ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS 作:naogran
枢要罪の8人の事件が終わったその夜。草原で野営をするタクト達。フェオン達ユエリアンの戦士がテントで眠りに入った。
ゼオラ・エイダ「ーーーーーーーーー。」
眠っているフェオン達を確認したゼオラとエイダが詠唱を唱えると、テントに結界が張られた。この結界は周囲の音を完全に遮断する結界で、フェオン達が安心して熟睡出来るのである。
焚き火を囲ってるタクトとレナードの所へ戻って来た。
タクト「寝たか?」
ゼオラ「ああ。ぐっすり眠ってる。」
エイダ「気持ち良さそうだね。」
タクト「そっか。」
レナード「じゃあここからは僕達で楽しもう。」
ゼオラ「ああ。」
4人が座って焚き火を囲う。
タクト「ゼオラ。ココアだ。」
ゼオラ「ああ。ありがとう。」
レナード「どうぞエイダ。」
エイダ「ありがと!」
2人からココアが入ったコップを受け取って飲む。
ゼオラ「ふぅ。」
エイダ「美味しい〜♪」
タクト「こうして4人で話すの凄い久し振りだな。」
レナード「あの時はお祖父ちゃんも居たよね。」
ゼオラ「まぁ5人で話すのはまた今度にしようか。それで、今日は何の話をするんだ?」
タクト「俺が離脱してから4人の話とか色々聞きたいな。」
エイダ「思い出話だね。じゃあまずは・・・タクトから。」
タクト「え?俺から?」
レナード「提案者が先に話してよ。君の思い出話も聞きたいし。」
タクト「そう言う事なら、俺から行こうか。」
最初にタクトがこれまでの思い出話を話す。
タクト「1ヶ月お前達と旅をした後、世界を見たい為に離脱して色々な国を回ったんだ。それから数日後に小さな国でこれを見付けた。」
懐からスパークレンスを出して3人に見せた。
ゼオラ「ティガになる為の魔道具か。」
タクト「魔道具って言うか神器だな。最初これを手にした時は石化状態になってた。ティガの石像を探しに森林を歩いていた所、精霊のグレアとフェオン達と出会った。その時はまだ6人だけだったな。フェオン、イザベラ、エミリー、ヒナ、レア、アンナ。」
レナード「へぇー。他の皆は後に出会ったの?」
タクト「そうだな。んでその森林で遺跡を発見した。その中にウルトラマンティガの石像があったんだ。それで災害級に襲われていた所、スパークレンスが輝いて俺がティガに変身出来た。」
エイダ「もしかしてそれが、タクトをティガの適合者として選んだって事なのかな?」
タクト「かもな。当初はティガが俺だって事を隠してフェオン達と旅をした。途中で色々な災害級や怪獣と戦って、フェオン達の仲間達と出会った。けどその中で無惨な出来事が起きたんだ。」
ゼオラ「ん?」
タクト「滅ぼされたユエリアンに転移させられ、集落を滅ぼしたアステール、リウシン、リテス。魔女三姉妹との戦いでフェオン達が命を落とした。」
ゼオラ「命を落とした?」
エイダ「え!?それって死んだって事!?じゃあ今一緒に旅してるフェオン達は幻!?」
レナード「落ち着いてエイダ。タクト、フェオン達はどうやって生き返ったの?」
タクト「ジムと名乗る男、本名はマフティー。彼は大昔ウルトラマンティガに変身していた男だった。落命したフェオン達を蘇生魔法で生き返らせてくれたんだ。そして魔女を倒した。」
ゼオラ「成る程な。」
タクト「マフティーはティガの力の半分を持っていて、ドグラマグマとの戦いで俺の意識の中に現れてティガの本来の力を俺に授けてくれた。」
ゼオラ「お前も色々と苦労しながら旅をして、アールスハイド王国へ訪れたって訳か。」
タクト「皆どうだ?アールスハイド王国の居心地は。」
ゼオラ「そうだな。今まで色んな国を旅して来たが、アールスハイドは格別だ。」
エイダ「うん!凄く住みやすい国だね!皆凄く親切だし、美味しいご飯がいっぱいあるし治安も良い!流石教育を施してる三大大国の1つだね!」
レナード「騎士団の練兵場を見てみたけど、凄い緊張感溢れてた。」
エイダ「そうそう。ラドクリフ教に入ってみたけど。対話の儀?って言うんだっけ。死者と対話出来るとか初めて知った。」
タクト「それがラドクリフ教の特徴だ。信者や国民の亡くなった身内や友人の魂を呼び出して、数分間対話出来る。しかも1ヶ月に1回行われるイベントだ。」
レナード「しかも貴族と庶民の境界線がないなんて凄いよね。」
タクト「アールスハイドには学校があるからな。初等学院から中等学院。そして成績優秀だった生徒にはその上の高等学院の入学が許される。」
エイダ「確か3つの専門高等学院があるんだよね。高等経法学院は経済や法律を目指す将来の官僚と商会を育成。」
レナード「騎士養成士官学院は騎士を目指す生徒に剣による戦闘術を教える学校。」
ゼオラ「そして優秀な魔法使いを育成する高等魔法学院の3つだな。」
タクト「ああ。俺はシン達アルティメット・マジシャンズと同じ魔法学院に入学して、この前早期卒業をしてこうして旅に出てる。」
ゼオラ「しかしお前が学び舎に入ってたとはな。」
タクト「ずっと戦いばかりだったからな。改めて知識を身に付けておきたいし、それに学校での友達も増やしたかったし。」
エイダ「そしてアルティメット・マジシャンズの一員となって世界の英雄になったと。」
タクト「ああ。」
エイダ「オリベイラだっけ?ドグラマグマに利用されて魔人になって、旧帝国でタクト達に救済されて人間に戻ったと。」
タクト「今思えばあっと言う間だったな。オリベイラはやっと思い描いていた平穏を手に入れたからな。さて、俺の思い出話は終わり。お前達はどうだ?俺が抜けた間何を経験した?」
ゼオラ「まぁそれ程大した事じゃないが、主にエイダが色々無理やり過ぎた事だな。」
エイダ「ちょ!お姉ちゃん!それは言わないで!」
タクト「ほお?エイダお前今度は何をやらかしたんだ?」
ゼオラ「森の中で罠だらけの道を進んで、逆さ吊りにされたり植物の触手に捕まられたり、壁に上半身が埋まったりなどだったな。」
エイダ「うううう・・・・」
レナード「僕はもう見てられない程酷かったよ・・・お祖父ちゃんはゲラゲラ笑ってたけど。」
エイダ「今思い出しただけで恥ずかしいよぉ・・・」
嫌な思い出にエイダが顔を真っ赤にして両手で顔を隠す。
タクト「あはは。俺が居ない時でもハチャメチャにやったんだな。」
ゼオラ「でもエイダの醜態だけじゃないぞ。」
エイダ「言い方!」
レナード「悪霊に取り憑かれた子供達の悪魔祓いとか、倒産寸前の商会の経営不振の原因を突き止めたり、後は・・・」
ゼオラ「落ちこぼれの剣士の少年をレナードとアルバスが教えてくれたりもしたな。」
レナード「あの時、昔の僕と重なってね。お祖父ちゃんと一緒にその子を立派に育成したんだ。」
タクト「そっか。レナードお前、随分立派になったな。天国のお祖母さん喜んでるだろうな。」
レナード「えへへ。ありがと。あ、そうそう。お祖父ちゃんで思い出した。アールスハイドに住み始めた頃、練兵場で稽古付けてあげてたよ。」
タクト「稽古?騎士達にか?」
レナード「ううん。騎士団総長さんに。」
タクト「ドミニク局長にか?」
レナード「うん。」
数ヶ月前、アールスハイド王国に住み始めた頃のレナードとアルバス。2人は城下町を歩いている。
レナード「お祖父ちゃん。何処へ行くの?」
アルバス「騎士団の連絡を貰ってな。練兵場へ行くんだ。」
アールスハイド王国の練兵場。
アルバス「ここか。」
レナード「ん?お祖父ちゃん。」
練兵場に騎士団総長兼軍務局長のドミニク=ガストールと彼率いる騎士数人がやって来た。
ドミニク「あなたがアルバス殿ですね?」
アルバス「そなたがドミニクとやらか。」
ドミニク「はい。剣豪と呼ばれるアルバス殿にお会い出来て光栄で御座います。」
彼はアルバスに頭を下げた。
アルバス「剣豪なんてよしてくれよ。ワシは孫を愛するただのジジイだ。」
ドミニク「あなたのお噂は予々聞いております。アルバス殿、私に剣の稽古を付けて下さいますか?」
レナード「え?お祖父ちゃんに稽古を?」
アルバス「成る程。ワシはかなり強いぞ。手加減は無しで良いか?」
ドミニク「はい。全力でお願いします。」
アルバス「では、騎士団総長の実力を見せてみろ。」
両者が腰の剣を鞘から抜いて剣を構える。
アルバス・ドミニク「・・・・・・ッ!」
同時に走り出し、両者の剣が激しく激突する。
レナード「す、凄い・・・!お祖父ちゃんと互角だ・・・!」
アルバス(ワシの速度に付いて来れるとは、中々だな。)
ドミニク(これが噂に聞く剣豪の実力。やはり伊達ではないな。)
レナード「・・・・・」
???「噂の剣豪殿。流石だな。」
隣に1人の男性が近付いてアルバスとドミニクの稽古を見る。
レナード「え?あなたは?」
ミッシェル「君がレナード君だね?タクト君から話は聞いているよ。私はミッシェリ=コーリング。元騎士団総長をしていた男だ。」
レナード「は、初めまして。レナード=テラスミスです。ミッシェルさんはお祖父ちゃんを知っているんですか?」
ミッシェル「アルバス殿は風の噂で聞いた事があるんだ。多くの悪党や弱小の騎士団を鍛え上げたお方だと聞いている。レナード君、君もお祖父様に育てられた1人なのだろう?」
レナード「はい。お祖父ちゃんは僕にとって一番の恩師であり大好きな祖父です。」
ドミニク「はぁ・・・はぁ・・・」
アルバス「ふぅ・・・ふぅ・・・」
両者が息切れして汗をかいてる。
アルバス「流石騎士団総長だ。良い腕しているな。」
ドミニク「いえ、アルバス殿に比べればまだまだです。」
稽古が終わり、レナードがアルバスに駆け寄る。
レナード「お祖父ちゃん。どうだった?」
アルバス「ああ。良い腕しておる。騎士団総長の実力は伊達じゃないな。」
ミッシェル「アルバス殿。」
そこにミッシェルが来た。
レナード「お祖父ちゃん。この人はミッシェルさん。元騎士団総長をしていた人だよ。」
アルバス「ほう。タクトから聞いたが、確かそなたは剣聖と呼ばれていたな。」
ミッシェル「はい。知って頂きありがとうございます。」
アルバス「どうだレナード。今度はお前がミッシェルに稽古付けて貰ったらどうだ?」
レナード「え?僕が?」
アルバス「心配いらん。今のお前の実力なら剣聖を凌げるかもだぞ。」
レナード「・・・分かった。やってみる。ミッシェルさん。お願いします。」
ミッシェル「よし。遠慮はいらん。全力で来い。」
今度はレナードが剣聖ミッシェルに稽古をする。
稽古終了。レナードは疲れて尻もちついて息切れする。
レナード「はぁ・・・はぁ・・・ダメ・・・これ以上は・・・」
一方のミッシェルは疲れてる様子はない。
ミッシェル「レナード君。君は良い腕をしているな。ホラ、立てるかい?」
レナード「は、はい・・・」
ミッシェルの手を握って立ち上がる。
レナード「ありがとうございます。」
ドミニク「レナード君。ミッシェル様とほぼ互角とは驚いた。どうかな?君さえ良ければ、我がアールスハイド騎士団に入ってみないか?」
レナード「え?僕がですか?」
ドミニク「ああ。」
レナード「・・・ドミニクさん。折角のお誘いですが、僕はお祖父ちゃんの元で力を磨きたいんです。だから、お気持ちだけ頂きます。」
ドミニク「そうか。私は君の意志を尊重しよう。
ミッシェル「では、もし良かったら今後も練兵場に来てみたらどうだい?お祖父様と一緒に。」
レナード「良いんですか?」
ミッシェル「君にはまだまだ伸び代がある。ここで私の後輩達と稽古や模擬戦をやって経験を身に付けておくのも力を磨く近道だ。ドミニク、どうだい?」
ドミニク「そうですね。私もその考えに賛成です。レナード君どうかな?」
レナード「お祖父ちゃんは?」
アルバス「ワシは賛成だ。ここで若い騎士達を育て上げるのが楽しみだ。」
レナード「・・・分かりましたミッシェルさん。また今度お邪魔します。」
ミッシェル「ああ。歓迎するぞ。」
そして現在に至る。
レナード「そんな感じで、時折練兵場に顔を出しているんだ。」
タクト「騎士団にスカウトされるとか、お前本当に立派になったな。」
エイダ「流石私のレナードだね!ギューってしてあげる!」
笑顔でレナードでギューっと抱き締める。
レナード「ち、ちょっとエイダ!?」
抱き締められるレナードが驚いて照れる。
タクト「なぁゼオラ。お前の妹、レナードの彼女になっているが・・・」
ゼオラ「ふふふ♪私は構わないぞ。妹に運命の人が出来た事を大変誇らしく思う。」
タクト「そ、そうか。レナードは将来ゼオラの義弟になりそうだな。」
レナード「そこ、勝手に話を進めないでよ・・・」
エイダ「エヘヘ〜レナード〜♪」
夜の楽しい思い出話を楽しんだ4人であった。