ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS 作:naogran
花の国フィオーレイノ。この国の片隅にある2つの村。ヴォルメリオ村とカエルレウス村。
ヴォルメリオ村。タクト、フェオン、イザベラ、グレア、ティオグループ。
タクト「ヴォルメリオ村。赤色の村が特徴の観光スポット。原生のチューリップや彼岸花が咲いている。」
フェオン「赤くて綺麗な村ね〜。」
イザベラ「赤い果物も野菜もいっぱいありますね。」
ティオ「でも、目がちょっとアレだけど・・・」
グレア「まぁまぁ。いいじゃん。」
カエルレウス村。エミリー、ヒナ、レア、アンナ、カサンドラ、ドロレス組。
エミリー「カエルレウス村は青を基調とした村だな。」
カサンドラ「ここも綺麗ですね。」
ヒナ「ヴォルメリオ村では、タクトさん達が観光していますし。後であちらへ行ってみましょう?」
ドロレス「ここも賑やかで楽しそう。」
レア「お!このアイス美味いぞ!」
アンナ「こっちのジュースも美味しい!」
エミリー「もうすっかり食べ歩きしているな。」
カエルレウス村人A「聞いたか?キコア様が大金持ちと婚約したらしいぞ?」
カエルレウス村人B「本当か!いやぁ〜おめでたい事だな!」
エミリー「キコア様?一体誰なんだ?」
ヒナ「あの、キコア様って誰なんですか?」
村人A「ん?ああ!このカエルレウス村の大地主のアズラク家のご子息ですよ!」
カサンドラ「アズラク家のご子息?」
同じ頃、ヴォルメリオ村でもある噂話が広まっていた。
タクト「このリンゴ美味いな!」
フェオン「こっちのイチゴも新鮮で美味しいわね!」
ヴォルメリオ村人A「シャーラ様が、大金持ちの男と結婚するらしいわよ!」
ヴォルメリオ村人B「あ!聞いたぞその話!」
ヴォルメリオ村人C「なんとめでたい事なんだ!」
イザベラ「シャーラ様?」
タクト「シャーラ=クラースニイ。このヴォルメリオ村の大地主のクラースニイ家のご令嬢だ。」
グレア「あんな噂話を大声で話すとは、余程おめでたい事なんだろうね。」
その頃、ヴォルメリオ村の土地を所有する大地主のクラースニイ家の屋敷では。
シャーラ「キコア・・・あなたがヴォルメリオ村の人間なら、お父様は私達の結婚を反対する事はなかったのに・・・」
屋敷のバルコニーで呟くこの女性が、クラースニイ家の霊場・シャーラ=クラースニイ。
シャーラ「私達の恋は、途切れる運命なの・・・?」
するとそこに、ある男が現れた。
キコア「シャーラ!」
シャーラ「キコア!」
カエルレウス村の土地を所有する大地主アズラク家のご子息・キコア=アズラクだった。
シャーラ「どうしてここに!?」
キコア「君に会いたくて忍び込んで来た。」
シャーラ「こんな所をお父様に見られてしまったら!それに・・・私達には別の婚約者が・・・!」
???「ハハッ。」
すると彼女の背後から、クラースニイ家当主・アルベルト=クラースニイが現れた。
キコア「!!」
アルベルト「ん?キコア!」
キコア「アルベルト様・・・!」
アルベルト「お前、ここで何をしておる!?婚約者の居る娘に付き纏うとは!誰か!この男を追い払え!」
兵士「ハッ!」
キコア「クッ!!」
状況が悪いと判断したキコアが、フェンスを飛び越えて逃げた。
何とか逃げ切れたキコアは、隣り合うアズラク家に帰って来た。
ジュスト「キコア。」
キコア「父さん・・・!」
アズラク家当主・ジュスト=アズラクが立っていた。
ジュスト「何処へ行ってた?」
キコア「・・・・」
ジュスト「ん?お前!!」
彼の服に付着してる、薔薇の花弁に気付いた。
ジュスト「この薔薇の花弁・・・お前、ヴォルメリオ村に行っていたんだな?まさか、あの娘に会っていたんじゃないだろうな?」
キコア「それの何処がいけないんだ!」
ジュスト「お前には私が決めた婚約者が居るんだぞ!」
キコア「僕はシャーラを愛しているんだ!!」
ジュスト「・・・我がカエルレウス家とヴォルメリオ家の領地を繋ぐサゴール門を閉じろ!!」
奉公人「畏まりました!!」
キコア「・・・・」
ヴォルメリオ村。
アルベルト「サゴール村を閉じろ!2人を会わさせない為に!!」
奉公人「はい!!」
ヴォルメリオ村とカエルレウス村が通れる唯一の通り道、サゴール門を閉じる為、両家の奉公人が走り出した。
ヴォルメリオ村を観光しているタクト達は。
タクト「ふぅ〜。いっぱい歩いたな〜。」
イザベラ「どの料理も美味しかったですね。」
グレア「ここ、私達のお気に入りの観光地に入るかな?」
フェオン「当然よ。ここは長閑で豊か。申し分ない村よ。」
タクト「さてと、カエルレウス村へ行ってエミリー達と合流するか。」
しかしサゴール門では、両家の奉公人が門を閉めてしまった。
カエルレウス村。
エミリー「サゴール門はもうすぐだな。」
ヒナ「タクトさん達に、カエルレウス村の魅力を伝えましょうね。」
アンナ「ヴォルメリオ村がどんな村か楽しみです。」
サゴール門に着いたエミリー達だが。
エミリー「ん?門が閉まってる!」
カサンドラ「え!?何で!?」
ドロレス「・・・誰かが閉じたみたい。」
門を閉ざしてる南京錠を見る。
タクト「その声、お前達か!?」
エミリー「タクト!」
向かい側の門に、タクト達が居た。
エミリー「これは一体どう言う事なんだ!?」
タクト「俺も分からねえよ!何で門が閉まってるか!」
カサンドラ「そこから飛び越えたり出来ませんか!?」
タクト「やってみる!」
飛翔してカエルレウス村へ向かおうとしたが。
タクト「ガハッ!!」
見えない壁に激突し、ヴォルメリオ村の地に着地した。
フェオン「見えない壁だわ!」
ドロレス「恐らく、門を閉ざしてる南京錠の力。これ魔道具だわ。」
ティオ「そうか。誰も行かせないように完全に閉ざしているんだ。」
レア「嘘だろ!?じゃあレア達そっちへ行けないのか!?」
アンナ「一体誰が閉じたんでしょう?」
タクト「指紋を調べてみる。ドロシー!」
ドロレス「ええ!」
2人が南京錠に付着してる指紋を調べる。
タクト「ヴォルメリオ家の奉公人だ。」
ドロレス「こっちはカエルレウス村の奉公人よ。」
フェオン「となると、恐らく当主様の命令で閉じたに違いないわね。」
タクト「けど隙間がある。ティオ。エミリー達と同行を頼む。」
ティオ「分かった。」
隙間を潜って、エミリー達と合流した。
タクト「この状況の原因は何なのか、調べる必要がある。一旦別れよう。何かあったらグレアとティオを通して連絡してくれ。」
エミリー「分かった!」
グレア「・・・」
タクト「ん?グレアどうした?」
グレア「いや、コスモスの花が綺麗だなぁ〜って。」
タクト「花の観賞は後にしてくれ。行くぞ。」
それぞれ2つに別れた。
その頃、シャーラと交際を反対されたキコアは父に問い詰めた。
キコア「父さん!どうして勝手に婚約者を決めたんだ!!僕の自由を奪い取るのが目的なのか!?」
ジュスト「キコア。お前をシャーラと婚約させたいのは私の本心だ。」
キコア「じゃあどうして!?」
ジュスト「・・・これを読んでみろ。」
そう言って渡されたのは、収支報告書と書かれた本だった。
キコア「経営の収支報告書・・・」
その報告書を読むと、驚くべき事が書かれてあった。
キコア「我が家の経営が・・・こんなに悪化していたのか・・・!?」
ジュスト「そうだ。ある商会の令嬢が、お前との結婚を条件に財政支援を申し出たんだ。」
キコア「そんな・・・!?」
同じくシャーラも、父に経営悪化の事を告げられた。
アルベルト「これ以上・・・我が家の借金を膨らます訳にはいかないんだ・・・お前とキコアの結婚は私の本音だ。だが、お前が商会のご子息と結婚して金が入れば、またきちんと商売が出来る。」
シャーラ「お父様は、私をお金で売ったんですね・・・」
アルベルト「すまない・・・ヴォルメリオ家の娘として・・・幸せになるには・・・こうする以外ないんだ・・・」
シャーラ「私にはキコアが・・・」
アズラク家。
キコア「僕達の気持ちはどうなると言うんだ!!」
ジュスト「・・・・!!」
何も言い返せないジュストは、部屋から出て行った。
キコア「・・・・」
誰も居ないジュストの部屋を物色し、棚の引き出しから門の鍵を盗った。
キコア「・・・・」
その鍵を持って、サゴール門へ向かおうとするが。
ジュスト「・・・・・」
キコア「・・・・!」
ジュストに見付かってしまった。
クラースニイ家。
シャーラ「・・・・・!」
父の部屋に侵入したシャーラは、父の机の引き出しからサゴール門の鍵を盗った。
シャーラ「キコア・・・待ってて・・・」
部屋から出た瞬間。
アルベルト「シャーラ!!」
シャーラ「・・・!」
父に見付かってしまった。
アルベルト「お前と言う奴は・・・!」
シャーラ「お父様・・・!」
見付かってしまったキコアは、ジュストと奉公人に連行され、近くの牢屋に閉じ込められてしまった。
キコア「父さん!!!」
ジュスト「カエルレウス村を救うにはそれしか方法がないんだ!!頼む!!分かってくれ!!」
同じくしてシャーラも、アルベルトと奉公人に連行され、近くの牢屋に閉じ込められてしまった。
シャーラ「お父様!!お父様!!」
アルベルト「すまないシャーラ・・・!!」
キコアとシャーラが閉じ込められてしまった。
一方タクト達は、ヴォルメリオ村を歩いていた。
タクト「とは言っても、原因を探るにも何処から情報を集めれば・・・」
フェオン「門を閉じたのは両家の奉公人。何かしら理由があるんじゃない?」
イザベラ「例えば、両家は元々敵対しているとか。元々仲が良かったけど、不仲になって門を閉じたとか。」
グレア「だとしたら理由が安直過ぎるね。」
タクト「・・・なぁグレア。両家の敷地内って出入り可能か?」
グレア「そうらしいよ。ここは観光地だから。」
タクト「よし、敷地内へ行ってみるか。」
カエルレウス村。
ティオ「僕の推測だけど、両家との間に何かがあるって事は確かだね。敷地内へ行けば何かあるかも。」
エミリー「だが、無断で侵入するのは大丈夫なのか?」
ドロレス「エミリー。ここは観光地よ。屋敷の敷地内も観光地の1つとして数えられているの。でも屋敷内へは入れないけど。」
カサンドラ「でしたら早速、屋敷へ行ってみましょう。」
クラースニイ家・敷地内。
タクト「誰も居ないな。」
フェオン「何なの?この異様な空気・・・」
イザベラ「屋敷は入れないけど、外だけでも何かあるかも知れません。」
タクト「皆はそこに隠れてろ。俺が行く。」
敷地内へ潜入するタクト。
タクト「ん?」
赤い扉の建物を発見した。
タクト「何だ?この赤い扉?」
???「助けて下さい!」
タクト「っ!誰か居るのか!?今助ける!」
鍵を壊して扉を開けた。
シャーラ「ありがとうございます・・・!」
タクト「あなたは?」
シャーラ「私はシャーラ=クラースニイです。」
タクト「もしかして、クラースニイ家の令嬢か?」
シャーラ「はい・・・」
彼女を連れて敷地内を脱した。
フェオン「タクト!その方は?」
タクト「シャーラ=クラースニイだ。閉じ込められてたんだ。」
イザベラ「え!?クラースニイ家のお嬢様ですか!?」
タクト「何で閉じ込められてたんだ?」
シャーラ「話は後です。サゴール門へ行かせて下さい。。」
タクト「サゴール門?分かった。」
彼女と共にサゴール門へ向かった。
アズラク家・敷地内。
ドロレス「・・・・・」
レア「何か分かったか?」
ドロレス「・・・・・誰か閉じ込められている。」
ティオ「え!?」
エミリー「私が助けに行く。ドロシー。何処に居るんだ?」
ドロレス「敷地内にある青い扉の建物。そこに居るわ。」
エミリー「分かった。皆は外へ出てろ。」
青い扉の建物の前。
エミリー「ここか。」
鍵を魔法で壊し、青い扉を開ける。
キコア「あ、あなた達は?」
エミリー「私はエミリーだ。あなたは?」
キコア「僕はキコア=アズラク。」
キコアを連れて敷地内を出た。
カサンドラ「え?このカエルレウス村の大地主のご子息ですか?」
キコア「そうだ。僕をサゴール門へ連れてってくれないか?」
エミリー「何かあったのか?」
キコア「話は後で。早く!」
ヒナ「分かりました!」
彼と共にサゴール門へ向かった。
サゴール門へ向かうタクト達。その道中。
グレア「ん?」
道の端に建てられている石碑にグレアが見詰めた。
グレア「何何?赤と青の狭間により、黄金の光を手に入れる。何だろうこれ?」
タクト「グレア!何してるんだ!」
グレア「あ、待ってー!」
一方クラースニイ家では。
アルベルト「お待ちしておりました。」
婚約者の男・ゴードンがやって来た。
ゴードン「歓迎して下さりありがとうございます。では、失礼します。」
礼儀正しく屋敷へお邪魔した。
シャーラが閉じ込められていた牢屋の扉を開けた。
アルベルト「シャーラ。」
牢屋の中を見たが、シャーラの姿が何処にもない。
アルベルト「そんな・・・!?」
同じくアズラク家でも。
ジュスト「あのバカ息子が!!」
脱走したキコアに怒りを燃やしていた。
???「キコア様はどうなさいました?」
婚約者の女・ベロニカ。
ジュスト「・・・!今すぐキコアを探せ!!」
奉公人「はい!!」
その様子を見ていたベロニカとメイドは。
ベロニカ「あなた。例の物を探しなさい。隈なくね。」
メイド「分かりました。直ちに。」
クラースニイ家。
アルベルト「娘を取り戻すのだ!!」
奉公人「畏まりました!」
その様子を見ていたゴードンと執事は。
ゴードン「おい。お前は例の物を探せ。」
執事「御意。」
ゴードン「フフッ。」
ヴォルメリオ村。
タクト「急げ!奉公人達が君の捜索を始めた!」
シャーラ「え!?」
フェオン「急いで行かないと!」
タクト「っ!隠れろ!」
近くの茂みに身を潜めた。
タクト「見ろ。」
奉公人達がシャーラを探し回っている。
フェオン「このまま見付かったら、私達まで罪に問われそうね。」
イザベラ「どうするんですか?タクトさん。」
タクト「俺に任せろ。3人はここに。」
奉公人に近付くタクト。
タクト「あの、誰かお探しでしょうか?」
奉公人「あ、実はシャーラ様を捜しているんですけど・・・」
タクト「シャーラ?もしかして、クラースニイ家のご令嬢様の?」
奉公人「はい。シャーラを見掛けになりませんでしたか?」
タクト「シャーラ様なら見ましたよ。」
奉公人「本当ですか!?何処へ?」
タクト「あの山へ走って行くのを見ました。」
奉公人「あの山ですか?分かりました、ありがとうございます。皆さん彼処です!」
嘘に騙されたとは知らず、奉公人達を連れて山へ向かった。
タクト「もう大丈夫だ。」
サムズアップでサインを送った。
シャーラ「ありがとうございます。」
タクト「急ごう。サゴール門へ。」
一方でエミリー達も。
エミリー「キコア様なら、彼処の森へ逃げて行きましたよ。」
奉公人「ご協力感謝します。皆行くぞ!」
他の奉公人達を連れて森へ向かった。エミリーの嘘だと言う事も知らずに。
エミリー「もう大丈夫だ。」
キコア「あなた方は僕の恩人です。ありがとうございます。」
レア「気にするなよ。」
アンナ「サゴール門までもうすぐです。行きましょう。」
キコア「ああ。」
サゴール門。
フェオン「着いた!」
タクト「シャーラ!鍵を!」
シャーラ「はい!」
門の鍵で南京錠を開ける。
キコア「シャーラ!」
シャーラ「キコア!」
2人が再会を果たした。
タクト「皆!」
エミリー「タクト!」
アンナ「無事だったんですね。」
ドロレス「一時はどうなると思ったよ。」
タクト「アンタがキコアだな。アズラク家のご子息の。」
キコア「この方達は?」
シャーラ「私を助けてくれた観光客よ。」
キコア「君達のお陰だ。感謝する。」
タクト「良いって事よ。それより、ここに居るとマズいんじゃないか?ここから離れよう。」
キコア「ああ。」
彼らは急いでサゴール門から離れた。
誰も住んでいない廃墟内。
タクト「教えてくれるか?何で2人共閉じ込められたんだ?それに、サゴール門が閉じられた理由を。」
シャーラ「このままじゃ私達、別の相手と結婚させられてしまうんです。」
フェオン「別の相手と結婚?どうして?」
キコア「両家の経営が悪化していて、父さんとアルベルト様が経営を安定させる為に婚約者を勝手に決めたんだ。」
レア「じゃあまさか、サゴール門が閉じられた理由は!?」
タクト「2人を会わさせない為の止むを得ない手段だった、と言う訳だな。」
シャーラ「はい・・・お金さえあれば・・・私達は結婚出来たのに・・・」
キコア「そう言えば小さい頃、財宝伝説なんてあったね。」
シャーラ「財宝伝説?」
キコア「あの宝が、今ここで手に入ったら・・・」
シャーラ「そんな夢物語、本当にあったら良いのにね。」
タクト「財宝伝説?」
キコア「僕達が生まれるずっと前に、貴族が埋めた財宝が2つの村の何処かにあってね。それが今や、財宝伝説として伝われているんだ。」
カサンドラ「中には何が入っているんでしょうか?」
シャーラ「噂では、宝石や金塊など金銀財宝が入っていると。」
レア「それが本当なら、大金持ちになれるな!」
アンナ「でも、2つの村にあるとは限らないでしょ?」
レア「そうだな。探すの苦労しそうだ。」
グレア「・・・・」
ティオ「グレア?どうしたの?」
グレア「何か引っ掛かるなぁ・・・」
アズラク家。
ベロニカ「キコア様はまだお戻りにならなくて?」
ジュスト「申し訳ありません・・・」
ベロニカ「気にする事はありませんわ。私は気長に待っておりますわ。」
クラースニイ家。
アルベルト「シャーラはまだ見付からないのか!?」
奉公人「すみません旦那様。実はサゴール門が開いておりまして・・・」
アルベルト「何だと!?」
奉公人「それで、ある男が屋敷をウロついているのが見えまして・・・」
その男の絵を描いた。その男とは、タクトだった。
アルベルト「コイツが・・・シャーラを逃したに違いない・・・!すぐに村中にこの絵を配れ!」
奉公人「はい!」
そしてアズラク家では。
ジュスト「この女か・・・」
エミリーの絵をジュストが見ていた。
奉公人「すぐに印刷して来ます!」
ジュスト「頼むぞ!」
タクトとエミリーの手配書が作られてしまった。
廃墟内。
タクト「何!?俺とエミリーの手配書が!?」
グレア「うん!奉公人の誰かが目撃したみたい!」
エミリー「まさか・・・あの時キコアを助けに行った時に見られたのか・・・!」
ヒナ「エミリーちゃん・・・」
タクト「皆は村へ行ってくれ。もし俺達の事を聞かれたら嘘の情報を言ってくれ。」
フェオン「タクトとエミリーは?」
タクト「ここで2人を守る。心配するな。必ず両家を救う手掛かりを見付けるさ。」
フェオン「分かったわ。皆、行きましょう。」
レア「2人共、無事でいてくれよ。」
タクトとエミリーを除いた全員が村へ向かった。
キコア「すまない・・・君達を巻き込ませてしまって・・・」
タクト「気にするな。俺達が勝手にやった事だ。」
エミリー「責任は私達にある。」
シャーラ「・・・これからどうすれば良いのかしら・・・」
キコア「僕が何とかする。」
タクト「キコア。俺達にも手伝わせてくれ。」
しかしそこに。
ゴードン「どうやって何とかするおつもりなんですか?」
全員「!?」
キコア「お前は!?」
ゴードン「シャーラさん。このゴードンの優秀な執事が、あなたを見付け出し、このゴードン自らお迎えに上がりましたよ。」
シャーラ「私は帰りません。この人と一緒に居たいんです。」
ゴードン「おやおや?私の申し出を断るとは、何を意味するのか分かるのか?借金まみれのお父様は、さぞお困りになる事だろうなぁ〜。家も売らないといけないだろうねぇ〜。クラースニイ家はあっと言う間に滅んじゃうんだろうねぇ〜。」
シャーラ「・・・・」
タクト(コイツ。精神的にシャーラを追い積んでやがる・・・!)
執事「・・・・」
タクト(ん?何だこの男?俺の声を読んだのか?)
ゴードン「さぁ、帰りましょう。」
シャーラ「・・・・・」
彼女は決心し、ゴードンへ歩む。
キコア「シャーラ・・・」
エミリー「・・・!!」
そのまま、ゴードンの手を握った。
ゴードン「ハッハッハッハ!!!良い子だねぇ〜シャーラ〜。そうすれば私と一緒に幸せになれるんだよ〜!可愛いねぇ〜。良い匂いだね〜。たっぷり愛してあげるからね〜。」
キコア「・・・・!!」
ゴードンのふしだらな行為にキコアが怒りを覚えた。
タクト「キコア。」
キコア「っ・・・タクトさん・・・?」
ゴードン「もう私から逃げられないよ〜!」
シャーラ「キコア!!!」
エミリー「ハァッ!!」
執事を殴り飛ばしたエミリー。
シャーラ「え・・・?」
ゴードン「っ!?」
タクト「テメェ!!!」
ゴードン「や、止めろ!!」
タクト「ドルァ!!」
ゴードンの胸倉を掴んで殴って気絶させた。
タクト「そのまま寝てろ。」
キコア「シャーラ!」
シャーラ「キコア!うぅぅ・・・!」
キコア「一緒に何処か遠い所へ逃げてくれるか?」
シャーラ「・・・はい・・・何処にでも・・・!」
タクト「駆け落ちか。」
エミリー「待て!それだとあなた達の家が!」
キコア「僕達は決心したんだ!もうあの家へ戻らない!親が勝手に決めた婚約者へ行く位なら、逃げる方がマシだ!」
タクト「・・・分かった。だったら俺が途中まで送ってやる。」
エミリー「途中まで護衛させてくれ。」
キコア「・・・すまない。感謝する。」
タクト「行こう!」
4人は走り出した。
アズラク家。
ジュスト「犯人は見付からないのか!?」
奉公人「すみません・・・」
クラースニイ家。
奉公人「犯人は見付かりません!」
アルベルト「クソッ・・・!」
一方フェオン達は。
グレア「嘘!?・・・うん・・・分かった。また後でね。」
テレパシーでタクトと会話した。
フェオン「どうしたの?」
グレア「キコアとシャーラが駆け落ちを決意したって。」
アンナ「え!?」
グレア「タクトとエミリーが途中まで護衛するって言ってた。」
ヒナ「救う手段が見付からなかったんですね・・・」
カサンドラ「そんな!きっと何かあるはずですよ!!」
グレア「う〜ん・・・・」
そして、逃げ出した4人は。
タクト「とは言っても、一体何処へ?」
キコア「この国を出て、別の国へ。」
エミリー「ん?タクト!」
タクト「おっと!どうしたエミリー?」
エミリー「見てくれ。」
シャーラ「ん?」
道の端にある石碑を見付けた。
タクト「石碑か?赤と青の狭間により、黄金の光を手に入れる。」
キコア「もしかしたら・・・本当に財宝伝説が・・・!?」
シャーラ「でも、赤と青の狭間って何?」
タクト「ちょっと皆を招集しよう。」
テレパシーでグレアに連絡する。
すぐに全員が集まった。
フェオン「この石碑?」
グレア「あ!さっき私が見た石碑じゃん!」
タクト「お前見たのか?」
グレア「うん。でもどう言う意味か分からないの。」
フェオン「赤と青の狭間って何・・・?」
ヒナ「難しいですね・・・」
全員が考え込んでいると。
タクト「赤と青・・・狭間・・・紫・・・紫?あ!!」
ティオ「ど、どうしたの?」
タクト「俺、解ったかも!」
イザベラ「本当ですか!?」
シャーラ「答えは何なんですか!?」
タクト「ヒナ。赤と青を混ぜたら何色になる?」
ヒナ「えっと・・・紫?」
タクト「そう。赤と青の狭間は紫色を表しているんだ。つまり紫色がある場所と言ったら・・・」
サゴール門。
グレア「サゴール門?」
アンナ「ここにあるんですか?」
タクト「グレア。さっきコスモスの花を観賞してたよな。コスモスの色は紫色。だとすると、この辺にあるのは確かだ。・・・あ、あった!!」
コスモスの裏の森の奥の地面を掘ると、大きい箱が発掘された。
タクト「よっと。」
ウルトラ念力で大きい箱を持ち上げた。
フェオン「これが財宝?」
タクト「開けるぞ。」
大きい箱の蓋を開けた。
タクト「こ、これは・・・!!」
中には、大量の宝石と金銀財宝が入っていた。
キコア「あった!」
ドロレス「これは凄い・・・!」
レア「凄い輝きだぞ!」
シャーラ「キコア。」
キコア「うん。行こう。」
タクト「俺が運ぶ。親御さんの所へ。」
キコア「ああ。」
一方両家の当主と婚約者達は、ヴォルメリオ村に集まっていた。
ゴードン「いつまで待たせるんだ!!」
ベロニカ「もういい加減にして下さい!!」
ジュスト「・・・・」
アルベルト「どうすれば・・・」
しかしそこに。
シャーラ「お父様!!」
キコア「父さん!!」
アルベルト「っ!!シャーラ!!」
ジュスト「キコア!」
アルベルト「あ、お前達は指名手配の!!すぐに捕らえろ!!」
シャーラ「待って下さいお父様!彼らは無罪です!」
キコア「父さん。僕達財宝を見付けたんだ。」
タクト「その証拠に、これを見ろ。」
箱を開けて金銀財宝を見せた。
ジュスト「何・・・!?」
ゴードン「何!?」
ベロニカ「何ですって!?」
ゴードン「私より先に見付けてしまったのか・・・!」
ベロニカ「私が狙っていたのに・・・!」
アルベルト「貴様ら!!それが目的だったのか!!!」
シャーラ「2人で使って下さい。これがあれば借金も返せるんでしょ?」
アルベルト「シャーラ・・・私達の為に財宝を・・・」
シャーラ「うん。」
ジュスト「なんて事だ・・・私達はなんて恥ずかしい事をしてしまったんだ・・・キコア・・・」
キコア「父さん・・・」
アルベルト「君達にも迷惑を掛けたな。指名手配は撤回する。許して欲しい。」
タクト「いやいや。」
ゴードン「宝がないなら、こっちから願い下げだ。」
ベロニカ「婚約は破棄させて頂きます。」
2人が帰ろうとしたが。
執事「それは俺達の物だ。」
ゴードン「何言ってるんだ。もう宝は無いんだ。早く帰るぞ。」
執事「宝を寄越せ!!!」
すると執事の目が真っ赤に染まった。
ゴードン「な、何だ!?」
アルベルト「あれは!!」
フェオン「魔人!?」
ベロニカ「キャアアアーー!」
目の前の魔人にベロニカとメイドが一目散に逃げ出した。
魔人「ウオオオオオオオ!!!!」
口から魔法弾を放射した。
タクト「危ない!!」
魔法弾がキコアとシャーラに直撃しようとしたが。
ゴードン「クッ!!」
咄嗟に飛び出したゴードンが2人を押し倒して避けた。
魔人「グルルルル・・・!」
シャーラ「あなた・・・」
ゴードン「ヘヘッ・・・これで少しは役に立てたかな・・・?」
魔人「タカラヲヨコセ・・・!!ソノタカラデオンナドモトアソブ・・・!!」
ゴードン「まさか僕の執事が魔人だったなんて・・・」
タクト「ッ!お前達は逃げろ!」
飛び出したタクトが、魔人を掴んで広い草原へ飛んで行った。
キコア「タクトさん!!」
すると草原から眩い光が発生した。
アルベルト「何だ!?」
レア「タクト!!」
全員が草原へ向かうと。
ティガ「タッ!」
魔人「・・・・!!」
ウルトラマンティガと魔人が睨み合っていた。
ティガ「タァッ!」
魔人「グルゥ!!」
ティガ「ドゥアッ!!」
マルチキックを避けた魔人が、ティガの背中をチョップした。
魔人「グルゥ!」
ティガ「タァッ!」
魔人のチョップを受け止め、マルチチョップでダメージを与えた。
ティガ「フッ!!」
側転からのバク転で魔人の背後を取った。
ティガ「タァッ!!」
魔人「ゴアァッ!!」
背中にマルチキックが直撃した。
ティガ「タァッ!!」
更に魔人の肩を掴んでウルトラホイッパーで後ろへ放り投げた。
魔人「グルルルル・・・!」
キコア「あの姿は・・・?」
グレア「ウルトラマンティガ。タクトが変身した超古代の戦士だよ。」
シャーラ「ウルトラマン・・・ティガ・・・」
ティガ「タァッ!!」
背負い投げで魔人を投げた。
魔人「グルゥ!!」
ティガ「ドゥアッ!」
飛び蹴りを喰らった。
ティガ「タァッ!」
魔人「ゴアァッ!!」
マルチキックを繰り出した。
魔人「グルゥ!!」
ティガ「アアッ!!」
持ち上げられて後ろへ投げられた。
ティガ「ハアアァァァァァ!タァッ!」
ジャイアントスイングで魔人を投げた。
ティガ「フッ!」
魔人「グルルルル・・・!」
ティガ「ドゥアッ!!」
走り出したティガを魔人がキックで止めた。
魔人「グルルルル!!」
ティガ「ウッ!!」
倒れたティガを踏み付ける。
ティガ「ッ!!」
転がって避けて起き上がった。
魔人「グルルルル!!」
ティガ「ハァッ!!」
突進する魔人の腹をマルチパンチ。
ティガ「フッ!!」
怯んだ魔人の肩を掴んだ。
ティガ「タァッ!!」
ウルトラホイッパーで投げた。
魔人「グルルルルルル・・・!!」
ティガ「フッ!」
大きく横にゆっくり広げてエネルギーを集め、更に両腕を前に突き出し交差させてエネルギーを集める。
魔人「グルルルル・・・!」
ティガ「タァッ!!」
カラータイマーを中心にして、全身からから眩い光のエネルギーを放つタイマーフラッシュスペシャルを魔人に与える。
魔人「ゴアアアアアアァァァァァァ!!!」
その眩い光に、魔人が苦しむ。
ティガ「ーーーーー!!」
力を振り絞って威力を高める。
全員「・・・・!!」
眩い光に全員が眼を細める。
ティガ「ーーーー!!ウッ・・・!」
エネルギーを使い果たして疲れ果てるが。
魔人「ゴアアアアアアァァァ!!!」
タイマーフラッシュスペシャルの眩い光に苦しんでる魔人が跡形もなく溶けた。
フェオン「よし!」
カサンドラ「やった!」
ティガ「・・・・・」
光となり、タクトの姿に戻った。
戦いが終わった後。
ゴードン「あなた達には迷惑を掛けてしまいました。申し訳ありません。」
アルベルト「いや、元々経営安定の為に勝手に婚約者を決めた私にも非がある。」
ゴードン「家へ帰って婚約破棄の事を父上に話します。私は私自身で婚約者を見付けます。ではこれで。」
彼はヴォルメリオ村から去って行った。
アルベルト「シャーラ、色々とすまなかった。父さんを許しておくれ。」
シャーラ「お父様・・・」
ジュスト「キコア、私が悪かった。経営の為にお前を閉じ込めたりして。」
キコア「良いんだよ。分かってくれたなら。・・・アルベルト様。シャーラと結婚させてくれませんか?」
アルベルト「勿論だとも。シャーラは、キコア君と言う男にこそ、貰ってもらいたい!」
シャーラ「・・・!」
結婚が認められたキコアとシャーラが抱き締め合う。アルベルトとジュストが嬉し涙を流す。
アンナ「良かったですね・・・」
カサンドラ「はい・・・」
フェオン「一件落着ね。」
タクト「キコア。シャーラ。幸せにな。」
こうして、キコアとシャーラはめでたく結ばれた。クラースニイ家とアズラク家の借金は財宝により全額返済出来、2つの村に再び平穏が訪れた。
翌日。フィオーレイノを発ったタクト達。
ドロレス「私、ここから別の旅へ行く。」
タクト「行くのか?」
ドロレス「まだ私の知らない国がいっぱいあるから、自分の目で確かめたいの。」
フェオン「また会えるかしら?」
ドロレス「いつかね。皆の健康を祈っているよ。じゃあ。」
充分の食料と金を持って、タクト達と別れて自分の旅へ進んだ。
ヒナ「またいつか会えますよ。」
エミリー「ああ。ドロシーなら大丈夫だ。」
タクト「よし、じゃあ俺達も旅へ行くか。」
フェオン「ええ!」
グレア「次はロバイト王国だね。」
八木侑紀