ウルトラマンティガ THE ULTIMATE MAGICIANS   作:naogran

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命ある島



74.5話「命ある島」

リナエル=ヴァレンツの逝去から1週間後のある日。タクトとアランは、フェラント王国が催す帆船ツアーに参加していた。

 

タクト「風が心地良いなぁ。」

 

アラン「本当は皆と一緒に行きたかったけどね〜。」

 

タクト「アイツら、俺ら2人だけで楽しんで来いって。」

 

 

 

 

3日前。フェオンがフェラント王国のくじ引き大会に参加し、そこで特別賞として帆船ツアーのチケットを手に入れた。しかし参加出来るのは2人1組だった。そこでフェオンは仲間達に相談し、日々戦ってくれたタクトとアランにチケットをプレゼントしてあげた。

 

 

 

 

タクト「まぁでも、俺達はフェオン達より戦って来たからな。今回はお言葉に甘えようぜ。」

 

アラン「・・・そうだね。帰ったら色んな土産話でもしてあげよ?」

 

タクト「ああ。」

 

”ゴロゴロゴロゴロ”

 

タクト「ん?」

 

アラン「何の音?」

 

タクト「・・・っ!」

 

水平線の方を見ると、雷雲がこちらに近付いて来ている。

 

タクト「マズい!雷雲だ!」

 

アラン「何だって!?」

 

突然の雷雲出現でツアーに参加していた客達がパニックになった。

 

アラン「タクト!雷雲が迫って来てるよ!」

 

タクト「アラン!ツアー中止だ!皆を避難させるぞ!」

 

アラン「分かった!」

 

2人は急いで乗客達の救命ボートへの避難誘導に取り掛かった。

 

タクト「皆!慌てるな!時間はまだある!」

 

アラン「落ち着いて行動して下さい!」

 

 

 

 

刻一刻と雷雲が迫って来ている。

 

 

 

 

タクト「よし、これで全員か?」

 

乗員乗客全員を救命ボートへ乗せ終えた。

 

アラン「後は僕達だけだね。」

 

タクト「ああ。じゃ行くぞ。」

 

2人が救命ボートに乗ろうとしたその時。

 

”ゴロゴロゴロゴロ!!!!”

 

落雷が発生し、帆船が大きく揺れた。

 

タクト「っ!!」

 

アラン「うわっ!!」

 

その時、救命ボートへの橋が壊れてしまった。

 

タクト「しまった!!」

 

乗員乗客を乗せた救命ボートが離れて行ってしまった。

 

アラン「ボートが・・・!!」

 

タクト「くそッ!スパークレンスを客室に置いて来てしまった!アラン戻るぞ!」

 

アラン「え、うん!」

 

2人は急いで帆船内へ逃げ込む。

 

 

 

 

 

 

帆船・客室。

 

タクト「あった!」

 

テーブルの上にあるスパークレンスを懐に収めた。

 

アラン「タクト!」

 

タクト「っ!」

 

”ゴロゴロゴロゴロ!!!!!!!”

 

巨大な落雷がタクトとアランが乗ってる帆船に直撃し、大爆発を起こした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フェラント王国から南方にある島。草原から海を眺める1人の少女が居た。

 

少女「わぁ・・・!」

 

美しい海に見惚れてる少女。

 

”ヒューーーー”

 

少女「ん?」

 

”ビュオオオーーー!”

 

少女「うっ!」

 

突然起こった突風に煽られる少女。すぐに突風が止んだ。

 

少女「・・・・」

 

???「レイラ。」

 

レイラ「ん?」

 

少女「やっぱりここに居た。」

 

黒髪ショートでボーイッシュの少女がレイラと呼ぶ少女を見付けた。

 

レイラ「ケイト?」

 

ケイト「何やってたの?」

 

レイラ「海を眺めてたの。」

 

ケイト「本当レイラは海が好きだな。」

 

レイラの隣にケイトが座る。

 

ケイト「この島は平和だなぁ。」

 

レイラ「うん。この島はずーっとあったかくて、まるで天国みたいだもんね。」

 

この島は美しい草木や花、そして動物達が生息している。

 

ケイト「レイラ。雪って見た事ある?」

 

レイラ「雪?聞いた事あるけど・・・」

 

ケイト「冬の寒い日に息を吐くとね、息が白くなるんだ。」

 

レイラ「息が?」

 

ケイト「雪の日は世界がシーンっとしててね。話し声だけで白い息が空に飛んでいくんだ。」

 

レイラ「白い息が空に・・・」

 

ケイト「いつか2人で見に行きたいな!」

 

レイラ「・・・うん!」

 

ケイト「さぁ、そろそろ行かなきゃ!」

 

レイラ「うん!」

 

2人は草原から島の中心へ戻って行く。

 

 

 

 

 

 

2人が戻って行く最中。

 

ケイト「うん?」

 

レイラ「どうしたの?ケイト。」

 

ケイト「あれ・・・」

 

レイラ「え?」

 

浜辺に倒れてる2人の男を発見した。

 

 

 

 

 

 

島にある村。そこには、沢山の若い娘達が構築作業をしている。

 

ケイト「作業が進んでるな。」

 

レイラ「先生にさっきの事を伝えなきゃ。」

 

ケイト「うん。行こう。」

 

先生を呼びに行き、流されて来た男2人の事を説明した。

 

 

 

 

 

 

2人の男は、館の一室で先生と呼ぶ女性に看病される。

 

レイラ「先生。どうして男の人がこの島に倒れていたんでしょうか・・・」

 

先生「浜辺で倒れていたと言う事は、恐らく海難事故に巻き込まれて奇跡的に助けられた可能性がありますね。」

 

ケイト「海難事故・・・ですか?」

 

先生「昨日、島に雷雲が出現したのを覚えていますか?」

 

レイラ「はい。」

 

先生「彼らはその雷雲が発する落雷に巻き込まれたんでしょう。」

 

部屋の外では、娘達が男2人を覗いている。

 

???「っ・・・・ん・・・・?」

 

1人の男が目を覚ました。

 

ケイト「起きた。」

 

男「・・・ここは・・・?」

 

先生「病室です。あなた達が浜辺で倒れていた所をこの子達が助けたのですよ。」

 

男「そうか・・・ありがとう。助けてくれて。」

 

レイラ「い、いえ。」

 

ケイト「私はケイト。こっちはレイラ。君の名前は?」

 

男「俺はタクト。タクト=クリスティだ。こっちは・・・」

 

男「う・・・・・」

 

もう1人の男も目を覚ました。

 

タクト「あ、アラン。気が付いたか?」

 

アラン「あ・・・タクト・・・」

 

この島に流された男2人の正体は、タクトとアランだった。

 

アラン「ここは・・・?それに、この人達は?」

 

タクト「俺達を助けてくれた人達だ。俺達、島の浜辺に倒れていたみたいなんだ。」

 

アラン「そうか・・・」

 

タクト「皆。こっちはアラン。俺の仲間だ。」

 

アラン「タクト、島って・・・」

 

タクト「どうやらここ島らしいんだ。何処ら辺にあるのか分からないが。」

 

アラン「そうなんだ・・・」

 

先生「どうやら、目立った外傷や疾患は無さそうですね。皆さん、作業に戻って下さい。」

 

娘達「はーーい!」

 

覗いていた娘達が作業へ戻って行く。

 

先生「レイラ。ケイト。2人で彼らを案内してあげて下さい。」

 

ケイト・レイラ「はい。」

 

 

 

 

 

 

その後。ケイトとレイラがタクトとアランに村を案内し終えた。

 

レイラ「大体はこんな感じですね。」

 

アラン「凄く長閑で賑やかな村だね。」

 

レイラ「はい。私達はここで平和に暮らしているんです。」

 

タクト「本当に娘しか居ないんだな。」

 

ケイト「私達はこの島で暮らしているけど、この島に男の人は居ないんだ。」

 

アラン「もしかして、君達の先祖は何処の国から迫害されてここに住んでいるとか?」

 

ケイト「それは分からないんだ。私達は一緒に暮らしているけど、血は繋がっていないからね。」

 

タクト「兄弟姉妹、親子関係は皆無か。」

 

???「お?君達が噂の男だね?」

 

そこに双子の娘がタクトとアランに近付いた。

 

ケイト「キリア。ルクア。」

 

キリア「ねぇねぇ、お兄さん達は何処から来たの?」

 

双子の姉のキリア。

 

ルクア「外の世界はどんな感じなの?」

 

双子の妹のルクア。

 

タクト「えっと俺達は・・・」

 

アラン「それは後で話すよ。今はこの島に馴染んでおかないと。」

 

キリア「え〜?ねぇ教えてよ〜。」

 

ルクア「外の世界のお話聞きたいな〜。」

 

ケイト「コラコラ2人共。あんまり質問攻めしちゃダメだよ。」

 

キリア・ルクア「はぁ〜い。」

 

ケイト「そうだ。レイラ、私ちょっと離れるから。シルフィに水持って行ってくれない?」

 

水の入った水筒をレイラに手渡した。

 

レイラ「分かった。」

 

タクト「シルフィ?」

 

ケイト「身体が弱くてね。木陰に休んでる事が多いんだ。」

 

アラン「そうなんだ。」

 

 

 

 

 

 

見張り台の近くにある木。木陰に座って海の絵を描いてる娘シルフィが居た。

 

シルフィ「・・・・・」

 

娘「あ〜〜〜、あっつ〜〜〜・・・」

 

シルフィ「アリーダ。」

 

ツインテールの娘のアリーダがシルフィの隣に座る。

 

アリーダ「汗びしょびしょ。」

 

シルフィ「今日気温高いからね。」

 

アリーダ「焼けるの嫌なんだよねぇ・・・」

 

シルフィ「焼けるって今までサボってたでしょ?」

 

アリーダ「えへへ。バレた?」

 

シルフィ「バレバレ。」

 

アリーダ「身体は大丈夫?」

 

シルフィ「うん。何時もより大丈夫。」

 

 

 

 

レイラ「シルフィちゃーーーん!」

 

 

 

 

シルフィ・アリーダ「ん?」

 

レイラ「お水持って来たよーーーー!」

 

こちらに走って来るレイラ。その後ろから歩いて来るタクトとアラン。

 

レイラ「はい。」

 

シルフィ「ありがと。」

 

水筒を受け取った。

 

アリーダ「私のは?」

 

レイラ「アリーダのは自分で汲みに行きな。」

 

アリーダ「えぇ・・・」

 

シルフィ「私のあげるから。」

 

タクト「へぇ〜。絵が上手いんだな。」

 

シルフィ「え?」

 

彼女が描いてる絵を見てるタクト。

 

シルフィ「あ、えっと・・・」

 

タクト「あ、ごめん。驚かせちゃった?俺はタクト。こっちはアラン。」

 

アラン「僕達、ケイトとレイラに助けられてここに居るんだ。」

 

シルフィ「そう・・・なんだ・・・」

 

緊張しているシルフィ。

 

アラン「ん?僕達何か悪い事しちゃったの?」

 

アリーダ「ああ気にしないで。シルフィは男の人を見た事無くてね。少し緊張してるんだ。まぁ私もだけどね。」

 

アラン「そうなんだ。ごめんね。」

 

シルフィ「だ、大丈夫・・・」

 

アリーダ「それよりさ、男の人ってどんな人なのか気になってるんだよね〜。」

 

タクト・アラン「はい?」

 

アリーダ「ねぇ、ちょっと腕触らせて?」

 

タクト・アラン「・・・・・?」

 

2人は袖を捲ってアリーダに腕を見せる。

 

アリーダ「わぁ!凄い筋肉!噂通りだね!」

 

タクト「・・・君って筋肉好き?」

 

アリーダ「ううん。私は男ってどんな体しているのか気になってるだけなんだよ。」

 

アラン「そっか。君達から見たら僕達は不思議な存在なんだね。」

 

タクト「ん?」

 

遠くを見ると、霧に覆われている。

 

タクト「なぁ、あの霧の向こうに何かあるのか?」

 

レイラ「あ、彼処は・・・」

 

アリーダ「彼処はダメだよ。」

 

タクト「え?」

 

アリーダ「あの霧の向こうには、悪魔が潜んでいるんだよ?」

 

タクト・アラン「悪魔?」

 

アリーダ「時折こっちにやって来るんだけど、何もしないで通り過ぎるだけなんだ。」

 

タクト「・・・・」

 

アラン「どんな顔をしているの?誰か一目で見てたり?」

 

シルフィ「それが分からないの。私達はその悪魔に怯えて・・・」

 

アリーダ「その悪魔で私達以外の子達が・・・」

 

アラン「まさか犠牲に・・・?」

 

3人は頷いた。

 

アラン「そうか・・・・」

 

タクト(島に潜む悪魔・・・魔物か?怪獣か?)

 

 

 

 

 

 

昼頃。付近の草原で昼食を取る。銀紙に包まれたパンと肉。

 

キリア「あれ?シルフィもういらないの?」

 

ルクア「昼休みもう終わっちゃうよ?」

 

1人だけ弁当を食べてないシルフィ。

 

シルフィ「私あんまり働けてないから、キリア食べて良いわよ。」

 

キリア「え!やったー!」

 

ケイト「急ぎなよ。」

 

レイラ「急いで食べてね。」

 

ルクア「んで、あの2人は何しているの?」

 

空を眺めているタクトとアラン。

 

アリーダ「ああ。何かちょっと空見たいって言ってた。」

 

ルクア「元の国に帰りたいのかな?」

 

ケイト「あの2人、私達の知らない国から来たからな。」

 

 

 

 

空を眺めているタクトとアラン。

 

タクト「アラン。海難事故でここに流れ付いたけど、これからどうする?」

 

アラン「う〜ん。早く帰りたいのは山々だけど、彼女達の言ってた悪魔の正体が気になるんだよね。」

 

タクト「もしかしたら、魔物か怪獣のどっちかだと俺は思う。俺達が帰るのは、その正体を突き止めて、どうするかを決める。」

 

アラン「うん。僕もそう思ってる。」

 

 

 

 

昼休憩が終わった。

 

ケイト「さて、作業に戻ろうか。」

 

レイラ「うん。ん?」

 

霧の方から何かを見たレイラが霧の方を凝視する。

 

レイラ「・・・・はっ!」

 

何かを見たレイラが息を呑んだ。

 

レイラ「・・・・・!」

 

ケイト「レイラ?どうかした?」

 

レイラ「え?あ、ううん。早く戻らないと。」

 

ケイト「レイラ。」

 

レイラ「っ!・・・・・今はもう見えないんだけど、霧の方から何かが見えたような気がして・・・」

 

ケイト「はっ!レイラ、それって・・・!?見張りに伝えて来る!」

 

レイラ「あ!待って!」

 

走り出すケイトの袖を掴んで止めた。

 

レイラ「私の・・・み、見間違いかも知れないし・・・」

 

ケイト「・・・・大丈夫!私が見たって事にするから!ね?」

 

そう言うとケイトが見張り台へ走り出した。レイラも見張り台へ走る。

 

アラン「何かあったのかな?」

 

タクト「行ってみよう。」

 

 

 

 

 

 

見張り台の梯子を素早く登るケイト。1段登って左手にロープを絡めて後ろに落ちて、壁に立つような体勢を取る。

 

ケイト「おーーいシェイル!!出て来てくれーーーー!!」

 

シェイル「何だー!どうしたー!」

 

見張り役のシェイルが見張り台から顔を出した。

 

ケイト「霧の方をよくよく確認してくれーーー!!」

 

シェイル「分かったーーー!」

 

見張り台から、望遠鏡を霧に向けて覗く。

 

シェイル「・・・・・・・」

 

すると霧から巨大な影が出現した。

 

シェイル「はっ!・・・大変だ!」

 

その影の見たシェイルが急いでケイトとレイラに伝える。

 

シェイル「ケイト!レイラ!緊急事態だ!」

 

ケイト・レイラ「っ!!」

 

 

 

 

シェイル「っ!」

 

”カンカンカンカン!!”

 

見張り台にあるベルを大きく鳴らして娘達の注目を集める。

 

娘達「ん?」

 

シェイル「っ!」

 

見張り台の縁に立って旗を大きく振る。

 

シェイル「霧の方角より悪魔襲来!!各自持ち場を速やかに隠し、退避せよ!!!」

 

娘A「時間は!?」

 

シェイル「3分!!!」

 

娘達「きゃあああああーーーーー!!!」

 

猶予は3分。娘達はすぐに持ち場を隠す。

 

 

 

 

 

 

霧がある方角。野生動物達が霧から逃げている。その霧から巨大な足が現れ、森の木を潰しながら進む。

 

 

 

 

 

 

村では、娘達が構築物を解体して近くの横長の穴に隠す。

 

ケイト「私達も急ごう!」

 

レイラ「うん!」

 

アラン「タクト!」

 

タクト「ああ!俺達も手伝おう!」

 

2人も構築物隠蔽の手伝いに入る。

 

 

 

 

構築物を全て横長の穴に入れ終え、キリアとルクアが土色の長い布を覆い被せた。

 

積まれた丸太にも、草が生えた岩の布を被せた。

 

小屋の方はタクトとアランが娘達の手伝いで重いハリボテを持って覆い隠す。

 

 

 

 

構築物と小屋を全て隠し終えた。

 

ケイト「おーいアリーダ!もう良いぞ!」

 

アリーダ「うん!」

 

ケイト「レイラ早く!」

 

レイラ「うん!」

 

タクト「アラン!」

 

アラン「分かった!」

 

近くの茂みに全員が隠れた。これで悪魔に見付からずに済むと思われたその時。

 

 

 

 

娘「痛た・・・・・」

 

 

 

 

ポニーテールの1人の娘が日向に取り残されている。彼女は足を挫いてしまっている。

 

レイラ「あ!」

 

ケイト「あっ!ミーリュンが!」

 

タクト「何!?アラン!」

 

アラン「分かった!」

 

男2人が足を挫いたミーリュンに走り出した。

 

アリーダ「タクト!?アラン!?」

 

娘A「何してる!戻れ!」

 

 

 

 

足を挫いたミーリュンに駆け寄った。

 

タクト「おい大丈夫か?アラン、そっちの肩を。」

 

アラン「うん。」

 

ミーリュン「ごめん・・・」

 

 

 

 

娘B「急げー!」

 

娘C「早くー!」

 

 

 

 

タクト「行くぞ!せーの!」

 

ミーリュンを抱えて同時に走った。

 

 

 

 

3人が茂みに入った。

 

娘B「良かった間に合った!」

 

タクト「シッ!」

 

娘達を静かにさせた。すると。

 

 

 

 

”ドォン!ドォン!”

 

 

 

 

巨大な足が大きな足音を立てながら現れた。娘達は声を押し殺す。

 

アラン「・・・・!」

 

巨大な足の持ち主の顔を覗いたアランが驚愕した。

 

タクト「・・・・・」

 

足音が遠退き、誰も欠ける事なくやり過ごした。

 

タクト「・・・・全員無事みたいだ。」

 

娘達「やったーーーー!!」

 

無事やり過ごした娘達が大いに喜んだ。

 

娘B「大した事無かったね。」

 

タクト「ふぅ・・・・・」

 

アラン「タクト。ちょっと話がある。」

 

タクト「ん?」

 

 

 

 

 

 

少し離れて、アランがタクトに話す。

 

アラン「さっき、悪魔の顔を見たんだ。」

 

タクト「そいつ、どんな顔をしてたんだ?」

 

アラン「蛇のような顔と触手を持っていて、頭部に2本の大きな角を持っていた。」

 

タクト「蛇のような顔と触手・・・」

 

アラン「うん。そいつの名は、ガーゴルゴン。」

 

タクト「ガーゴルゴン・・・?」

 

アラン「500年前にフォスが()()()()()()の怪獣。奴の触手は伸びるだけじゃなく、電撃を放射する事も出来る。そして厄介なのが奴の口の中にある目だ。目から相手を石化させる光線を発するんだ。」

 

タクト「まるでメデューサみたいだな。ん?ちょっと待てよ?()()()()()()って事は、何らかの影響で封印が解かれたって事か?」

 

アラン「多分ヘザーが密かに蘇らせたと思う。」

 

タクト「アイツ、厄介な置き土産を残しやがって。アラン、これからどうする?」

 

アラン「僕はここに残ってガーゴルゴンを倒す。そうしないと、あの子達が死んじゃうから。」

 

喜ぶ娘達に目を向ける。

 

タクト「お前がそう言うなら俺も、ガーゴルゴンを倒すまでここに残る。帰るのはその後だ。」

 

アラン「・・・ありがとうタクト。」

 

タクト「俺とお前はウルトラマン。守りたい力を持っている者同士だからな。」

 

 

 

 

 

 

夕方。タクトとアランはケイト、レイラ、アリーダ、キリア、ルクア、シルフィとお話をしている。

 

ケイト「じゃあ2人共。2人が何処から来たのか私達に話してくれるかな?」

 

タクト「急だな。」

 

キリア「ねぇねぇ、2人は何処から来たの?」

 

ルクア「どんな国から来たのか教えて?」

 

タクト「俺は、アールスハイド王国から来たんだ。」

 

キリア・ルクア「アールスハイド王国?」

 

アリーダ「あ!聞いた事ある!確か三大大国の1つで、貴族や平民が平等に暮らしている国だって!」

 

タクト「そう。厳密に言えばその国の出身じゃない。もっと遠い国から来たのが正しいかな?」

 

レイラ「もっと遠い国?どんな国なんですか?」

 

タクト「ん〜。それは秘密かな?」

 

彼はこの世界に転生した男。前世の世界の事は言えない。

 

シルフィ「じゃあアランさん。アランさんは何処から来たの?」

 

アラン「僕はずっと旅をしていたから、故郷の事は忘れちゃってね。」

 

シルフィ「そうなんだ・・・」

 

タクト「俺はアラン、それに他の仲間達と一緒に旅をしていてね。ここに流される前は、フェラント王国に滞在していたんだ。」

 

アリーダ「へぇ〜。フェラント王国かぁ。私行ってみたいな〜。彼処は色んなオシャレとかあるって聞いた事あるし。」

 

タクト「オシャレだけじゃなく、色んなグルメや観光スポットが山程あるから絶対楽しいぞ?」

 

ケイト「そう言えば2人は、この島を出るのはいつ頃なの?」

 

アラン「え?」

 

ケイト「もし帰りたいって言うなら、ボートやイカダを作ってあげるけど。」

 

タクト「あ〜・・・俺らはもうちょっとここで観光しようかなって思ってる。な?アラン。」

 

アラン「そうそう。ここで皆とも仲良く出来たらな〜って。」

 

ケイト「そっか。」

 

 

 

 

 

 

夜。タクトとアランは用意してくれた部屋で寝泊まりする事に。

 

タクト「なぁアラン。お前が言ってたガーゴルゴン。奴のせいで、どれだけの娘達が犠牲になってると思う?」

 

アラン「・・・少なくとも何人かは・・・」

 

タクト「奴は相手を石化させる力もあるんだろ?もしかして奴を倒したら、石化された者達を復活させれる事は可能か?」

 

アラン「奴の目を破壊すれば、石化した対象を元に戻る事は出来る。けど、石化されてバラバラにされたら・・・」

 

タクト「不可能って訳か。」

 

”コンコン”

 

タクト・アラン「ん?」

 

ドアのノックが鳴り、先生がドアを開けた。

 

先生「失礼します。」

 

タクト「先生か。」

 

アラン「どうしました?」

 

先生「明日は皆さんで他の村へ移動します。この辺りは悪魔の縄張りにされています。」

 

タクト「そうか・・・」

 

アラン「あの怪獣・・・」

 

先生「怪獣・・・?」

 

アラン「僕らが住んでいる場所では、あの魔物を怪獣と呼んでいるんです。奴は魔物や災害級と違って巨体を持ち、無差別に殺す凶悪な奴らです。」

 

先生「・・・・」

 

タクト「なぁ先生。あの怪獣、いつ頃から徘徊するようになったんだ?」

 

先生「・・・1年前に突然現れて、多くの子達を犠牲にしたんです。私達には、あの悪魔をどうする事も出来ません。だから、ずっと島を回り続けているんです。」

 

タクト「って事は、この村はまた別の陣地って訳か?」

 

先生「はい。」

 

アラン「僕達にも何か手伝える事があったら何でも言って下さい。」

 

タクト「俺からも頼む。」

 

先生「ありがとうございます。では明日、私と一緒にあの子達を先導して下さい。おやすみなさい。」

 

タクト「おやすみ。」

 

アラン「おやすみなさい。」

 

部屋から先生が出た。タクトとアランはそれぞれのベッドに入って寝静まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝。タクトとアランは先生と3人で娘達を先導する。行き先は崖の道。

 

アラン「この先に第二の村があるのかな?」

 

タクト「行ってみないと分からない。」

 

 

 

 

レイラ「村って言うから普通の道を通るのかと思った。崖の下を歩くんだね。」

 

ケイト「うん。だいぶ南に降って来たね。」

 

アリーダ「あ!」

 

バッグの中を探っていたアリーダが声を荒げた。

 

アリーダ「あー最悪・・・手鏡忘れた・・・」

 

シルフィ「アリーダ。私達これから村へ行くのよ?」

 

アリーダ「私は何処だって何時だって美人でいたいの。」

 

シルフィ「じゃあ銀紙で代用したら良いよ?」

 

アリーダ「でもしわくちゃだし・・・」

 

すると全員が途中で止まった。

 

ケイト「着いたみたいだ。」

 

レイラ「うん。」

 

先生「皆さん。ここから少し降った所に、新たな陣地となる村があります。この洞窟を抜けば村に着きます。途中休憩を挟みます。では各自班ごとに別れて休息を取って下さい。」

 

娘達「はい。」

 

 

 

 

村へ通ずる洞窟へ足を踏み入れる。

 

キリア「この先に村が?」

 

ルクア「崩れそうな洞窟だね。」

 

アリーダ「でも何か探検みたいで面白そうじゃん。」

 

シルフィ「もう遊びじゃないのよ?」

 

アリーダ「はいはい。」

 

洞窟の中は薄暗く気味が悪い。

 

レイラ「・・・・・・」

 

薄暗い洞窟に怯えながら進んでいくレイラ。すると。

 

レイラ「うわっ!!」

 

ケイト「あ!!」

 

足を滑らせて転げ落ちるレイラの左手をケイトが掴んで助けた。

 

全員「・・・ふぅぅ。」

 

レイラ「ケイト・・・ありがとう。」

 

ケイト「もうレイラ。余所見してただろ?」

 

レイラ「えへへ・・・ごめんごめん。」

 

シルフィ「ん?あら?」

 

洞窟の奥が少し明るい。

 

 

 

 

 

 

奥へ進むと、開けた洞窟に陽の光が照らされてる。レイラとキリアとルクアが陽の光に立つ。

 

キリア「わぁー!キレー!」

 

ルクア「舞台みたーい!」

 

レイラ「本当だねー!」

 

 

 

 

タクト「娘達はこれで全員か?」

 

アラン「うん。さっき確認した。誰も欠けてない。」

 

タクト「OK。この奥に天然の水場がある。」

 

アラン「天然かぁ。」

 

 

 

 

洞窟内で休憩を取る。

 

アラン「ゴクゴク・・・ふぅ。あれ?水が無くなった。」

 

水筒の水が切れた。

 

アラン「タクト。水場案内してくれる?」

 

タクト「ああ。こっち。」

 

洞窟の奥にある水場へ向かう。

 

 

 

 

天然の水場。

 

アラン「広いなぁ・・・」

 

タクト「この島の山から湧き出た水がここに溜まってるって話だ。」

 

水筒に水を汲む。

 

アラン「こっから村までどれ位の距離かな?」

 

タクト「少なくとも小1時間程で着くようだ。」

 

アラン「そっか。・・・タクト、ガーゴルゴンの動きは?」

 

タクト「透視したが、今の所迫って来る気配は無い。」

 

 

 

 

元の場所に戻る最中。

 

アラン「今頃皆、心配しているだろうな・・・」

 

タクト「無理もない。俺ら海難事故に巻き込まれて行方不明になってるだろうな。」

 

アラン「早く帰って、皆に無事を知らせてあげたいな。」

 

タクト「ああ。その前にまずは奴を倒さねえと。」

 

 

 

 

 

 

洞窟の外では、巨大な影が洞窟に迫って来ている。

 

 

 

 

 

 

休憩が終わり、出発前。

 

ケイト「皆、忘れ物はない?」

 

レイラ「うん。」

 

アラン「じゃあ僕は外の様子を見て来る。」

 

タクト「頼む。」

 

洞窟の外の様子を見に行くアラン。

 

タクト「・・・なぁ皆。」

 

全員「ん?」

 

タクト「ちょっと話さなきゃならない事があるんだ。」

 

アリーダ「何?話って。」

 

タクト「あの悪魔の事件を解決したら、俺達は・・・」

 

”ドゴォォォォーーーーーーン!!!!!”

 

外から突然の爆発音。

 

ケイト「何だ!?」

 

レイラ「爆発!?」

 

タクト「アラン・・・!!皆はここにいろ!!」

 

洞窟の外へ走る。

 

 

 

 

洞窟の外。周囲が燃えてる。

 

タクト「アラン!!アラーーーン!!」

 

大声でアランを呼ぶが、反応はない。

 

タクト「クッ!なら!」

 

テレパシーでアランを呼び掛ける。

 

タクト『アラン!聞こえるか!?アラン!』

 

アラン『・・・聞こえるよタクト・・・』

 

タクト『アラン!今何処にいる?』

 

アラン『タクトの前にある壁に積まれた岩。その奥の洞穴に逃げ込んでるよ。』

 

タクト『そうか・・・爆発の原因は?』

 

アラン『ガーゴルゴンだ。僕は電撃の爆風に巻き込まれたけど、飛ばされた場所が奇跡的にもそこの洞穴だった。』

 

タクト『どうする?今から助けてやろうか?』

 

アラン『いや、このままで良い。ガーゴルゴンは僕を狙ってる。僕が奴の気を引くから、タクトは皆と一緒に村へ向かって。』

 

タクト『分かった。死ぬなよ?』

 

アラン『勿論。』

 

タクト「・・・・・」

 

テレパシーを終えて洞窟へ戻る。

 

 

 

 

洞窟内。

 

タクト「皆、聞いてくれ。アランがいなくなった。」

 

レイラ「え・・・!?」

 

アリーダ「それって死んじゃったんじゃ・・・!?」

 

タクト「いや、死んだとは言ってない。恐らく行方不明になってると思う。ここからは俺が君達を先導する。先生。」

 

先生「はい。皆さん、私達に付いて来て下さい。村までもう少しです。」

 

 

 

 

洞窟の奥へ進んで外へ出た。

 

タクト「・・・・・」

 

森の中、池を跨いで村へ進んで行く。

 

タクト(・・・今の所、ガーゴルゴンは来てないな。)

 

 

 

 

 

 

一方洞穴に閉じ込められたアランは、自力で岩を退けて外へ出た。

 

アラン「ふぅ・・・何とか出れた。さてと・・・」

 

顔を上に向けると、ガーゴルゴンがタクト達の方へ進んで行くのが見えた。

 

アラン「っ!!」

 

ハンドスラッシュを連射した。

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーー?」

 

足元にハンドスラッシュが当たって、アランに顔を向ける。

 

アラン「ガーゴルゴン!!僕はこっちだ!!」

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーーー!!」

 

標的がアランになった。アランはガーゴルゴンから逃げる。

 

 

 

 

 

 

しばらくして、第2の村が見える丘の上に着いた。だが村は既に荒らされていた。

 

ミーリュン「村が・・・!悪魔にやられたんだ・・・!」

 

ケイト「煙が立ってない。」

 

タクト「恐らく前に攻撃されたんだろう。」

 

レイラ「じゃあ、悪魔はいなそうですね。」

 

タクト「先生。ここに他の娘達は居るのか?」

 

先生「はい。私の他にも先生は居ます。ですが、あの状況だと生き残りは・・・」

 

タクト「兎に角、あの村へ行こう。何かあるかも知れない。」

 

 

 

 

 

 

村に着いた。家は荒らされ、人の気配は無い。だが。

 

タクト「っ!」

 

そこには、石化された娘達や他の先生の姿があった。

 

アリーダ「これって・・・!」

 

シルフィ「悪魔に・・・石にされたんだ・・・!」

 

タクト「・・・皆。彼女達を運ぶの手伝ってくれ。」

 

全員「?」

 

タクト「安全な場所に運ぶ。あの悪魔に壊されないように。」

 

石化された娘達と他の先生を慎重に運ぶ。

 

 

 

 

安全な場所は、レンガの家。そこに石化された彼女達を運び終えた。

 

ケイト「これで全員かな?」

 

タクト「ああ。皆ありがとう。手伝ってくれて。」

 

”ドォン!”

 

アリーダ「え?」

 

”ドォン!”

 

巨大な足音が徐々に迫って来てる。

 

シルフィ「あ・・・!!」

 

この村にガーゴルゴンが現れた。

 

アリーダ「あ、悪魔・・・!!」

 

タクト(アラン・・・!逸れたのか・・・!?)

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーーーー」

 

触手の口が帯電し始めた。

 

タクト「あ!皆逃げろ!!!」

 

触手から電撃が放射した。

 

娘達「きゃああああーーーーー!!!」

 

電撃は縦横無尽に放たれた。

 

タクト「・・・皆!こっから逃げるぞ!早く!」

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーーーー!!!!」

 

パニックになりながらガーゴルゴンから逃げる娘達。タクトは逃げる娘達の後ろを走る。

 

タクト『アラン!どうしたんだ!』

 

アラン『すまない!ガーゴルゴンが君を狙っている!君の光に食い付いたみたいだ!』

 

タクト『くそッ!今近くに居るのか?』

 

アラン『いや、まだ遠くにいる!』

 

タクト『分かった。俺がガーゴルゴンを引き付ける!急いで合流してくれ!』

 

アラン『分かった!』

 

タクト「皆!岬へ行ってくれ!俺が悪魔を引き付ける!」

 

レイラ「え!?」

 

シルフィ「何言ってんだ!お前も死ぬぞ!」

 

タクト「俺に構うな!先生!皆を頼む!」

 

先生「は、はい!」

 

タクト「俺は死なない!俺が皆を死なせはしない!」

 

彼はガーゴルゴンに向かって走り出した。

 

レイラ「タクトさん!」

 

ケイト「レイラ!今は彼を信じよう。岬へ行こう!」

 

レイラ「・・・うん!」

 

先生「皆さん!こっちです!」

 

彼女達は岬へ走る。

 

 

 

 

ガーゴルゴンに走ったタクトは。

 

タクト「っ!」

 

ハンドスラッシュでガーゴルゴンを牽制する。

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーー!!!」

 

口から石化光線を放った。

 

タクト「っ!!」

 

横にジャンプして避けた。石化光線は家を石化させた。

 

タクト「チッ!おーい!こっちだー!」

 

ハンドスラッシュで牽制しながら、娘達から引き離す。

 

 

 

 

 

 

 

村を抜け出した。

 

レイラ「タクトさん大丈夫かな・・・?」

 

ケイト「彼は死なないって言ったんだ。」

 

ミーリュン「先生・・・岬までどの位あるんですか・・・?」

 

先生「このトウモロコシ畑を抜ければ森林があります・・・!その森林を抜ければ岬です・・・!」

 

トウモロコシ畑を潜って森林へ向かう。

 

 

 

 

 

 

一方タクトは、ガーゴルゴンに追われている。

 

タクト「そうだ良いぞ!そのまま!」

 

アラン「タクト!!」

 

タクト「あ!アラン!」

 

岩場でアランと合流出来た。

 

アラン「彼女達は?」

 

タクト「岬へ走ってる。どうする?奴をここで倒すか?」

 

アラン「ああ。行こうタクト!」

 

タクトがスパークレンス、アランがエンシェントスパークレンスを取り出したその時。

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーーー?」

 

突然岬に顔を向けたガーゴルゴンが、岬へと進路を変更した。

 

アラン「どうして!?僕達を追ってるんじゃ!?」

 

タクト「・・・まさか!?あの子達を真っ先に殺そうとしてるのか!?」

 

アラン「え・・・!?」

 

タクト「彼女達が危ない!行こう!」

 

アラン「ああ!」

 

 

 

 

 

 

森林を抜けた石切場に彼女達が避難を終えていた。

 

レイラ「ここまで来れば・・・」

 

ケイト「大丈夫みたいだ・・・」

 

タクト「おーーーい!」

 

そこにタクトが合流した。

 

ケイト「タクト!」

 

タクト「皆、怪我はないか?」

 

キリア「うん!よかった!タクトも無事だったんだね!」

 

ルクア「アランは?」

 

タクト「ああ。さっき会った。無事だった。」

 

シルフィ「良かった・・・」

 

タクト「皆。岬までもう少しだが。」

 

先生「ですが、彼処は見晴らしが良過ぎるから無理かも・・・」

 

タクト「けど先生!もうすぐそこまで悪魔が来ているんだぞ!」

 

先生「分かってます・・・だから私達は決心したんです。ここで自決しようと。」

 

タクト「っ・・・!?」

 

すると先生は懐から黒い球体を取り出した。

 

タクト「それは・・・?」

 

先生「爆弾です・・・ここで死んだ方が良いと皆で相談して決めました・・・」

 

タクト「・・・・・!?」

 

ミーリュン「あの悪魔に対抗出来ないなら・・・最初からこうすれば良かったって・・・」

 

タクト「待てよ!そんな事したら・・・」

 

娘E「もうこうするしかないの!」

 

タクト「・・・・・・・」

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーーーー!!!!」

 

全員「っ!?」

 

すぐそこにガーゴルゴンが迫って来てる。

 

娘達「・・・・・・!!」

 

タクト「・・・・」

 

沈黙するタクトが顔を上げた。

 

タクト「分かった。先生、その爆弾を俺に貸してくれ。」

 

先生「え?は、はい・・・」

 

爆弾をタクトに貸した。

 

タクト「俺が起爆させる。皆で共にしよう。」

 

ケイト「タクト・・・・・」

 

爆弾を起動した。

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーーーー」

 

迫り来るガーゴルゴン。起爆しそうになる爆弾。そして。

 

タクト「っ!!!!」

 

持ってた爆弾をガーゴルゴンに向かって投げた。

 

”ドカーーーン!!!”

 

投げた爆弾がガーゴルゴンの口に入って爆発した。

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーーーー!!!!!」

 

口の中の目が爆破されて苦しむガーゴルゴン。

 

レイラ「タクトさん・・・?」

 

タクト「皆。岬へ逃げるぞ。」

 

全員「・・・・」

 

タクト「早く!!!」

 

彼の剣幕に気押され、彼に続いて岬へ走る。ガーゴルゴンの破壊された目は自己再生された。

 

 

 

 

 

 

全員が岬が見える丘の上に着いた。

 

タクト「・・・・・」

 

アリーダ「ちょっと、あなたどう言うつもり!?私達の決心を無駄にして!!」

 

ミーリュン「私達があの悪魔に殺されても良いって言うの!?」

 

タクト「馬鹿野郎!!!!!」

 

全員「・・・・!?」

 

タクト「対抗出来ないから集団自決?巫山戯んじゃねえよ!!皆はその命を簡単に散らして良いと思ってるのか!?」

 

アリーダ「だって・・・あの悪魔を倒す術なんて私達には無いのよ!?」

 

タクト「例えそれが無くても、何かしら可能性を見出そうって考えはないのか!?さっきの俺の行動を見ただろ?皆が避難してる間に悪魔を引き付けるって。・・・それに、皆にはやりたい事があるんじゃないのか?」

 

レイラ「え・・・?」

 

タクト「アリーダ。君は何がしたいんだっけ?」

 

アリーダ「私は・・・もっとオシャレを楽しみたい!」

 

シルフィ「私はもっと絵が描きたい!」

 

タクト「ケイトは?」

 

ケイト「私は・・・私は・・・レイラと一緒に雪がみたい!一緒に見た事ない世界を見てみたいんだ!」

 

レイラ「私も・・・ケイトと一緒に・・・」

 

娘A「私も・・・」

 

娘B「私も・・・」

 

他の娘達も自分のやりたい事を声を出して言った。

 

先生「皆さん・・・」

 

彼女達のやりたい事を聞いたタクトが笑顔を見せた。

 

タクト「だったら、皆がまだ死ぬ事はないな。」

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーーー!!!!」

 

すぐにガーゴルゴンが迫って来た。

 

タクト「しつけぇ奴だ!岬へ急げ!」

 

皆が岬へ走る。

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーーー!!!!!」

 

するとガーゴルゴンが巨大な岩をタクト達に向けて飛ばした。

 

 

 

 

 

 

アラン「あ!」

 

遠くから見ていたアランが、エンシェントスパークレンスを取り出した。

 

アラン「ウルトラマントリガーーーーーーッ!!!」

 

エンシェントスパークレンスを掲げて光を解放した。

 

 

 

 

 

 

タクト達に迫る巨岩。

 

トリガー「ダァッ!」

 

現れたウルトラマントリガーが間一髪巨岩を掴んでタクト達を助けた。トリガーは掴んだ巨岩をゆっくりと地面に下ろした。

 

ケイト「何だあれは・・・!?」

 

レイラ「巨人・・・!?」

 

タクト「ナイスタイミングだアラン!」

 

キリア・ルクア「え・・・!?アラン!?」

 

タクト「あ!・・・詳しい話は後だ!岬へ行こう!」

 

 

 

 

トリガー「ダァッ!」

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーーー!!!」

 

トリガー「ッ!」

 

ゆっくりとガーゴルゴンに近付くトリガー。

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーーー!!!」

 

近付くトリガーに両手で対抗する。トリガーはガーゴルゴンの両手を避けた。

 

トリガー「ハァッ!」

 

後ろに回り込んでトリガー・マルチチョップがガーゴルゴンの後頭部に命中した。

 

トリガー「ダァ!」

 

ガーゴルゴンの左の触手を掴んだ。

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーーー!!!」

 

トリガー「ウワッ!!」

 

ガーゴルゴンの右手を受けて怯み、前へ投げ飛ばされた。

 

 

 

 

 

 

一方タクト達は、岬に避難完了した。

 

シルフィ「何なのあの巨人・・・?さっきアランって・・・」

 

娘達がタクトに視線を向ける。

 

タクト「・・・皆。皆は俺達が守る。言っただろ?俺は死なない。皆を死なせはしないって。」

 

シェイル「あの巨人は一体・・・」

 

タクト「あれはウルトラマントリガー。アランの元の姿だ。」

 

アリーダ「ウルトラマントリガー・・・?って、え?元の姿って?」

 

タクト「アランの姿はトリガーの仮の姿。彼は500年前に永き眠り入ったけど、世界に新たな脅威が現れた時に封印が解かれてここにいるんだ。」

 

ミーリュン「・・・じゃあタクトは?」

 

タクト「俺はアランとは違ってただの人間だ。けど、俺も彼と同じような力を受け継いでいる。」

 

懐からスパークレンスを出した。

 

タクト「俺はこの力で世界の脅威を戦い続けている。」

 

 

 

 

 

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーーー!!!!」

 

トリガー「ウワッ!!」

 

ガーゴルゴンの触手の電撃を受けてトリガーが苦戦している。

 

 

 

 

 

 

電撃が地面に着弾して、巨岩がこちらに飛んで来る。

 

娘達「きゃああああーーーー!!」

 

タクト「ハァッ!!」

 

ハンドスラッシュで飛んで来る巨岩を粉砕した。

 

キリア・ルクア「あ・・・・」

 

タクト「皆はここに居ろ。俺が行く。」

 

レイラ「タクトさん・・・?」

 

タクト「改めて自己紹介しよう。俺はタクト=クリスティ。そして、ウルトラマンティガ!」

 

自らの素性を明かして走り出した。

 

 

 

 

タクト「っ!」

 

スパークレンスを天に掲げた。

 

タクト「ティガーーーーーー!!!」

 

スパークレンスの光が解放された。

 

 

 

 

 

 

ガーゴルゴン「ーーーーーー!!!」

 

トリガー「ウワッ!!」

 

ガーゴルゴンの尻尾を受けて地面に膝を付いた。

 

トリガー「ッ!」

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーーー!!!!」

 

口を開けてトリガーに石化光線を放とうとしたその時。

 

”ドゴォン!!”

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーーー!!!??」

 

左の触手が光弾を受けて破壊された。

 

トリガー「ッ!!」

 

光の柱が現れ、そこからウルトラマンティガが姿を現した。

 

トリガー「タクト!」

 

ティガ「アラン。大丈夫か?」

 

膝を付いてるトリガーを立たせた。

 

トリガー「あの子達は?」

 

ティガ「無事岬に避難した。ガーゴルゴンを倒す。行けるか?」

 

トリガー「うん。行こう!」

 

ティガ「タァッ!」

 

トリガー「ダァッ!」

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーーー!!!」

 

ティガ「タァッ!」

 

ガーゴルゴンの電撃をウルトラシールドで防ぐ。

 

トリガー「ダァッ!」

 

その隙にトリガー・ハンドスラッシュで腹部に攻撃した。

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーーー!!!」

 

ティガ「ハッ!」

 

怯んだガーゴルゴンにティガスライサーを放った。ティガスライサーがガーゴルゴンの左の触手を切断した。

 

ケイト「タクト・・・!アラン・・・!」

 

ガーゴルゴン「ーーーーーー!!!」

 

娘達に気付いたガーゴルゴンがこちらに迫って来る。

 

ティガ・トリガー「ッ!」

 

岬に向かっている事に気付いた2人が走り出したが。

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーー!!!」

 

右の触手の電撃が2人の行手を阻んだ。

 

ティガ「ドゥアッ!」

 

トリガー「ウワァッ!」

 

電撃に阻まれたティガとトリガー。

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーー!!!」

 

ルクア「こっちに近付いて来るよ!!」

 

アリーダ「・・・・皆!力を貸して!」

 

何かが閃いたアリーダが数人の娘と一緒に何かを作り始めた。

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーー!!!」

 

口を開けて目にエネルギーを集める。

 

レイラ「もう・・・ダメだ・・・!!」

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーー!!!」

 

目から石化光線を放射した。

 

アリーダ「今だ!!!!!」

 

前に出たアリーダ達が巨大な鏡を突き出した。石化光線が鏡に直撃。それがガーゴルゴンに反射した。

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーーー!!!!」

 

反射した石化光線を右に避けた。

 

アリーダ「やった・・・!成功した・・・!」

 

レイラ「何!?何が起きたの!?」

 

アリーダ「あの攻撃を鏡のように跳ね返したのよ!一か八かの作戦だったけど、上手く行ったみたいで良かった!」

 

彼女達が作ったのは銀紙に近くの板に貼って作った即席の鏡だった。それを使って石化光線を反射させたのだ。

 

 

 

 

 

 

ティガ「タァッ!」

 

トリガー「ダァッ!」

 

ハンドスラッシュがガーゴルゴンの右の触手を破壊し、トリガースライサーがガーゴルゴンの腹部に直撃した。

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーーー!!!!」

 

触手が全て破壊され、怒り狂ったガーゴルゴンが石化光線をティガに向けて放った。

 

ティガ「ドゥアッ!」

 

石化光線がティガの左足に直撃。左足から徐々に石化されていく。

 

ティガ「ッ!」

 

しかしティガはそれに構わず、両手を十字に組んで構える。

 

ティガ「タァッ!!」

 

マルチ・スペシウム光線がガーゴルゴンの口の中の目に直撃し、目を破壊した。

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーーーー!!!!」

 

目を再度破壊されたガーゴルゴンが苦しみ悶える。

 

トリガー「フッ!」

 

両腕を前に突き出し交差させ、大きく横にゆっくり広げてエネルギーを集める。

 

トリガー「ダァッ!!」

 

L字に組んで放つゼペリオン光線がガーゴルゴンに直撃した。

 

ガーゴルゴン「ーーーーーーーーーー!!!!」

 

ゼペリオン光線を受けたガーゴルゴンが爆発四散した。

 

 

 

 

ガーゴルゴンが倒され、石化された娘達が元の姿に戻った。

 

 

 

 

そして石化されたティガの左足も元に戻った。ティガとトリガーがお互いを見て頷いた。そして、娘達に向かってサムズアップした。

 

 

 

 

 

 

戦いが終わった2日後。島に平穏が訪れた。石化された娘達と他の先生が再会し、ガーゴルゴンに破壊された村の復興に勤しんだ。タクトとアランも復興の手伝いをする。

 

 

 

 

 

 

そして、タクトとアランが元の場所へ帰る時。

 

先生「お2人には感謝してもし切れません。本当にありがとうございました。」

 

タクト「俺達はただ人として当然の事をしただけだ。」

 

アラン「皆が死なずに済んで良かった。」

 

ケイト「また今度遊びに来てね。」

 

タクト「ああ。その時は俺の仲間達も連れて来るぜ。」

 

アラン「じゃあね皆。」

 

2人はそれぞれの神器の光を解放し、ウルトラマンティガとウルトラマントリガーに変身した。

 

ティガ「タァッ!」

 

トリガー「ダァッ!」

 

2人のウルトラマンが飛翔し、フェラント王国へ帰って行く。ケイト達は手を振った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1週間後。フェラント王国の港を眺めるタクトとアランの姿があった。

 

タクト「あれから皆、仲良くやってるだろうな?」

 

アラン「きっと楽しく学んでると思うよ。」

 

タクト「さて、そろそろ行くか。」

 

アラン「うん。」

 

2人は港を去って行った。島の平穏を取り戻し、娘達の命を救ったタクトとアランだった。

 

『THE END』




キャスト

タクト=クリスティ:萩谷慧悟

アラン:坂田将吾

ケイト:長谷川育美
レイラ:鷹村彩花
アリーダ:嶋野花
シルフィ:希水しお
ミーリュン:天希かのん
キリア:真中琴与
ルクア:栗坂南美
シェイル:田中奏多

娘達:難波佑香
   水谷麻鈴
   八木侑紀
   久地岡涼菜
   厚木那奈美

先生:牛田裕子
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