れている。
アーロン「いや、いい。今すぐ立ち去れ。」
ベイラ「あなたが
潔く執務室から去った。
秘書官「い、良いのですか?大統領。」
アーロン「構へん。警備隊を皆殺しにでもされたら敵わんわ。それどころか、その気になれば大統領府ごと吹っ飛ばす力持っとるでアイツ。」
大統領府を出たベイラを、ベルゼが茂みから覗いている。
ベルゼ「あの男怪しいわね。尾けてみよっか。」
エルス自由商業連合国・橋の上。
ベイラ(金で動くと思ったが、意外とガードが堅いな。東方の国との国交樹立を目的としている事までは分かっているが、それだけでアルティメット・マジシャンズが動くとは思えない。まだ何か奴らが関与しなくてはならない理由があるはず・・・)
”ピピピピ”
ベイラ「あ。」
何処からかブザー音が鳴った。
ベイラ「えーと、何処に仕舞ったっけ?あったあった。」
懐から取り出したのは、携帯電話の形をした魔道具だった。
ベイラ「もしもーし。・・・ええ、今大統領と面会を。・・・いやー流石に簡単には口を開きませんね。それに関してはまあ大丈夫です。別で対策も取ってるし。・・・はい。では。」
誰かとの通話を終えた。
ベイラ「便利だなコレ。さてと。」
辺りを見て1人の男に目を付けた。金が入った袋を持っている男を。
男が裏路地に入ったタイミングで、ベイラが声を掛ける。
ベイラ「お兄さん儲かってそうだね。悪いけど国に帰る金無いんだ。貸してくれない?」
男「あ?何やコラ!急に巫山戯てんじゃ・・・」
怒った男がベイラの胸ぐらを掴んだ瞬間。
男「・・・・・・・!?」
前触れなく胸に大きな穴が開けられた。ベイラは男から全財産を頂戴した。
ベイラ「ありがとう。」
金を頂戴したベイラが去った。
倒れた男にベルゼが近付く。
ベルゼ「ぽっかり穴が空かれてる。音も無く発した魔法弾。それにさっきアイツが使っていた携帯電話、ガラケーのような無線通信機。あの男、私以上に只者じゃないわね。」
街中を歩くベイラをベルゼが屋根の上から発見し、彼の頭の中を読む。
ベルゼ(帰還先は・・・ダーム共和国?そう言えば彼処、王政が陥落して1人の男が首相となって国名が変わったって噂があったね。これは何かありそうだね。)
彼女はダーム共和国へ先回りする。
ダーム共和国 首相官邸(元ダーム王国王城)。
ヒイロ(滑稽なモンだな。)
玉座に座るヒイロ=カートゥーンの右手には、ベイラが持っている携帯電話と同じ通信機が握られていた。
ヒイロ(散々頭を抱えてきた付与の文字数制限の問題が、『日本語』1つで全部あっさりと解決しちまう。転生者が牛耳るにはあまりに容易い世界。なあ、お前らもそう思うだろ?)
彼の頭の中に浮かんだのは、タクトとシンだった。何故彼が日本語と言う言葉を知っているのか。
"コンコン"
玉座の間のドアにノックが鳴った。
セルゲイ「首相。少々宜しいですか?」
ヒイロ「入れ。」
側近のセルゲイが玉座の間に入った。
セルゲイ「恐れながら、また税の引き下げを求める市民からの陳情が来ております。」
ヒイロ「はぁ・・・王政時代と比べて随分引き下げてやったと言うのに・・・一度楽を覚えるとすぐに欲を出しやがる。困ったもんだな、平民ってのも。」
セルゲイ「お言葉ですが、今の政治体制に納得のいかぬ者が多いのも税の徴収が停滞する要因になっているのかと。(そもそもの話、貴族制を廃止する必要が無かったのではないか?貴族の統治におって国民達の生活はバランスが保たれていたのに。)」
ヒイロ(案外面倒なんだな、国家の運営ってのも。しかしまあ別に、この国の行く末がどうなろうがどうだって良い。大事なのは俺が
一体彼は何を企んでこの座に居座っているのか。
ヒイロ「そう言えばアールスハイドに派遣する予定の事務員の件はどうなってる?」
セルゲイ「何でもアルティメット・マジシャンズ自体が大きな仕事の最中で不在らしく、彼らが国に戻ってから改めて招集するそうです。」
ヒイロ(お誂え向きだ。着々と進めるとしよう。『奴ら』を破滅に追い込む準備を。ん?)
窓を見たヒイロ。
ヒイロ(何だ今の気配?・・・気のせいか。)
外にベルゼが立っている。
ベルゼ「ヒイロ=カートゥーン。彼がこのダーム共和国の若き首相だね。脳裏を読んで情報ゲット。でもアイツ、何か不思議な雰囲気がするんだよねぇ。タクトにシン、私とジュリアンと同じ雰囲気・・・まさかアイツも?」
情報を得たベルゼはすぐにダーム共和国から去って行った。
同じ頃砂漠の上空では。
シャオリン「あ!シン殿!タクト殿!皆さん!遺跡群が見えてきました!クワンロンまで後少しです!!」
タクト「何だあれは・・・!?」
目に映った遺跡群。それは、何かの建物のようなものだった。
松田修平
八木侑紀
水谷麻鈴
遂にクワンロンの首都イーロンに到着したアルティメット・マジシャンズ。密かに動く交渉人ハオの欲望。病に苦しむシャオリンの姉を救えるのか。
ティガと共に闇を倒したウルトラマントリガー。
突如現れた謎の宗教組織・スカッキ。
その鍵を握るのは、自らを放浪者と名乗る8人の少女達。
行く末に待つアラン達の運命とは・・・