かっこいいと言われるのは嫌。なのに付き合った   作:月島柊

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shortage. 4 足りなかったもの

 それから1ヶ月、コンクールの日を迎えた。コンクール会場は自分が想像していたより大きかった。しかし、緊張はなかった。俺たちだったら、できる気がしていたから。

 

「先輩、あと1分ですよ」

「あぁ。金賞、取ろうな」

 

俺はももと約束した。

 

「秋人、頑張って」

 

楓が俺に言ってくれた。

 

「応援、頼むよ」

 

俺は楓に笑顔を見せて言った。

俺が学生として出る最後のコンクールだ。やってやろうじゃないか。

 

 

(コンクールの様子はいずれか投稿予定!お楽しみに!)

 

 

 「それでは、各校の成績を発表いたします。金賞の場合、銀賞と区別するため、『ゴールド金賞』と発表いたします」

 

いつものフレーズ。

2つ前の学校は、「銀賞」。1つ前の学校は、「金賞」。

そして、俺たちの順番が回ってきた。ついに発表となるのだ。今まで頑張ってきたんだから、できるはずだ!

 

「上町高校吹奏楽部……」

 

 

 

 

 

 

 記念撮影の時間だ。

俺たち3年生が下段となり、記念撮影が始まった。俺と楓は、生徒会長ということもあり、賞状を持って撮影することになった。

 

「もっと笑って!」

「笑えって言われても……」

 

こんな成績で、笑えるはずがない。

賞状の冒頭には、こんなことが書かれていた。

 

上町高校吹奏楽部 銅賞

 

告げられたときはかなりショックだった。銅賞なんて、賞の1番下だった。

 

「撮るよ!」

 

俺は作り笑顔をした。あぁ、最後が銅賞か。来年、ももたちは金賞を取ってきてくれるかな。

 

 俺は記念撮影が終わり、足早にバスに向かった。

 

「先輩」

 

ももがそこにいた。

 

「もも……」

 

俺はももに、最後の約束をした。

 

「来年のコンクール、絶対金賞とってこいよ」

「はい。取ってきます。それで、先輩に見せます」

「そうか。楽しみにしてるよ。金賞の賞状」

 

こんな感じで、俺の部活人生が終わるなんてな。思ってもいなかった。けど、俺の足りない物は見つかったかもしれない。

 

「もも、来年こそは、満点だよな」

「はい!満点超えます!」

 

足りない物は、案外近くにあったのかもしれない。

 

「足りなかったもの、代わりに取ってきてよ」

「思いの欠片、ですか」

「……あぁ。代わりに、ね」

 

欠片はももが取ってくれるだろう。思いが、俺には足りなかった。楓への思い、部活への思い、賞への思い。

これなどが俺には足りていなかった。

 

「いやぁ、疲れた」

「先輩、変わりましたね」

 

ももが唐突に言ったしかし、すぐに意味は分かった。

 

「変わったよ。かなり」

 

俺はももの頭を撫でて言った。

 

「今度はももが変わって」

「……はい!」

 

今まで以上に気があった。

 

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